お菓子の船
上野 歩
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2023/02/20 | 掲載終了日 2023/02/20
ハッシュタグ:#お菓子の船 #NetGalleyJP
内容紹介
「もう一度だけでいい、おじいちゃんのどら焼きが食べたい」
和菓子職人の祖父がつくってくれたどら焼きは、奇跡の味がした。
たった一つのどら焼きが、海を越え、時代も越える。
少女の切実な願いが胸を打つ感動巨編!
製菓学校を卒業した樋口和子(わこ)は、浅草にある奥山堂の門を叩く。
祖父が亡くなる前に作ってくれた特別などら焼きを再現すべく、和菓子職人への第一歩を踏み出すために。
だが、待っていたのは男ばかりの職人世界の逆風、なかなか工房に立たせてもらえない年功序列の社会。荒波の中でもひたむきに努力を続ける和子は、やがて一人前の職人になっていく。
一方、調べていくうちに、祖父が第二次世界大戦中に出兵していたころ、ある船に乗っていたことを知る。「お菓子の船」と呼ばれていたその船にこそ、どら焼きの秘密があるかもしれない。当時の乗員に会って話を聞いていくうちに、和子は祖父の知らなかった一面を見つけていく。
ふんわりと溶ける皮、口の中でほどける餡子と、ひとつまみの“秘密”。
誰にでも、一生ものの忘れられない味がある。
「お菓子には不思議な力があるんだよ」
出版社からの備考・コメント
発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方
下記に該当する方のリクエストはお断りさせていただく場合がございます。
ご理解のほど、宜しくお願いいたします。
○お名前・所属などに詳細な記載がなく、プロフィールにてお人柄が伺えない方
○作品ごとに設けました外部サイトへのレビューのルールをお守りいただけない方
○フィードバック率の低い状態が長く続く方
-----------------
※※リクエストの承認につきましては現在お時間をいただいております。
おすすめコメント
忘れられないお菓子はありますか?
本作の主人公である和子は、祖父のどら焼きが忘れられずに和菓子職人にまでなる女の子です。
小豆を炊いたり、あんこを柔らかな生地で包んだり、お饅頭を蒸したり……著者の上野さんが実際の和菓子職人の方に取材して描かれたお料理シーンは思わずよだれが出てしまうほど、美味しそうに仕上がっています。
読んでいると、自分にとっての思い出の味が記憶の底から蘇ってくる、春にふさわしい優しいお話。
ぜひご一読いただけますと幸いです。
――― 編集担当者より
販促プラン
★
読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューを投稿ください!
著者・担当編集ともに楽しみにお待ちしております。
発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなどNetGalley以外の外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。
ご協力の程、何卒宜しくお願い致します。
★★★★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。
★★
出版情報
ISBN | 9784065305553 |
本体価格 | ¥1,750 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
約30年前、厳しい男社会の和菓子職人になった和子(わこ)。
6歳のときに1度だけ食べたことのある祖父の作ったどら焼きの味を再現するまでのお話。
中途半端な段階で諦めることなく、完全を目指す和子の一徹な思いに敬意を示すべく?
姿勢を正して一気読みしてしまいました。
他の職種を目指す学生にも薦めたいお話です!
明日はどら焼きを買いに行きます。
初めて読む作家さんですが、とっても良かったです。
ワコという名前もまさに和菓子の申し子みたいで素敵です。
女性の和菓子職人は風当たりも多いだろうけど、修行先のお店には良い方ばかりでワコものびのびと成長できたと思います。
独立してからお店を支えてくれた女性たちも、傾聴力がすばらしく、癒されました。やっぱり地元のお店はそういう接客、関わりも大事ですね。
美味しいものを食べて風景が浮かぶ。そんな体験をしてみたい。
とにかく研究熱心なワコ。試行錯誤で完成した時には私まで嬉しくなりました。
和菓子職人を目指す女性の成長物語でありながら、祖父の作った菓子を求めて戦中の祖父の足跡を追う歴史推理小説としても楽しめる作品で、一気読みしました。登場人物が嘘臭くなくて「こういう人いそうだなぁ」と思い、共感しながら読み進めることが出来ました。前半の修行時代が特によかったです。
表紙カバーイラストのどら焼きをうっとりと眺めて、「あ~、どら焼き食べたい!」。
あれ? 桜の花びら? “お菓子”の“船”って、一体、どういうことだろう?
読み始める前から興味津々。
和菓子職人として努力を続けるワコを応援しつつ、彼女の祖父徳造さんの戦時中の出来事やお菓子の風景を持つどら焼きの秘密、「マムロ羊羹」の由来など、祖父の過去が明らかにされていく過程が物語に奥行きを与え、読み応えがありました。
父の仕事、母と祖父の確執、幼なじみの事業など、登場人物の背景がきちんと描かれていて、書き手の上野さんの「人の心を映す」作品になっていますね。とてもよい作品です。ありがとうございました。
主人公の和子が少女時代に祖父が作った「どら焼き」を始めて味わった時、ある景色が見えました。もう一度、おじいちゃんのどら焼きを食べてみたい。そのような特別などら焼きを自分の手で作ってみたいという思いで、和子は和菓子職人になり修行します。幻のような餡子の作り方や祖父が作ったどら焼きを再現するのは至難の業に見えたのですが、祖父が残した言葉から手がかりを探し求めて果敢に挑戦します。小豆を炊いて餡子を作る時の描写が素晴らしい。餡子のとろけるような甘さとふんわりとした皮の絶妙な組み合わせ、想像するだけで、和菓子好きにはたまらない表現です。祖父のどら焼きを味わうと、なぜ風景が見えたのでしょうか。和子が巡り合う人々との交わりの描写も上品な餡子のように味わいのあるものでした。
祖父のどら焼きを食べたときに見えた風景が忘れられず、1人前の和菓子職人になるまでの物語。男社会の中、理不尽さに耐えながらもブレない思いを持ち続けてこられたのは、祖父のどら焼きの再現への想いがあったから。マムロ羊羹との出会い、数十年前と今を繋ぐ和菓子の製造過程やそれを継ぐ者たちの想いも丁寧に書かれて、自然とワコを応援する気持ちになりました。最後の謎解きの「水菓子」が解けたとき、誰もが「ふんわりしっとりの皮に包まれた、秘密の果物」を味わいたくなるはずです。
祖父の作ったどら焼きを、自分でも作ってみたいと和菓子職人となるワコ。祖父のどら焼きを食べた時と同様に風景を見ることができた和菓子店で勤め始める。ワコの職人としての成長を見守りつつ、祖父のどら焼きのルーツを探す部分にも興味を惹かれ読み進めると、戦時中の凄惨な場面もあり胸がふさがる思いがしました。ですが、ワコの祖父や曾祖父がどら焼きに込めた思いや、それを引き継いでいこうとするワコ.、ワコを支える周囲の人たちの様子に心があたためられました。この先もずっと、丁寧に淹れたお茶とともに、そこに集まる人々と笑顔で安心しておいしいお菓子を食べられる世界であってほしいと思いました。過ちを後悔し己を正す人の姿勢も印象的でした。
どら焼きの表紙から、和菓子にまつわるお仕事小説かと思いました。でも、主人公が職人を目指すきっかけとなった、祖父の戦中の話にまで深く語られていました。気軽に読める口当たりと、奥深い味わいに、脱帽の一冊です。そして、どら焼きが食べたくなりました。