サクラの守る街
朝倉宏景
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刊行日 2023/05/15 | 掲載終了日 2023/05/14
ハッシュタグ:#サクラの守る街 #NetGalleyJP
内容紹介
あなたはなにをまもりますか?
俺たち、「何も起きないように」世界をまもっています。
『あめつちのうた』で阪神園芸の神整備を描いた朝倉宏景が贈る、「世界を守る」最高のお仕事小説。
あなたは、なにをまもりますか?
ピストルは持てないし、現行犯以外は逮捕もできない「警備員」。
でも彼らは日々「何も起きないよう」世界をまもっている――。
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6年前、3億円盗難事件を引き起こし、信用が失墜したサクラ警備保障株式会社。
佐久良社長は経営立て直しの中過労で亡くなり、現在は息子の光輝と基輝が跡を継いでいる。
父は何を守ろうとしていたのだろうか。
そして、俺は何を守ればいいのだろうか。
答えの出せない弟の基輝は、人事部次長として面接をすると最後に「あなたはなにをまもりますか」と尋ねて回るようになった。
過去、刑務所に入りながらも父のコネを使って警備員となったある男がつぶやいたのは「プライド」。中学教師を引退後、交通整理の警備をしていた男が加齢に抗いながら鼻息荒く答えたのは「人間らしい生活」。万引きGメンだったときの失敗がトラウマとなっている女性が絞り出したのは「それでも、もちろん正義」。戦死した画家の絵にとらわれている小説家は、「そんなもん、ないです」とそっけなく、即答した。
それぞれが守り、護りたいものとはいったいなんなのか。
簡単にはでない答えです。
今、一瞬でも「自分だったら何だろう」と思ったそこのあなた、一緒に悩みましょう。
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おすすめコメント
◆◆ 編集担当者より ◆◆
「あなたは何を守りますか?」と問われたとき、
「自分だったら何を守ると答えるだろう」と思った方。簡単には出ない答えです。
小説を一緒に読みながら、一緒に考えてみませんか?
警備員という、なかなか光の当たりづらい職業は、いつも見落とされてきたのかもしれません。
でも、生活していたらほぼ毎日、彼らに出会っているはずなんです。
道路警備、施設警備、現金警備、そしてボディーガード。
彼らが日々何を守っているのか、覗いてみませんか?
著者の朝倉宏景さんは今年でデビュー10年になります。常に真摯な問いをたて、答えを探りながら物語を送り出してきました。本作はその集大成です。
何度も改稿をし、何度も迷いながら、朝倉さんと二人三脚でここまでやってきました。
きっと、心が動くはずです。どうかご堪能下さいませ。
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出版情報
ISBN | 9784065314562 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
閲覧オプション
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警備会社を舞台にしたヒューマンストーリー。
外部制作会社に出向していた関係で、いま勤務している民放とは別の公共放送局で「これが弊社のお宝映像」というシリーズの制作をしている。これはさまざまな企業に眠っている記録映像やPR映像を掘り起こしていく情報バラエティの人気シリーズだ。その初回でセコムを取り上げた。
セコムは日本のベンチャーのはしり。先日亡くなった飯田亮が仲間と作った企業で、東京オリンピックとテレビドラマ「ザ・ガードマン」をきっかけとして成長してきた。しかし発足したのはまだ「警備」など全く知られていない時代。「警察があるからそんなものは必要ない」となかなか社会には認めてもらえなかったらしい。
遠隔の警備システムをいち早く取り入れたのがセコムだ。さまざまなクライアントの遠隔警備を合理的安価で請負い、会社は成長した。そのシステムの説明用に作った劇画調のアニメを番組では紹介した。警備員が常駐しないでどうやって警備できるのかを説明する短編アニメは、当時としては画期的な営業ツールだった。
ほかにも警備に就く若者に「警備とは何か」を教える研修ビデオ、「警備」という仕事の社会的意義を世間にアピールするビデオ(これは「警備」という知られていない仕事に就こうとする若者の親に仕事の内容を知ってもらい安心してもらうという目的もあったようだ)、警備の仕事に就いている者のモチベーションを高めるための意識向上ドラマなど、「映像」を企業の成長ツールとして活用した画期的な会社であった。
この小説を読んで、真っ先に思い出したのが「セコム」のことだ。
担当していた「カンブリア宮殿」という番組でも以前に「セコム」を取り上げたことがある。飯田イズムを引き継ぎつつ、警備の幅を社会インフラから個人にまで広げ、さらには「身体の保護」としてメディカル分野に進出する様子を紹介した。ちなみにセコムは刑務所の運営までも手掛けている。
警備会社のキモは「人材」だ。この小説でも魔が刺した社員が起こした不祥事で傾いた過去のある企業が舞台になっている。そのあたり、非常によく取材している。
主人公も魅力的だ。早逝した父親の跡を継いだ兄と、あえて違う業界を選んだ弟。しかし弟はある時、思いを持って兄が社長を務める会社の人事に転職する。そこで出会う警備の仕事をする人たちの人間模様がこの小説となっている。ある者は道路警備をしていたり、個人の警備をしていたり、美術館の警備をしたり、中には万引きGメンもいる。それぞれがさまざまなな背景を持つ人物。それぞれの想いを持って仕事に就いている。そこもまた魅力的だ。
お仕事小説に面白い。特に確かな取材に裏打ちされたお仕事小説は絶品だ。
全く読んだことのない作家だが、過去作も読んでみたいと感じた。
まず、警備業務がこれ程多岐にわたっている事に驚いてしまいました。
現金輸送、個人警備、交通整理などなど…
街で良く見かける警備員さん。
その業務環境を全然知らなかったんだなぁ。
この本に登場する『まもる』人々。
それぞれの思いや葛藤、迷いつつもひたむきに進む姿に心を打たれました。
父の警備会社を継いだ兄弟は、それぞれの信じるところから衝突が耐えない。
弟はそんな兄に対して憤り、奔走する。
そんな弟は、社内て転機を迎えた従業員に問いかける。
あなたがまもりたいものはなにですか?
いきること、まもること、を考えさせられる作品です。
人生において、守りたいもの
一番大切なものは何かを
考えさせられる内容でした。
境遇も、年齢もバラバラな方たちの
家族愛や友情や兄弟愛、もちろん
ほんのり恋愛も!
人間ドラマ満載の一冊です!
大人の世界を垣間見るようなスタートを切るのですが6ページの「作文で書くんだろ?」で一気に小学生時代巻き戻されます。
一悶着の後、相手が自分をどう思っているのかが結局わからないものが日常です。
この小説の中では相手がどう思っているかをなかなか描写してくれません。
監視しているのではなくて認めているのじゃないのかなと読んだ場面も、仲が悪いのではなくて信頼しあって一歩引き合っているのではないのかなと読んだ場面もありました。
99ページにあった「自身の弱さや無知を自覚しないと、大事な何かを守ることは決してできない。
その過程は、もしかしたら、たくさんの大人たちが通る道なのかもしれないと思った。」と言うフレーズが刺さりました
読みながら胸が熱くなります。
警備会社といっても、正直仕事の仔細がよくわかっていなかったので、そういう意味でも読んでよかった。
サクラ警備保障株式会社を、父親から引き継いだ長男と、一緒に手伝っている次男。そして、この会社で働くいろんなトラウマや悩みを抱えている4人の警備員の物語。物語の中にたびたび出てくる「あなたは何を守りますか」というフレーズが印象的だった。