どうして男はそうなんだろうか会議:
いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと
澁谷 知美 (編集), 清田 隆之 (編集)
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刊行日 2022/08/09 | 掲載終了日 2022/09/11
ハッシュタグ:#どうして男はそうなんだろうか会議 #NetGalleyJP
内容紹介
「非モテ」の苦しみ、マウント合戦、男のカラダ、男性優位社会……。6人のゲストと語り合って見えてきた、男たちの「現在」と「これから」。「そうだったのかー」の連続!
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【目次】
はじめに
第1章 「男子バキバキ脳」からの脱却 「自分の身体はこういうものを喜ぶ」を知ろう(ゲスト)清田隆之さん
「おにぎり事件」の衝撃/男に一番足りていないのは……/ハゲの悩み、おちんちんの悩み/「土着の恥ずかしさ」と「作られた恥ずかしさ」/「仮性包茎」をめぐる二重性/「おちんちんケア・トーク」は難しい/究極的には二人で話をするのが一番/男が自分の体に敏感になるには?/「俺は強いアピール」競争から降りる
第2章 「非モテ」の諸相と、「これから」のこと 自己否定でも開き直りでもなく自分を「開く」語りの可能性(ゲスト)西井開さん
「非モテ」という言葉の誕生、その変遷/恋愛にかかわるマジョリティ男性の痛みを言語化/「未達の感覚」とは何か?/周囲からの「いじり」「からかい」をどう考える?/「男らしさ」を用いた巧妙なからかい/女性からの「からかい」を考える/「未達の感覚」から抜け出すには?/「一対一と集団では男の態度が変わるのはなぜなのか」問題/「いじり」の場面に遭遇したら?/男同士のエロ話、どう考える?/「自己孤立化」と「女神化」/「社会構造による非モテの苦しみ」という側面/「非モテ」をあえて定義しない理由/語り合いから生まれる気づき/うねうねと自らの気持ちや経験を男同士で語り合う
第3章 男性性と暴力 コミュニケーションに潜む加害と被害の両面から考える(ゲスト)中村正さん
「男同士の付き合いって難しい」/虐待する父親やDV男性の希薄な加害意識/被害体験を被害として語れない男たち/「暴力はダメだ」では変われない/息子にスポーツを強要する父親たち/「勝ち」にこだわる意識をずらしていく/父親から子へと連鎖する暴力/虐待に気づいたとき、どうする?/暴力を受けた子どもが暴力から抜け出すには?/「こんなオレでごめん」という暴力/「誰でもよかった」は本当に「誰でもよかった」?/加害者が変わるには何が大切か?/マウントされたら、どうするか?
第4章 男性が乱用しがちな「構造的な優位」とは? その「優位」を利用しない手立てを考えよう(ゲスト)平山亮さん
「しっかり働かないと女性に嫌われる」という強迫観念/「男らしさ」から「降ろさせてくれない」⁉ /男同士の抑圧をどう考える?/「つらい」と言えば助けてもらえるだろうという赤ちゃんマインド/「コンフィダント」と「コンパニオン」/「介護する息子」が親の「弱さ」を認められない理由/「相手のことを完全にはわかっていない」と意識し続ける/「弱き者を弱き者のまま尊重する」ということ/「傷つき体験」の語りにくさ/男性はなぜ「絶滅せずに生き抜くことができたのか」/「長時間労働のせいで男は家事育児ができない」説は本当?/「構造的な優位」の乱用/「男あるある」「女あるある」を疑う/個人でできること/「男はこういうものである」という言説の問題点/「ハイブリッドな男性性」にご用心/「介護する息子たち」研究のきっかけ/男が、男として生きていない者とともに生きる道
第5章 「誰でも差別し得る」という出発点 「男性中心社会」日本と性的マイノリティ(ゲスト)前川直哉さん
男同士でエロ話をするわけ/「ホモソーシャル」と「ホモセクシュアル」/時代遅れの「「社員」・「主婦」システム」/「なんちゃって能力主義」社会/ミソジニー男の暴走はなぜ起こる?/「日本は同性愛に寛容な社会」説はほんとう?/性的に客体化されるのを恐れるヘテロ男性/ヘテロ男性たちの、よくある誤解とは?/「電車の中で足を踏むことと……」
第6章 すぐそこにあるマチズモ あの手この手で「マッチョ連合」を突き崩せ!(ゲスト)武田砂鉄さん
日常の中のマチズモ/「俺=公共」なおじさんたち/「毎日がメンズデー」な日本/「俺にはバックがついてるぜ」問題/女性客にはタメ口、なぜ?/セクハラ限界値を探るおじさんたち/女性憎悪と暴力男、どう考える?/ジェンダー問題を意識するようになったのは……/「男のくせに〜」と揶揄されたなら?
「これからの男」をもっと考えたい人のための読書案内
あとがき
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【編者プロフィール】
澁谷知美(しぶや・ともみ)
1972 年、大阪市生まれ。現在、東京経済大学全学共通教育センター教授。博士(教育学・東京大学)。ジェンダーおよび男性のセクシュアリティの歴史を研究。著書に『日本の童貞』(河出文庫)、『平成オトコ塾―悩める男子のための全6 章』『日本の包茎』(筑摩書房)などがある。
清田隆之(きよた・たかゆき)
1980 年、東京都生まれ。文筆業、恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。単著に『よかれと思ってやったのに』(晶文社)、『さよなら、俺たち』(スタンド・ブックス)、『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』(扶桑社)などがある。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784480864796 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
これからの男性を考えていく本。「俺は強いアピール」競争から降りる、男性同士の「いじり」「からかい」、男性性と暴力、構造的な優位、誰でも差別しうるということ、マッチョ連合についてなど、男性についての色々を言語化。
とても楽しく気軽に読める本でありながらも、時折、心をえぐられたり自分の恥ずかしい部分に触れたりしながら自分に考えをめぐらせる機会が与えられたりもする、一筋縄ではいかない一冊でした。実に「どうして男はそうなんだろうか」と感じさせられました。人選のバランスも良く良い本だと思います。
澁谷知美さん、清田隆之さんという二人の論客を軸に、
西井開 さん、中村正 さん、平山亮 さん、前川直哉 さん、武田砂鉄 さん、というゲストを迎えて複数人で対話する形で論じられた書。
さまざまな切り口のジェンダー論なのだが、これでもかというほどつきつめられていくのは、一対一のインタビュー形式でないことからくるのかもしれない。編集者の一人が女性であるのはバランスをとるためによかったと思う。
それぞれの分野で活躍している面々なので、興味がある読者はたくさんいるのではないだろうか。
まだまだこれからの課題、研究です、という話題も多数。
社会人になってから学生時代のサークルの集まりに顔を出すと、男性陣が会社の話ばかりして本当に面白くなくて、学生時代はあんなに楽しかった仲間がどうしてこんなにつまんなくなってしまうんだろうと不思議に思っていました。サークルの集まりにはもう参加するのをやめてしまったけれど、彼らは今でも会社の話ばかりして自分のことは話せないままなのかな。そんなことを思い出しました。
武田砂鉄さん編はとても面白く読みました。武田さんの言葉は彼が毎日の生活の中で特別なことなく感じていることのように思えました。ジェンダーの問題やいろいろな差別、権力、支配の問題はそれ以外の物事と同じように日常の中にあるのだということが、改めてわかったというか。それ以外の方のお話はそれを専門にされている方々のお話だからか、読んでいるこちらがどんどん追い詰められていく感覚もあり、内容的には解放を感じてもおかしくないはずなのに不思議でした。この自分の感覚の源は何なのかを確かめるべきなのだろうとはわかるのですが、一冊読んで少し疲れてしまいました。
大人になってから改めて考えるから疲れてしまうような気がするので、このような内容を子どもの頃から当たり前に学んで自然な感覚として身につけられたらいいなと思います。