スクロール
橋爪駿輝
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刊行日 2022/12/15 | 掲載終了日 2022/12/14
ハッシュタグ:#スクロール #NetGalleyJP
内容紹介
YOASOBIのヒット曲「ハルジオン」の原作者としても知られる橋爪駿輝の小説デビュー作が文庫化。
本作を原作として北村匠海・中川大志ダブル主演で、2023年2月映画公開決定!
「僕」の前に突如現れた女子高生ハル。
僕の隣に住む元彼の「音」だけでも聞きたいと、僕の部屋に上がってきた『童貞王子』
希望部署に配属されず、くすぶっていたユウスケはバーで出会った菜穂と付き合うが、
ある事件の取材をきっかけに、ふたりの関係は変わっていく『スクロール』
など全5編を収録した鈍色の青春を駆ける連作短編集。
著者・橋爪駿輝(はしづめ しゅんき)
1991年熊本県生まれ。横浜国立大学卒業。小説の執筆は高校生の頃から始め、本作で小説家デビュー。
YOASOBIの大ヒット曲「ハルジオン」の原作者としても話題に。
映像作家としても活動し、Amazon Original連続ドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』
(AmazonPrime Videoにて配信中)では監督を務める。
近著に『この痛みに名前をつけてよ』(講談社)、『さよならですべて歌える』(集英社文庫)。
「週刊SPA!」にて『だから愛(かな)しみに溺れる』を連載中。
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★★
出版情報
ISBN | 9784065302033 |
本体価格 | ¥600 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
読み終わった後、真っ先に「今時の小説っぽい」と思った。
登場人物の行動や考え、さらさら読める文体。今の現代のリアルを書いていて、難解な文学小説じゃないから、私もこの世界の一員になったような錯覚をした。
ストーカーのような女子高生の話から、全て繋がっていた。
今どきの若者たちのリアルな生き方が、流れるように描かれている。
「逃げれるのは強い」みたいな言葉が好き。辛くても、逃げれない人がたくさんいるなかで、逃げることができる人は強い。
この作品がどのような映像になるのか楽しみです。
占いランキングで1位になるのが好きじゃない。何もないならまだしも、その日悪いことがあったらこれで1位なのかと感じるから。ずっとそう思ってきたから、作中の登場人物が同じことを言っていて、共感を通り越した驚きを覚えた。そんな作品が自分に合わないわけがない。
青春なんて言葉は縁遠いと思う人にこそ合う気がする、“鈍色”青春連作短編集。
登場人物の繋がりに気付くタイミングがなかなか衝撃的だった。あの話で楽しそうに笑っていたあの人は、胸の内ではこんなことを抱えていたのかとずっしり来る。
何者にもなれない社会人の若者たちを主人公とした連作短編集で、こんなはずではなかったと思いながらも、あと一歩をなかなか踏み出せずそこからどうにも抜け出せない若者たち。そんな彼らのありようがまたリアルに感じられて印象に残る物語でした。
『スクロール』
若者たちの普段の生活の中でありそうで特別な日常の短編集。
二人が会って同じ空間の中で過ごしていても、自分から見た世界と相手から見た世界は全然違うかもしれない。
短編集ごとの主人公側だけでなく、後でユウスケからの視点で描かれて、対面してた側の気持ちも分かってよかった。
羨ましく思う相手でもいろいろあるんだ。
人は、悩みや抱えているものから逃げたくなる、そんな時、何かに縋りたくなったもの同士で縋ってもいいのかなと思った。
熊本出身の作家さんということで読みました。
登場する男女はある男性の自殺により、自分たちの感情を少なからず揺さぶられます。
そのブレというか心情の波がけっこうグッとくる。
読み始めたときは、正直そこまで面白いとは思ってませんでした。
ですが、読み進めていくうちに彼らとシンクロしていく自分がいました。
”共感”なんて言葉は使いたくないのですが、こんなに自分の心も揺さぶられるとは思ってなかった。
こういった作品に出会うから読書は止められない。
良い意味で”期待を裏切って”くれた作品でした。
キャラクターたちと同年代の読者はどんな感想を持つのかな?
最初と最後で感想が180度変わった、忘れられない物語です。
世間の「青春」のイメージと比べるとちょっとドロっとしている気がしますが、共感できる内容でした。
連作になっているので、話と話が少しずつ繋がっています。とても読み進めやすい。書く短編の主人公たちが大人なので、大学生以降の人たちが読んだら楽しいお話なのかな、と思いました。