天路の旅人

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刊行日 2022/10/25 | 掲載終了日 2022/11/09

ハッシュタグ:#天路の旅人 #NetGalleyJP


内容紹介

「この稀有な旅人のことを、どうしても書きたい。」

『深夜特急』シリーズの沢木耕太郎が、どうしても完成させたかった9年ぶりのノンフィクション長編。

1943年から8年間、中国からインドまでたった一人で旅した男・西川一三(かずみ)。
当初は密偵として西を目指した西川だが終戦後もラマ僧のふりをして旅を続け、ヒマラヤを9度越え物乞いも経験、幾度も死線をさまよった。そんな稀代の旅人の人生を彼への1年間に及ぶ徹底的なインタビューをもとに描き出す。

「この稀有な旅人のことを、どうしても書きたい。」

『深夜特急』シリーズの沢木耕太郎が、どうしても完成させたかった9年ぶりのノンフィクション長編。

1943年から8年間、中国からインドまでたった一人で旅した男・西川一三(かずみ)。
当初は密偵として西を目指した西川だが終戦後もラマ僧のふりをして旅を続け、ヒマラヤを9度越え物乞いも経験、幾度も死線をさまよった。そんな稀代の旅人の人生を彼への1年間に及ぶ徹底的...


おすすめコメント

「新潮」で第一部、第二部にわけて掲載しましたが話題になり完売に近い売り上げを出しました。『深夜特急』シリーズを読んだことのある人には絶対に読んでもらいたい作品です。

モデルになっている西川さんのとてつもないエネルギーと、どこまでも自由を希求する純粋さと狂気は沢木さんによく似ています。沢木さんは数年かかっても、どうしても西川さんを主人公とした長編を書きたかったそうです。

「新潮」で第一部、第二部にわけて掲載しましたが話題になり完売に近い売り上げを出しました。『深夜特急』シリーズを読んだことのある人には絶対に読んでもらいたい作品です。

モデルになっている西川さんのとてつもないエネルギーと、どこまでも自由を希求する純粋さと狂気は沢木さんによく似ています。沢木さんは数年かかっても、どうしても西川さんを主人公とした長編を書きたかったそうです。


販促プラン

拡材(B2ポスター、A4パネル、POP)あります。
また、ゲラをお読みいただいた方、特に書店員の皆様にご感想と初回希望を募ります。PDFをダウンロードしてFAXかメール(kmhrk@shinchosha.co.jp)まで送付してください。
どうぞ宜しくお願い致します。 

拡材(B2ポスター、A4パネル、POP)あります。
また、ゲラをお読みいただいた方、特に書店員の皆様にご感想と初回希望を募ります。PDFをダウンロードしてFAXかメール(kmhrk@shinchosha.co.jp)まで送付してください。
どうぞ宜しくお願い致します。 


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784103275237
本体価格 ¥2,400 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

『深夜特急』を初めて読んでから30年近くが経つ。
《ワレ到着セズ》この言葉にたどり着きたくてシリーズを何度も読み返している。
その著者である沢木耕太郎さんがどうしても描きたかったという、西川一三さんの旅を読みたくてこの本をリクエストした。

盛岡に西川さんを訪ねる場面から始まる。
西川さんについて私は全く知らなかったが、沢木さんが「このひとについて書いてみたい」と強く思った場面では、私もこの人について、この人の旅をもっと知りたいと思い読み進めた。

1943年から8年間の中国からインドまでへの旅。その旅は過酷なものであった。
沢木さんが書く旅は、その土地の風景が見え、人々の声が聞こえてくるようで読んでいてとても楽しい。聞いたことのない食べ物までもが美味しそうに思える。
密偵として西を目指し、終戦を知ってからもラマ僧として旅を続ける。放浪に必要なのは金より言葉、と働きながら勉強を続ける西川さんの旅は、時代を越えても人の心に響いてくる。色褪せない旅が沢木さんの旅とも重なってくるようにも思えた。
「どうして自分の語学力を生かそうとしなかったのですか」というインタヴューに答えた西川さんの答えが本当に素敵だった。

沢木さんと西川さんの旅が交差したかのような二人の会話で終わるラストに私も鳥肌がたった。そしてその場面のページをあの本から探し当てた。
ほんの一瞬だけ二人の会話に加われたようで、とても幸せな気持ちで読み終えた。

『深夜特急』で沢木さんの旅に心踊らせたことのある人はぜひ読んでほしい。もちろん読んだことがなくても、西川さんの旅を一緒にたどり、時代を越えても色褪せない旅を味わってほしい。
発売されたら私もまたこの旅を味わいたい。

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誰であっても心を鎮めて耳を澄ませば聖なる刻を見出だすことができる。
そう思えるまでにどんな過酷な体験をしてきたんだろうか。想像が追い付かない。
長い長い潜伏、密偵という役目を隠し通して旅を続ける西川さんの実直さと強い忍耐力に驚いてしまう。
ほんの小さな判断ひとつで命を落とすのが自分だっかのかもしれない。
終戦そして日本の敗戦を知った後でさえラマ僧として旅を続けたかった無念の表情が見えるようです。
壮大な景色、交わす人々との会話、明日ともわからない命。
次の一日は新しい一日。一期一会。
不自由の中にある自由を強く感じる。
なんて魅力的なんでしょうか。
そして「至誠」こそが人と人を繋ぐ武器になるという言葉が印象に残りました。
多言語を使いこなすことのできる彼ならば、その後、選択肢は他にもあったはずだと考えた私は浅はかだったのかもしれない。
そんな男がいたことをただ覚えていようと思いました。
素晴らしい読書時間でした。

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日中戦争下に内蒙古より河西回廊を経てチベットに潜行。戦後インドを経て帰国したという、簡単に言葉で書けばこれだけのことだが、すごい旅路だった。今の世の中では想像もできないような過酷な状況下でもどこか飄々と放浪する西川が印象に残る。作者のさすがの語り口で空気や匂いや温度を感じながら夢中で読んでしまった。

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沢木さんが実際にインタビューして書かれた本ということで、興味を持って読み始めた西川一三さんのすさまじい想像を超える過酷なでも自由な旅のお話。
満鉄に就職してから、一人密偵として未開の地をラマ僧として進み続け、山を超え、川を渡り進んでいく姿。そのあまりに身軽で、その時々の状況に運命を預け進む様子が、沢木さんの描写で一緒に旅しているかのような臨場感ですすんでいきます。
同じ時期にいた唯一の日本人、木村さんとの対比や実直な西川さんの姿も印象的です。また当時の状況や何があったのか、是非多くの人に読んでもらいたい本でした。

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600ページ弱もの超大作を読み終えた時は、自分も長旅を終えたような感慨にふけった。西川さんが密偵としてモンゴルに渡り、中国、チベットと旅をしてきた8年間、蒙古人のラマ僧と偽り、修行を続け、未開の地を求めて歩き続ける姿に圧倒された。思い通りにならない時も不自由を感じる時も、計画を柔軟に変えて、その時に受容できることに感謝を覚えることは、現代に生きる私たちにも通用する賢い生き方だと思う。
沢木さんの旅路と西川さんの旅路が、時間を超えて交差した瞬間は鳥肌がたった。偉大な旅をしてきた方の人生を教えてくれたこの本に感謝したい。

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二度、大きく驚いた。一度目はその旅の過酷さ、多彩さだ。知らない場所へ行って見たい、知らない民族と話してみたい、その気持ちに答えるように旅はさまざまな風景、人間たちに出会わせてくれる。
もう一度は西川一三という人間その人だ。帰国してからは自分の旅を本に残したとはいえ、1年のうち364日を自分の経営する店で働く。それも出勤してから帰るまで判で押したような生活。だが読み進めて行くと、旅の中でも日本の生活でも一日一日に真摯に向き合う西川一三が感じられる。その人の内側をたどることもまた旅のひとつだ。

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第二次世界大戦末期に密偵となり旅を始めた西川一三、その旅を沢木幸太郎さんの西川氏へのインタビューによって再度、世に送り出すことになったという。

巡礼僧として旅をすることになった西川。最初はついていくのに必死。飢えも寒さも最初は根性で、そして旅で身に着けていく知見で乗り越えていく。

淡々とした語り口から紡ぎだされるのは旅の行程、空気、出来事、出会い。苦難だらけですがそれもまた乗り越えて昇華される浪漫。567頁に及ぶ人生と旅、読めたことを感謝します。

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長い長い旅だった。中国からチベット、インドへと、切望する西川一三と、この人を書きたいと駆られる沢木耕太郎の魂が交錯するさまに圧倒された。
人が何かを為したいと願う気持ちの凝縮された思いの底光りする輝きに、打たれた。
幾多の危機を乗り越え、己の信ずるところを貫き通す西川一三の自由を求め、己を試すがごとき行いに、本当に命がけの生き方を見た。
安堵ともに、深い感動を覚えつつ。

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