狙われた羊
中村敦夫
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刊行日 2022/11/15 | 掲載終了日 2022/11/14
ハッシュタグ:#狙われた羊 #NetGalleyJP
内容紹介
カルト宗教は、心を奪い、カネを奪い、家族を壊す!
カルト教団によるマインドコントロールの恐怖と、悪辣な集金システムを描いた名作フィクション、緊急文庫化!
最近は浮気調査ばかりしている探偵の牛島のもとに、奇妙な依頼が舞い込んできた。
「人さらいはやってもらえるんでしょうか?」
依頼人の息子は、突如連絡を絶ったのだという。どうやら、あやしげな団体に深入りしているらしい。
「厄介な仕事」と踏んだ牛島は当初依頼を断ったが、秘書の坂巻に説得されて調査を開始。すると、依頼人の息子は、近年様々な問題を起こしているカルト教団に入信していることが判明した――。
世間を騒がすカルト教団、そして家族を取り返すために戦う人々を描いた小説が、30年の時を経て復活!
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出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784065298824 |
本体価格 | ¥610 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
新興宗教や心理コントロールセミナーを題材にした小説はけっこうあって、この小説もかつて読んだことがあったはずだがほとんど内容は忘れていた。
書籍は蘇る。時を経て、今だからそこ読んで欲しいという作者や編集者の熱意があれば、再び命を与えることができるのだ。
この作品のモデルになっているのは、近年話題になっているあの宗教だ。いかに政治に取り入り、心理的コントロールを駆使して洗脳していくかの過程がもうこの当時にここまでつまびやかに描かれていたとは驚きなほど。
今の小説のテンポと情報量だと、もっといろいろと枝葉にストーリーが欲しくなってしまうが、この作品には情報小説なのに意外にも無駄がない。だからこそ本質がむき出しになっていて読みやすい。
それにしても、あの木枯し紋次郎は本当に多才な人だったのだと改めて感心させられる。
外語大のインドネシア語科卒ということは、光浦靖子の先輩ということか。なかなか多芸な学科だ。
473ページがあっという間だった。著者の伝えなくてはという熱量を感じ、一気に読み終えた。
現在、世界平和統一家庭連合(旧統一協会)と政治家とのつながりが明らかになり、問題視され、再度注目が集まっている。
本書が発表された1994年……90年代は霊感商法の被害が広がり、問題になっていた頃だ。
当時、私は学生で東京にいた。駅前で新興宗教の勧誘らしき若者グループを見かけたり、学生寮で「壺や印鑑、パワーストーンなどを売りつける輩について行かないように」と注意されたり、合同結婚式に薄ら寒さを感じた事を読み進めるうちに思い出した。
「どう考えても怪しいのに、なぜ信じてしまうのだろう」と不思議に思っていたが、本書を読む中で、作中の敬霊協会という新興宗教を信じてしまう人々の弱さは自分の中にもあると気がついた。「強いものに従っていれば、成功するのではないか。苦しみから救われるのではないか」と思い、縋ってしまうことを笑うことはできない。誰でも陥ってしまう落とし穴なのだ。
今、日本人は自分で物事を考えることができなくなっていると言われている。ネット社会になって情報が溢れているにも関わらず。溢れているからこそ、その中の何を信じればいいのかわからなくなり、声の大きな者、自分の都合のいい事、心地よい言葉に引っ張られてしまうのかもしれない。
だからこそ、本書が今、文庫で再販されることの意味は大きい。
統一教会のことは、30年以上前に、実家にひんぱんに珍味売りが来たり、純朴な地方出身の後輩が焼き肉パーティへ行ったり、通勤に利用する津田沼駅で手相を勉強しているなどと話しかけてくる人がうろうろしていた後、霊感商法がやワイドショーでネタになり、珍奇なニュースとして心にありました。
が、今、阿部総理の暗殺で再び話題になり、当時のことを思い出しました。
そこへ今回の作品があり、統一教会のことに少し興味があったので、リクエストをしました。
まず、リアリティのあるすべてのエピソードをひとつの物語の中に破綻なく落とし込んだ的確な描写に
圧倒され、途中で読むのを止められず一気にラストまで読んでしまいました。
洗脳をとく大変さも、ひしひしと体感するように伝わってきました。
おそらくすべて事実に基づいている内容であり、綿密に取材された材料を組み立てられたのだと思います。
当時実家にきていた珍味売りの異常なテンションなども思い出しました。
自分の頭の中で長い間忘れていたパズルが、すっと解かれたような気持ちです。
物語としても最後まで興味深く読ませる構成で、作者の筆力と覚悟を感じます。
読後感は、胸が熱く幸福な気持ちになれました。
たくさんの人に読んでいただきたい大変素晴らしい作品だと思います。
貴重な原稿をありがとうございました。
小説ならまだ救いがあるからいい。でもこれはもうノンフィクションだ。よくもここまで調べられたものだと驚く。怖くて怖くて、途中で読むのをやめたくなるほどだった。さらに、ワープロやファックスがあるのにスマホが出てこないことを不思議に思っていたら、80年代に書かれたものだと知って驚愕した。
ここまで問題提起がされていたのに、なぜ何十年もの間野放しになっていたのか。もちろん作中に暗喩される、もしくは今ニュースで騒がれる政治家の責任は重い(が決して裁かれることはないのだろう)。
昨今の報道を見ていると、発刊当時は著者にどこまで圧力がかかったのか心配になるが、このタイミングで改めてこの本が表に出ることに、心からの拍手と敬意を送りたい。一人でも多くの方に手に取っていただきたいし、一人でも多くのシープが心も体も解放されますように。
今話題のあの宗教からの脱退・脱会についての内容ですね。
似非教祖から数えて3段目位までの人間が儲かる、ねずみ講に近い集金の仕方。
この手の本を読むと、狡さに長けた一部賢いクズと世間を知らない純真な若者が騙されるの常。
お医者様でもセカンドオピニオンが当たり前の時代なのに、何故宗教とやらは1つにのめり込むと周りが見えなくなる?
今騒がれているあの宗教。
1994年に発刊されたこの本が復活するというその意味を考えながら読んでいた。
社会的に問題になった当時、両親が通うキリスト教の教会に宗教団体から奪回されて暮らしている人がいた。この本の中にも同じような過程があり当時を思い出した。洗脳を解くまでの道のりは本当に大変だったのだろう。
洗脳が解けるまで子供だった私は接触ができなかったが、洗脳が解けたその人はとても優しくよく笑い大好きな近所のお姉さんとなった。
彼女を思い出すと、決して弱い人ではなくほんの些細なきっかけでつけこまれたのだろうと今でも思う。
今年、またあの団体や彼らと関わった政治家を巻き込み社会問題となっている。
宗教絡みの問題が、30年の時を越えて繰り返されてしまったが、この問題を次の世代に先送りし繰り返してはいけないのだと改めて思った。復刊されたことで多くの人に考えてもらうきっかけとなるだろう。
著者の事実を追求する執念に脱帽。30年前から騒がれていた新興宗教だが、どこか自分とは無関係のことだと思っていたが、数十年の時を経て、気付かぬうちに深く我々の生活に入り込んでいたことを改めて実感し、宗教を隠れ蓑に、一部の人間のみが金に溺れ、それより下の無知で純粋な人間が吸い上げられてしまう無慈悲な構造を思い知った。そして、がんじがらめに洗脳されてしまうと、家族の必死な叫びも他人事のように届かず、結局は家族もろとも破壊されてしまうこともよく分かった。全ては金儲けのため、金に尽きることをどうして分からないのだろう。宗教非課税もやめればこういう事も減ってはいくだろうが、政治家とズブズブの現実に、果たして救いはあるのだろうか?
単に信仰宗教の話かと思っていたけどもっと奥が深かった。
結果的には騙されていた信者も信じていた時は幸せを感じていたんだろうかとか、騙す方の人も純粋にこの宗教を信じて仲間を増やそうと必死だったのか。
単純に騙す方は悪で騙される方も悪いとは言い切れないと思った
作者の地道な取材と下調べ、情報量の膨大さに宗教団体の真実を描きたいという作者の強い執念
のようなものが伺える。
まさに今世間で問題になっている宗教団体が、すでに30年前に小説の中でフィクションとして描
かれている。
ということは、何十年たっても問題とされたこの宗教団体は
何も変わっていないということか。
そして、被害者が続出している一方で、この宗教を支持し信仰している人がいる。
新興宗教とはとても難しい問題である。外から見ているものと、中で見えるものがこんなにも違い、
洗脳という人為的な操作によって、人格を改造され自分でなくなってしまう。
その洗脳を解くためには膨大な時間と労力が必要である。
団体から抜け出せても洗脳の後遺症は重く、本人や家族はその後も長い戦いが続いていく。
宗教の底知れない深さと恐ろしさを知った。
尾崎加代とその家族の戦いや北原牧師の元に集まる元信者の話がとてもリアルだった。
牛島の戦いはまだまだ続きそうですね。
普段は浮気調査をしている探偵・牛島も元に『ひとさらいをして欲しい』との奇妙な依頼が…。牛島とカルト宗教との闘いが始まる。徐々に暴かれていくのでは無く読み始めから怪しさ満載の内容。展開も早く読んでいて全く飽きない。400頁超だが一気に読めてしまう。純粋で真面目、現在や将来の自分に不安や疑問を持っている様な人こそ嵌ってしまうのかもしれない。信仰心は自由だが、そこにつけ込む『詐欺』には怒りを感じる。洗脳状態から覚醒させる過程が特に面白かった。主人公・牛島の人間臭い人柄にも魅力を感じた。
カルト教団に入り洗脳されてゆく女性、教団に囚われた息子を連れ戻してほしいと依頼された探偵、信者から集金する幹部のそれぞれの視点から語られる。読みやすく、洗脳を解く方法とマインドコントロールされる方法の双方が詳しく語られるので勉強にもなる。某カルト宗教がモデルだが、集金の目的やヤバいシステムや本家が某国であることなど既にこのころからわかっていたのに何故いまだにと逆に驚愕。著者中村敦夫さんは参議院議員にもなられた「木枯し紋次郎」の俳優さん。
30年前に出版された小説が2022年11月に文庫化されて改めて世に出るということ。読み始めればすぐにわかるが、これには社会的意味があるだろう。今話題の「あの問題」そのものだ。そして中村敦夫さん?え?あの人?誰でも知っている顔だと思うが、作家活動?と。経歴をみると東京外大インドネシア語学科。政治家、俳優。長い小説だったが、本業の片手間にというような本では決してない。この問題の根の深さ、宗教と人の心の問題、政治やカネ。30年前に書かれたものとはとても思えないほどリアルで緊迫感があった。
およそ30年ほど前の本なのに、全く古さを感じさせないことに驚いた。
現在等に安倍総理が殺害されてから旧統一教会について救済法などいろいろな話題が事欠かない。
うちの母親も心霊商法から印鑑、壺まで買っていて就学前の私達子供を連れて学習に通っていたことがある。
ちなみにそれは100%脅しで行かされたらしいが。
大学時代にも友人が変なアルバイトや新興宗教の合宿のようなものに連れて行かれた話を聞いたことがある。
こういうことから私はこういったセクトや押し売りが生理的に受け付けないようになった。
コロナ、健康からスピリチュアルにハマった友人もなんだか陰謀論を語りだしたので、スピリチュアルも大嫌いになった。正しいことを言うこともあるかもしれないが、大嫌いになったので全てを否定したくなってしまう。
この中で出てきた藤田さんや牧師さんはすごいなあと思った。こんな根気私にはない。
一見すると明らかに変でしょ??って思えるようなことだけど、心の隙を突かれ当事者となってしまったら、抗う術はないのだろうか。マインドコントロール恐るべしです。ただ、ここまでの事が出来るならもっと良い方に能力使えばいいのになと思う。現実でも、被害に合われている方が1日でも早く救われるように願うばかりです。
『狙われた羊』
カルト宗教団体に取り込まれてしまった息子を救出したいという依頼を受け、私立探偵の主人公が動き出す。
約30年も前に書かれた本の文庫化。
カルト宗教の勧誘・洗脳・資金集め・強固な組織化まで、こんなことが行われているとすれば恐ろしいと思った。モデルは、話題になっているあの宗教だと思うが、30年前にはもうこんなことが…
一度、洗脳の毒牙にかかってしまうと抜け出すのは容易ではない、純粋な若者を資金集めの装置に変えていくのは許し難いことだ。それを上の人の利益のためだけとすればもっと罪は重い。
やはり知ることは最大の防御になる。一度、読んで貰いたい。
自分から近づかなければ取り込まれないと思っていたのに、そこかしこに蜘蛛の巣を張って獲物が通りかかるのを待っている状態だったなんてますます新しい場所と人が怖くなる。出会わないようにするには情報収集なのか、また出会ってしまってもどういうセンサーを持てば最小限で逃げられるんだろうか。
随分と前の小説だが、現在というよりどの時代でも通じる内容。
時代を感じるのは携帯電話の描写くらい。
それ以外は恐ろしいほどに現代とマッチしている。
裏を返せば、新宗教の問題は何一つ解決どころか好転もしていないということ。
洗脳されていく描写がしっかりと書かれているので、注意喚起にもなっている。
この小説が「こんな時代もあったのね」となる日が待ち遠しい。