ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと
伊藤雄馬
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2023/02/24 | 掲載終了日 2023/08/13
ハッシュタグ:#ムラブリ #NetGalleyJP
内容紹介
危機言語「ムラブリ語」の研究をとおした、一人の日本人言語学者の混乱と成長、そして発見。
タイやラオスの山岳地帯に暮らす少数民族「ムラブリ」(「森の人」の意)。
人口は500名前後と推測され、インドシナ最後の狩猟採集民である彼らの言語は、文字を持たず、消滅の危機にある。
文字のないムラブリ語を研究し、自由を愛するムラブリと暮らすうち、著者が日本で培った常識は剥がれ、身体感覚までもが変わっていく……。
言葉とはなにか?
そして幸福、自由とはなにか?
人間と言語の新たな可能性を拓く、斬新な言語学ノンフィクション。
【ムラブリ(語)の不思議】
・あいさつがない?
・「上」は悪く、「下」は良い?
・年齢も暦もない?
・過去と未来が一緒?
・意図的に方言をつくった?
・数を数えるのは宴会芸?
など
高野秀行氏、川添愛氏、推薦!
●著者略歴
伊藤雄馬(いとう・ゆうま)
言語学者、横浜市立大学客員研究員。
1986年、島根県生まれ。2010年、富山大学人文学部卒業。2016年、京都大学大学院文学研究科研究指導認定退学。日本学術振興会特別研究員(PD)、富山国際大学現代社会学部講師、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員などを経て、2020年より独立研究に入る。学部生時代からタイ・ラオスを中心に言語文化を調査研究している。ムラブリ語が母語の次に得意。
2022年公開のドキュメンタリー映画『森のムラブリ』(監督:金子遊)に出演し、現地コーディネーター、字幕翻訳を担当。本作が初の著書。
出版社からの備考・コメント
★本作品のサムネイル画像はNetgalley用に作成したもので、実際の表紙画像とは異なる場合があります。
★発行元は集英社インターナショナル、発売元は集英社です。
★校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
★本作品のサムネイル画像はNetgalley用に作成したもので、実際の表紙画像とは異なる場合があります。
★発行元は集英社インターナショナル、発売元は集英社です。
販促プラン
ハガキサイズPOPを作成予定です。
ご希望の書店様は、恐れ入りますが【集英社インターナショナル・販売促進部】まで直接お問合せください。
ハガキサイズPOPを作成予定です。
ご希望の書店様は、恐れ入りますが【集英社インターナショナル・販売促進部】まで直接お問合せください。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784797674254 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
ページ数 | 256 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
いやあ、面白かった。もちろん言語学の本なのだが、著者の自伝、民族学、究極は哲学(と書くと大げさだから人生論でもいいが、そう書くとうさん臭くなってしまう)の本だと思った。不満があるとしたら詰め込み過ぎだという点、別に窮屈ではないが何冊分もの内容に思える、場所によっては文体が違う部分(言語学の理論的なところは論文ぽい)もあり1冊にまとめなくてもよかったのではないかと思った。
言語学の本でもあるけれど、自分探しの本でもあり、仕事選びの本でもあって、人とは、文化とは、コミュニケーションとは、ということについて考える本でもある…けれど、一言でいえばおもしろい本。
『語学の天才まで1億光年』高野秀行さんの語学習得方法も突撃型でびっくりしたけれど、高野さんとはまた違った好奇心で「言葉」自体に興味を持つところから深めていくところも、そのうち言葉とともにムラブリの文化も内在化していってしまうあたりも、「人」と「言葉」の関係の在り方を集約して見せてくれているようで興味深い。
個人的には行動原理を「負の走性」の一言でまとめたあたりが「うまい!」と思いました。「負」という言葉だけでネガティブな印象を持たれてしまいやすいけれど、「正の走性」よりも「負の走性」に従ったほうが生きやすい人も著者に限らず当然たくさんいるわけで、そんな生き方を肯定してくれる本でもあると思う。
言語学というのはとても面白い学問だと思う。
私も英語、フランス語、もう忘れたけどロシア語を学習して、言語からその国の文化などもわかるのでとても面白いと感じた。
ムラブリは読むまで全く地球上のどこに住んでいる部族の話かも全くわからなかった。
しかし、こういった少数民族の言語や文化を知ることはとても面白い。
自分たちが生きている常識をくつ返すというか、常識ってなんだろうと思わせてくれたりもする。
こういう本を高校生のとき、進路を決める時に読めたら良かったなと思った。
ムラブリという少数民族が話す、おそらく今世紀中には消えてしまうムラブリ語。
文字がないことの影響なのか、ムラブリの文化は独特だ。
分業を排した徹底的な個人主義、狩った獲物は平等にシェアする権利が集中しない仕組み。
まるで森のような厳しさと優しさを持つムラブリ族の生活が著者の目を通して見えてくる。
何もかもが日本と正反対のような民族で、興味が湧く。
民族性が言語を作る。だから世界にはこんなにもたくさんの言語が生まれる。
ムラブリの人たちの文化や言語を知ることで、自分の国の文化や言語を見直すきっかけにもなる。
文字のないムラブリ語を歴史に残すことができるこの本は、図書館に必携だ。