私雨邸の殺人に関する各人の視点
渡辺 優
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刊行日 2023/04/17 | 掲載終了日 2023/09/27
ハッシュタグ:#私雨邸の殺人に関する各人の視点 #NetGalleyJP
内容紹介
嵐で別荘に閉じ込められた訳ありの11人。
持ち主の資産家老人が密室で殺された。
事件を解決するはずの名探偵が……いない!
《サブ》
知念実希人氏が推薦!!
「誰が犯人? 誰が探偵?
クローズドサークルで起きる連続殺人の真相が、
メリーゴーラウンドのように移り変わる視点に炙り出されていく」
《説明》
たまたま館に集ったはずのメンバーに意外な関係性が。
それぞれの視点から語られる事実を統合すると犯人がわかる新感覚ミステリ-!
《著者プロフィール》
渡辺 優(わたなべ ゆう)
1987年宮城県生まれ。2015年に『ラメルノエリキサ』で第28回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
他の著作に『自由なサメと人間たちの夢』『アイドル 地下にうごめく星』『カラスは言った』などがある。本作は著者初の長編ミステリー小説。
出版社からの備考・コメント
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784575246230 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
ページ数 | 300 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
土砂に埋もれて通れない道、外部との通信手段が断たれた館、雨、そして招かれざる客人。
「クローズドミステリのお約束全部載せ」なミステリ小説。
この作品の面白いところは話がずっと一人称で進むところです。
しかも語り手はクルクルと変わっていきます。帯に書かれた「メリーゴーランド」という言葉がピッタリ。
こういうミステリは初めてだったので面白く読みました。
クローズドサークルなのに名探偵不在⁉というのがまず新鮮で良い。また、語り手が複数いて、いろいろな視点から読めるのがおもしろかった。犯人はその中にいるのかいないのか、いたらそれは信頼できない語り手で…?などと、いろいろ考えながら存分に楽しんで読んだ。要所での“X”の語りにも、とてもワクワクさせられた。最後に明らかになった杏花のキャラクターが気に入ったので、彼女の話をまた読んでみたいと思った。
密室殺人は不可能、殺人事件には名探偵がつきもの、その物語を語るワトソン役は必要だと思っていた。
クローズドサークルとなった山中の私雨邸に、様々な理由から残された11人。名探偵がいないそこで、密室殺人が起きる。そこに残された者達の各視点から交代で語られていくストーリー。その時の語り手が背負った過去がむき出しになり、定まった視点を保てない不連続/不安定。冷静な語り、のめり込んだ語り。冷めた語り、遺恨ある語り、怯える語り。語り手によって他の人の印象さえ変わる。それが読み手の困惑と不安を掻き立てる。
運命共同体として会話が増える反面、みな素人探偵気分となるのは当然か。そして人間関係が変わり、自分さえも無自覚に変わっていくのは、閉鎖環境である故か。更に殺人が続く中、各人バラバラの推理からの犯人当て、更にその潰し合いが続く。
そう、これは本来解決するはずのない事件。それが残された者たちによって如何に解決されたか。ぜひ読んで欲しい。
あるお屋敷でその主人が殺害された。
いろんな事情で集まっていた人たち。この中に犯人がいるのか。
それとも、ここにいない誰かが犯人?
その人たちの一人称で物語は進んでゆく。
犯人は一体誰?何が目的?ほかにも死者が出るのか?
誰もが犯人にも見えてきて、どんどん読み進む。
これであっけない終わり方だったら承知しないぞ、渡辺優さん、と思いながら読んだ。
そんなのは杞憂だった。
最後の最後までバチバチにおもしろかった。あっという間に読んでしまいますよ。
嵐で道が閉ざされた別荘。取り残されたのは持ち主の資産家老人とその孫たちとその他合計11人。よくあるクローズドサークル。そこで殺人が起こってしまうが頼りになりそうな探偵がいない!各人の視点から真相が明らかになっていくのですが、この各人がもう個性的過ぎて、こうなってくると誰が犯人でも驚かないくらい。犯人当てに挑戦する面々だが、最終的に名探偵ぶりを発揮するのはまさかの‥という展開。視点がクルクル変わるのが面白かった。個人的に二ノ宮の人格が受け入れられず嫌悪を引きずったまま読んでいくのがちょっと疲れました。
クローズドサークルミステリ好きなら、「私雨(わたくしあめ)」という珍しい苗字を含むタイトルと、田中寛崇さんの装画だけでも食指が動くこと間違いなしの作品です!
「嵐で別荘に閉じ込められた11人」「持ち主の老人は密室で殺された」ところが! 「事件を解決するはずの探偵が・・・いない!」と来ればもう読まない理由はありません。
タイトルに「各人の視点」とあるように、探偵役がころころ変わる=探偵がいない、という点が斬新です。
読者が探偵になるべくヒントが提示され続けますが、残念ながら私は探偵にはなれませんでした(泣)。
次はどんなクローズドサークルでどんな事件が起きるのか、楽しみにしています←不謹慎ですがフィクションなので許してください。
山奥の洋館、土砂崩れによるクローズドサークル、密室での殺人、ダイイングメッセージ…。
「犯人がわかりました。」と、登場人物が次々に推理を披露するものの、なかなか真相にたどり着かない。
クラシカルなミステリ要素もありながら、本音が駄々洩れの様子にクスッと笑ってしまう場面も多く、楽しめる作品です。
山奥の洋館、雨、土砂崩れ、外部との連絡が取れない。
クローズドサークルで起きた連続殺人事件。
語り手が変わりながら話は進んでいく。
そして「X」視点の語りが入ると、え??どうなってるの??
と振り返りたくなるけれど、残念ながら私の推理能力では想像もつかない展開でとても面白かったです。
名探偵不在で語り手が「犯人がわかりました」と謎解きを語るところもまた面白い。
昨年読んだ『カラスは言った』が面白くこちらをリクエストしましたが、今作も設定と謎解きが面白く今後も新作を追っていきたいです。
クローズドサークルで起きる連続殺人
犯人はこの中に?それとも、どこからか?
異常事態を恐怖よりも各々が推理を楽しむかのような展開。
それぞれの視点から語られる事実を読みながら、私もあの人では?と推理しては外れ…
「犯人はあなたですね!」って一度は皆言うてみたいはず!
事件に名探偵あり!!のパターンが覆される。
隔てられた環境で沸き起こる感情とそれぞれの過去、抱えている心情。
もう少し事件に関わった面々のこの先を読んでみたくなるような物語でした。
事件や各人の思惑に引きずられて全く推理できなかった。くやしい!!
視点がコロコロ変わるのはまるでドラマを見ているようでなかなか面白い。
今回の登場人物たち、また集まったりエピソード追加されたりしないかな?かなりのキャラの濃さで特に”彼”の危なっかしさの今後を見たい。
■証拠はどこに消えた? 一気読み必至の本格ミステリー
クローズドミステリーのお手本のような状況――土砂崩れによる外界と行き来する手段の途絶、破壊された通信機器、瀟洒な洋館で食料だけはたっぷり残っている――で、密室殺人事件!
そこに、新本格の見本のように、大学のミステリ研究会に所属する学生が!
ミステリ好きにはたまらない設定の中、第二の殺人までも……
視点が次々と移り変わることで各登場人物の頭の中と行動を多面的に捉えることができ、どの人物にも怪しい点があるようでないような……と翻弄され、久々に一気読みしました。
ミステリー好きな大学生、悪天候にけがをしてしまった人、そして雨目石家の面々。私雨邸にたまたま居合わせることになった人々がそこで起こる殺人事件に巻き込まれる。
タイトル通り各人の視点から事件が語られ、各々が推理に乗りだすのだが・・・あんたが謎を解くんかいっ!などんでんを楽しませていただきました。
王道なミステリーのストーリーで、密室と嵐のため閉ざされた館のなかでの連続殺人事件!
この物語の好きな点はやはり題名にもある「各人の視点」です。
登場する人たちが、親族以外にも多種多様で、みんな個性豊かなキャラクター。
感じ方や見ているところとか、本当にいろいろ個性的でユニーク、読みながら一緒に謎解きをしている感じがして、一気に読みました!
ありがとうございました!
「事件を解決するはずの名探偵が…いない!!」
え、クローズドサークルで名探偵がいないって、どうなるの??という疑問と好奇心に惹かれて読ませていただきました。
ある館に集まった人々。そして起こる殺人。名探偵はいないけれど、探偵役を名乗り出るのは、大学のミステリ文学サークルに所属するミステリ大好き二ノ宮くん。でもどうにも頼りない…。いかにも怪しい動きをする人、二ノ宮くんとは別に調査や考察を始めていく人…
緊迫した状況のはずなのに、みんなの正直な気持ちがダダ漏れていて思わず笑ってしまう。
特に推理お披露目の段になって、みんなが持論を語るけれど、どれも決定打にかける。迷走しまくり。こんなんで本当に解決できるの?とソワソワしながら、徹夜で読み切りました。
登場人物たちが個性的で、最終的にヤバいやつ選手権みたいな様相を呈してきて、目が離せなかった。
今までまともだと思っていた人が、最後の最後の独白で、一番ヤバいんじゃないか…と衝撃を受けた。
読者への挑戦もあり、ミステリ好きにはたまらない作品。
このミステリの面白さは“探偵役がいない”かつ“全員が探偵役である”という「各人からの視点」。
いろんな人からの視点でものが進みますので、最初は戸惑いますが、読み進めていくうちに気になくなります。
各視点からの情報と推察を読むことで読者は犯人へとたどり着くことができる……そういう作りになっています。
山奥にある名のある屋敷、そして嵐からのクローズドサークル。これぞミステリーという要素がたっぷりつまってます。探偵が不在であること、また立場の異なる3人の視点で物語が進むことが新鮮で面白かったです。ラストまでワクワクしながら読めました。
嵐の山荘、私雨邸に11人の男女が取り残された。そこで起きたのは資産家オーナーの密室での殺人。さあ、犯人は誰で何のために?これから連続殺人が起きるのか?…題名通り、視点はひとつではなく、A、B、Cの三人の視点で語られるのが巧妙。同じ事象が人により違って見えることもある。犯人はその中にいるのか、誰が犯人をあぶりだすのか…?神視点ともいえるXによる文がところどころに挟まるのもわくわくするし、後半は名探偵不在という状況ならではの多重解決も楽しい。登場人物みんな怪しい部分を持っているのにキャラがたっていて読みやすく、想像以上のラストの余韻もありとてもよかった。今後もぜひこういう本格物を書いてほしい。
語り手が全員信用できないところに魅力を感じる今までにないミステリだと感じました。
王様のブランチで特集されているのを見て、気になって手に取りましたが、のめり込むようにお話にハマっていきました。
外側から見えていることと登場人物の内なる気持ちがここまでズレるのかと思いながら、ラストの杏花には恐怖を感じながら読了しました。
誰が犯人なのか最後まで分からずハラハラしたのもそうですが、水野の麻薬の件や、杏花の一面に恐怖を感じたりしたところや見どころ要素たっぷりのミステリで万人が楽しめる作品ではないかと思いました。
語り手がくるくると代わり、その度に別解釈の犯人像が現れては否定され、トリックが思い付かれては否定されていく(ただしそれぞれの思惑の中で)
誰も彼もが怪しいし、めまぐるしく代わる視点とトンチキな展開に時にツッコミを入れながら腹を抱えて笑いながら読んだ。
不謹慎この上ないけれど、殺人事件が起きているのに俯瞰した読み手はずっと楽しませてもらってしまった。
芝居がかった探偵「役」と「犯人」のオチの回収も綺麗だった。
クローズドサークルで起きる密室殺人事件にダイイングメッセージの謎と古典本格ミステリの趣向がてんこ盛りに詰まったミステリ愛好家には堪らない魅惑の一冊です。被害者は当主の金持ちの老人で、家族達と招待客を含めた容疑者は10人です。著者は大学のミステリ同好会二人の内のA二ノ宮(男)、B雑誌編集者の牧(女)、C被害者の孫の梗介(男)の三人の視点による語りで進行し、時々X名でヒントをくれます。本書の特長は途中で素人探偵が登場して考えを述べる多重解決の趣向ですが、皆さんが自信満々に語る推理がことごとく的外れで自慢の鼻をへし折られるのが面白いですね。本書は密室やダイイングメッセージのトリックよりも、A・クリスティー流の心理の盲点を突いたフーダニットミステリの面白さが秀逸で私は完全に騙されて犯人にしてやられましたね。この容疑者の人数の多さで真実を見抜くのは相当に困難だと思いますね。著者は本書が初のミステリ作品だと言う事で、きっと今までに書いていないジャンルだったからこそ新鮮で手慣れていない良作が生まれたのだと思いますね。終盤では異常心理のサイコミステリの香りも漂う秀作を非常に満足して読み終えました。本書で作品の幅を広げた著者の今後のさらなる活躍をお祈りしますね。
よくあるクローズドサークルでの殺人事件ですが、タイトル通り名探偵は存在せず、各人の視点から物語が進んでいき、最後は数人の視点から犯人当てが試みられていく点が新鮮に感じられました。推理が外れていくところも面白かったです。犯行理由はまさに若者ならではという感じでしたが、犯人の推定される年齢を考えると、少し弱い気もしました。若者には違和感なく受け入れられそうですが。
人里離れた森の中の古いお屋敷で起こる殺人事件。殺されたのは資産家の老人。ミステリ作品のお手本のような舞台設定で事件に遭遇してしまった人々は、何を考え、どう動くのか。タイトルの通り語り手が次々と交代し、視点が変わる。その事によりそれぞれから与えられる情報も変わってくる。他の人をどう見ているのか、何を知っているのか。著者はミステリの形を使って人間の群像劇を描きたかったのではないかと思う。だって、現実では事件の起こる場所にそう都合よく名探偵なんていないんだから。探偵が不在の中たどり着く衝撃の結末まで面白く読んだ。
嵐の中、別荘に閉じ込められた11名。彼らがここにいるのは偶然なのか必然なのか。
そんな中、持ち主が密室の中で殺された。
密室、クローズドサークル、にわくわくするミステリーマニアの迷探偵。
そして、第二の殺人が。
登場人物それぞれの視点から語られる物語。そして傍観者Xの視点。
ミステリーの要素がてんこ盛りの作品です。
登場人物それぞれからの立場で考える事件の真相。同じ出来事を体験しているのに、出来事の受け止め方、感じ方はそれぞれ違うので辿り着く結果も違う。そこがとても面白い。そうして言い合っている様に夢中になっていたら……後半の展開、見事です。このミステリ、探偵がいないのに面白い。
ミステリファン大好物のクローズドサークル。そこで殺人事件が起きますが、明らかな探偵役が存在せず、複数の視点で物語が進みます。それぞれに他人を疑い、それぞれに事件を捜査する登場人物たち。確かに実際にこんな事件が起きたらこうなるかもな…というリアル感がありました。「犯人が誰なのか」だけでなく、「最終的に探偵役が誰なのか」という二重のフーダニットを味わえます。複数の視点という構成が事件解決に繋がり、更には物語のラストにも繋がっていて、技巧の効いたお見事な一冊でした。
嵐の中、別荘に閉じ込められた人々。そこで起こった密室殺人。
語り手が次々と変わるから、怪しいといえば全員怪しい気がするし、全員違うような気もしてきて頭の中が大混乱。一体誰が殺したの?動機は何?
この状況を喜んで楽しんでいる人物?それとも偶然居合わせたあの人?怪しくなさそうなあの人?考えれば考えるほどわからなくなった。
最後の最後まで気が抜けない物語。
曰く付きの館に集う11人。
館を所有する主と3人の孫
主の秘書1人と料理人1人
主がSNSで知り合い館へ招待した
ミステリー好きな大学生2人
館を取材しようとする1人
山で迷い救助してもらった2人
折しも雨の為、町へ通じる道が土砂崩れになりクローズドサークルが完成されてしまう。
クローズドサークルに憧れを持つ、ミステリー好きな大学生1人が嬉々としているさなか、本物の殺人が起る。
タイトルの通り各人がそれぞれの解釈で犯人を名指ししていく。
外との接触が絶たれると、ミステリー愛好家でなくとも推理はしますね、きっと。
一体、誰が犯人なのか?
読みながら一緒に推理する、ミステリーの醍醐味ですね。