折口裕一郎教授の怪異譚 葛城山 紀伊

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刊行日 2022/08/01 | 掲載終了日 2023/03/20
PUBFUN(パブファン) | NextPublishing Authors Press

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内容紹介

2020年『スマホ・SNS時代の多事争論 令和日本のゆくえ』で書籍デビューした市川大賀(日本SFクラブ会員)の満を持しての小説第一弾。

この国の歴史が書かれた書物、『古事記』『日本書紀』、それらを学んだ大学教授が、行く先々で怪奇な事件やこの世のものではない存在たちと出会う。
主な登場人物は、東京都内の某大学に勤務する民俗学の教授・折口裕一郎。助手で、歴史には詳しいがどこか間が抜けてお調子者の金城。そして、ゼミの女生徒・宝井。彼らは野や山をフィールドワークしていく中で、古代の日本がのこした負の遺産ともいうべき妖怪や『記紀』に記された荒神などと出くわしていくのだが、折口裕一郎は普通の学者であって、陰陽道も呪詛も使えない。体力すら平均以下。そんな折口たちが、行く先々で巡り会う「この国の、表と裏の間に流れている、はさまれた真実」の使者たちとの伝奇譚スペクタクルディスカッション・ドラマ!


各章解説
『奈良葛城山の土蜘蛛伝説』
奈良と和歌山の県境にある葛城山を登る一人の男。折口裕一郎は、以前、この山を登って土蜘蛛と呼ばれる妖怪の内乱に巻き込まれ、一人の女性土蜘蛛を救った経験があった。「土蜘蛛は、他社を愛するということができないんです」。その、女性土蜘蛛の言葉を最後に別れた二人であったが、折口は、帰京後、多忙な日々を送る中で、いま一度、その土蜘蛛に会うべき理由を自分の中に見つけ出す。再び、葛城山に向かった折口を待ち受けるものは!

『紀伊熊野の地之龍』
折口ゼミの女生徒・宝井が、毎晩悪夢にうなされている悩みを折口と金城に打ち明けに来た。調べてみると、その悪夢は、中国の数千年前の武具と、室井の先祖の故郷・紀伊熊野が絡んでいるようだ。さっそく現地に向かうことにするが、そこで三人を待ち受けていたのは、数千年の古来から繰り返される血の血脈と八俣遠呂智の戦いと、我々が知る現実や歴史、そして『記紀』の記述との間に挟まれた「三つめの歴史」であった。
「地之龍」と呼ばれし化け物の幻影と、数千年を経た戦いの宿命が折口たちの目の前で繰り広げられる!

【著者紹介】
日本SF作家クラブ会員。フリーランスライター・小説家・脚本家・演出家 元映画助監督 制作進行

1966年 東京・青山出身。大学在学中から、東映、松竹を中心に助監督・制作進行の仕事を開始。東映ビデオのイベントで、80年代中盤に3回開かれた『東映ビデオフェスティバル』では、オールナイトイベント含め構成や司会も務めた。助監督・制作進行仕事は、プロダクションの刑事ドラマから、Vシネマ、本編や、松竹出資のバズ・カンパニーでの、2時間サスペンスやVシネマ等、映画業時代に、60本近くの映像作品に携わった。
1994年、過労に伴う大病で倒れ、現場仕事を断念。フリーランスの物書きとして人生再スタート。当初は海外輸入ビデオの紹介記事やプレス用資料が多かったが、別冊宝島『このゲームがすごい!』や『月刊ゲーム批評』等でゲームレビューが好評。
一方で、平井和正氏と組んで『メガビタミンショック』の編集チームにも加わり、平井和正著『ウルフガイ・イン・ソドム(ハルキ文庫)』では解説を務めた。その後も60年代・70年代サブカルチャーをメインに『別冊宝島』『月刊バラエティ』『季刊宇宙船』『月刊アームズマガジン』等で活躍。主要ジャンルは、邦画・洋画・邦楽洋楽ロック・特撮映画・70年代ドラマ・特撮・アニメ・刑事ドラマ・NHK朝ドラ等々の批評や評論等を手広く展開。特に『ウルトラマン』シリーズと『機動戦士ガンダム』シリーズと角川映画批評には定評がある。
2000年代に入ってからPNをいくつか使い分ける事で職業範囲を細分化。2014年にはニッポン放送主催の声優朗読劇『ニートの神様』『カミサマ未満』で脚本と演出を務めた。(株)ブックリスタ運営の、書評サイト『シミルボン』では、プロ書評家や作家等と肩を並べて、2019年では累計5位(最高3位)をキープしていた。
既刊に『スマホ・SNS時代の多事争論 令和日本のゆくえ』がある。

【出版にまつわるエピソード】
今回の小説の売りは、バブル期に流行った陰陽道退魔エンタメのようなジャンルに見せかけておいて、実は中身は古代史謎解きミステリーだというギャップです。
しかし、そのギャップの醍醐味は、商業の出版社の編集の人にうまく伝わりません。
「もっと激しいバトルを入れて」「クライマックスにアクションがないとカタルシスがないよ」。商業としては当然のアドバイスですが、この作品ならではの面白さを失わせてしまうので、どうもうまく商業出版に至れず、商業出版の経験はあったのですが、このジャンルに新風を吹かそうと思った結果、編集や横やりが入らないネクパブを選択しました。

2020年『スマホ・SNS時代の多事争論 令和日本のゆくえ』で書籍デビューした市川大賀(日本SFクラブ会員)の満を持しての小説第一弾。

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出版情報

ISBN NXPAP00012771
本体価格 ¥1,980 (JPY)
ページ数 247