ボーダー

移民と難民

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刊行日 2022/11/25 | 掲載終了日 2024/01/31

ハッシュタグ:#ボーダー #NetGalleyJP


内容紹介

ウクライナ難民で始まった話ではない。
スリランカ、ミャンマー、アフガニスタン、そしてアフリカからも……。

命からがら、日本にたどり着いた人たちを、
私たちは、どう受け入れてきたのか?

かつて日本語教師として在留外国人と接してきた作家が、人間の心の奥に潜むボーダー(境界)に迫る。

ノンフィクションの旗手、佐々涼子の新たなるライフワーク。

ウィシュマさん死亡事件で一躍注目を浴びた日本の入管・難民問題を、独自の視点で追った本格ノンフィクション。

『エンド・オブ・ライフ』でYahoo!ニュース|本屋大賞2020年ノンフィクション本大賞受賞後第一作


<著者略歴>
1968年生まれ。神奈川県出身。早稲田大学法学部卒。2014年『紙つなげ!』(早川書房)で、ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR第1位ほか9冠、『エンド・オブ・ライフ』(集英社インターナショナル)でYahoo!ニュース|本屋大賞2020年ノンフィクション本大賞受賞。開高健ノンフィクション賞受賞作『エンジェルフライト』(集英社)は、米倉涼子主演で連続ドラマ化、2023年春アマゾンプライムビデオで配信予定。

ウクライナ難民で始まった話ではない。
スリランカ、ミャンマー、アフガニスタン、そしてアフリカからも……。

命からがら、日本にたどり着いた人たちを、
私たちは、どう受け入れてきたのか?

かつて日本語教師として在留外国人と接してきた作家が、人間の心の奥に潜むボーダー(境界)に迫る。

ノンフィクションの旗手、佐々涼子の新たなるライフワーク。

ウィシュマさん死亡事件で一躍注目を浴びた日本の入管・難民問題を、独自の...


出版社からの備考・コメント

★校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
★本作品のサムネイル画像はNetgalley用に作成したもので、実際の表紙画像とは異なる場合があります。
★発行元は集英社インターナショナル、発売元は集英社です。

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販促プラン

以下拡材を作成予定です。

●POP
●A4横パネル

ご希望の書店様は、恐れ入りますが【集英社インターナショナル・販売促進部】まで直接お問合せください。

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●POP
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出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784797674026
本体価格 ¥1,800 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

たまたま「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」「エンド・オブ・ライフ」は読む機会があり、非常にユニークな視点を持っているノンフィクションライターの方だと思っていたので、その新作には非常に興味があった。
作者は日本語教師として在留外国人と接してきた経歴があり、その経験がこの本の取材モチベーションのベースになっている。
だから単に入管や日本の難民受け入れ政策を声高に非難するみたいな直線的なオピニオンを発しているわけではない。もちろんすべての難民申請が正当なものであるというわけではない現実も描かれる。「難民を受け入れれば日本の労働が奪われる」と危惧する意見も描かれる。あくまでも視点は中立で、意見はストレートに語られる。
この作品を読むと、いま必要なのは、難民移民を受け入れるかどうかの議論ではないということがわかる。門戸を開かないという選択肢はない。島国という閉ざされた国民がいかに大海の人々と同居していくのか、その一端がここでわかったような気がする。
高田馬場や大塚、新大久保、上野アメ横などを歩くと異国民が当たり前に店を構え生活している。これが現実なのだ。そして一方、サンシャインのレストランではチャイニーズギャングが乱闘騒ぎを引き起こす。
だから、この人たちとどう折り合っていくのか、日本人がどう振る舞いむ、異国の人がどう振る舞えば、お互いが幸せの共存できるのか。そしてどうすれば日本と世界がうまく高め合う未来を築けるのか。
課題は多い。むしろ事態は一層悪化し、複雑化している。日本はかつてない円安に見舞われ、経済世界の中での地位はどんどん低下している。ジャパン・アズ・ナンバーワンの時代はとうに過ぎ、貧困と高齢化による絶望が日本全土を覆っている。
そんな時代を抜け出す一つのヒントがここにある。
ほどほどいい歳になってしまったのでできることは限られるが、でも日本が世界の中での存在感を取り戻せるならば、世界か一目置かれるポジションを取り戻せるならば、まずその一歩は難民移民問題なのではないか。
何かやれることがあるならばやってみたいと考えさせられる一冊だった。

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出入国管理局の中で、長期収容されていたスリランカ人の女性が死亡したというニュースを見た。家族は、「なぜ死ななければならなかったのか。」と、真相究明を求めている。そんなときに、この本を知った。佐々さんの丁寧な取材や、取材対象者との相互信頼の関係性が文章から感じられ、どんどん読み進めることができた。ページをめくるたびに、これが、難民に対する現在の日本の状況なのかと、何度も失望した。こんなに、冷たく、厳しい国だったのか。自分の無知さを思い知らされた。今の私に何ができるのかはわからないが、多くの人に読んでもらいたいと思った作品である。

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読みながらこれほど憤ったことがあっただろうか。そして己の無知さがどれほどの罪を持つかということも。名古屋入管でのスリランカ女性の死亡事件を機にメディアで取り上げられる頻度が増えた入管問題。しかし報道されない真実はまだ多い。日本に助けを求める外国人に対する非人道的な対応を佐々さんは自らの戒めと共に明らかにする。島国ゆえの閉鎖性や恐れはわかるが人権に対する意識の低ささには愕然とする。必死に闘っている弁護士や支援者の苦悩を伝えんとする力強いルポはきっと社会を動かす。

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ウィシュマさんの事件で、入管の問題が報道されるようになったが、まだまだ知らない事が多い。入管では劣悪な環境の下、職員の日常的な暴行が行われているという。祖国でつらい日々を送ってきた人達が助けを求めて来た日本で、なぜこのような目に合うのか。理不尽すぎる。まして子どもたちに対する処置には胸が締め付けられる。
地方においても外国人はもはや特別な存在ではない。隣にいる人、なのだ。その隣人に何ができるのか、考える事が第一歩なのだろう。
「私たちはみんな裸のまま生まれてくる。~区別するのは人間が頭の中に作った境界(ボーダー)にすぎない」という作者の思いを多くの人に読んで貰いたい。

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これが本当に先進国である日本なのかと失望すると共に、それを知らなかった無知な自分にも腹が立つ。本当にこのままでは日本は国際社会から取り残されるし、有事の際に誰も助けてくれないかもしれない。少子化対策に失敗しているにも関わらず、いつまでこの純血主義を貫くのか。私たちはこの本に書かれている事実を忘れてはならないと思う。

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佐々さんの新作で入管・難民問題を扱っているということでついつい期待がふくらむ中で読みましたが、期待が大きいと肩透かしを食らうことも多い中、期待に違わぬ読み応え。対象の選び方、視点の定め方、言葉の選び方。入管というブラックボックスを暴こうと活動していらっしゃる方はほかにもいますが、佐々さんの当事者や支援者の方たちとのやり取りに垣間見られるご本人の姿勢にこちらの姿勢も正される思いがしました。
ウィシュマさんや入管法改正案(「正しく」なっているとの自負なのでしょうが語義的には「改定」だと思います。廃案になったものは改めただけで正しくはなっているとは思えないので)、ウクライナ避難民など以前よりも増えた関連報道がきっかけで入管・難民問題に興味を持った人にも是非お勧めしたいし、映画『マイスモールランド』や書籍『ふるさとって呼んでもいいですか』や『やさしい猫』のようにもう少しソフトなところから関心を持った人にも次なる一歩として読んでもらいたい。

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人権週間ってイマイチピンとこないな、と思っていましたがここにきて読むべき本が見つかったな、と思いました。

難民についてはほんとに自分は何も知らなかったと痛感しました。元々日本は認定が難しいということは知っていましたが、彼らがここまで人権を無視した扱いをされていたとは。
目を覆いたくなる現実です。

しかしここで覆っていては何も変わらない。自分は何が出来るのか。
あるべ難民センターは人の善意を信じることができる場所です。
ただこの希望の光は全体を通して見ると、とてもとても小さなものです。
たとえ小さい光でも何百何千と集まれば、暗闇を照らす大きな光になるかもしれない。

法務省は人権週間を掲げるなら牛久の実態にも目を向けてみたらよいのではないでしょうか。

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難民や入管、技能実習生などを取材したルポ。『私の人生最大の失敗は、日本に助けを求めたことです』。これはアフガニスタン人難民の言葉。自国で生命の危機を感じ、日本ならきっと救ってくれるとやっとの思いでたどり着いた人に、こんなふうに思わせてしまう“OMOTENASHI”の国、日本。技能実習生を受け入れる日本側がいまだに上から目線でいることが滑稽で泣ける。この国が同質性に異常に囚われている限り、未来はないとしか思えない。難民問題に取り組む弁護士さんや鎌倉の施設に関わる人たちのパートがなかったら本当につらいだけの一冊だった。怒りでおかしくなりそうだった。

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佐々さんのお仕事はいつも全力投球だ。取材対象にどっぷりと浸かり、身も心も溶け込んで、それから客観的な状況やデータを揃えて執筆されているように感じる。実際どうなのかは知らないけれど、どの著作にも、関わった人々に対する強烈な責任感と連帯の意識を感じる。自分自身の羽を抜いて機を織る鶴のようだ、いや、逆にいろいろなものを背負いこんで倒れそうになる旅人のようでもある。

入管の酷さについては別の本で知っていたから驚きはなかったけれど、なぜそうなってしまうのかが疑問だった。佐々さんは、元日本語教師という経験も活かしつつ、日本の外国人に関する政策の一貫性のなさ、場当たり的で俯瞰した視点を持たない愚かさを描き出している。経済の状況によってコロコロ変わっていく方針、そして根底にある閉鎖性と差別意識。「悪意のない差別」がまん延しているのが現代日本。さらに、そこにわずかな光を描くことも忘れない。本書を読んで改めて、どうしたら現状を変えていくことができるのか、深く考えさせられた。

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本というものは、「何が書いてあるのか」がもちろん重要だが、「誰が書いたのか」も同じぐらい重要だと思う。
本書はまさに「この本を佐々涼子が書いた」ことに意味がある1冊である。

この本を読む前にぜひ、著者が書いた「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」と「エンド・オブ・ライフ」を読んでほしい。この2冊の共通点は、「1人の人間がとても大切にされている」ということである。
前者が描くのは、海外で亡くなった日本人に、「”灰と骨”ではなく、”遺体”として日本に帰ってきてほしい」と願う遺族の希望を叶える会社である。一方後者が描くのは、命が残りわずかとなった人と、その人の「最後のやりたい」を献身的に支える医師や看護師の姿である。

さて今回の「ボーダー」である。この作品の世界は、先に紹介した2冊とは悲しいぐらい真反対である。
これが本当に今の日本なのだろうかと疑いたくなってしまうぐらいに、入管ではひと1人の命は軽いし、人を人とも思わない扱いが日常的に繰り返されている。
1人の人間の命の尊さを見つめてきた佐々涼子だからこそ描けた、ノンフィクションだと思う。
心にズドンと響きました。

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ウクライナの戦争で難民が日本にも沢山来ていることは知っていたが、難民を受け入れる制度やその実態を全く知りませんでした。遠い日本に言葉も通じない外国の方がたどり着き、大変だなぁと思う気持ちと、ささやかに日本も難民を受け入れる貢献ができて良かったとさえ思っていた。
でも、本書を読んでその気持ちが大きく揺らいでしまった。日本の国に対して不信感が湧き、自国を嫌いになりそうです。
島国体質が剥き出しの実態は本当なのか?
信じられない気持ちでいっぱいです。
入管で複数の難民が亡くなっている実態は新聞でも知っていましたが、なぜ広く深く疑問を持たなかったのか。。
肌の色や言語や習慣が違っても、人としての尊厳を奪う事のない国。
日本の国として恥ずかしくない対応をして欲しいと切に感じました。

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日本は難民認定率が国際的に見ても低いそうだ。ちょうど数日前、入管中に死亡したスリランカ人の女性ウィシュマさんの入管中の映像を法廷で上映することが認められた。
作者は書き綴る。命がぼろ切れのように放置されている、と。難民は国に認定されなくても既に難民なのに。
それなのに、私たちが美しくて平和だと信じる国は、おもてなしの国日本は、変わりつつある世界情勢に関心が薄い。助けを求めてやってくる外国人の人権がないがしろにされている。愕然とした。今作品は、私たちが知らなかった入管行政について鋭く書き綴っている。ボーダーとは人間が頭で作ったものなのだと。根強い差別感情や、使い捨て同様の外国人労働者への依存を鋭く指摘し、そう遠くない日本の未来に警鐘を鳴らしている。

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普段はあまりノンフィクションを読みません。
読んでいてつらく、しんどくなることが多くて
読書がストレス解消でなくなってしまうので。
でも佐々涼子さんの『エンジェルフライト』や『紙つなげ!』は以前に読んでいて
すごくよかったから、つい、手を出してしまいました。
ウィシュマさんの事件や、日本が難民認定されにくい国であること、
無国籍の子どもの存在など
新聞などで断片として見聞きしていたこともあり
知ったその時には「ひどい」と心を痛めながら
常時追加される別の情報にかき消され、忘れていられたことたちが
まとめて押し寄せたような気になりました。
決して、声高に主張しているわけではなく冷静に淡々と紡がれている文章。
それが逆に、日本という国がどれだけ彼らにひどい扱いをしているのかを浮きだたせます。
「アルペなんみんセンター」に行きついた人は幸運だったのだと思う。
でも、大勢の中の、ほんの一握り。
同じような場所がもっとたくさんあれば
むしろ、そんな場所が必要でない国に変わっていければ…

私は神奈川県民ですが、鎌倉に「アルペなんみんセンター」があることも、近隣の市民と交流があることも知りませんでした。
『ボーダー』を読んで、アルぺなんみんセンターを調べてみて、そこから
鎌倉市が「難民を支える自治体ネットワーク」に署名していることを知りました。(横浜市も署名しているそうです)
そもそも、そんなネットワークの存在自体知らなかった…。

この本が、多くの人に読まれて、「難民」がもっとクローズアップされると良いと思います。
とりあえず、中学生の娘にも勧めてみようと思いました。

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これが「おもてなし」の国、日本で起きている現実だと思うと戦慄する。
日本での難民申請者の弁護を長年続けている児玉弁護士の活動は、まさに地獄に仏。
しかし、国際難民条約に加入している国でこんなひどいことがまかり通っていることが事態が異常だと言えよう。
日本が難民条約に加入しているからこそ、そこに望みをつないでくる難民も多いはず。
経済や政治的事情によって、弱い立場の人の命が左右されることがあってはならないと、強く感じると共に、
一人でも多くの人にこの現状を知ってもらいたいと思った。

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