赤虫村の怪談
大島清昭
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刊行日 2022/08/31 | 掲載終了日 2022/08/31
ハッシュタグ:#赤虫村の怪談 #NetGalleyJP
内容紹介
愛媛県の山間部にある赤虫村には、特異な妖怪譚が存在する。黄色い雨合羽を着て嵐を呼ぶ「蓮太(はすた)」、火災を招く「九頭火(くとうか)」、廃寺に現われる無貌の「無有(ないある)」、そして村の有力者一族が信奉する「苦取大明神(くとるだいみようじん)」。かねてから赤虫村について調査していた怪談作家・呻木叫子は、村の名家・中須磨家を襲う不可能犯罪の解明に関わることになる。神木の枝上に遺棄された全裸屍体、石蔵の密室で発見された焼屍体……立て続く事件は衝撃の結末を迎える。第十七回ミステリーズ!新人賞受賞者による初長編。
出版社からの備考・コメント
・多くのレビューをお待ちしておりますが、物語の核心をつくような、所謂「ネタバレ」はお控えください。
・ネタバレ行為はネットギャリーのみならず、読書メーター、ブクログ、Twitter 等の多くの方が目にする場でも同様にお控えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
・本作は校了前の大切なゲラデータを著訳者よりご提供いただいた上で公開をしています。本作の刊行を楽しみにお待ちいただいている、多くの読者のためにも、ご理解、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784488028756 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
四国の寒村に現代も相次ぐ妖怪の祟り。怪談作家・呻木叫子が調査に乗り込む。事は村を牛耳る一族の禍々しい連続殺人事件へと発展し・・。民俗学の雰囲気もありつつの密室トリックミステリーは横溝正史を思わせる。そして、なんと言っても四国に移植されたクトゥルー神話にわくわくする。ラヴクラフトファンならもっと楽しめただろうと思うと、ちょっと悔しい。
おどろおどろしい臙脂色の表紙にポツンと黄色のレインコートの幼児。読む前から嫌でも怪談ワールドに引き込まれてしまう。怪談作家がのめり込んでしまうほど、四国各地に伝承される怪談の逸話が末梢で連携されていく様はまさに日本の夏、飛んで火に入る夏の虫の如く読者の体温を数度下げることは間違いない。密室殺人の謎解きも複数の説が浮遊したり面白かった。
個人的に民俗学が絡んでくる物語が大好物なので、あらすじを読んで飛びつきました。
無有、蓮太、九頭火、クトル信仰など、ワードを見るだけでわくわく。
村人への聞き取りやそこからの推理で、怪異のバリエーションや来歴が明らかになっていく過程に好奇心が刺激されます。
ミステリーとしては若干物足りなかったかなという印象ですが、全体的には読みごたえがあり、とても楽しめました。
無有、絶対出会いたくない…。