西太后に侍して 紫禁城の二年間

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刊行日 2023/02/07 | 掲載終了日 2023/02/07

ハッシュタグ:#西太后に侍して紫禁城の二年間 #NetGalleyJP


内容紹介

清朝末期、半世紀にわたって権力を握り続けた西太后の信頼を得て、側近として仕えた女性による迫真の手記。初の文庫化!

本書は、清朝末期の歴史を知るうえで貴重な資料である。中国人とは何か、何を考えどう行動する人たちなのか、それを考えるための読み物としても必読の書である。――加藤徹氏「解説」より


あなたはたいそう役に立ちます――。独裁者の信頼を得た女性通訳官が見た聡明、豪毅にして虚栄に満ちた実像と、悲劇の皇帝。
昨年上演された宝塚版「蒼穹の昴」にも登場して今注目の女性、Princess Der Lingこと徳齢は、満洲人外交官の父親のもと、フランスで語学力を身につけ、1903年から1905年まで、通訳兼女官として晩年の西太后に仕えます。そこで目にしたのは豪華な食事と太后自ら演出した劇に時を費やす贅沢な日常でした。

②「私は臣民に蛇蝎よりひどく憎ませることもできれば、慕わせることもできるのです。」
太后は、普段は離宮・頤和園で過ごし、正式な宮廷行事の時のみ、何十人もの女官や宦官を連れた大行列で紫禁城に赴き、皇帝・皇后さえも、彼女の言葉は立って聞かなければなりません。また、西洋文明を嫌い、中国古来の風習を誇りにしながら、写真など西欧技術には関心をもち、ロシアから来た曲馬団にも大興奮。洋画家のカール嬢が肖像画を描く時には、徳齢が太后の衣装を着て、身代わりのモデルとしてポーズをとり続けたのでした。

③「私を御覧。私には四億の人民があって、それがみな私の判断一つに頼っています。」
聡明な著者に心を許した太后は、戊戌の変法の内幕や、首謀者・康有為への怒り、さらに自ら「生涯唯一の誤り」という義和団の乱の真相を語ります。そして、後にアメリカで文筆家として大成する著者のジャーナリスティックな視線は、陰険な宦官たちや、不遇の皇帝・光緒帝の姿も生々しく描き出しています。

④欧米では100年越えのロングセラー。貴重写真を新たに多数掲載!
本書の原著Two years in the Forbiddencityは英語で執筆され、西太后が没して3年後の1911年、辛亥革命の年に上海で刊行されて、欧米ではいまも版を重ねています。この学術文庫版は、1942年に生活社から刊行された日本語版全訳です。


【著者】
徳 齢(とくれい、Der Ling)
1881年、中国・武昌生まれ。父・裕庚は駐日公使、駐仏公使を歴任。幼少から父の任地を転々とし、1903年パリから帰国後に西太后に女官兼通訳として仕える。1905年、父の死後に宮廷を辞し1911年に初の著作である本書Two Years in the Forbidden Cityを上海で出版。日中戦争中は米国で中国支援活動を行う。1944年、交通事故により死去。他の著書に『西太后秘話』『西太后汽車に乗る』などがある。

【訳者】
太田 七郎(おおた しちろう)
1906年、茨城県生まれ。早稲田大学英文科卒業後、冨山房を経て外務省に勤務し、北京駐在。中国劇を研究する。1943年に死去。

田中 克己(たなか かつみ)
1911年、大阪府生まれ。東京帝国大学東洋史学科卒。詩人、東洋史学者。成城大学教授などを務め、1992年に死去。

【解説】
加藤 徹(かとう とおる)
1963年生まれ。明治大学教授。専攻は中国文学。主な著書に『京劇――「政治の国」の俳優群像』(中央公論新社)、『西太后――大清帝国最後の光芒』(中公新書)、『漢文力』(中公文庫)など。


清朝末期、半世紀にわたって権力を握り続けた西太后の信頼を得て、側近として仕えた女性による迫真の手記。初の文庫化!

本書は、清朝末期の歴史を知るうえで貴重な資料である。中国人とは何か、何を考えどう行動する人たちなのか、それを考えるための読み物としても必読の書である。――加藤徹氏「解説」より


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出版情報

ISBN 9784065308165
本体価格 ¥1,380 (JPY)

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徳齢は1903年~1905年に女官兼通訳として仕える。
本書は1911年に上海で出版され、日本では1942年に生活社から刊行された。今回初の文庫化である。
訳者序文にあるように原文にはない敬語を使用し翻訳されているので、関係性が分かりやすく読みやすい。また身分あるご婦人のような語り口と今では見かけない漢字表記で刊行された時代を感じながら読んでいた。

徳齢が仕えた時にはすでに70歳を迎えようという西太后。髪もまだ豊かで服装にこだわり、スキンケアを欠かさず、コスメをもらえばとても喜ぶ。写真の焼き付けに興味を持ったり、徳齢たちと一緒にふざけあったり、著者でなければ描けない西太后の横顔を知ることができる。
また季節ごとに行われていた行事も描かれその様子も垣間見られる。当然のことだが西太后は中国古来の風習を重んじている。礼儀作法についてもとても厳しい。そのため西洋人、西洋文化に対しては嫌う一面もあった。
通訳としての徳齢はとても優秀で西太后の信頼を得て出世し、結婚相手まで探すとまで言われたそうだ。
こんなにも誉められ続けていたのかと思うほどなのだが、あとがきを読み徳齢についても知ることで納得できることもあった。

私は西太后については歴史の教科書で習った程度の知識しかなかったのだが、とても面白くこの本を読んだ。歴史好きな人ならもっと楽しめるだろう。

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晩年の西太后に仕え、絶大な信頼と寵愛を受けた徳齢の手記。

最近、いくつか西太后に関する本を読んでいくなかで、
こちらの本は是非読んでみたいと思っていました。

西太后の食事や衣装、美容、宝石のコレクション、豪華な離宮とその庭園など、
詳しく描かれていて、その風景が目に浮かぶようでした。

初めは、西太后の素顔が知りたいと思い、この本を読んだのですが、
次第にわたしの興味は、著者の徳齢に移っていきました。

なんと幸運な人でしょう!!

まず最初の幸運は、徳齢の父が、徳齢と妹の出生を登記しなかったことです。
そのため、彼女たちは外国で教育を受ける機会を持てた、ということが
驚きでした。

さらに、西太后に仕え、寵愛を受けている様子を読むにつれ、
「こんなに気に入られていたのに、なぜ2年??」とか、
「この手記を出しちゃって大丈夫??」と、
心配になってしまいました。

最後の解説で、読みながらモヤモヤしていた謎が、
ようやく解けました!

とても面白くて、一気に読むことができました。

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