彼女はひとり闇の中

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刊行日 2023/02/22 | 掲載終了日 2023/02/22

ハッシュタグ:#彼女はひとり闇の中 #NetGalleyJP


内容紹介

十月の日曜の朝、日吉に住む千弦は幼なじみの玲奈が近くの小道で刺殺されたことを知る。千弦は、事件の夜に玲奈から「相談したいことがある」と送られてきたLINEを未読のままだった。それは事件に関わることだったのか――悩んだ千弦は真相をさぐることを決意する。

 千弦は玲奈のゼミ教官・葛葉の態度から、玲奈がなにか問題を抱えていたことを確信する。しかも玲奈の足跡を辿る千弦を尾行する影が……。事件の背後にはいったい何が潜んでいるのか? 未来と仲間の見えない時代に凄絶な孤独が引き起こした悲劇の結末とは――。

十月の日曜の朝、日吉に住む千弦は幼なじみの玲奈が近くの小道で刺殺されたことを知る。千弦は、事件の夜に玲奈から「相談したいことがある」と送られてきたLINEを未読のままだった。それは事件に関わることだったのか――悩んだ千弦は真相をさぐることを決意する。

 千弦は玲奈のゼミ教官・葛葉の態度から、玲奈がなにか問題を抱えていたことを確信する。しかも玲奈の足跡を辿る千弦を尾行する影が……。事件の背後にはい...


出版社からの備考・コメント

※書影はダミーです。実際の表紙とは異なります。

※書影はダミーです。実際の表紙とは異なります。


おすすめコメント

社会の困難にぶつかる子どもたちをテーマにしたシリーズが増刷し、注目される作者が、その上の世代の若者たちがぶつかる社会問題に挑む。


天祢涼(あまね・りょう)

1978年生まれ。『キョウカンカク』で第43回メフィスト賞を受賞し、2010年にデビュー。2012年『葬式組曲』が「本格ミステリ・ベスト10」2013年版で第7位になり話題に。お仕事×ラブコメ×ミステリーの『境内ではお静かに 縁結び神社の事件帖』『境内ではお静かに 七夕祭りの事件帖』『境内ではお静かに 神盗みの事件帖』の三部作を刊行。また社会に追い詰められた子どもたちを描く『希望が死んだ夜に』(2017)はロングセラーになり、『あの子の殺人計画』(2020)も発売後増刷を重ねている。


社会の困難にぶつかる子どもたちをテーマにしたシリーズが増刷し、注目される作者が、その上の世代の若者たちがぶつかる社会問題に挑む。


天祢涼(あまね・りょう)

1978年生まれ。『キョウカンカク』で第43回メフィスト賞を受賞し、2010年にデビュー。2012年『葬式組曲』が「本格ミステリ・ベスト10」2013年版で第7位になり話題に。お仕事×ラブコメ×ミステリーの『境内ではお静かに 縁結び神社の事件帖』『...


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出版情報

ISBN 9784334915148
本体価格 ¥0 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

面白かった。
千弦視点と犯人視点の交互に語られる事件。
現代の若者たちの抱える問題も多く含まれており、社会派ミステリーとしても色々と考えてしまう。
自分の子どもたちが千弦たちと同世代なので親として思うところが多々あり心を打たれた。
最初は「なぜ玲奈は殺されなければならなかったのか」という謎が気になりグイグイと作品に呑み込まれていった。そこから発展する様々な問題を抱えざるを得なかった若者たち。本当に他人事ではないと思う。

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大学生の千弦は幼なじみの玲奈が刺殺されたことを知る。
玲奈はなにかを相談しようと、千弦にLINEを送っていた。
なぜ玲奈は殺されたのか、真相はいったいどこにあるのか。

真相はどこにあるのかと引き込まれるように読んだ。そして読み終えて数日、感想を書けないほど打ちのめされた。
幾重にも張られた複雑な構造のなかで、自分の先入観というフィルターが何度も邪魔をした。そしてやっと真相にたどり着いたときは涙が溢れた。声が届かない闇の中にいる彼女は、もしかしたら私だったのかもしれない。
社会派ミステリーとして、幅広い世代に響く作品だと思う。

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疎遠だった友人を刺殺された玲奈。彼女と犯人とのやり取りの緊張感に加えて、彼女の独白と犯人の独白が交互に。更に緊迫感が高まりました。
成人とはいえ、社会的にはまだまだ弱者の彼女ですが、真っ直ぐ前を見るストレートな姿勢で進んできいます。でも、好意さえも気付こうとず、気遣う周囲にもその姿勢を貫く、そんな彼女の危うさにはハラハラしっぱなしでした。
それが、終盤、新たな第3の視点からの独白が始まるとは。それによって、全く異なる様相を示していく殺人事件。
見る視点によって、同じ事の捉え方がこれほど変わるものなのかと、唖然としました。そして「ひとり闇の中」にいるのは誰なのかも。
社会的な問題も多分に含まれた、緊迫感が最後まで続いたミステリでした。

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メフィスト賞作家・天祢涼さんの最新作は著者の実力を示す素晴らしい一冊でした。女子大生・千弦は幼馴染の玲奈が殺されたのを知り、直前にLINEで彼女から送られたメッセージに気付けなかった事を気に病んで殺人犯を突き止めようと決心する。前半は疑惑の殺人犯と千弦との知恵比べの攻防が描かれ倒叙推理サスペンスの趣ですが中盤では謎の女の登場と意外な正体が暴かれ、そして終盤に予想外の大どんでん返しが訪れます。本書はミステリ面で一級品ですが、それに加えて現代社会の悲しい問題が当事者の側から描かれ読者の胸に深く突き刺さります。「彼女はひとり闇の中」のタイトルの意味が読み終えて初めて心に沁みて来ます。また嘗ての親友・玲奈の為に命懸けで真相を追う千弦の執念のど根性には深く感動し心を打たれましたね。本書は巧緻なミステリの技巧と社会問題に鋭く切り込む有意義なドラマ性が見事に結実した傑作ですので、ぜひ多くの方に読んで頂きたいですね。

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幼なじみが刺殺され、真相を探ろうとした千弦…。
読んでいて思った、ちょっとした違和感の出来事が徐々に明らかになり、事件の裏に潜んでる物に驚きと戸惑い。

最後まで読んだ後、もう一度最初から読みたくなると思います。

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話の構成が見事で終盤では思いもよらない展開に。
ミステリーとしても十分に楽しめますが、それ以上に、現代社会が生み出す闇を見せつけられ、とても考えさせられました。

「誰もが彼女と同じ境遇になる可能性がある。」

「世の中には他人事だと思って終わらせてはいけないことが、たくさんある。」

本文から引用しました。
犯罪を犯すまでいかずとも、同じような境遇の人が世の中にどれくらいいるでしょう。
切なくなります。

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久しぶりに、ミステリーらしい
ミステリー小説に出会った気がします。
まんまと作者の思う壺に、
はまってしまいました(笑)
あんなに、伏線があったのに~!
もちろん、もう一度冒頭から
読みなおしました!
ミステリー好きの方に、おすすめです。
悔しいけど、面白かったです!

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幼なじみはなぜ殺されたのか。
まっすぐでちょっと無鉄砲な千弦の犯人探しは、私が想像してなかった方向に。
千紘目線と犯人目線が上手く合わさって面白いくらい翻弄されてしまった。やられた。
表紙もすごく良くてもう一度読みたい小説です。

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友人の死の真相を知りたい千弦と、犯人である葛葉のそれぞれの視点で交互に描かれる。でも最初からそこに違和感があって‥。
事件のこともそれを知ろうと動く千弦のことも人によっては受ける印象が違う。人はそこまでの自身の経験からしか物事を理解できず、そこにある誤解に気がつかない。勝手に決めつけて納得したり非難したりしてまう。相手の立場に立って考えるということがどれだけ難しいことなのか痛感する。他人からの辛辣な言葉に心を痛めてしまうが、自分も自覚なく同じようなことをしてきたかもしれないと考えると恐ろしい。優しさのつもりが相手を傷つけていることもあるのだ。
最初に感じた違和感の正体はすぐにわかったがその意味を気にせずに読み進めたため、四章の終わりでは何が何だかわからなくなった。そこからタイトルの意味がわかった時のなんとも言えない気持ち
困っている人、悩んでいる人に手を差し伸べたい。その素晴らしい志も相手のことを知ろうとしなければ薄っぺらいものになる。逆に相手を追い詰めてしまうかもしれない。
読了後もいろいろ考えてしまう

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なんだろう、この気持ち悪い感じは。
ずっと側で誰かに見られている感じ。
第三者がいるのに誰なのか分からない。
登場人物の心の声なのかそれ以外のものなのか。
霞のように手が届いたと思っても掴めない。
容疑者は誰なのか。
一人称を語る人は誰。
あの人が怪しいけど違うんかな。疑いの眼という先入観の下に読み進める。
そして見事に騙される。
2度読み必須ですね。シックスセンス観た後のあの感じと似ている。
盗聴アプリとか怖いし容認しているのもどうかと思うんだけど。
設定は日吉のK大を模しているのかな。
実家に近くて何度か降りたことのある駅で土地勘があるせいか余計に楽しめた気がする。
学生の貧困、引きこもり、パワハラなどの現代社会問題への問題提起もあって
「彼女はひとり闇の中」
このタイトルの彼女とは。読み手に委ねられるのかな。色々な考えが巡りました。
何度も読み返したくなる作品でした。
お勧めです。

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社会派サスペンス、面白かったです!主人公が事件を追う中で成長する姿にも、考えさせられるものがありました。
はじめからたくさんの伏線が張られていたのに見破れず、全てが分かった時はスッキリ納得です。天袮涼さんらしいどんでん返しもあり、最後まで騙され続けました。

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就職先もきまり前途洋々な女子大生・千弦は、同じ大学に通う幼なじみ・玲奈が殺害された事件を自ら調べることに。怪しいと思う人物について調べ始めると自分も襲わ疑惑を深める。さらに探るうちに見えてきた真相は・・・という内容です。
ミステリなので時にネタバレは厳禁ということで、感想を伝えようとしてもうまく言葉が見つかりませんが、とにかく「読んで欲しい」という気持ちでいっぱいです。殺人事件が起きるので、はっきり言えば読んでいて楽しい物語ではありません。それでもなお「読んで欲しい」と思うのは、作中で描かれている現代社会の闇について考えて欲しいからです。実際に大変な思いをしている人もいるでしょう。そういう人たちに対して少しでも自分ができることがないか考えるきっかけになると思います。自分が「彼女」になる可能性はゼロではないのですから。
もちろん、純粋にミステリとして楽しんで欲しいという気持ちもあります。勘のいい読者なら「これは・・・」と思う伏線がたくさん見つかると思いますが、それを頭の片隅に留めつつ読み進めていって、最後に「そういうことか!」と膝を打って欲しいです。

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冒頭からエンディングまで休む間もない久々のジェットコースターミステリ。ミステリ好きは震えて喜ぶような、さまざまな仕掛け、設定、あっと驚く回収、終わるのが惜しくなるほど夢中で読破。葛葉先生が犯人か?いやそんなはずは、でも誰が??正統派ミステリ好きにはおすすめの一冊。

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まさかまさかの真犯人にびっくりでした!!!
天祢先生の作品は毎回良い意味で裏切られます。途中までの考えを全てひっくり返される瞬間が堪らなく面白いです。
今の時代に自分の身に起こりうるかもしれないことを考えさせていただきました。

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読み進む内に感じた違和感が見事に回収され、自分がいいように踊らされていたことに気付きつつも、読後は心地好い爽快感に包まれました。もちろん話の内容は軽い訳ではなく社会問題も含む重いテーマでもありましたが希望のある終わりがよかったと思います。

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幼馴染が殺され、その真相を探っていく。
ああ、これは苦しい!途中まで面白くグイグイ読んでたが、終盤から真相が見えるにつれ、読むのが苦しくてたまらなかった。
こんな哀しい事件だったとは。
読み終えて、タイトルがぴったりだと思った。
ひとり闇の中にいたのは、私だったかもしれない。
大きな社会問題を孕んだ事件で、多くの人に読まれて欲しい作品だと思う。

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ミステリは「あっ、やられた」と感心させられるか、「巧いなあ」と感心させられるかのどっちかがあれば、とりあえずは満足できる。
この作品は後者の「巧いなあ」。
最期のLineを見落としていたことへの後悔。そこで事件に関心を持つ主人公。
ストーリーは流れる水のように自然に展開し、ものすごく読みやすい。
なので読後にふわっと記憶から消えてしまうのがちょっともったいない感じだ。

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騙されました!他の方の感想を見る前にとりあえず読んでほしい作品です。タイトル回収と読者を騙すトリックがとても秀逸でした。
社会問題を起用したミステリーです。とくに終盤は辛く、読みながら色々と考えさせられました。リアルで重たい内容ですが探偵役の千弦の強さがより目立つ作品だと思います。
素敵な作品をありがとうございました。

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自分の恩人とも言える幼なじみが殺された。犯人を探す為に独自の捜査を始める主人公。主人公の直感力と推理力、行動力が優れているもののヒヤッとさせられる場面もあって何度も『危ないよ』と言ってしまった。自分から見える他人、他人から見える自分は順風満帆に思うかもしれないが悩み一つも無い人はいない。心身が疲れているとつい自分自身の事だけに目をむけがち。本作は序盤で『なるほどー』なんて思っていたらとんでもなく騙されてしまった。 書かれている全てが最後にピタッとはまって気持ち良く読了。

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序盤からはじまるある人物の独白に、えっ?いいの?と驚愕した。なぜ、彼女は殺されてしまったのか?「闇」とは何か?そ
物語が進むにつれて、これが真相と見定めたものが二転三転する。物語全体の鍵となるのは諸々のスティグマ。騙しの上手さと悲しい巡り合わせ…読後タイトルの意味をしみじみと噛みしめました。

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主人公のキャラクターが凛としていて良いです!
無茶なこともするけれど、頑張れ!と応援しながら読み進めました。

たくさんの伏線に、「え?どうなるの?」と、グイグイ話に惹き込まれました。
最後はほろ苦い想いも抱きましたし、社会問題にも考えさせられました。

また最初から読み直したくなりました!

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まんまと騙されました。幼なじみの玲奈から「相談したいことがある」とLINEをもらった翌日、刺殺されたことを知った主人公千弦は、事件の真相を探り始める。千弦と玲奈と付き合っていたという怪しげな大学の准教授の視点で交互に物語が進行していく。やはり単純な事件ではなかったのね。

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刺殺された幼馴染みから死の直前に送られてきた意味深なLINE。「親友」を救えなかった後悔から真相を探り始めた主人公が、誰もが持つパンドラの箱を開けてしまう社会派ミステリー。
主人公の潔いまでの自信や、幾重にも張り巡らされた伏線と倒叙形式での始まりなど色々な要素が相俟って、序盤は少し上から俯瞰して推理を楽しんだ。そんな優越感に中盤から疑問を抱き、終盤では自分の浅はかさを突き付けられる思いもよらぬ結末に驚愕。
タイトルや会話のテーマなど、これでもかというくらい鏤められていた問題に気付く事が出来なかったのに、あまり悔しさを感じない程にナチュラルに誘導された。
ネタバレになるから書けないけれど、真相に気付けなかったのは自分に無関係だからではない。何かしら関わっている事があるのに気付けない、気付かぬフリをしたい、そういう人の心の弱さを上手く利用して、表に出難い問題を提起した作品。

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幼馴染の玲奈がこの世を去った。
随分と疎遠にしていた彼女からもらっていた未開封のメッセージは、ダイイングメッセージになってしまった。
玲奈はどうして死んでしまったのか、誰かに殺されたのだろうか
もっとずっと、仲良くしていれば、こんなことにはならなかったのかもしれない。
そんな不甲斐なさを払いのけるように千弦は犯人を探し始める。

私はラストで、遅すぎたのかもしれないけれど玲奈のダイイングメッセージの
謎が解けて本当によかったと、思わず涙がこぼれた。

もしも、あの時に戻れたら。人生において、そう思うことは少なくないけれど、
たとえ過去に戻れなくても人は人を救えるのかもしれない。
自分の周りにいる大切な人と話がしたくなる、切ない系ミステリー小説。

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作品の中盤まで、主人公と主人公が疑いの目を向ける人物との関係性が、何とも言えずに不思議だなぁと違和感とも言えない違和感を持ちながら読み進めていて……なるほど!と膝を打ちました。
読み終わったあとにタイトルを読み返して、ああ、やられた!とも思いました。
こういうの大好きです。面白かったです。

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天袮さん初読み。面白い。本ならではのミステリー。伏線いっぱい張られてたのに、ことごとくスルーした結果、そうだったのか!って驚いた。他人事ではないんだと主人公が気づいた時、私も他人事と思っていたことに気づかされた。社会派小説でもあるが、スルスル読めた。

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二転三転する展開に飽きさせず、最後には「世の中には他人事だと思って終わらせてはいけないことがたくさんある」という事実を突きつけられた。どちらかといえば、千弦側にいる自分は、最近までレイナや、相模くんのような境遇の人を、自業自得的に見ているところがあった。運が悪い、要領が悪いと切り捨て、蔑み、憐れんだ。でも、とある出来事があり、自業自得では無く、どうしようも無いまま現在に至る人たちがいる事を知った。本書の彼らもどうしようも無いまま足掻いていた人たち。勿論、殺人も、傷害も起こしてはいけない事件だけど、そこに至ってしまうような追い詰められた状況に置かれた人たちに寄り添える人になりたい。

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冒頭から犯人の台詞描写があり、これはどのタイミングで主人公が犯人暴きをするのかという物語かなぁ…と読み始めました。
終盤のところの描写であぁ読み違えてた…と気付かされました。

ラストの展開は少し不満ありますが面白く読み進める事が出来ました。

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幼なじみの突然の死。犯人は必ず自分が捕まえる!徐々に近づいていく事件の真相。その過程を普通に読み進め、途中少しくらいは違和感を覚えるかもしれないが、騙されない人はいるのだろうか。私は完全に騙され読み返してしまった。勝手な想像をはるかに超えた結末に驚きながらも、不運な境遇が招いた妬みや嫉妬、羨む気持ちが起こした悲劇がとても辛く切なさに襲われました。

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大学生の千弦は「相談したいことがある」とのみLINEを送ってきた幼なじみの玲奈が近くで刺殺されたことを知る。物語は真相を探る千弦視点で時々犯人視点が挟まって進む。千弦がまっすぐすぎて無鉄砲なのが私には痛々しく、それに気を取られ感じていた違和感の正体に気づけず、それが目の前に現れた時は唖然。伏線はあちこちに見えていたのに…。一般的に高校を出て大学へ進学し就職する、というそのことがどれだけ恵まれたものなのかを実感する。たくさんの現代社会の闇を盛り込んだ社会派ミステリ。ひとり闇の中にいるのは彼女だけではない。

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これまで読んだ作者の作品で一番よくできたものであると思いました。社会派要素とトリックの絡みあいがきれいにおさまっていると思います。ただ、社会派的性格とトリックを組み合わせたものは、上手くいけばいくほど、社会問題をネタにしてしまっているような引っかかりやあざとさを感じさせてしまいがちなところはむずかしい部分でもありますね。今回の作品はその違和感も少なかったのですが、ジャンル的なむずかしさを感じるところでもあります。

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千弦は大学生になって再会した幼馴染みがある日殺害された。犯人は捕まらないまま。大学教授、同級生と怪しい人はいるー。犯人は一体…彼女はタイトル通り「一人闇の中」に残されていた。親の離婚から始まり、ほんの些細な繋がりが、自分ではどうする事も出来ない。だからうまくいっている人が羨ましかったんだ。彼女がこうなる前に救ってあげたかった。本人も手を伸ばしてくれていたなら、その手を掴んで欲しかった。この「闇」は、タイミングや些細なきっかけで明日は自分かも知れない。

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最後の方まで読んでやっとタイトルの意味が分かった。
大学生の女性が殺され、すぐに犯人目線のモノローグが出てくるので犯人はわかるんですが、
途中からあれ?となります。うまくだまされた!!

最後までとても面白く読めました。

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限られた事件の手がかりを手探りで触っている状態だと真相の伏線が蜘蛛の糸のような微かな違和感でしか感じられなくて驚いたし、ちょっとでも躓いたら簡単に闇の中へ落ちてしまうものだと自覚してるから余計に重く感じた。

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