シャドウワーク
佐野広実
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2022/09/26 | 掲載終了日 2022/09/25
ハッシュタグ:#シャドウワーク #NetGalleyJP
内容紹介
四日に一人
妻が夫に殺される
ドメスティック・バイオレンス。
声を上げられない被害者たちが、今日もどこかで心と体に瀕死の重傷を負っている。
暴力夫から命がけで逃れ、江ノ島を望む風変わりなシェルターにたどり着いた紀子。
その家には、ある一つの「ルール」があった。
集団内の「同調圧力」をテーマにした衝撃のミステリー『誰かがこの町で』が大きな話題となった江戸川乱歩賞作家・佐野広実さんの最新作、テーマは「DV」です。
一度は愛し合って結婚した相手に人間として扱われず、
命に危険が及びかねない暴力に日常的にさらされ、社会にも法にも守られない。
そんな被害者たちが生きるために下した決断とは?
絶望の果てを見た女たちが生きる世界。究極のシスターフッド・ノワール!
出版社からの備考・コメント
発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方
下記に該当する方のリクエストはお断りさせていただく場合がございます。
ご理解のほど、宜しくお願いいたします。
○お名前・所属、活動先、ご利用されているSNSなど、詳細な記載がなく、プロフィールにてお人柄が伺えない方
○作品ごとに設けました外部サイトへのレビューのルールをお守りいただけない方
○フィードバック率の低い状態が長く続く方
-----------------
※※リクエストの承認につきましては現在お時間をいただいております。
販促プラン
★
読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューを投稿ください!
著者・担当編集ともに楽しみにお待ちしております。
また、適したメディアやお持ちのSNSにもレビューを投稿いただき、多くの方に本を拡げていただけますと嬉しく幸いです。
※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはくれぐれもお控えくださいませ※
ご協力の程、何卒宜しくお願い致します。
★★★★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。
★★
出版情報
ISBN | 9784065289082 |
本体価格 | ¥1,750 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
乱歩賞作家で受賞作は読んでいるはずなのに、全く覚えていなかった。
DVをテーマにした話。ある種のダークファンタジーだが、リアルを感じるところが恐ろしい。
これから人はさまざまな理由で孤独に生きていく時代になる。その時、共感し合う仲間が支えあっていくコミュニティとは何か、そんな問いに答えてくれる快作。
前作 #誰かがこの町で が不気味な雰囲気ながら記憶に残っている江戸川乱歩賞作家さん。今回テーマがDVと聞いて少し躊躇する。こういうテーマはあまり簡単にエンタメとして扱ってほしくないので。
暴力的な場面はさておき、こんなことが起きている、今もどこかの誰かがこんな目に遭っている。第三者に気づかれればまだいい、誰の目にもとまらないところでもがき苦しんでいる人たちがいるかも知れない・・・というリアルさは、物語だということを忘れそうになる。
罪とは何か。人は人をさばくことができるのか。
あなたならどうする?
厳しい問いかけを突きつけてくる。
趣ある江ノ島の古屋で暮らす女達。静かな生活を送りつつも女達には皆、人に言えない秘密があった。この設定だけで、「この先安閑とはしていられないが、間違いなくゾクゾクする何かが起こる」と予感しながら読み進んだ。静かにやるべきこと、必要なことを狼狽えずに真っ直ぐと進む女達。私が女だからか、不快な気持ちはなくむしろ爽快に読破。色々な人に薦めてみたい一冊!
ドメスティックバイオレンスを負う女性たちの物語。リアルな暴力の描写に目を背けたくなるが、実際に苦しんでいる人がいることを知る。
世の中にある法律では裁けない、でも逃げることもできず、助けの必要な人がいることを知る。その相手を殺さなければ平穏が訪れない日々を送っている人がいることを知る。
決して許されることではないけれど、この江ノ島でのシェルターのような場所は必要かもしれないと思ってしまう。
この小説は、誰が読むべきなのか。
これほど、弱者が痛めつけられる小説は、正直目を背けたくなる。
自分が当事者ならどうする?想像を絶する描写に想像が追いつかない。
彼女たちは何を選択し、どう生きていくのか。
ラストが一刻も早く知りたくて、一気に読み進んだ。
女性たちの結束の強さ、という意味では、
桐野夏生氏の「OUT」がまた読みたくなった。
家庭というプライバシーの中で行われる暴力は他人の目につきにくく容易に踏み込めない分、見逃されやすい。
紀子たちの行いが善か悪かと問われれば法律的には悪になる。
決して解決策にはならないだろうし、重い罪を背負ってしまったままその後幸せになれるのかは分からない。
それでも、そこに救いがあるのなら・・・
「世界は法律で裁けない悪意で満ちている。」
法が守ってくれなければ自分で自分を守るしかない世界であってはならない。
前作『誰かがこの町で』は自分が住んでいる町ではと思うほど出来事がリアルでぞっとした。
新作 のテーマはDV。読んでいて体にも心にも痛みがあった。
DVから逃れ、江ノ島のシェルターに逃れ着く紀子。
そのシェルターにはひとつのルールがあった。
同じような状況におかれたときそのルールを破らずにいられるだろうか?
被害者なのに行き場のない感情を抱え、女性たちの結束のほうが居心地がよければルールを守ってしまうだろう。
殺人は如何なる理由であっても肯定出来ないというのは常識である。但し、正当防衛ならば‥?殺さなければ殺されるという薫のような状況であれば‥?自分の周りでDVは聞いたことは無いが、世の中この本の様に多くのDV被害があるとは聞く。この瞬間殺されなくても、次の機会には殺される、息の根を止められるだけでなく、心を殺される場合もあるだろう。だとしたら‥?考えさせられる内容であった。
やりきれない結果から児童虐待が明るみにでることもあるが、DVはそれ以上に闇の中なのかもしれない。家という密室で行われる暴力とマインドコントロール。いったいどうすれば救われるのか。
元首相のあの事件にしても皆、枕詞のように「殺人は決して許されるものではないが」とコメントしているが、ではもし彼が手を下さなかったら例の問題は明るみに出たのか。そもそもウクライナでは現在進行形で公然と殺人が行われているのに。この本を読みながらもう、何が悪で何が善なのかわからなくなる。まさに「善悪の彼岸」。
法律にも行政にも頼れないのであれば、自分の身は自分で守るしかない。たとえひとりでは無力でも、連帯すればできることはある。女たちの「シスターフッド」に痺れた。
DV被害を受けている女性が身を寄せ合うシェルター。4人が定員で一度出ると2度目の出戻りが許されない。
そこに隠された秘密は…。
この作品を読むとDVを行なっている男にはその自覚がなく女性は男性の所有物であるかのような意識となっているという描写。
そこには女性がどういう職業についていようが関係なく人間としての尊厳をという意識を感じさせない。
こういう意識はどういう環境で醸成されてしまうのか。興味深いところである。
作品そのものはテーマがテーマだけに楽しく読むという感じではないが緊迫感溢れる展開でグイグイと読めました。
江ノ島にある古い一軒家に住む女たち。彼女たちは夫から暴力を受け、瀕死の状態でこのDV被害者シェルターに逃げてきた。
ゾッとするほどリアルなDV描写に息が詰まる。一度は愛し合った者同士が、ここまで残酷になれるものなのか。
ストーリーが急展開をみせ、そこからは息つくひまもなく一気に読み終えた。
これは、罪と呼ぶのか。
今この瞬間も、どこかで、女たちが夫に殺されようとしている。
この前の自衛官のニュースや教師からの強要など。勇気を出して訴えても被害者が泣き寝入りする世の中ってどうなんだ。
正義はどこにあるんだ?
この世は力がある者が全てなのだろうか。
被害を受けた側が安心して生活できるには
加害者がこの世から居なくなる場合以外にはない。
どんなに身を隠そうが、名前や顔を変えようが
執着の包囲網から離脱出来たという確証が得られることは無い。
4日に1人が夫に命を奪われている。
マインドコントロールによって既に心は殺されている。
自分らしく生きるためにはどうすればいいか。
殺人は犯罪とされているが
某国での戦争による殺人は合法になっている世の中でもある。
殺されない為の正当防衛はどこに値するのだろう。
本作を読んでいるとDVに限らず、性的被害や児童虐待の共通項が見えるようだった。
心苦しくなった。
読了したときにはなんとも言えない無力感の中に一筋の光が見えたけれど、その光が何を意味するのか私にも分からない。紀子や薫たちが自分らしく生きられる世の中になることを祈る。
重いテーマを扱った作品だったけれど、シェルターのある江ノ島という舞台は自分にとって馴染みのある場所ということもあり、また先が気になってすぐに読めてしまった。
一度だけ他人を押しのけていい・・・。最後まで読むとその言葉の本当の重さに胸が痛くなります。何が善で何が悪なのか。「DV」を「するほう」の狂気や「受けたほう」の恐怖がとてもリアルで所々読み進める手が止まってしまうことも・・・。けれども彼女たちの行く末が気になって、引き込まれる作品でした。
とても重たいテーマの作品で、すごく読むのしんどかった。DVをやってしまう人は、きっと治ることはないから、究極的にこーゆうシステムもありなのではないのか??思わずそう考えてしまう自分もいて、読み終えたあと少し怖くなりました。願わくは、こうゆう被害が少しでも無くなりますように。