汝、星のごとく
凪良ゆう
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刊行日 2022/08/02 | 掲載終了日 2023/09/26
ハッシュタグ:#汝星のごとく #NetGalleyJP
内容紹介
2023年本屋大賞ノミネート&第168回直木賞候補作。
その愛は、あまりにも切ない。
正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。
――わたしは愛する男のために人生を誤りたい。
風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。
――まともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。
出版社からの備考・コメント
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おすすめコメント
【2023年本屋大賞ノミネート】
【第168回直木賞候補作】
【2022王様のブランチBOOK大賞】
【キノベス!2023 第1位】
【ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2022 第3位】
【今月の絶対外さない! プラチナ本 選出(「ダ・ヴィンチ」12月号)】
【第2回 本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞 ノミネート】
【未来屋書店大賞 第2位】
【ミヤボン2022 大賞受賞】
【Apple BOOKS 2022年 今年のベストブック(フィクション部門)】
などなど、賞&ノミネート&ランクイン多数!
《 担当編集者メッセージ 》
凪良ゆうが好きだ。凪良ゆうが書く作品が好きだ。
凪良さんが文芸デビューをされたのは5年前『神さまのビオトープ』(講談社タイガ)だった。あれから5年、待ちに待ってようやく脱稿した『汝、星のごとく』。その原稿を読み終わり、涙を流しながら僕は決めた。
「編集者人生を賭けて、この作品を少しでも多くの読者に届けたい」
本書の企画が動き出し、販売部や書店さんなど関係者と打ち合わせを始めたのは2021年の年の瀬のことだった。あれから一年強が経ち本作は、本屋大賞ノミネートや、直木賞候補、ブランチBOOK大賞、キノベス1位、などなど様々な栄誉に預かり、たくさんの重版をかけることができた。だけど、今でも思っている。「少しでも多くの読者に届けたい」そして、「この物語は、もっともっと多くの人の心を揺さぶる本になる」。
凪良さんは、今、この物語のスピンオフを執筆中だ。どうか皆さんが僕と同じように『汝、星のごとく』の世界を、凪良ゆう作品を好きになってくれますように。
販促プラン
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★★★★★
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★★
出版情報
ISBN | 9784065281499 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
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十代から三十代までの日々が主人公2人の視点で描かれたすごく濃厚な恋愛小説で、読み終わって、思わず長い溜め息を吐いてしまいました。恋愛とともに、「自由に生きること」「不自由さをも自分が選ぶこと」が作品全体に流れていて、人の目が気になる私にとって、主人公2人の思いは共感できると同時に、もどかしくもあり、自分のことは棚に上げて、「お願いだから、好きに生きて!」と祈るような気持ちで読んでいました。
プロローグの場面が物語を読む前と後では印象が大きく異なり、「普通はこうあるべき」「普通から外れた人はかわいそう」という枠の中に無意識のうちに捕われ、それをそのまま特に不自由にも感じずに受け入れていた自分に気づいてぞわっとしました。凪良ゆうさんの作品を読むのは初めてでしたが、私にとって大切な作品になりました。ありがとうございました。
わたしはこの小説を一生忘れないと思います。忘れられないと思います。
この恋愛小説にはわたしの日常がころころ詰まっていて、そのシーン都度に思うことがあります。
主人公とは決して同じ人生は歩んでいないのにです。著者さんにはそんな凄さがあると思います。
直木賞候補、キノベス1位、おめでとうございます。
苦しくて、悲しくて、でも優しくて、いろんな感情でぐちゃぐちゃです…!
暁海と櫂、2人を取り巻く環境に振り回されながら、思うままに生きられないやるせなさ。2人が優しすぎるがゆえに切り離すことのできない親。どうしようもない大人達に2人の心が諦めてしまっているのが本当に苦しかったです。
好きなように生きていいんだよ、その優しさをたまには自分にも向けてあげて…!と、祈るような気持ちで読みました。
そんな中で瞳子さんの言葉は自分自身にも刺さるものが多くて、不倫相手にもかかわらずかっこいい人だなと思ってしまいました。
読み進めるのがつらいところもたくさんあって、何度も休憩しながら読みました。
でも最後まで読んで本当に良かったです。最後は自分の心のままに生きることが出来た2人に、涙が溢れて止まりませんでした。
心に残る、素晴らしい作品をありがとうございました!
恋をして、二人だけで宇宙を構成できたらよかった。親の都合に振り回される二人の現実は非情で、切り捨ててしまえればいいのに捨てきれず、一番大切なものを見失ってしまう。「いざってときは誰に罵られようが切り捨てる、もしくは誰に恨まれようが手に入れる。そういう覚悟がないと、人生はどんどん複雑になっていくわよ」世間一般の正しさを捨て、自らにとっての正しさを選ぶこと。愛する男のために人生を誤ること。一体どれだけの人にできるだろうか。だけど本当は、我々もそうあるべきなのだ。誰も自分の人生の責任を取ってはくれないのだから。
自分の弱さを自覚せず寄りかかり、無意識のうちに子どもを支配する親。でも逃げてしまえば必ず後で後悔する。どちらにしても救いのない状況がいたたまれない。早く大人にならざるをえなかった櫂と暁美の物語はあまりにも切なく心がヒリヒリと痛い。でも海岸で空を見上げる暁美の顔はきっと美しい。内側には星が輝いているからだ。その事実が私を勇気づけてくれる。
正解とか不正解とか、選ぶとは捨てるとは。軽やかにできないから苦しい。
2人が出逢ったところから加速度を上げるように読むことを止められなかった。残り20ページ、ふとスピードを緩めてゆっくりと大切に読みました。
終わって欲しくないと思った2人の物語でした。
「汝、星のごとく」読了。☆☆☆☆☆ 「流浪の月」を読んでからちょうど1年、凪良ゆうの最新作を読む。もしかして「月」と「星」って合わせたのだろうか。感動作、浅田次郎なみのこれでもかというような感動作。「流浪の月」も世間の常識と反する男女の関係を扱った作品だったが今回のは実は純愛小説という訳のわからない作品。ともかく盛沢山で芸術家小説、遠距離恋愛、未婚の父?、不倫、恋愛依存症といったキーワードが浮かぶが私が一番現代的だと思ったのは主人公井上暁海と北原先生の結婚、二人はセックスレスで関係を「互助会」と呼ぶ、こういう関係は「流浪の月」のテーマでもあったし他の女性作家の作品にも最近多いように思うのだ。
恋愛小説はあまり好みではないのですが、この小説はただの恋愛小説とは違いました。高校生同士で出会った2人。それぞれに親という足枷があり、共に生きる事ができないまますれ違っていく。様々なしがらみの中で自分を貫くことは難しい。自分を抑え、忘れようと思いながらも忘れられない想い。心の奥に沁みてくるとても深い「愛」の物語でした。
登場人物達の抱える闇が今の現代社会では「ああ、あるよね」と思えるようなことばかりで読んでいて胸がきゅっと苦しくなる場面が何度も。それでも救いはあるのかもしれないと感じさせてくれる優しく繊細な物語でした。
これまたすごいものを書いたなあと読者としては感謝しかない。瀬戸内の島を舞台に、親によって人生の選択を狭められる高校生の暁海と櫂。島を出て東京で暮らす夢は叶わず、遠距離恋愛は綻びを見せる。彼らの人生はあまりにも過酷だ。そんな二人を支える北原先生の存在はこの物語の清涼剤のよう。特殊な関係を築いていくが、それは外側から見ているだけのことで当事者達が良ければ何の問題もない。穿ったものの見方が生み出すものは偏見や排除といったものだ。誰もが自由に思うように生きられる世界がきますように。今年のベストだろうな。
直木賞候補作、そして本屋大賞ノミネート作品。
読んで納得です。
終盤は、涙とまらず、心揺すぶられ続けました。
どうしてこの子たちは、こんなにもいい子で、こんなにも不器用なんだろう。
ずっと苦しいこの思いは、いつ楽になるんだろう。
仲間、同志の死に涙したり、互助会ができて良かったと安堵したり。
出勤中と、帰宅時に地下鉄やバスで読みましたが、物語の世界に没頭し、人目も気にせず泣きながら読みました。
果てしなく不器用で優しい2人が、出会って、離れて、でもやっぱり互いにずっと想い合っていた。
一緒にいれたのは僅かだったとしても、懸命に生きた2人を見守れて良かった。
読ませていただき、ありがとうございました。
読ませていただき、ありがとうございました。
「退屈ごと愛していた」
無垢な高校生の夏から30代までの男女の深い精神の結び付きを描いた、心揺さぶる壮大な愛の物語。
二人の秘めた強さと未成熟さが不安定な海波を連想し、すぐに島の情景が浮かび心地好いテンポで一気読み。スマホもあり設定は昨今だけど、独特な島の風潮が生み出す閉鎖感と不便さが簡単には繋がれない昭和臭を醸していて、一瞬一瞬がとても貴い時間のように感じられた。特に時間を無駄にするな等の直接的な描写はなかったものの、この作品の伝えたいものの一つであろう「貴重な時間」を、無意識に刷り込まれた。
「四万円」にしたら早く終わってしまうのに、それでも繋がりたかった櫂の切実さ――凪良氏はきっと櫂と同じように身を削り書いたんだろうな、と勝手に想像し余計に苦しくなった。
SNS等で簡単に何でも共有出来ちゃう時代だけど、誰も共感してくれなくても自分達だけわかっていれば良い事もある。
ヤングケアラーや凪良氏十八番の性的マイノリティ等、表に出難い問題にも斬新な切り口でフォーカスし、更なる多様性を示していた。
星を見る度に二人の愛の形を思い出す、つまりは一生忘れないだろう作品。
スピンオフが待ち遠しい。
凪良ゆうは、誰でも抱えている心の小さな引っかかりを炙り出すのがすごく上手だと思う。この主人公たちは、とても困難なバックグラウンドを持っているけれど、思いや考えはそうじゃない人たちと同じで、だからたくさんの人に読まれ共感されるのだと思う。
読後は重い鉛を飲み込んだような衝撃でした。
でもその鉛は蜂蜜でできているのかと錯覚するくらい甘くて苦くて、溶けずにずっと胃の中にある。
正しさって何だろう?
理不尽な人生でも、愚かな選択でも、過去を後悔しても、二人が花火に願いを込めて星に祈る姿に涙した。
プロローグとエピローグ...同じ光景なのに、全く違って見えました。『ここではないどこか』を求めて迷ったりすれ違ったりしながら『自分が選んだ場所へ自分の力で行く』までが丁寧に濃密に書いてあり、読んでいて切ないながらも、とても満たされました。
読ませていただき、ありがとうございました。
もし学生の時に読んでいた暁海の選択に苛立ち、櫂の弱さに腹立ち、彼らの周りの大人たちにも憤っていたかもしれない。
大人になった今の私は作品の誰の生き方も非難も否定もできなくて、人間はなんて単純で複雑な想いを抱えている生き物なのだろうと胸が締め付けられた。
今、出会えて良かった作品でした。
親の不倫や恋愛に振り回される高校生男女を描いた作品です。
自分で自立することが、金銭的にも社会的にも難しい年ごろの苦悩を見事に執筆されています。
子を持ったからといっても”女”であったり”男”であることは止めることができない。
ストーリーは若い二人がメインですが、取り巻く大人の男女への描写も読ませます。
こういった作品を読むと、どうしても自分の過去を振り返ってしまいますね。
評判の通り、とても面白い作品でした。
いろんな見方、読み方ができる作品だと思います。
家族の悩みを共有して話すようになった櫂と暁海。2人の悩みながら苦しみながら生きる姿を見ていると、とにかく苦しくて胸が痛みました。人生に正解なんてなくて、自分が悩んで決めてそこに突き進むことができればそれが一番良いのだろうなあと思います。とにかく最後は泣いてしまいました。2人が満足して幸せであってくれたら良いなと思いながら読み終わりました。
本屋大賞を獲った『流浪の月』を読んでから大好きな作家さんの1人になりました。
凪良ゆうさんの繊細で切なくて美しい文章は、例えそこに苦しみや悲しみが潜んでいても何故か心地良さを感じてしまいます。
登場人物は皆不完全だけれど、それを誤魔化すのでは無く毅然と生きている。私もこうありたいと思わせてくれる、とても大切な一冊に巡り会えた気がします。
妻子のいる相手との恋愛や、教え子との恋愛など、社会の普通から誤った道を選ぶひとたちの事情が描かれ、普通というものがいかに周囲に固められて作られているか実感した。自分にとっての幸せを生きることは、覚悟や努力がある分美しいこと。
ヤングケアラーやLGBTQの当事者も登場する、現代社会にいい意味で衝撃を与える作品だったと思う。
物語の先が気になるのに、心が抉られ過ぎて読む手を止めてしまう。なんとか心の準備をして再度読み始めるがどうしても辛い。なんで2人は辛い試練を乗り越えなければいけないのだろう。それでも色々なものに縛り付けられた2人がどうか幸せになって欲しいと願うばかりでした。
愛と呪いと祈りは似ている。
この一文が心を突き刺す。辛く切なく、苦しい世界を生きてきた彼らが、年を重ね、己を自由に解き放っていく姿に胸を強く打たれました。
同じ視点で書かれたプロローグとエピローグはまったく違う景色に映り、最後の数ページで涙腺崩壊。美しい物語を読ませてくださり有難うございました。
プロローグとエピローグ、同じシーンを描いているのに、読んだ後では見えている世界の色が全然違っていて、急に焦点があったような感覚でした。
小さな島で生まれた恋心はいつしか愛にかたちを変え、遠距離とそれぞれが抱える問題による苦しさは、愛を呪いに近いもののようにしてしまう。それに絡められるようにすれ違っていく2人の姿が、あぁ、確かに愛は優しいだけではないんだな、と諦めに似た痛みは、自由で満足してても感じてしまう欠落感がとてつもなく切なくて、好き嫌いがはっきり出る作品だな、と感じました。
自分で自分を養えるようになれと、始終、暁海の味方でいた瞳子さんがとにかく、魅力的過ぎて、原因の一端だったはずなのに一番好きです。
離れたいのに離れられない、やりたくないのにやらなきゃいけない、わかってるけどわかりたくない。
人、土地、仕事、恋愛、様々なものに対して、登場人物たちが抱える愛しさ、やるせなさ、怒りや悲しみや不安がないまぜになった複雑な心情が、凪良さんの文章だとすとんと入ってくる。
文章自体は静かで、物語は淡々と描かれているようなのに、内容は濃くドラマティックで、余韻がすごい。
瞳子さんや北原先生の言葉に、私もしっかりしなければ…と思わされることが度々ありました。
2023年本屋大賞ノミネート作
現実の世界のアクタージュを思い出しながらも気がついたらこんなの泣いてしまうやんというラストシーンの花火
男女の心理が繊細に語られるため二人のすれ違いにすごく納得しつつやるせなさを感じてしまうのは、物語なのに憤ったり胸が締め付けられる、これがまさに物語に惹き込まれるということなのだ
美しい瀬戸内の海に囲まれた島で、互いに助け合い寄り添い合って生きてきた櫂と暁海。2人が背負う荷物はあまりに重い。本来なら守られるべき立場であるはずなのに、家族の呪縛に縛りつけられている。親が(周りの大人が)自分らしく生きるために、子どもを縛りつけてはいけないと思う。思えば、亡くなった私の父も家族に縛り付けられたヤングケアラーであった。自分のために生きる、ということが分からず苦しんでいるように見えた。家族とは一体何なのだろう。物語では、ふたりがとても美しく描かれていた。だか、本当はこんなに美しいものではないだろう。それでも、自分を生きることを決めた暁海と櫂が美しく描かれていて良かったと思う。しんどくても、少しの希望と救いを感じることができた。
読み終えた時、なぜか、爽やかな気持ちになりました。
この物語の中の、誰の立場にもなりたくはない…
と、思ってしまうほど、それぞれが過酷な何かを抱えてます。
でも、みんな、人との出会いには恵まれたのだと思います。
登場人物達が、自分にも誰かがいてくれる事に気付いて、幸せを感じてくれる度に、『良かったね』とホッとして泣いてしまいました。
それぞれのラストシーンは、他人からしてみたら、決して『幸せ』と呼べるものではないのかもしれません。
それでも、不思議と、温かなものを感じました。
まさに大河小説。運命とも思える出会いから遠距離や嘘に誤解、いろいろな出来事で一度は離れてしまうけどやはり心の一番深いところでは忘れることができず最後の最後にお互い素直になることができた。ずっと一緒にいても果たせなかった約束ってあるもんですよねー。花火、一緒に見れてほんとうによかった。
もうすべてがよかったです。素晴らしいの一言。島という閉鎖的な暮らしのなかでの生きづらさ。その中での男尊女卑。それを受け入れていかなければここでは生きていけない。外に行きたい。外で生きたい。その思いが切実で苦しかったです。
主人公の親は毒親でしょうね。自分が一番。子どもは二の次。自分の目的の為に手段にしてもかまわない。そのせいでしなくていい思いをしなくてはいけない暁海。自分の主張や思いよりも優先させなきゃいけない。子どもなのに。櫂の親も。弱い人。自分が一番ならなんで子どもを持つんだよって思ってしまう。
暁海と梶。二人の物語が紡いがれていく物語。お互いが必要で頼りで支えあっている。唯一無二の二人のはずだった。魂の片割れだと思った。二人とも外にの想いは一緒。離れていても距離なんて関係ないはず。それが成長なのか、大人になることなのかと悲しくなる。
二人を取り巻く人たちが好きになってしまう。感情移入しまくりでなんで幸せにしてあげられないのかと涙。こんなにも一生懸命なのに。まっすぐなのに。
ラストに向かう二人の決断。もうほんとうに涙で読む進められなかったです。