黒蝶貝のピアス
砂村かいり
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刊行日 2023/04/19 | 掲載終了日 2023/05/31
ハッシュタグ:#黒蝶貝のピアス #NetGalleyJP
内容紹介
前職で人間関係につまずき、25歳を目前に再び就職活動をしていた環は、小さなデザイン会社の求人に惹かれるものがあり応募する。面接当日、そこにいた社長は、子どもの頃に見た地元のアイドルユニットで輝いていた、あの人だった――。
アイドルをやめ会社を起こした菜里子と、アイドル時代の彼女に憧れて芸能界を夢見ていた環。ふたりは不器用に、けれど真摯に向き合いながら、互いの過去やそれぞれを支えてくれる人々との関係性も見つめ直してゆく。年齢、立場、生まれ育った環境――全てを越えた先の物語。
出版社からの備考・コメント
・多くのレビューをお待ちしておりますが、物語の核心をつくような、所謂「ネタバレ」はお控えください。
・ネタバレ行為はネットギャリーのみならず、読書メーター、ブクログ、Twitter 等の多くの方が目にする場でも同様にお控えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
・本作は校了前の大切なゲラデータを著訳者よりご提供いただいた上で公開をしています。本作の刊行を楽しみにお待ちいただいている、多くの読者のためにも、ご理解、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
・多くのリクエストをお待ちしておりますが、過去のフィードバック状況やレビュー内容からリクエストをお断りする場合がございます。予めご了承ください。
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初回指定の締切は4/3(月)です。
TEL:03-3268-8231
FAX:03-3268-8230
mail:sales@tsogen.co.jp
※下記のフォームで初回指定数に入力が可能です。ご活用ください。
https://forms.office.com/r/p4ZdkRVfwR
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784488028916 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
ページ数 | 368 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
再就職先の社長は子どものころ憧れたあの人だった。
環が再就職したのはデザイン会社。その社長はかつてアイドルだった菜里子。
環は前職で人間関係につまずいたので、女性だけのデザイン会社の居心地の良さを感じるようになる。
環と菜里子の二人それぞれの視点で交互に語られ、双方の考え方や感じ方にも共感し、お互いの不器用な思いや言葉だからこそそこに人間的な魅力を感じとても心に刺さった。周囲の人々の優しさ、弱さや狡さを感じ二人の感じる思いがすとんすとんと胸に貯まっていく。その刺さった言葉や胸に貯まった言葉は昇華出来ず、蛹となり留まっている。私は今は蛹の時期、いつか羽化できる時を待とうと思う。
読んでいてこの本好きだなと何度も思った。
仕事にちょっと疲れたなという時、人間関係に疲れたときに読んだら元気をもらえそうな素敵な作品です。
幼い頃、地元のご当地アイドルのひとりに憧れて、自分も同じ立場になるべく頑張った主人公・環と、その元アイドルで、デザイン会社の社長となった菜里子。その菜里子の元へ、環はそれと知って面接に臨み採用されたことから物語は始まり、楽しい時間もありつつも、悲しいこと、苦しいこと、辛いことを乗り越えて、絆を深めていくふたりが辿り着いた答えは・・・という内容です。
「わかり合えなくても支え合おう。全然違うわたしたちだから。」という帯の惹句が全ての答えだと言ってしまえばそれまでですが、そこに辿り着くまでのプロセスにハラハラドキドキさせられました。特に、157ページで環の恋人・亨輔が環に言った言葉には、目からうろこが落ちる思いでした。この言葉は、学校や社会はもちろん、家庭でも役立つのではないでしょうか。
年齢や育った環境が違えば見えてくる景色が違うのは当然かもしれませんが、立場によって見え方が変わるということは忘れられがちだということを改めて感じました。菜里子の会社のもうひとりの社員・亜衣の言い分も分かるような気がします。もちろん、全面的に味方をするつもりはありませんし、「なぜちゃんと話をしなかったのか」と悔やまれるばかりですが、これも菜里子と亜衣の立場の違いから発生したことだと思うとやり切れません。
菜里子や環、亜衣、亨輔たちのその後が気になるので続編希望!という読者も多いのではないでしょうか。また、映像化にも向いていると思いますが、特に興味があるのは環が菜里子のために作成した動画だと思うのは私だけではないはずです(笑)。
元アイドルで現在はデザイン会社の社長である菜里子と、アイドル時代の菜里子に憧れて芸能界を目指していたが挫折した環。
環が就職したのは、菜里子の会社だった。
時を経て二人を結びつけたのは、いかにも運命的だが、実のところは環が菜里子に対して強い憧れの気持ちを持ち続け、近づきたいと願った結果である。
環が菜里子を慕うという一方通行だった関係が、様々な出来事(楽しいこともあり、辛いこともあり)を経て、双方向の信頼関係に変わっていく様は、読んでいて胸が熱くなる。
戦うべき相手が完全な悪ではなく、でも立ち向かわなければならない。そんな感情を振り切れない時も、1人より2人の方が心強い。お互いを必要とし、気遣いあって、距離を縮めていく2人の関係が、とても尊く愛おしい。
「2人なら大丈夫」
そう思える彼女たち一人ひとりの強さとひたむきさに、希望をもらった。
一言一言丁寧に描かれた仕草と心情が積み重なり、細やかな世界を創っていく。
ご当地アイドルを辞めてイラストレーターとなった社長の菜里子と、彼女に憧れアイドルを目指したが夢敗れた社員の環。必死だった2人の過去と今が交互に語られる様子に、生きる事が真っ直ぐな道でないことを実感した。
そのイラスト会社で、互いに過去を隠しつつ、助け合うがすれ違う、読んでいて虚しさが込み上げる日々。でもかつて、渡し、渡された黒蝶貝のピアスが、その繋がりを2人に気づかせることになるとは。
しかし、過去からと現在からの急転直下に打ちのめされる菜里子。それを環がこんな形で手を差し伸べるとは。世代と時間を超えて思いが伝わり、二人とも前に進み始める時は、読んでいて言葉もなかった。そして20年かけて黒蝶貝のピアスが一回りしてくるとは、それだけでも奇蹟なのに、それが更なる未来を産むことになるとは。
この繋がりに、心からの祝福を。
子供の頃からの夢を追いかけ、どこかで諦めてしまう気持ち。夢に真剣に向き合っていたからこそ感じる胸の痛み。器用そうに見えて不器用な菜里子の複雑な心境が読みながらこちらに響いてきました。必死に夢を追いかけたことがある人、何故か毎日が上手くいかないなと疲れてしまった人、きっとこの本を読んだら明日ももう少し頑張ってみようと励まされるような一冊だと思います。
環と菜里子を主軸に進んでいく物語。
私が1番印象に残ったのが、
"一生スマホを使えなくなって、その代わりにアフリカの子どもひとりの命を救えるとしたら、どうする?"
という問いかけ。
「救う」と即答出来る人は、現代に何人いるんだろう。
環の恋人の返答に「なるほど」と思わされたし、こういう人とならこの先何があっても強く生きていけそうだなと思った。
アイドルだった過去を隠し、今ではイラストレーターとして仕事が軌道にのった菜里子。
菜里子の会社で働く亜衣と環。
菜里子の恋人の船橋や、高校時代の同級生、アイドルグループのメンバーなどそれぞれの人生が重なり合い、離れて行く。
菜里子、玉木のそれぞれの親との関係、恋人との関係、亜衣の裏切りなど、人が人とかかわることにより波紋ができ、崩れ、凪いでいく。
同僚、上司、部下。
仲が良かったけれどしばらく会っていない大学の友達、学内では一緒だったけれどそれ以外では会わなかった友達。
気まずくなった高校の同級生、かつて一緒にステージに立った仲間。
かつて憧れたアイドル。かつて憧れのまなざしを向けてきた少女。
元ローカルアイドル・アゲハだったイラストレーター・菜里子。アゲハに憧れアイドルを目指していたことのある環。環が菜里子の会社に就職することで「再会」した二人と、それを取り巻く女性達との関係性が丁寧に描かれた作品だ。
ただただ明るいものとはいえない。でも、暗いだけのものではない。
断ち切ってしまいたくなる瞬間もあった。でも、やっぱり繋がっている。
女性の人生にはいくつもの選択と分岐点があって、かつて同じ場所にいた者たちが遠く離れてしまうこともあって、でもきっと、また繋がったり、離れても繋がりを感じたりするのだ。
アイドルを夢見ていた幼い頃、地元のイベントで貰った「黒蝶貝のピアス」。まさかあのときのアイドルが自分の上司になるなんて、、、。無理やりやらされてたアイドル時代、ちょうど手放したかった「黒蝶貝のピアス」。新しく雇った子の耳たぶにあるのは偶然だろうか、、、。
環と菜里子、年齢や立場は違えど似た過去を持つ2人は、恋人や友人関係に悩みながらも仕事をこなしていくが、ある困難に直面する。
読み終えるのが寂しいくらいの、爽やかな読了感。環の行動力がうらやましく思った。
アイドルを辞めデザイン会社を経営する菜里子と、菜里子に憧れアイドルを目指していた環。
ふたりの交互の視点で進む物語です。
華やかに生きてきたように見えても過去にトラウマを抱えていたり、子どもの頃からのコンプレックスをなかなか解消できずにいたり、言葉の呪縛に苦しめられていたり、表面を見ているだけでは分からない本人なりの苦しみがたくさんあるのだと思う。
菜里子と環が年齢も立場も越えて、楽しいことだけではなく辛いことも一緒に乗り越えて、お互いに支え合っていく過程がとても良かった。
ーアイドルになりたかった
ーアイドルになったけれど
20代、ちょっと世間知らずの環は就活の末にフリーイラストレーター・NARIの小さな事務所で働くことになる。以前のセクハラにあった職場とは違うこじんまりとしているけどオシャレなオフィス、てきぱきと働く優しい先輩、そしてなんといってもNARIは環の憧れのあの人かもしれないー。
冒頭は22時台のドラマのようなふわふわっとした感じ、だんだんとそれぞれの人生の隠していた感情や気づいてしまったことがぽろぽろと露になる。
結婚があくまで人生の過程の1つの出来事として描かれているのが印象的でした。
良い成長物語、シスターフッドでした。面白かったです。22時台のドラマのようだと書きましたが映像化したら働く女子の心を掴めそうな作品だと感じました。
人間関係に躓いて人との関わりに臆病になること、多くの人が人知れず経験しているんじゃないかと感じます。
それでも人と関わり、理解したいし理解されたい…、そんな想いを心に秘めている私達。
主人公たちの心の動きが丁寧に描かれていて、ものすごく生き生きと伝わってきました。
どんどん前向きになる彼女たちに私も元気をもらいました!
ありがとうございました!
25才で転職してきた環の目線と、その雇用主・菜里子の目線で描かれる物語。
いや、すごく面白かった!
上司になったばかりの立場。
そして、部下から見た上司。
社会人になると経験する人間関係に共感しまくり。
特に菜里子の仕事の悩みはわかるなあ。
制作活動だけしていたいのに、仕事になるとそうはいかない。
部下の仕事も細かく見てあげないと大変なことに…。
仕事の関係の他にも、恋愛関係、親子関係、友人関係など、いろんな人間関係について、考えさせられた。
アイドルの活動についても、こんな感じなんだ、と驚く。
『アパートたまゆら』が好きだったので、今回は、きゅんきゅんはないのかなあ、クソ男が出てくるだけかなあ、と思ったらやっぱりありました。
もう、終盤はニヤニヤしながら読んでしまった。
しかも彼の職業が明らかに私と同業でかなり嬉しかった!この作品が映像化の際はぜひぜひお声がけを~💐🙏
私は『アパートたまゆら』よりも好きな作品でした。
設定が面白いですね。
再就職した会社の社長は子どものころ憧れたアイドルだった。
前職で人間関係につまずいたという過去がある。
女性だけのデザイン会社というのもいいですね。
読後感がとてもいいし、この世界にずっといたいという感じがしますね。
元アイドルを封印した菜里子とアイドルになれなかった環が社長と社員として出会う。イラストレーターの菜里子が経営するデザイン会社に、中途で入社してきた環は密かに菜里子への憧れを抱いている。仕事、恋、経営者、部下、人間関係の絡みと複雑さは誰をも悩ませるものだ。菜里子と環の関わりを丁寧になぞる描写は、人が心を近づけ、開いていく時間の重みを感じさせられた。仕事とプライベートのバランスは、人生の課題。重なる裏切りを消化するには時間がいる。黒蝶貝のピアスが繋いだ菜里子と環の縁を確と結んで、ふたりの歩みが始まる。
元アイドルの奈理子とそれに憧れてアイドルを目指していた環。今はデザイナー会社の社長と部下。点と点が混じり合い偶然か必然か交じり合うふたり。
親やメンバー、エージェントとの関係。
若かった頃と経験値を重ねて周囲が見えるようになった今。
好きだけじゃやっていけないことや現実のしがらみ、友人たちや周りの言動や立場に傷付いたり焦ったり自分と比べてしまったり。共感する方も多いと思う。
環の恋人の言葉に私も救われる。
環が作った動画も見たくてたまらない!!
砂村さんはキュンとする作品が多い。
今回はお仕事小説だから無さそうだな、と思いつつ。やっぱり気持ちを揺り動かされるシーンがあってギュンとなった。これからも追いかけたい作者さんです。
流行りのシスターフッド的なストーリーと思いながら読み始めましたが、お仕事小説でもあり最後まで飽きさせない展開で、とても面白かったです。目立つわけではないけど、環の彼氏のような人が、上司や友達だったら、うらやましいな。
就職活動をしている環が、昔憧れていたご当地アイドルが、イラストレーターとして開いている事務所に、ファンであった事、アイドルをしていた過去を知らないふりをして就職する所から始まる。なんとなく自信のなさそうな環と、元アイドルのどこか謎めいた菜里子、そしてそこで働く亜衣。不穏な予感を抱えて読むうちに、大波乱が、これでもかというように次々に起きる。信用していた人に裏切られたり、大丈夫かと思っていた人が実は味方だったり。そんな中で、環と菜里子の関係性も徐々に変わっていく。そこにコロナ禍も加わり、最後まで息もつかせぬ展開のストーリーだった。登場人物の成長物語という感じもして、読後感は、とても爽やかだった。
こんなに読むのに時間がかかった作品はなかった
なぜ読めないのか、進まないのかわからない
文章も特に読めないということはないが、とにかく進まない
お話自身は女子校にいるみたいやなぁとなんとなく思った
敬愛するお姉様、自分というものに悩む先輩、好きだけど、先輩の大雑把なところにイラつき、自分がやってることに気づかない先輩に対し拗ねる
ように思えてしまった
最後は前に進む!いい感じに終わったけれど、女子校!の印象は私の中で大きく残った
ちなみに私は6年間女子校笑
端から見るとキラキラと輝いているような登場人物たちは、コンプレックスを抱えながら生きている。ジェンダーバイアスやルッキズム、自分のものさしでははかりきれない多様な人間関係のこと。女であるために見くびられること。女であることを搾取されること。傷つけられ、心折れながら、ラストへ向かう展開がお見事。タイトルの仕掛けがお洒落ででラストに効いてくる再生の物語だ。
高校生でアイドルユニットの一員として活動した菜里子と幼い頃からアイドルに憧れて地元ライブで彼女を見に行った環の二人が成長して小さなデザイン会社の社長と新入社員の立場で再会する波乱に満ちたお仕事+人生を描いたダブル・ヒロイン小説です。菜里子はアイドルの過去を封印し、環は確信しながらも遠慮して言わない、ぎくしゃくした関係で最初は空回りなのが徐々に歯車が回り出し好機到来となりますが、薔薇色だけの甘い物語ではなく著者は終盤二人に予想外の悪夢の試練を与えるのです。上司と部下、親と子、恋人達と友人同士の関係について、本書は読者に人生の気付きと学びをもたらしてくれます。人生は挫折しても苦い経験から学んでもう一度やり直し過ちを修正して盛り返す事ができる。本書はまだ人生経験の豊富でない方々に進むべき道を示し勇気づけてくれる小説だと思います。
職場・家族・恋人・友人との人間関係を繊細に描いた物語。最初は、2人(菜里子と環)の間に透明のアクリル板があるかのような距離感。そこから、年齢や立場を越えて徐々に距離が近くなっていく過程に惹きつけられました。それと同時に、亨輔の”人柄の良さが伝わってくる言動”や、”駆け引きも含みも当てつけもなく、どこまでも透明な湖のように愛する姿”に、心が浄化されました。
偶像化されたアイドルが存在する芸能界という特異な世界から、平常な世界で地に足をつけて頑張る二人の女性、このギャップのある設定にグイグイ引き込まれました。憧れのアイドルを意識しながらも平常モードでお仕事に奮闘する環、気にはなるけど、それをきちっと抑えたちゃんとした大人の女性として、そして感じのいい恋人もいたので、自然と応援できました。ストーカー気質があったら、また違う物語になっていますね笑 白蝶貝がメジャーでしたのでよく知りませんでしたが、黒だとグッと大人の雰囲気で、社会で戦う大人の女性の小説を際立たせるいいスパイスになっていました。
地下も含めると、日本に「アイドル」と名のつく人の数は「線」の単位を超えて「万」の単位でいることだろう。そしてそのほとんどが路半ばで挫折して業界を去っていく。なので問題となるのは、元アイドルのセカンドキャリアだ。
この作品で元アイドルがデザイン会社を起こしているという設定はすごくリアル。そして主人公は、かつてそのアイドルに憧れ、自身もアイドルを目指そうとしていた。
背景にSNSがあり、そして時代がコロナになっていくというあたりもまたリアル。
ただコロナが登場すると、途端に物語のトーンが変わってしまう。まだコロナは終わっていないし、なんならまた流行を迎えているという現実が物語を変質させているようだ。
今回はいつもより恋愛要素少なめだったなー🙄
これはこれで読みやすくて好きだったけど、
ちょっと恋愛物を期待していただけに、物足りなさも😭
ラストで環の恋愛に色々あったから
少し満たされた感が😙笑
ただ、恋愛面ではなく仕事面や家族に対する気持ちには
色々共感できるところがあったな♩*。
色んな立場での言い分、響いたものもちらほら…。
育てる側、育てられる側。
雇う側、雇われる側。
愛する側、愛される側。
色んな気持ちが細かく書かれていて、なんとなく分かる気持ちもあって、入り込めた😌
「なんでもコスパで考えちゃうのって現代人の悪い癖だよ。そんなんだから文化が衰退するんだよ」
その通りだ、わたしもそう思います。
そしてタイパも。
でもあらゆることでお金稼ぎしないとならないくらい家計が苦しいのですよね、みんな。
2組の恋愛模様と、同性間での「憧れ」「親しみ」が色鮮やかな小説です。
今後もとても楽しみな作家さんだと思います!