ちかてつ　もぐらごう

これは、もぐらさんたちの運営している、地下鉄のお話です。土の下には色々なものがあります。色々な野菜の値を伸ばしており、地上で取ったら騒動になるでしょうが、地下からは取り放題。化石だって埋まっています。アリの巣の迷路だってありますし、温泉もあるのです。ねっこパークは、最初どうして、土の下と猫が関係あるのかと思いましたが、すぐ「ああだじゃれね」と気が付きました。モグラさんのキャラを前面に出した「もぐもぐべんとう」、とてもかわいいので、実際にあったら子供たちが喜びそうです。

大森裕子さんの絵が楽しい。描き込みを見ていくと、いくつもくすりと笑える部分があります！もぐら号の土の下のスタンプラリーは、ちょっとした冒険気分で楽しめる。地中の成り立ちもそれとなくわかる構成だし、普段見えない土の中は案外ワンダーランド。もぐら号の車内の設えは昭和の味わいで座席なんかわたしにはとても懐かしいもの。
スタンプラリーのポイントごとにたくさんの見どころ！もぐらさんたちの大胆かつ繊細なおもてなしのあれこれが最高です。

鉄道の本って動いているのと止まっているのでメリハリがあってリズムのある本。
このもぐら号だって目的があるから途中で止まり、そのところどころの特徴で楽しむ。
最終的な目的地に向かう電車の旅の要素を詰め込んで作られている本。

ゆっくり眺める場所や、みんなとたのしんで収穫したり、収穫の成果へとつながったり、
列車の種類もあったりスピード要素もある。と、私は勝手に展開しているが、
古風で優しい鉄道旅を親子で楽しむ本になってほしいなという願いがある本だと思います。

モグラというあまり馴染みのない生き物がたくさんでてくるのですが、地下にはたくさん駅がありまるで遊園地！

身近なものがあった驚く発想で描かれているので最後まで飽きさせません。
最後の方のページでがんばるモグラ号の表情がとってもキュートで思わずふふっと笑ってしまいました。