君色パレット 多様性をみつめるショートストーリー1
ちょっと気になるあの人
戸森しるこ、ひこ・田中、吉田桃子、魚住直子/作、 佳奈/絵
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刊行日 2022/01/31 | 掲載終了日 2024/03/31
ハッシュタグ:#君色パレット1多様性をみつめるショートストーリー #NetGalleyJP
内容紹介
≪本文一部抜粋版≫
あの人のこと、そして自分自身のこと。
物語を「君色」でみつめて。
クラスの気になる同級生、いつもと何か違う家族、ノートに返事を書いてくれる誰か、おしゃれなあの子。
多様性をテーマに『ちょっと気になる人』を描く4つの物語。
『日傘のきみ』 戸森しるこ
『親がいる。』 ひこ・田中
『恋になった日』 吉田桃子
『Hello Blue!』 魚住直子
※ネットギャリーでは4編のうちの1編『日傘のきみ』を試し読みすることができます!
出版社からの備考・コメント
特集 SDGsに取り組もう 選定作品
【テーマ 10 人や国の不平等をなくそう】
児童図書選書のための総合ブックカタログ Luppy(るっぴぃ)2023年版
特集 SDGsに取り組もう 選定作品
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販促プラン
★本キャンペーンは終了いたしました
レビューキャンペーン「SDGsを広げよう! テーマ10~13」
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レビューキャンペーン「SDGsを広げよう! テーマ10~13」
出版情報
ISBN | 9784265090617 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
ページ数 | 160 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
児童文学者、戸森しるこ先生の作品は、デビュー作「ぼくたちのリアル」(2016)を始めて読んで衝撃を受けた。児童文学でありながら、LGBTを人の多様性の一つとして、しっかりとした優しい眼差しで捉えている作品だったから。それ以後、先生の著作で読んだものは本作が7作目となる。
本短編『日傘のきみ』ではLGBTから更に一歩踏み出し、対物性愛者を描いている。日傘「きょうこさん」を愛するタピ岡に向ける片岡の視線は暖かい。だから、タピ岡も素直に話す。そして片岡は、タピ岡ときょうこさんとの関係の変化に戸惑いながらも、彼の心情を否定せず寄り添い、答えがでないとしても理解しようとする。
そんなオープンエンドの終末でいいと思う。これを読む子供たちに、偏見を持たずに向き合うためのきっかけを与える為には。多様性を認めるということは、相手を理解することではなく、自分と異なる面があるということを、肯定的に受け入れることだから。
このように更なる1歩を踏み出した戸森先生を応援していくと共に、児童文学作家としてどのように進んでいくのかを追い続けていきたい。
他の先生方の作品も読んでみたいので、購入しようと思う。
一作だけ。
海辺で風と陽にあたりながら
ずっと何かを眺めているような感覚になる
あたたかさがある一編でした。
誰かの何かが羨ましくて妬ましくて。
そんな時、ふとそれが自分の手元に回ってくると
なんだかほっとしてどうでもよくなってしまったり
するようなことがあります。
人の感情を読み取ろうとして
自分のこともよくわかってない様です。
多様性をテーマにした作品は色々読んできたけど、物に対して恋愛感情を抱く。という作品は初めてでした。
作者さんは、今かなり注目している作家さんで、出るとすぐに購入しています。児童にも人気です。
学校生活で、共感できる部分が多くあるので、読みやすいです。
他の作品も気になりますが、シリーズ全て読むと、きっと幅広く多様性を理解できるのだろうなと思いました。
アンソロジーは読みやすいので、児童にもすすめやすいです。
日傘のきみ。え??タピ岡くん、新しい彼女なの?その捨て方はアリなの?彼女の身体に別れの言葉を刻むの?何かすれ違う出来事があったの?ていうか、君の気持ちの移ろいなの?
対物性愛か…予想の斜め上だった。他の話も読みたい。
人と人との触れ合いは、「あおくんときいろちゃん」だ、と強く思った。
自分とかけ離れている度合いが強い人と、触れ合うのは難しい。
理解できなくて、混乱したり苦しんだりすることがわかるから、
触れずに離れている・・時には無視して存在しないことにすらする。
わかる人との触れ合いの方が楽だし楽しいから。
でも、この本の主人公は触れることを選ぶのだ。
その瞬間、違う色が生まれる。あおくんときいろちゃんが交差して緑になったように、
新しい色が生まれる。
世界はそうやって生みだされたさまざまな色であふれている。
避けていては、色は生まれない。
ひるまず関わって初めて新しい色が生まれ、世界を彩っていくのだと思った。
『多様性』をテーマにしたアンソロジー。今回は1作品のみ『日傘のきみ』を読んだ。『対物性愛者』という言葉を初めて知った。物に対する愛着とは違う、異性に対する愛情を抱く事だという。正直なところあまりに未知すぎて理解は出来ない。では異種として排除したいかというと全く思わない。どちらかというと興味が湧くし、悪い事だとも思わない。もし、私の周囲に対物性愛者の人がいたら、その人の大切にしている物や感情は例え理解出来ないとしても尊重したいと思う。人が『普通』と思う事が全ての人にあてはまるわけでは無い事を知るのは大切だと感じた。
物語自体はとてもあっさりとしているけれど、きっかけを作ってくれる読みやすい短編でした。
人物名が急にポンと出てくるので、物語を読みなれていない子だと「これ誰だっけ?」と引っかかってしまうかも知れません。
(読みなれている人は気にならないと思います。どこかで説明入るよね、と思って読み進められるので。)
物を愛情の対象とする…それだけ切り取れば今の世の中ではマイノリティになるのでしょうが、行動や考え方といった角度から見れば、共感や理解ができる部分もある。
この作品に触れることで、一人一人自分の中で育てていくものがあるのかな。
他の方の扱ったテーマも読みたくなりました。
最近よく耳にする『多様性』。当然、受け入れられるよねと思いながら読んだこの『日傘のきみ』を読みました。
『対物性愛者』ねぇ。驚きました。人の中にはなんていろんな感情があるんだろう。私はどうだろう。
そしてタピ岡さんの行動が奇妙に感じられる自分を恥ずかしく思いました。『多様性』なんて受け入れられるよと安易に考えていた自分の無知にも気づかされました。
短いお話の中にこれだけのインパクトを込めている第1話で、このアンソロジーを読みたくなりました。
対物性愛者という難しい題材ですが、子供なら案外と自然に読めてしまうんだろうと納得させられてしまう筆者の筆力にあたまが下がります。難しい題材をいつもさらっと、いい意味でドライにかきあけてしまう作者の新作をいつも楽しみにしています。
日傘のきみ
日傘を恋人(?)にもつクラスメイトに興味を持った主人公。外部からは主人公はリア充もしくは陽キャとして見られている。それでも日常にはない刺激を求める主人公は恋人(?)たちを奇異の目で見ず、むしろ応援する立場になる。
もしも自分がリアルに遭遇したら逃げる?傍観する?そもそも理解しがたい事象に対してはどちらかになるだろう。密かに応援する主人公の器の大きさが際立つ。
その後、この人とモノの恋がどうなるのか。結末までぜひ読んでみてほしい。
最近のヤングアダルト向け児童書ではどのようなことが描かれているのか関心があったので読みました。世の中には人の数だけ様々な考え方があり、それを否定するのではなく受け入れることの大切さを学べた内容でした。この短編だけでは主人公やタピ岡の思考が完全には読者にわかりきっていない印象を個人的には受けたので、長編の1冊の本としてこの作品を出しても良いのではと思いました。