絶滅したオオカミの謎を探る ―復活への序章―

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刊行日 2022/07/05 | 掲載終了日 2023/04/30
PUBFUN(パブファン) | 狼と森の研究所

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内容紹介

本作品は、〈ネクパブPODアワード2023〉優秀賞受賞作品です。

【内容紹介】
本書はかつて日本列島に生息し、明治時代に絶滅したオオカミの本当の姿を明らかにしようとしています。第一部はオオカミに対する偏見、心の中に染みついたイメージはどこからくるのか、第二部はオオカミの実際の姿を理解するため、姿かたちだけでなく行動様式と生態系内での役割を知ろうとしています。そして第三部でその理解に至る生物学、生態学の歴史を欧米と日本の生物学・生態学の歴史の比較としてとらえます。第四部は過去に記録された日本人とオオカミの不幸な事故について検証し、第五部では日本列島にどのくらいのオオカミが生息できるのかを推定しました。そしてオオカミがいなくなった日本の森に何が起きたのかを検証し、オオカミの役割について解き明かしています。
オオカミ不在の生態系が引き起こす社会問題を入口に、オオカミと生態系を考えていくと、現在起きているシカ問題をオオカミ問題としてとらえたことで、オオカミの生態系での役割、人間との関わり、社会の中の位置づけ、歴史、おとぎ話や伝承の中での姿などなど様々な側面が見えてきます。
日本ではオオカミといえば「まだ生き残っている派」「歴史ミステリー派」、「狼信仰と民俗学的オオカミ派」など、いずれも伝承、伝聞、残された記録を手掛かりにアプローチする人たちが多くいます。しかしオオカミとは何者かの知識のない人たちの情報や、分類のための探求もされていない時代の記録を探したところで得られる姿が正確であるはずもありません。そのためオオカミの姿はますますぼやけて「幻」になっていったのです。
現在の米国ではオオカミといえばキーストーン種だという評価を得ている科学的な姿です。現代の科学は真の姿を伝えていますが、日本の科学者たちがそれを知ろうともせず、おとぎ話で刷り込まれた偏見のままに語るのは驚きです。
日本では中大型野生動物研究のフィールドワークが開始される前にオオカミがいなくなってしまったため、生物学におけるオオカミの、世界との情報格差は開く一方です。オオカミという実体をもった動物の姿を知ればシカ問題の解決策としてのオオカミ復活への道筋も見えてくるにちがいありません。

第一部 オオカミの虚像
一章 オオカミはなぜ人喰いなのか~物語の力
二章 オオカミは「大神」?それとも「害獣」?

第二部 オオカミの実像
三章 オオカミとは、何者?
四章 オオカミはなぜ絶滅したか
五章 オオカミの帰還

第三部 オオカミの科学
六章 オオカミの発見~アメリカの研究史
七章 日本の生態学の歴史とオオカミ
八章 オオカミとイヌの違い

第四部 ニホンオオカミの謎
九章 「幻の」ニホンオオカミ
十章 江戸時代のオオカミ事件
十一章 事件の背景にある社会
十二章 ヤマイヌ考~ヤマイヌ=オオカミという常識を疑う
十三章 諏訪狼事件はどのような社会で起きたのか

第五部 オオカミを頂点に
十四章 日本にオオカミはどのくらい生息できるのだろうか
十五章 現在の日本列島―捕食者のいない自然
終章 特別な種オオカミ~オオカミが食物連鎖の頂点にいた

【著者紹介】
狼と森の研究所
日本の自然とオオカミの関係を探求し、オオカミという動物が、自然生態系にとってどのような意味をもつ存在であるか、どんな役割を果たすのか、「世界のいま」を含め科学的に正しい情報を普及することを目的に活動している任意団体です。

朝倉 裕
狼と森の研究所主宰
早稲田大学商学部卒
著書「オオカミと森の教科書」(雷鳥社)2014
訳書「ウルフ・ウォーズ」(白水社)2015

南部成美
東北大学文学部社会学科(心理学専攻)卒
東京農工大学大学院農学研究科修了。修士(農学)
訳書「オオカミ 迫害から復権へ」(白水社)2014
訳書「ウルフ・ウォーズ」(白水社)2015
日本でのオオカミ教育の実践が評価されインターナショナル・ウルフセンター(米ミネソタ)よりWHO SPEAKS FOR WOLF AWARD2018受賞

【出版にまつわるエピソード】
2018年からメールマガジンで書き続けてきた内容を一冊の本にまとめましたが、内容を構成し推敲するのに長い時間がかかりました。また新たに調べ直さなければならないことも多く、本を書くことでさらに知識の幅が広がった気がします。
そうするとまだまだ知りたいことや書きたいことが増えてきています。日本だけでなくアメリカの情報もヨーロッパの情報も集めはじめ、次の本の主題も決まりました。
アメリカもヨーロッパの諸国もオオカミを自然界の重要な、必要不可欠の存在と考えるだけでなく、政策として保護し増やそうとしています。次はヨーロッパの野生動物政策を調べて出版する意欲をかき立てられています。

本作品は、〈ネクパブPODアワード2023〉優秀賞受賞作品です。

【内容紹介】
本書はかつて日本列島に生息し、明治時代に絶滅したオオカミの本当の姿を明らかにしようとしています。第一部はオオカミに対する偏見、心の中に染みついたイメージはどこからくるのか、第二部はオオカミの実際の姿を理解するため、姿かたちだけでなく行動様式と生態系内での役割を知ろうとしています。そして第三部でその理解に至る生物学、生態学の...


販促プラン

出版情報のISBNは管理用コードです。
作品のISBN:978-4991265907

本作品はamazonPOD限定販売です。
ご購入はこちら:https://www.amazon.co.jp/gp/product/4991265908

出版情報のISBNは管理用コードです。
作品のISBN:978-4991265907

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出版情報

ISBN NXPAP00012513
本体価格 ¥2,460 (JPY)
ページ数 229

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NetGalley会員レビュー

2人の著者によるオオカミの研究成果をまとめた本。導入部では赤ずきんちゃんなどのエピソードも交え、オオカミに興味を持ってもらえるように工夫されている。文章も読みやすい。また、未来の自然界についても考えさせられた。

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鹿による獣害対策の切り札として、オオカミを再導入するという大胆な提言が書かれた本です。
オオカミの生態から絶滅の経緯、民間伝承に至るまで、多角的な視点からオオカミ復活の可能性が考察されています。イエローストーン国立公園での成功例に説得力があり、オオカミの経済効果が一兆円を超えるという評価があったというのも魅力的です。日本でも生態系に大きな被害が出ている地域で試験的に導入してみる価値はあるのではないかと思いました。
以前住んでいた町が山に近く、観光名所のアジサイの食害、電柵にかかる費用、列車衝突によるダイヤの乱れ、ジビエを出す店など、鹿の話題には事欠かない地域だったので、本書の内容は他人事だとは思えませんでした。家畜への被害や感染症の懸念から慎重に検討されるべき事案ではありますが、今後の議論が進むことを期待したいです。

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オオカミについての生物学、生態学の本というよりも、「オオカミがなぜ悪者扱いされてきたのか」の歴史を解きほぐすことにより、オオカミを頂点とした生態系の重要性に関する人々の誤った認識を正すために書かれた本と言えます。

驚いたのは、過去に読んだ『ネバー・クライ・ウルフ』がフィクションであったこと、日本各地の博物館に展示されているニホンオオカミの剥製がニホンオオカミではない、ということです。
日本にいたオオカミは剥製よりも大型で、『ネバー・クライ・ウルフ』が語っていたネズミをエサにしていたのではなく、シカやイノシシをエサにしていたという事実は、この本を読むまで知らなかったことでした。

また、日本の生態学がアメリカなどの生態学に比べて、ニホンオオカミが絶滅したことに関係して、非常に遅れていることに驚くと同時に、まずは日本の生物学者が時代遅れの先入観を捨てて、最新の科学的事実を受け入れ、日本国民の認識を改めるようにすべきだと感じました。
この本を読み、ニホンオオカミが絶滅したことが非常に残念であり、現在のシカやイノシシによる農業への被害に対する対策として、アメリカのイエローストーン国立公園と同様にハイイロオオカミを日本に再導入するのが最善の策ではないかと思います。

この本に関連し、日本政府による生態系の保護は、世界的な趨勢から遅れており、SDGs に関する2つの国際条約を守ることが重要ではないでしょうか?
沖縄の世界遺産登録において、島独自の在来種の保護よりも生態系の保護こそ優先すべきことを登録機関から指摘されているにもかかわらず、実際に行っていることは観光業振興のための自然破壊とイエネコの駆除に終始しているのは、生態系や固有種を保護するため、というよりも、世界遺産登録による観光客の集客がもたらす地域振興であり、それに群がる御用学者、官僚、土建および観光業の業者という利権集団による利権問題としか思えません。
金沢大学国際基幹教育院准教授の井出 明は、東洋経済 ONLINEにおいて、「日本では「世界遺産=観光地」として見る人が多いが、本来、世界遺産とは開発や消費による傷みから当該遺産を守ろうとするところに眼目があり、実際には観光利用の自由度は実はかなり制限されるものであり、「保護」こそが制度の目的の中核をなしているはずである」という指摘をしており、これまでの日本政府による世界遺産登録の問題点を明らかにしていると思います。

また、COP10 において締結された「愛知・名古屋宣言」では、都市化が進むことで生物多様性が損なわれ、異常気象や感染症の流行などが起こりやすくなっている問題点を指摘し、都市計画などで環境整備の最前線に立つ自治体が率先して行動することで、都市だけでなく森林なども含めた地球規模での生物多様性の保護に貢献するという指針をまとめています。
そして、COP10 に続く「生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)」では、各国に対し現在の生態系の70%を保護するように求める方向で調整が進んでいます。
にもかかわらず、日本においては、神宮外苑の3,000本の樹の伐採計画が進められているなど、各地で生態系の破壊が「開発」の名の下に進行していますが、これは日本が締結した「生物多様性条約」に違反する行為であり、少なくなった日本の自然や生物を保護する気があるのか疑わしいと感じます。

大戦後すぐに日本政府が日本全国で進めた針葉樹の植林により、日本の自然林(天然林)の多くが破壊され、破壊された針葉樹の森は管理が進まず、土砂崩れなどの被害をもたらし、スギ花粉による花粉症を増やし、生態系を破壊したままの状態にしています。
また、オオカミを駆除したために、森にイノシシやシカが増えすぎ、農産物に被害を与えると同時に、シカなどが日本の野生の植物を絶滅させる危険もあります。
今、日本の山林の生態系を守るためには、針葉樹の代わりに本来の広葉樹に植え替えると同時に、シカやイノシシの個体数を削減し安定させるために、ハイイロオオカミの再導入を検討すべきだと思います。

「おわりに」に書かれているマッカロー氏の「大切なのは若い人たちへの教育」という言葉のように、頭の固くなった年長者ではなく、多くの若者にこの本を読み、日本のみならず、世界の生態系保護について学んでほしいと思います。

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考え込んでしまった。
というのも、私自身がかつて、あれは何だったんだろうと思う動物を大分から熊本に向かう山道で見かけたことがあるからだ。
二匹の、狐でも狸でも犬でもない、犬によく似た動物だった。瞬間、狼?と思った。まだまだ野犬も多かった頃ではある。
筆者はオオカミ導入を論じている。
でも。
自然界を侮ってはいないだろうか。
知っていることと知らないこととを比べたとき、山には知らないことのほうがずっと多い。山が身近な人間ほどそれをよく知っている。
筆者の論拠には、イエローストーンが多く用いられている。その論拠の偏りに危惧を感じた。
でも、考えを深めることができて、面白い。

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狼が絶滅した今の日本。
エゾシカと出会うのが日常的な光景になっている自然豊な地域に住んでいるので、興味深かったです。
歴史からひもといていく、丁寧な探究心があっぱれでした。
この問題に関する、熱い情熱を感じました。

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近年イノシシやシカなどの野生動物が人間の生息域に出てきているのがテレビのニュースでよく報道されている。実際私の実家も、敷地をイノシシに掘り返されたことがある。すぐ傍に常時人が住んでいる家があるにも拘らずだ。しかし昔はこのようなことは無かったし、イノシシやシカなどを目撃したこともない。確実に野生動物が人間のテリトリーに進出しているのだ。農作物の被害や、森林の食害も無視できなくなってきている。そしてこのような動物の生息数を調整していたのが、オオカミという食物連鎖のトップに位置する動物である。しかし、日本ではオオカミは絶滅したとされている。本書は、オオカミの生態、犬との違いなどを説明したものである。
 しかし犬とオオカミの区別はつきにくい。一般にはヤマイヌはニホンオオカミの別名だとされているが、著者はこれに疑問を呈し、江戸時代の記録にあるオオカミの被害は実は野犬によるものではないかとしている。これにあの生類憐みの令が関わっているというのは興味深い。
 今でも時折、ニホンオオカミを目撃したとか、遠吠えを聞いたという話が出てくる。実は絶滅しておらず、どこかに生息していたらいいなと思うのは、私のノスタルジーなのだろうか。

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かつて日本に生息していたが、絶滅したオオカミ。
そのオオカミが果たしていた役割が語られている。
多くの文献から日本におけるオオカミの実像に迫っている。

私は年に何度かニホンオオカミが最後に目撃されたという東吉野村に行き、あの山深い森を見てオオカミはまだいるのかもと思いを馳せることがあります。
そのためこの本でのオオカミがなぜ絶滅したか、オオカミが果たしていた役割とはという項目はとても興味深く読みました。
とても気になる箇所が2ヶ所ありました。5頁、114頁にニホンオオカミの死体が取引されたのは「奈良県吉野村」となっています。55頁では「奈良県東吉野村」と正しい記載になっているので先の2ヶ所が誤植でしょうか。
有名なイエローストーン国立公園にオオカミを再導入した具体的な事例を通し、オオカミを再導入し生態系を取り戻したいという思いは伝わりました。

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人間も、どの他の動物も生きていくために目の前の事に関心が注がれがちです。
地球規模の関連性などを考えて生きるということは難しいことかもしれません。
そういう広い視野で物事を考えるのが学問や研究ということなのでしょう。
本書は朝倉氏と南部氏が2017年に設立した「狼と森の研究所」での活動をまとめたものだそうです。
オオカミと生態系に関する正確な情報を伝えたいと、海外のレポートを翻訳したり、オオカミ関連の書籍や番組などを発信しています。
本書では現在、オオカミはどのような動物なのかから始まり、
世界と日本の研究、オオカミを取り巻く環境などをわかりやすく紹介しています。
日本にもオオカミがいたとは聞いたことがありますが、どうしていなくなったのか知りませんでした。
各地で起きているさまざまな鳥獣による被害のニュースに触れることがありますが、
長い年月をかけて絶妙なバランスで成立していた食物連鎖のバランスが崩れてしまったが故に起きているのですね。
海外でオオカミを呼び戻したことで生態系のバランスが元に戻った例もあるようです。
海外のことで日本に暮らす私には関係ない話ではないんですね。
本書が、オオカミについて…また多様な生き物と一緒に生きていくことを多くの人と考えるきっかけになることを期待します。

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かつて日本列島に広く生息したオオカミが、なぜ明治時代に絶滅したのか、本当のオオカミの姿や生態の謎を第1部から第5部まで詳細に検証されていた。アメリカのオオカミとの比較は姿、形だけでなく生態系の中での役割などにも触れていた。オオカミは増えそうになるシカやイノシシを捕獲し、山の生態系のバランスをとる要だった。しかし人々が広範囲にわたり家畜を飼育するようになると、オオカミは家畜を襲う害獣として駆除するようになった。高額な懸賞金目当てに猟師がオオカミを獲りまくった。今日でも、私たちのオオカミのイメージは、貪欲で狡猾、昔話の中ではほとんど悪者として描かれている。しかし現在では、オオカミを保護し繁殖させたいという動きがあることもわかった。

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本書は、絶滅した日本オオカミは、大陸から渡ってきたハイイロオオカミだったという結論を出しながら、日本のみならず世界的にオオカミが必要以上に忌み嫌われた歴史を丹念に調べ上げて記述してある。鹿などの動物の捕食者であったオオカミ、人や家畜を襲うオオカミを、人間たちが目の敵にして、また時にはハンティングを楽しむため、またその毛皮を目当てに、徹底的に、かつ残虐に駆除した結果、鹿などが増えてしまい、森林が失われてしまう。イエローストーンでは近年、いなくなったオオカミを放つ試みが成功し、自然のあるべき姿を取り戻していく様子は興味深かった。また日本では、オオカミに人が襲われた記述が多数あるものの、その多くは野犬であったり、当時の生類憐みの令のもとで、犬ではなくオオカミを駆除したと書いておけば、お咎めを逃れられたのではないかなどの推理も、真相に迫っている気がする。
最後に実現は難しいながらも、どのくらいの数のオオカミを日本に放したらよいのかなど、具体的な検証がなされているのも興味深かった。他の捕食者と同じように自然の中で生きていくオオカミへの愛を感じる一冊だった。

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絶滅した日本のオオカミについて書かれた一作。
狼に関心を持ったきっかけが、シカの増加に裏に天敵であるオオカミの絶滅があると知ったことであるとは大変興味深い。世界にはまだオオカミは生息してるから、海外にまでオオカミに会いにいく。オオカミに取り憑かれた人生だ。
オオカミについて歴史、生物学、社会学などから多面的にアプローチする。作者にとってニホンオオカミは、リアルを超えたファンジーともいえる存在になっている。そのくらい魅力的な生物なのだ。
一つの種に取り憑かれ、徹底的に研究する書にはなぜか惹かれる。書を読むことでその魅力の一端に触れられるのは、手軽なれど貴重な体験だ。

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