奇跡を蒔くひと
五十嵐貴久
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刊行日 2022/09/22 | 掲載終了日 2022/09/22
ハッシュタグ:#奇跡を蒔くひと #NetGalleyJP
内容紹介
年間四億円の赤字を理由に、地方小都市の市民病院は消滅寸前。医師たちがこぞって辞めていく中、三十四歳の青年医師、速水隆太は院長に名乗り出た。課された使命は三年で赤字ゼロ――。無理難題を前に、「すべての患者を断らない」という方針の下、病院再建に奔走する隆太の行動力は、周囲の人びとをも巻き込んでいく。医師会、市議会、そして国。巨大な壁を相手に奇跡は起きるのか!? メディアで注目の病院の復活劇をモデルに、ベストセラー作家が描く勇気ある人びとの戦いの物語!
出版社からの備考・コメント
※書影はダミーです。実際の表紙とは異なります。
おすすめコメント
経営再建に成功し、全国的に有名となった志摩市民病院に著者自身が赴き、院長に一ヶ月の取材を敢行。地域医療の問題を炙り出しつつ、繰り広げられる怒濤の逆転劇。地方病院版「半沢直樹」ともいえる極上のエンタメ!
経営再建に成功し、全国的に有名となった志摩市民病院に著者自身が赴き、院長に一ヶ月の取材を敢行。地域医療の問題を炙り出しつつ、繰り広げられる怒濤の逆転劇。地方病院版「半沢直樹」ともいえる極上のエンタメ!
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光文社書籍販売部 近藤、川原田までご連絡ください!(☎03-5395-8112)
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出版情報
ISBN | 9784334914868 |
本体価格 | ¥0 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
潰れる寸前だった志摩市民病院を奇跡的に復活させた一人の若い医師の実話をもとに小説化したもの。
作者名で読み始めたが、怖い女性もスナイパーも登場しない極めて正統的な勧善懲悪、上質なエンタテインメントストーリー。
どこかで似たようなドラマを観たなと思ったら、小泉孝太郎が主演した、相澤病院をモデルにしたドラマだった。違いは、「奇跡を蒔くひと」が巻き込まれ型のスタートで、舞台が地方の総合病院であること。どこまでが実話でどこからが創作なのかは分からないが、かなり胸熱なストーリーに仕上がっている。
実話ベースなので、ラストはちょっとあっけない。しかしそれもまた現実ということ。
かつて医療番組を作っていたので病院や医者が出てくる創作には関心があるが、その中ではかなり質の高いエンタテインメントに仕上がっていた。
「すべての患者を断らない」という方針のもと病院再建は成功するのだろうか?
ニュースやテレビ番組でも取り上げられた志摩市民病院をモデルとしたというこの作品。地方病院版「半沢直樹」ともいえる作品と言われたら期待が上がりました。
私は看護師をしていたので、医師が去り先行きが見えなくなった病院で働けるかなと?思いながら読んでいました。
でも速水院長の人柄がすごく魅力的なんです。
事務局の森沢さんのこの言葉が特によかったです。「私が死ぬときは、この若い医師にそばにいてほしい」この言葉で速水院長を応援したいと思いました。この言葉は医療従事者にとって仕事をしていく上で支えとなる言葉だと私は思っています。そんな人柄なら信頼できるし、きっとこの病院を再建できると応援していました。
速水院長に巻き込まれ「変わらないんじゃありません、変えるんです」とスタッフたちの病院に対する意識も変化していきます。
地方医療の抱える問題をどう解決していくのか。病院再建を拒む人々とどう渡り合っていくのか。
志摩市民病院が起こした奇跡を知っていても、十分楽しめるエンタメ作品で、こんな院長のものと働いてみたい!そう思わせてくれました。
いやぁー、面白い!冒頭から惹き付けられて、一気読み!
やっぱり著者の作品はハズレなし。
また医療系の小説か、と嘆いていた読む前の自分を叱りたい。
奥様もいい人過ぎて泣ける
主人公も若くして医院長にさせられ、紆余曲折あったけど、さすがは元半グレ。あの手この手で応戦。目が離せません。
志摩市民病院をモデルとした実話をベースに、
潰れかけの病院を復活させた一人の若い医師の奮闘が描かれる。
「すべての患者を断らない」と方針を掲げ、
最初は変えられないと冷めた目で見られていたところから、
徐々に周りの意識を変化させていき、
病院存続へと共に奮闘していく。
*
地方医療の抱える問題、
市議会や国の壁、
抱えること問題は多い中、
考え続け行動し続けた先生の熱意がすごい。
ただ…
わたしは三重県民だからかもしれないけど、
絵美県とか井静詩波地域、とか、
創作された地名がすごく違和感でそこにひっかかって最初読みにくかった…笑
最後までハラハラドキドキと力の入るお話でした。実話ベースとの事でしたが、実際の志摩市民病院での出来事を知らなかったので、こんな夢のような逆転劇が現実にあり得たことにまず驚き、当事者の方々のご苦労に頭が下がる思いです。
どこまでが実際にあったことで、どこからがフィクションなのかはわからないけれど、地方都市を担う公立の病院の苦しい立場や、そこで働く人々を追い詰める環境は現実の通りなのだろうと思います。夏川草介さんの『神様のカルテ』や『医療の砦』でも描かれている地方病院とも通じる人手不足や大学病院との力関係は、根深い問題なのだろうと思いました。
そこを捻じ伏せ、官僚や議会からの圧力を跳ね除け、多額の赤字を無くしていく強引さは、かなり心配だけど痛快で、最後にはスッキリしました。
このような無茶は無いに越したことはなく、地方病院が苦しめられない適正な制度が敷かれることを願います。
若き医師が4億の赤字で院長以下他の医師が逃げ出した病院を存続させるために奮闘する物語。
物語の期間を2016年〜2019年と設定されていたのでコロナ禍の影響を描く事は世相からしても当然。むしろ最後の決め手になるものだというのは想定通りでした。
高齢者が著しく増えている世の中で高度経済成長時に策定した制度が崩壊するのは、
当然といえば当然。
そんな中、高齢者を税金を無駄に搾取する者と整理する服部審議官は絵に描いたような悪者役感が出ており構図は正に半沢直樹の病院版といったところでドラマでも観てるような感じで話が進み楽しめた。
不満点としては医師の不足に悩まされるシーンが多いが、日下部については途中退場するが後でなんらかの役割を担うと勝手に思っていたので再登場しないのであればあんなにページを割く意味はなかったのかもと感じた。
「リカ」シリーズの五十嵐貴久の新刊は、巨大赤字で消滅寸前の地方市民病院。しかもテレビでも取り上げられた実話がベース。もちろん、五十嵐さんだから、ドキュメントではない。架空の町の話。三十四歳の青年医師が、病院を潰そうとする市や厚労省等と戦う。厚労省の役員は、老人は死ねと公言するような徹底した悪人に描かれる。コロナ禍で見えてきた病院の窮状や国の医療政策の不手際すらも乗り越えていく痛快小説になっている。モデルになったという志摩市民病院のことももっと知りたくなった。
赤字の地方病院を再建する医師。一方、選民意識の高い厚労省役員が潰しにかかる。小説だから役人はトコトン悪役に仕立てられているが、これは病床減らしの国策であり、現場と国が見ているものの違うことが浮き彫りにされる。どっちが正しいのか分からない。でも懸命に地域医療を支えることに妨害があってなならない。
五十嵐貴久さんの大ファンで全作品読んでいますが、今作はまた違ったテイストの作品だったので良かったです。前作と今作の話しのギャップが大きかったのでその点も違った五十嵐さんの作品を読める醍醐味だと思っています。
実話をもとにした作品との事で、先日TVでもモデルになった医師が出ていたので観ました。実話ベースなので作品と違うところもありますが、再建に向けての医師の熱い情熱、苦悩などは実話、作品どちらとも熱く伝わってくるものがありました。
医師の上下関係には怒り覚えながら読んでいましたね。親がお偉い人だからその息子医師に逆らってはいけないとか、、、。こういう実話ベースで黒い部分を作品でどんどんさらけ出していってほしいと思いました。怒りと同時に自分にやる気をくれた作品でもありました。誰もが無理だと思っている内容を努力で達成する姿は「自分も諦めずにやってみよう」と思えました。ちょうど挑戦している事があったので頑張る力をもらえました。
読み終わって実話と知り驚いた。こんな奇跡のような物語がまさか本当にあったとは…!地方で権力を思いの儘にしている老獪達に信念だけで立ち向かう一人の医師、その姿に1人2人と周囲が少しずつ共感を得ていく過程は胸熱だった。デフォルメされているだけで、実際の地方の老獪たちや官僚もあのようなものなのだろうと思うと、日本の凋落も当然だと思うが、たった1人で逆走していく速水医師のような人物が実際にいたことに読後救われた。
「人生を他人のために使え」反発した過去を持つ無愛想な新米医師が、巨額の赤字で経営危機に陥った地方市民病院の再建に尽力する、テレビでも取り上げられた実話に基づく医療エンタメ。
過疎化で人口が減少し、医療を必要とする高齢者ばかりになった小都市の病院に、次々と降りかかる試練。余所者の若い医師への反発や、人手不足、税金を巡る国との対立、院長の濁りのない熱意が少しずつ周りを惹き付け、無謀とも思える壁にメスが入れられていく。
一筋縄にはいかないシビアな状況下で、奇跡を起こした医師たちの軌跡が詰め込まれた感涙の奮闘記。
実話を下敷きにした、とある市民病院の復活劇。4億の赤字を3年で0にすると豪語して取り組んだ起死回生の病院再建まで。退路を経って、敢えて選んだ院長の席。売られた喧嘩は買う主義の速水隆太医師、34歳。厚労省、市議会、医師会、政治と医療の相容れない対立に怖気を振るいながら、現実の世知辛さに目眩がする。柵はどこにでもあって、断ち切るには悪者扱いは覚悟の上。とにかくテンポよく、実話ベースであることでふあんより勇気を感じる運びに酔いました。医療は誰のものか?まだまだ続くこの問いかけが重い。
赤字まみれの地方都市の市民病院、の存続を問う。
こんなに熱い信念の人が実在したのか・・・
熱意が周りを動かす。少しずつ。
無理だと思われたことが実現する。
病院の実話ベースのお話。
この話を聞いたことがなくても、架空の地名で描かれているが、地理的な特報でどこの地域なのかすぐわかるので、苦労せずその病院にたどり着けるだろう。
ー病院は灯台。夜道は暗いけれど病院に灯る明かりは周りに住む人を照らしていた。
ーみんな孤独、寂しい。最初は患者に必ずしも評判がよくなかったボランティア学生。次第に彼らを迎えるために買い出しに行ったりして待っている患者さんたち
ー他人事でなく自分事。スタッフの意識が変わる様子
心に残る場面がいくつもあった。
赤字経営の地方の病院が廃院になるのか果たして?
再建に名乗り出た医師は熱血。こんな医師はドラマ以外にいないでしょ!と斜に構えて読んだが、
読後に奇跡のモデルがあったと知る。「変わらないのではない、変えるのです」これは働く全ての人たちの意識改革のための言葉だ!
そして皆のベクトルが同じ方向に向いた時、力強い風が吹くことを実感した。
高齢化が著しい日本で医療費の削減が求められている。そして、病院をなくすという政策が遂行される。
等しく医療がうけられる時代ではなくなってくる。今、日本でおこっている問題がよくわかる。
本作では、「医は仁術」という若き医師が院長にまつりあげられ、地方医療の存続に奔走する。逆風に立ち向かう彼を応援したくなる。
コロナ禍にあって、病院が不足したことや、医療者が自分を犠牲にして取り組むんだことの原因がよくわかる。教育問題もおなじだが、目先のことにとらわれず、本当に大切なことを大切にする国であってほしい。
専門用語も多くて、文字を追うだけでもいっぱいな時もありましたが、最後までドキドキしながら読み進められました。
ピンチに現れる人達が個性的だったり、思いもかけない人だったりして、とても面白かったです。
これが現実の医療現場なのかと思うと、いつか自分がお世話になった時、ただ病を治すだけに通えなくなりそうな気が今からしています。
以前テレビで見た三重県にある病院。素晴らしいと思っていた。その病院がこの物語のモデルと知り、とても興味深く読んだ。4億円の赤字を抱える市民病院再建への戦いの日々。誰かのために誰かを救うために、ここまで熱い情熱と強い意志で戦うことができる医師がいるのかと、この逆転劇に深い感動が込み上げてきた。自らを犠牲にしながらも決してあきらめず希望を持ち続ける姿は周囲の人々の心さえも動かしていく。病人は体も心の中も不安に満ちている。すべての医療機関で心のケアまでして欲しいとは言わないが、笑顔と優しい言葉づかい。それだけでも患者の不安や心の痛みは和らぐはず。患者を守り、寄り添ってくれる病院。そのような病院がある市がとても羨ましい。
志摩市民病院の再生の実話をベースにした物語。半沢直樹のように次々と悪いヤツ、ずるいヤツが出てきます。対して戦うのは高校時代はグレていた34歳の速水医師。
舞台は絵美県、詩波市。市民の三分の一が高齢者という町。速水医師はこの市民病院に勤務していますが、赤字続きのため指定管理に出されそうになっていました。そうなれば診療所になってしまいます。市民の健康を守るために速水医師は逃げずにこの病院の院長になります。
地方医療の現実の厳しさが伝わります。官僚が悪者のように書かれていますが、彼も国の財政を憂いていたのも事実。過去の郵政改革も思い出してしまいました。そしてその結果も…
速水医師の大嫌いな父の言葉「お前の人生を他人のために使え」まさに私利私欲は一切投げ打って病院のために尽くします。不器用な彼ですが段々周囲の人を巻き込んでいくことで奇跡が起こります。文章のテンポもよくてどんどん読み進めてしまいました。
作者の五十嵐さん、推理作品のイメージでしたがこのような事実に基づいた作品も書かれるのですね。もしくはこのような病院の再生劇を知って書かずにはいられなかったのか。熱い思い、受け取りました。
市民病院経営というのは、こんなに大変なものなのかとびっくりした。
大学病院とかは白い巨塔なイメージで、個人病院は小さな病院もあれば大きなところもある。
市民病院がある、その市によって補助金などがすごく変わってくるのは確かにそうだと思う。
お年寄りばいかりの小さな市、詩波市の市立病院を救うために立ち上がったのは若き医師。
病院祭をやってみたり、病院内では就寝時以外着替えるなどの変わったアイディアを出し、着替えを大学生ボランティアに手伝ってもらったり、中学生に病院見学に来てもらい、入院患者とお話をしてもらったり。
何年何月と進んでいくタイトルに、「もうすぐコロナが出てくる(はず)」とこちらも緊張。
学校と病院がない市に安心して暮らせないのは確か。そんな市に若い人が集まってくるはずもない。
すごく考えさせられる内容のお話でした。
わたしたちは医療や健康についてどんな課題に直面しているのか、本当に困った時にどこへ助けを求めるべきなのかとわかりやすく書かれていて、考えるきっかけになりました。
人が集まることに警戒をする風潮である今、人が居なすぎたりお金が不足しすぎているところもあるのかと少し驚きました。
読後とても元気が湧くものがたりです。
頑張ったことがきちんと報われる、汚いことはきちんと成敗される、気分すかっとする小説です。
どこの世界でも自分の正義に則って皆さん頑張っています。それが他者のそれとぶつかってしまうことも多々あるでしょう。
わたしは病院を守りたい人たちにぐいぐい共感して読んでいきましたが、他の読み方も多様にできると思いました。
赤字の市民病院を半ば押し付けられたらような形で引き継いで、どうなることかと思いましたが、その、熱血漢とも思える人柄がどんどん周りを巻き込んで全てを変えていく様はとても見事でした。実話がベースとの事ですが、ラストまで飽きさせず読ませる手腕は見事だなと思いました。
実在する三重県の病院の再生を小説化した作品。こんなに自らを顧みず地域のことを考え行動できる医師がいるなんて。政治家達に爪の垢を煎じて飲んでもらいたいくらい。一番若手の医師だったにもかかわらず、指定管理寸前の病院長に就任。どんどん辞めていく職員達と多額の操出金がある病院をどうやって建て直していくのか。次々と立ちはだかる癖の強すぎる人達と組織を前に、地元住民のために病院を守ろうと、諦めることなく奮闘する医師の姿に胸が熱くなった。そして、こんなにも患者に親身に寄り添ってくれる病院が近くにあったら、どんなに心強いかと思わずにはいられなかった。