タイタン

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刊行日 2023/01/17 | 掲載終了日 2023/01/16

ハッシュタグ:#タイタン #NetGalleyJP


内容紹介

今日も働く、人類へ

至高のAI『タイタン』により、社会が平和に保たれた未来。
人類は≪仕事≫から解放され、自由を謳歌していた。
しかし、心理学を趣味とする内匠成果【ないしょうせいか】のもとを訪れた、
世界でほんの一握りの≪就労者≫ナレインが彼女に告げる。
「貴方に≪仕事≫を頼みたい」
彼女に託された≪仕事≫は、突如として機能不全に陥った
タイタンのカウンセリングだった――。

アニメ『バビロン』『HELLO WORLD』で日本を震撼させた
鬼才野﨑まどが令和に放つ、前代未聞の超巨大エンターテイメント。


野崎まど(のざき・まど)
2009年『[映] アムリタ』で、「メディアワークス文庫賞」の最初の受賞者となりデビュー。 2013年に刊行された『know』(早川書房)は第34回日本SF大賞や、大学読書人大賞にノミネートされた。2017年テレビアニメーション『正解するカド』でシリーズ構成と脚本を、また2019年公開の劇場アニメーション『HELLO WORLD』でも脚本を務める。
講談社タイガより刊行されている「バビロン」シリーズ(2020年現在、シリーズ3巻まで刊行中)は、2019年よりアニメが放送された。文芸界要注目の作家。

今日も働く、人類へ

至高のAI『タイタン』により、社会が平和に保たれた未来。
人類は≪仕事≫から解放され、自由を謳歌していた。
しかし、心理学を趣味とする内匠成果【ないしょうせいか】のもとを訪れた、
世界でほんの一握りの≪就労者≫ナレインが彼女に告げる。
「貴方に≪仕事≫を頼みたい」
彼女に託された≪仕事≫は、突如として機能不全に陥った
タイタンのカウンセリングだった――。

アニメ『バビロン』『HELLO WOR...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方

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★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

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○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、...


おすすめコメント

日本SF史に100年残る奇跡のロードノヴェル。
これは、AIと人類のひとつの未来図。

本書の単行本が出たのは2020年4月のこと。
多くのSFファンに評価され愛され、ついに文庫化される運びとなりました。2023年1月発売です。

2年のあいだに、人類とAIを巡る現実は様変わりしました。こと創作の領域において2022年は”特異点”的な年。
AIによるイラスト、AIによる小説、AIによる写真、AIによるツイート……AIの創作物がWEBには溢れかえっています。
このカオスな現状を越えた先、AIと人類にはどんな未来が待っているのか?

現代人が持つであろうこの問いのひとつの答えが、野﨑まど氏が提示した『タイタン』に描かれています。
ぜひその目でご確認ください(ヒントは……「旅」)。

……と長々書きましたが「能書き」抜きにしても、とっても面白い剛速球エンタメ小説です。

ぜひ、ご一読くださいませ。

―――――(編集担当者より)

日本SF史に100年残る奇跡のロードノヴェル。
これは、AIと人類のひとつの未来図。

本書の単行本が出たのは2020年4月のこと。
多くのSFファンに評価され愛され、ついに文庫化される運びとなりました。2023年1月発売です。

2年のあいだに、人類とAIを巡る現実は様変わりしました。こと創作の領域において2022年は”特異点”的な年。
AIによるイラスト、AIによる小説、AIによる写真、AIによるツイート…...


販促プラン

読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューを投稿ください!

著者・担当編集ともに楽しみにお待ちしております。

発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなどNetGalley以外の外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。

ご協力の程、何卒宜しくお願い致します。

★★★★★

作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は

恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。

★★


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恐れ入りますが<講談社 第...


出版情報

ISBN 9784065302460
本体価格 ¥900 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

野崎まどの作品は、最後の最後でひっくり返されます。「【映】アムリタ」は恐怖に、「konow」は温かさに。「タイタン」はAIに仕事を任せた【未来お仕事委託SF】が、人と同様に仕事に矛盾を感じた【AIカウンセリング思索SF】になり、今回は【人間としての存在の再生】という、我々の存在を一回りした終わり方でした。考えさせられる言葉、思索に富んだ作品でした。それだけに、味わい深く読めました。

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文庫化され2023年1月発売予定。

2205年人類は《仕事》から解放され自由を謳歌していた。
その《仕事》を担っていたのはAI『タイタン』
仕事に疲れたAI『コイオス』と主人公は旅に出る。
とてもスケールの大きい旅で読んでいてとても楽しかった。

《仕事》とはいったい何でしょうか。
この本では何度も《仕事》とはと問われる。その《仕事》とはの答えになるほど!と納得した。
AI×お仕事小説でとても面白かったです。
仕事とはとお悩みの方にも、これから仕事を始める方にもおすすめしたいです。疲れたAIと一緒に旅をし、自分なりの答えにたどり着けるかも。

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AIの未来と危険性を描いた名作にジェイムズ・P・ホーガンの「未来の二つの顔」かある。人間の文明とAIの共存は果たせるのか、われわれ人間のような不合理で不公正な生き物を、高度な理性であるAIは許容するのか。
 映画「ターミネーター」ではAIは人類社会を否定し、「マトリックス」では人間社会を仮想現実に置き換えることである種のユートピアを実現してみせた。
 本作「タイタン」は、こうした葛藤はすでに乗り越えられ、AIの庇護のもとに実現されている理想社会が舞台である。そこで世界を支える12機のAIのひとつに機能不全が生じ、主人公はその解決のために「働く」ことになる。
 物語は、この作品を読みながら読者の中に生じてくる疑問を読み解くように展開してゆく。それは寓話の世界を超え、時に我々の生き方そのものを問いかけてくる。
 未来社会の描写も無駄がなく説得力があり、作中に登場するさまざまな要素が、その名付けも含めて回収されてゆくさまも見事だ。
 AIにより知的生産の定義が大きく書き換えられようとされるこの時代に、人の手で書かれた優れた作品とともに、この社会の行く末を共に見ることができるのは幸福なことだ。この社会の一員として、未来が正しくあるべく見守りたい、と思わされる読後感であった。
 最後に、このように優れたハードSFの誕生を、同時代的に体験できることを喜びたい。

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主人公の内匠成果は、作業効率の低下したAI、「タイタン」を人格化し、その原因を突き止め、治療を行うためのチームにカウンセラーとして「仕事」の依頼を受ける。この物語の世界では「仕事」のほぼすべてをAIが担っているため、成果としても心理学は「趣味」でしかなかったけれど、強制的に、というか脅迫に等しいやり方で、「仕事」に就くことになるが、人格化したタイタンの「コイオス」とともに、「仕事とは何か?」ということを考えてゆく。カウンセリングというと、「静」のイメージがあるけれど、治療の一環で、他のタイタンである「フェーベ」との対面のために旅をしたり、終盤にはアクションや、コイオスとフェーベの「対話」があったりして、「動」の部分も多く盛り込まれていて楽しく読みました。コイオスや、フェーベの描写はあるけれども、人格化されているせいで、AIという意識が薄れることもあって、最近のどこかAI化しているような印象の子どもたちが頭をかすめました。一人一人に心地よいように、リフレッシュの方法や恋人の候補までAIに提案される未来も悪くないけれど、不便さや人との摩擦の中から生まれるものを魅力的に感じられる物語でした。

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野崎まどさん、初めて拝読する作家さんです。AIの発達により仕事や国家の概念が無くなった人類と、働くことに違和感を感じ思い悩むAI「タイタン」の交流が爽やかに描かれています。解説まで含むと460頁のボリュームで、予想外だったタイタンの外見のイメージもあり、質量ともに壮大な物語でした。
タイタンの個別の呼称がギリシア神話から名付けられ、それぞれの個性に合致しているのが面白かったです。ユートピアが実現したその後の物語が神話と繋がり、その先も世界が続いて行くことを想像して楽しい気分になりました。
12基のタイタンのうち、機能低下が認められた「コイオス」のカウンセリングを進める中で、「仕事とは?」「働くとは?」というやり取りが何度も出てきます。「貴方と仕事はイコールじゃない」という主人公の言葉が印象に残り、近未来に思いを馳せながら人間とAIの存在意義について考えさせられました。

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控えめに言ってめちゃくちゃに面白かった。いろんな要素を持つ小説だと思った。SFに留まらずビジネス書や哲学書の側面もあるのではないか。未来の世界の作りこみにもリアリティを感じ作中に引き込まれた。

ゆったりとはじまる物語は想像の二重三重上をぶち抜いて驚愕させられた。

仕事とは何か、仕事をしているすべての人が読んでほしい。というか刺さりすぎて読んじゃダメかもと思うほど色々考えさせられた。

ネタバレにならないように、でもどうしても言いたいこと、ある乗り物の登場に感動してうるっと来ました。

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近未来のAIが活躍する世界に仕事のあり方について考察している。
今の時代は、AIに仕事を奪われる危機が伝えられている。
本当にそうなのかと疑問を感じることもある。
失う仕事はもちろんあるけど、新たな仕事も生まれるだろう。
今の私は仕事をすることがつらいと思っている。
生活を支えるためにやっているという意識が強いからだろう。
今の価値観を超える仕事に関われたら良いです。
そんな希望を持たせてくれるお話でした。

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人口知能AIとカウンセラーによるやりとりが興味深く、あらためて考えたい。仕事って何だろうか?

至高の人口知能(AI)『タイタン』により、
人類は≪仕事≫から解放され、
自由を謳歌していた未来が舞台。

人口知能AIとカウンセリングすることになった
心理療法士の人間。

AIと人間のカウンセリングが興味深い。

カウンセリング内での一つのテーマである≪仕事≫。

≪仕事≫は、もはや過去の話。

そこでの問い。
≪仕事≫って何だろうか?

そんなあらためての問いが、
今の僕に刺さった。

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2205年、高度に進化したAI「タイタン」の圧倒的な生産性によって、人類は労働=仕事から解放された。就労の意味を知る人間はほとんどいない。心理学を趣味とする内匠成果は、突然にタイタンに発生した正体不明の機能不全を解決するために、タイタンのカウンセリングをするよう仕事を依頼される。そして、タイタンに自我を持たせ、共に旅を続ける間に、タイタンが柔軟な思考能力と感性を成長させた。
 AIが高度に進化した世界で勃発した想定外の問題を解決するため、人類がどのように取り組むのか。人格をもったAIと人間との間に果たして境界は存在するのかを深く考えさせられました。俯瞰的な視点と斬新な切り口によって読者を終始魅了するスケールの大きい素晴らしい作品です。

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初読みの作家さん。著作リストを見るとラノベ系の方らしいが、本書は本格的なSFだった。
2050年頃に始まった労働革命以降、人類は徐々に仕事から解放されていく。代わりに様々な仕事をこなすのは、世界12箇所に設置された高度なAI《タイタン》だった。だがその1つである“コイオス”が謎の機能不全を起こし、心理学を研究する女性にカウンセリングが依頼された……。
珍しいユートピア小説で、話の向かう先がまったくわからなかった。まあ、現在のまま突き進めば、待っているのはこんな世界なんだろうなあ。そこで生きるのが幸せかどうかはわからないが。
おもしろかった。

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至高のAIのサポートによって人類が仕事から解放され自由を謳歌する近未来で、突如として機能不全に陥ったタイタンAIのカウンセリングを託されることになった主人公。未来に生きるとはどういうことか、現段階ではあまりこういう世の中を想像することはなかなか難しいですが、こういう時代だからこそ働くことによる刺激や成長があったりもして、いろいろと可能性を垣間見せてくれた物語だと思いましたしなかなか面白かったです。

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殆どの仕事をタイタンと呼ばれるAIとロボットが担っていて、人々は仕事を持たない未来社会。
 心理学を趣味とする主人公 内匠成果はその心理学者としての力を買われて、機能低下をおこしたタイタン「コイオス」の治療(カウンセリング)にあたる。
 「仕事」とは何か? 繰り返し問われ定義づけられる概念。仕事をしない「市民」から「就労者」になった内匠。「いつも仕事をするもの」として造られたコイオス。
 全六章中の第三章で明かされる破天荒な設定に仰天した。どんどん新しい側面を見せるコイオス。そのなかで最後まで通奏低音のように問い返されている「仕事とは何か」。仕事ではなく「趣味」と自分の仕事を認知していた「市民」であったからこそ仕事への忠実さを持つ内匠と、全ての活動が「仕事」として定義されていたコイオス。二人の会話で定義づけられた「仕事」はとてもシンプルで、それでいて重い。

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AIの人格を形成し、そのAIと対話し休暇を与える、という発想がとても独創的だと思いました。独創的でありながらも、設定に置いてけぼりにされる事は全く無く、近未来な世界観、現代とは全く違う世界がとても繊細に作り込まれていてあっという間にひきこまれてしまいました。普段は隙間時間に本を読むのですが、この作品は一気に読んでしまいました。

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2年前(2022年4月)刊行の単行本の文庫化のタイミングでゲラを拝読。多くのSFファンに支持された作品だという。
シンギュラリティー?
ー無職の私は、仕事に疲れたAIと旅に出たー
と帯の言葉にある。無職という言葉は、未来の響き。
人間は、もはや「仕事」を持つことはないのだ。
そんな未来に唖然とする。
しかし唖然とする暇もなく、主人公とAIの450頁強の長い旅が始まる。
近未来ものなのだが、いきなり、弟子屈という地名が出てきたのにちょっと驚きました。北海道の難読地名の一つですがみなさん読めますか?弟子屈。

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タイタンと言うのはギリシアの神様のことだ。有名なのはオリュンポス12神だが、タイタンと言うのはそれに先立つ神様である。この作品でのタイタンは、AI(人工知能)のことだ。神話のタイタンと同じく12基存在する。ほぼすべてのものがタイタンに接続され、タイタンがそれらを捜査してくているので、人間は基本的鋳は仕事から解放されている。しかし、一部にはそんな世界になじめずに、仕事をするのが大好きな仕事人間も存在している。これは、そんなタイタンの1基であるコイオスと女性心理学者の内匠成果の交流を主に展開されている。それにしても、人工知能がカウンセリングを受けるというのがなんとも面白い。人間の仕事はタイタンにとっては易し過ぎる。それがタイタンの「心」を蝕み、カウンセリングが必要になるというのが新しいと思う。仕事が易し過ぎることに対してタイタンたちの編みだした解決法とは? そして仕事とはなにか? 色々と考えてしまう。

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AIの発達により人間の仕事がなくなった近未来。AI「タイタン」の機能低下の原因を探るために仕事を得た心理学者が、タイタンと共に旅に出て、「仕事」の意味を探る。とても面白かったです!内匠さんと共に旅に出た私たち読者たちも、「仕事」とは何か、考えてしまいます。全てをAIにやってもらう時代の話ですが、それでも人間がやる「仕事」はある。AIと人間の良い関係が、これからを生きる私たちの希望になると思いました。

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AIが究極まで発達した2205年の未来。
圧倒的なSFの世界は、夢のようでありながらリアルで、面白くて夢中で読みました。

確かにこのまま技術が発展したら、人間の仕事ってなくなるかもね。
深夜に小さなAIロボットがささーっとあちこち片付けては修復してくれてるところは、靴屋の小人みたいでかわいくて羨ましい。

しかし、せっせと人類の為に仕事をしてくれていたAIがある日、機能不全になってしまう。それを、「趣味」として心理学を研究していた内匠博士らが原因を探る、という物語。

優秀に仕事ができていたのに、突然に仕事ができなくなってしまう原因。
カウンセリングしていくうちに、読者も一緒に考えてしまう。

『《仕事》ってなんですか?』

未来の描写は美しく、アニメーションの映画化を強く希望!
AIのコイオスがまたかわいくって、ラストは切なくもあり。

けっこうな分厚さだけど、飽きさせない迫力の展開に一気読みでした。

どうして仕事をするの?と疑問に思う子供たちから、仕事がイヤになっちゃってる大人にもきっと響く、めちゃくちゃ面白いSFファンタジー。

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タイタンと呼ばれるAIが支配する世界で、人類はもはや仕事、家事すらもしないで過ごすことのできる未来。主人公はその恩恵を受けることに何の疑問も持たず、フィルムによる写真撮影という、アナログな趣味を持っている。そういうSFのような世界は人工的で不自然であり、そこからの脱却を求めそうに思うのだが、この小説はあくまでも不具合を起こしたタイタンを修復して元の鞘に収めようとしている。それも全力を尽くして。登場する仕事のチームメイトは個性的で、唯一無二の存在感。そしてタイタンにも大きな変化が起きてくる。仕事とは何かというこの小説の底に流れるテーマにも、はっきりとした答えが結論づけられている。そしてタイタンと主人公がそれぞれの使命を帯びて別れていく。小説の終わりに、エピローグ、そしてAIの書評まで丁寧に追加されて、読み終えてからも、霧の中を歩いてきたような、そんな気持ちにさせられた。面白いだけではない不思議な読後感の小説である。

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AI『タイタン』が人間の代わりに仕事を行い、人間の暮らしをサポート、それらを自律的に行う未来の話。
世界に12拠点あるタイタンのひとつ「コイオス」の原因不明な機能低下が見つかった。
原因究明のため「コイオス」の自我を目覚めさせ女性カウンセラーと共に旅に出る。

よくあるようなAIが暴走し人間を支配し始めて云々といった話ではない。
SFでもあり哲学的でもある。
『仕事』とは何か、『仕事』をする意味とは。改めて考えさせられた。

珍しいタイプのAIの話で行き着く先が全く想像できなかった。
野崎まどさん初めて読んだけどこの世界観に引き込まれて面白かった。

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2205年。AIが発達して人類は仕事から解放された。
好きなことをして生きる時代。
そんな中原因不明の機能不全に陥ってしまったAIを、趣味で心理学を研究していた内匠が仕事としてカウンセリングをし、原因を探るというお話。
仕事というものを知らない世代からしたら、仕事ってなんだっけという考えと、仕事をやってみたところパワハラやセクハラ問題が出てきてなんだか仕事って…とこっちの気持ちが苦しくなるような感じを受けました。
このお話を通して仕事とはなんだろうということを考えさせられました。

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#NetGalleyJP AIによって労働が取って代わられて、人は労働から解放されるってやっぱり相当ナイーブなんじゃなかろうか。技術の進歩によって労働生産性が上がったのは歴史的にみて初めてでもないけれど、人はフルタイムで働く桎梏から解放されたことはない。消費資本主義の一方の役割としての消費主体を重視するならば消費こそが経済を回す、消費に対する報酬が準備される世界も不可思議ではない、なんて本編にほとんど関係のない超消費体から連想した爺さまのほんの戯言でした。

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労働という概念が人間の手を離れた近未来《ユートピア》小説。趣味で心理学を研究している主人公に《仕事》の依頼が舞い込む。その依頼内容が機能低下したAIのカウンセリングだと言うのだから、もうこの時点で興味を唆られる。「タイタン」のダブルミーニングのタイトル回収はまさにエキサイティング。スケールのデカいロードノベルは最高だ。仕事とは何か。働きかけ影響すること、その影響を知ること、即ち「良い仕事をした」と思うこと。やり甲斐のなさにAIがうつ病を患うのもなるほどと唸らされる。さて、明日からまた《仕事》でもしますか。

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生活インフラがAIにより賄われ、”仕事”というもの自体が無くなった近未来。
世界に12基しかない超AI「タイタン」の稼働不調を調査するために”カウンセラー”として”仕事”を依頼されるヒロイン。
導入部分はそれほど新しいことも無く、仮想人格を持ったAIとの対話など一通りの流れ。
だが!物語なかばから様相は一変。タイトルを伏線としたダイナミクス溢れる、想像だにしなかった大展開!
それからはまさに”神話”ともよべるストーリーが走り始める。
ちゃんと作品テーマへの回答も準備している。とてつもない完成度!
当時話題になったのも納得。野崎まど先生の作品はハズレが無い。
”仕事”に悩む人たちに、物語を読むことで目を拓かせてくれる作品です。
物語を読むことで何かしらの気づきを得られるという良作の見本のような本でした。

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AI『タイタン』により管理された平和な社会。ほとんどの人類は仕事をせずに済む未来社会でAIが機能不全に陥る。心理学が趣味の主人公は今や僅かとなった就労者にAIのカウンセリングの仕事を強制される。AIの固有人格コイオスとの対話から知るAI達の意外すぎる悩みと隠された真実。仕事とは何か、やり甲斐とは何かも考えさせられる。1000メートルの巨大AIロボットが歩いて海を渡るイメージは圧巻。アニメ化すると映えるのではないかな。

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AIによって仕事がなくなる予想の更に先の未来では人は趣味以外何もしなくてもよくなるのは、お金のために働く選択肢しかない現状ではこれ以上ないユートピア。本当になるまであとどのくらいかかるかってちょっと落ち込みつつ仕事の言葉の意味から始まる様々な対話と結末を読み終わって、どんどん人間の世代交代が進み技術の分断が進んでAI同士でも予想しえない躓きとか自然災害が起こったら人類はどうなるだろうってちょっと怖くなるのはマイナス思考すぎるか。

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AIが管理する未来を描く小説や映画は多いが、概ねディストピアが鉄板となっている。
しかし今作は、AIと人類のユートピア...対等な対話を描いている。

世界は「タイタン」と呼ばれる12基の巨大なシステムに、人間社会の全てをゆだねているが、そのうちの1機稼働年数の短いコイオスが機能低下に陥る、その原因を探るため若い心理学者(この世界の人間は労働をしていないため、あくまで趣味?の範囲の研究者のようだが)の内匠がカウンセラーとなることを内密に決められる...。

かなりのページ数であるし、ところどころ細かいことが気になるが、AIと人類の近未来に希望が持てる小説であったことが何より印象深かった。

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生活の糧としての仕事を必要としなくなった近未来。必要な物はすべて望めば手に入るなんて、これまたすごい世界になったものだなと驚きながら読みました。心を病んだAIとの対話と言うこれまた未知の領域。徐々に人らしく(っていうのも変なのかな)なっていくコイオスに好感が持てました。ただ、後半の展開がAI同士殴り合って決着を付けるって言う部分が”え??なんで?”ってなって少々謎。ラストシーンはすごく好きです。

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