ここにあるはずだったんだけど

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刊行日 2023/02/22 | 掲載終了日 2023/03/23

ハッシュタグ:#ここにあるはずだったんだけど #NetGalleyJP


内容紹介

ひとより小さな胸のせいで、

ずっと自分にも社会にも馴染めなかった

胸への悩みからはじまる四つの物語。

生きづらい世の中との隔たりをやわらかく溶かす微笑みの小胸小説。

〇グラドルの胸のサイズに固執する私

〇ブラジャーを密かに着けていた男

〇他人の幸せを願う授乳室荒らし

〇サッカー部のマネジャーは皆大きい


[あらすじ]

『EあるいはF』

推しの俳優がまさかの結婚発表。相手は元グラビアアイドルで、胸のサイズはEかFか。Fだけはダメ……Fという記号は私と推しの大切な思い出なの。無職Aカップの私を悩ますFの存在をどうにか払拭しないと、もう前に進めない!

『ブラ氏の告白』

「夜、トレンチコートの中にブラジャーを着けた男が出る」というブラ氏の噂を聞きました。もしかして、それは夫かもしれないし、私かも知れない。ブラジャーの存在が、高齢夫婦の私達の人生を大きく変えるのでしょうか――。

ほか『授乳室荒らしの夢』『胸は育たない』の二編を収録


[著者プロフィール]

佐々木 愛(ささき・あい)

1986年生まれ。秋田県出身。青山学院大学卒。「ひどい句点」で2016年にオール讀物新人賞を受賞。19年、同作を収録した『プルースト効果の実験と結果』でデビュー。他の著書に『料理なんて愛なんて』がある。

ひとより小さな胸のせいで、

ずっと自分にも社会にも馴染めなかった

胸への悩みからはじまる四つの物語。

生きづらい世の中との隔たりをやわらかく溶かす微笑みの小胸小説。

〇グラドルの胸のサイズに固執する私

〇ブラジャーを密かに着けていた男

〇他人の幸せを願う授乳室荒らし

〇サッカー部のマネジャーは皆大きい


[あらすじ]

『EあるいはF』

推しの俳優がまさかの結婚発表。相手は元グラビアアイドルで、胸のサイズ...


出版社からの備考・コメント

※発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。

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出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784575246063
本体価格 ¥1,550 (JPY)
ページ数 170

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NetGalley会員レビュー

たかが脂肪の塊じゃないかと笑って思えるまでに幾年月。
大袈裟でもなんでもなく、成長期から胸の発育に一喜一憂していた頃を否応なしに思い出す。
そして、コンプレックスまで抱える。
胸への悩みから広がっていく短編それぞれがとても秀逸でその描写に魅せられてしまった。
『授乳室荒らしの夢』はずっとニセモノだと感じていたモナミが生きづらさを抱えながらも小さな夢をひとつ叶えて前を向いた姿がよかった。『胸は育たない』青春時代の行き場のない想い、誰にもなれないもどかしさが私には懐かしく眩しい。
特にタイトルがとてもよい。
ここにあるはずだったんだけど…あったら何か違った生き方ができたのかな私も?!なんてクスリと笑えた。

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小さい胸に悩む女性が主人公の短編小説集。紹介には「小胸小説」とある。
推しのアイドルが結婚した相手が巨乳の元アイドルだったことに憤る女性が主人公は、その元アイドルの胸のサイズがEかFとあるのを読んで、「F」に取り憑かれる。スクール水着の豊かな胸元を撮影することに取り憑かれる小胸女性が主人公のストーリーもある。これまでにないユニークな小説だ。
皆、どこかに悩みを抱え、闇を感じ、でも仕方なく生きている。その「仕方なさ」が今の時代の閉塞感に合っていて、ものすごくシンパシーを感じる。
とにかく人物造形が見事で、その心情描写がいい。いい作家に巡り会えた

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たかがおっぱい、されどおっぱい。登場人物達のなんともならないおっぱい事情と、そこからの発想に思わず笑ってしまいました。本人達にとっては大問題で頭を悩ませている原因でしょうが…私が声を大にして言いたいのは、デカさじゃない!!私個人としては控えめな方が好きなのですが…
きっとたぶんそうじゃないんですよね。
そのなんともままならない登場人物達に、ちょっと笑ったり共感したりしながら楽しませてもらいました。
特に「授乳室荒らしの夢」はとても好きでした。ばりばりに共感できて、私も幸せを祈りたくて、私の幸せも祈ってもらえそうで。これぞ共感の嵐だと思いました。
ここにあるはずだったんだけど、というタイトルも作品にぴったりすぎてストンと何かがハマりました。
素敵な作品をありがとうございました!

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胸の悩みは大きさ関係なく、女性なら誰でも感じることだと思います。
1話目が一番気に入った。痛快でありながら、妙に納得する部分が多かった。
「無職のAカップ」の女性と結婚、とは絶対に書かれないし、もし書かれていても推しの相手として安心できるのに、「グラドル」とか書かれると、僻みとか汚い感情が溢れてしまう。
「されど胸」「たかが胸」
小さすぎる人は生きづらい。コンプレックスを切ないほど表現してくれた作品でした。

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「小胸小説」とは?なんぞや?しかも「ここにあるはずだったんだけど」…あるはずだった胸の話?
以前、大きな胸の知り合いが話していた。不躾に見られるし、肩凝るし、服も胸があるお陰で上のサイズを着ないといけないと話していた。あるならあるで、ないならないでお互いに悩みはあるんもんだなぁと思った。女子にとって、至極身近な話題。
大きいかろうが小さかろうが、全ての女性に読んでほしい。「これは私たちの物語だ」。女性ならではの生きづらさを感じる彼女たちから勇気を貰った。

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“小胸小説”ってなんだろう?!ととても不思議に思って読んでみた1冊でした。

女性なら誰しもが通る道なのでは?と思う、この胸問題。
小さい人からしたら、大きい人が羨ましいし、大きい人からしたら、ブラジャーのデザインで可愛いものがちょっと少なかったり、金額が上がったり…走るときに大変…とか、重力で垂れちゃう…とか、それはまた色々な問題もあるのだろうけど。笑

1番最初のお話が1番すんなり受け入れられたような気がする。
わたしの中でも、自分の中で特別な数字とかあるから、主人公の気持ちはちょっと分かるような…???

まぁ何より、心情の描写が素晴らしかった!

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小説を読んで手触りを感じたのは初めてです。
読んでいる間、ずっと絹を触っているような気分でした。読み終わった今も、そういう穏やかで滑らかな良い物に包まれているような気がしています。
この小説は、私の心の奥深くでずっと淡く光っている、これからの人生を導く光のような本だと思います。

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胸にまつわる短編集。
なかなかシュール、時々クスリと笑ってしまう。
個人的に芥川賞にノミネートさせたい雰囲気。

「EまたはF」
推しの結婚相手の元グラドルはEまたはFだそうだ。
普通ならマジでどっちでも良い問題。でも本人にとっては大そうな問題なのだ。
「ブラ氏の告白」
小太りな男がトレンチコートの中にサクラ色のブラジャーを身につけて出没するらしい。もしかして夫では、と震える。
「授乳室荒らしの夢」
普段は郵便局の窓口に勤めている。応募作を送るあの人に私は憧れている。失恋をきっかけに授乳室にこっそり忍び込むことにする。
「胸は育たない」
吹奏楽部の小田くんと綾子先輩は周知の仲。
綾子先輩は美乳。

ここにあったはずだったんだけど、ってタイトルも秀逸。
もしあったら別の人生を送っていただろうか、って意味も含まれてるのかな。
あっても無くてもそれぞれ悩みはある。大きすぎると邪魔だし肩凝るし太って見えるから似合う服も限られる。
小さすぎるとそれ自体がコンプレックスになる。
他の作品も読んでみたくなりました。
装丁のイラストも可愛い!

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いくつ年を重ねても、いつも人生に自信を持てない。どうしてこんなに悩むのか。傍から見たら分からなくても、それが閉塞感やコンプレックスに繋がってしまう、行き場のない思いや繊細な心理描写が丁寧に積み重ねられた先にあるそれぞれの結末が印象に残る物語でした。

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たかが胸、されど胸。わかる、わかるよとうなずきながら読む。わからないよ、シュールだね、とほくそ笑みながら読む。変幻自在な四編の作品、ユーモアに満ちていて、キュートで、あるはずだった胸に想いを馳せる登場人物たちが愛おしくなってしまいます。
どの年代の方にも刺さるエモくて定番の短編集でした。

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