キッズ・アー・オールライト
Kids Are Alright
丸山正樹
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刊行日 2022/09/07 | 掲載終了日 2022/09/14
ハッシュタグ:#キッズアーオールライト #NetGalleyJP
内容紹介
<このままだとあたし おばあちゃんころしちゃうかも>とネットに書き込んだヤングケアラーの少女。
<ニホン人でもブラジル人でもない。でもこの国でしか生きられん>と訴える日系ブラジル人の少年。
社会からはみ出した子どもたちの人生が交錯する時──。
現代日本を照射する傑作社会派エンタメ。
<このままだとあたし おばあちゃんころしちゃうかも>とネットに書き込んだヤングケアラーの少女。
<ニホン人でもブラジル人でもない。でもこの国でしか生きられん>と訴える日系ブラジル人の少年。
社会からはみ出した子どもたちの人生が交錯する時──。
現代日本を照射する傑作社会派エンタメ。
出版社からの備考・コメント
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おすすめコメント
<担当編集者より>『ワンダフル・ライフ』『デフ・ヴォイス』シリーズなどで 社会の「見えない存在」を浮かび上がらせ、現在文芸界・書店員さんなどからも大注目の丸山正樹さん、 最新作のテーマは「子どもたち」。 この苛酷な世界の喧噪の中で、かき消されそうな子どもたちの叫び声に、ぜひ耳を傾けてみてください。
<担当編集者より>『ワンダフル・ライフ』『デフ・ヴォイス』シリーズなどで 社会の「見えない存在」を浮かび上がらせ、現在文芸界・書店員さんなどからも大注目の丸山正樹さん、 最新作のテーマは「子どもたち」。 この苛酷な世界の喧噪の中で、かき消されそうな子どもたちの叫び声に、ぜひ耳を傾けてみてください。
出版情報
ISBN | 9784022518613 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
在留外国人の子供で、外見の偏見や言葉の問題からいじめられ、普通に遊び学ぶ事が出来ない子供達。
ヤングケアラーと呼ばれ、本来は大人が担うと想定されている家事や家族の世話に忙殺され、学業が疎かになっている子供達。
これらがテーマだと、悲しみや感動やの押し売り感のある物語になりそうだが違かった。
少し反社会的ダークな部分にまで入り込み、生死をかけたハラハラドキドキさせるエンタメ作品に仕上がっている。
読み終わった今、まずは大人がこの様な境遇の子供達が大勢いることに関心を持つ事が大事なのだと思った。そのうえで、自分に何が出来るかを真剣に考えると同時に、子供達の声をきちんと全部聞いてあげる事が必要なのかと。
そのきっかけを作ってくれる刺激的ながらも作者の想いが詰まったストーリーだった。
あと、うさこと真澄の非常に良い関係性も見どころ。
NPO「子供の家」代表の河原、
シバリとうさこが、主要人物なので、
『漂う子』を再読してから読ませて頂きました。
『漂う子』が未読でも分かるように描かれていますが、『漂う子』から読めば、彼らの背景が深くわかり、更に物語に入り込みやすいです。
「漂う子」は居所不明児童を探す中で、主人公や読み手に、親子とは?親になるとは?を深く問われる物語でした。
本作は、居場所を奪われた子供達はどんな事を考え、どうなっていく可能性が高いのか、大人は何が出来るのか、を、考えさせられる作品でした。
コロナ禍になって1年以上が過ぎ、
需要と供給のバランスが崩れ、
人々はその中でどうやって生き残れば良いのか模索している。
特に親や社会の庇護を受けられない人々ー、
そしてそこに付け入る反社会的な人ー。
その代表格として、
ヤングケアラーの少女と、
日本で生まれ日本で育ったのに「ガイジン」と呼ばれ社会からはじき出される日系4世の少年が描かれています。
2人の姿を通して、そこに見え隠れする一筋縄ではいかない問題点を突きつけられていきます。
丸山正樹さんらしい、
真っ直ぐな目線で、
これらの社会問題に向き合った作品。
この作品を読むと、
様々な用語や考え方を知る事が出来ます。
子供が子供らしく生きられない社会…
「責任」はどこにあるのか。
河原達だけに任せずに、
この作品を読んだ私達1人ひとりが、
これらの問題に取り組む必要があると
強く感じました。
日系ブラジル人の子で“ガイジン”と言われ、
日本で生まれ日本で育ったのに孤立する子どもたち。
両親は仕事で多忙のため、
祖母の介護をするため学校へ通えなくなった高校生。
家庭内で居場所がなく、
自分で稼ぐしかない子どもたち。
そこに入り込む半グレや犯罪。
作中の子たちには、
手を差し伸べる人たちがいて、
自分たちを見つめ直す機会を得られたけど、
今の社会ではまだまだ手が届かない子たちも多いんだと思う。
大人たちが自分たちの都合のいいように言い訳して、
子どもたちから自分というものを知り将来を考える時期を奪ってしまっていないか、
ハッとした。
ヤングケアラー、虐待される子どもたち、日系ブラジル人の子どもたち。
彼らが発する声を聞いた時何が出来るだろう。
コロナ禍で居場所がなくなり、自分を減らす子どもたち。作品の中で登場するハッシュタグ #神待ち 検索したらSNS上には多くの子どもたちがこのハッシュタグを使っている。こんなにも自分を減らす行為が簡単に行われているのかと改めて驚く。ただそんなに簡単に自分を減らさないでと願うばかりだ。
子供たちに何が出来るのだろうと読みながら考えてみた。しかし具体的に何も思い浮かばない。
でも子どもらしい時代を過ごさてあげられていない子どもたちががいる事を忘れずにいたい。
子どもたちの声を聞き続け、社会的な弱い立場にいる人たちを描くこの作品を心に留めておこうと思う。そして『漂う子』も読んでみたいと思った。
日本で生まれ育ちながら、在日外国人として社会から弾かれる子供達。学校へ行くこともままならず日々祖母の世話に費やすヤングケアラーの女の子。この二つの問題を主軸に、ネグレクトや虐待、パパ活など子供たちを取り巻く問題にも焦点を当てる。
自分の状況からなんとか抜け出したいともがく彼らの声が響いてくるような苦しい苦しい話だった。でも、同じ状況にいた者だから差し出すことのできる手があり、そこに縋ることができた「生きたい」心があって、共に未来が開けていくようなエピローグに安心できた。
子どもを取り巻く多くの問題はニュースや知識として知っている事も大切だけれども、その知識の理解を深めたり、想像を補って世の中を見る目を持つために読んでおきたい一冊だと思いました。
国籍関係なく他国で地に足をつけて生きていくのは大変なことだと思った。海外でも国籍差別は日本より激しい地域もあるし、ギャング抗争も日本の比ではないだろう。閉鎖的な日本の側面に直面しながらも、子を平気で捨てて国へ帰る肉親にも驚嘆。現実がこの本のエンディングのようなら素晴らしい世の中なのだが。
日系ブラジル人、ヤングケアラー、ストリートチルドレン、貧困、半グレ、パパ活など、現代社会が抱える問題が盛りだくさんなのにゴチャッとせずに、全ての情報が過不足なく収まるべきところに収められていてとても読みやすかった。
随分前に
「良いプレゼンは駅弁だ」
と書いている本を読んだことがある(それぞれに美味しい具やご飯が、過不足なく見た目も美しく整然と並んでいるというような趣旨だったはず)が、良い小説もまた、駅弁なのかも知れないとふと思った。
丸山先生のお書きになる物語は、情緒的過ぎるということもなければ、説明的になり過ぎることもなく、教訓めいてもいない。それでいてメッセージが弱まることもない。
普段の生活では見えないもの、見ようとしてこなかったもの、見ても分からなかったもの、分かったつもりになっていたもの、そういった事柄にしっかりと目を向けさせてくれ、知識を得たり考えたりする機会を与えてくれる。
知らないもの=ないもの
と自動的に思ってしまう自分は、もうこの辺で捨ててゆきたい。
精力的に書かれる丸山さんの新作が読める!と嬉しくなる。
過去作はみな読んできているけれど、真っ白な気持ちで読み進める。
ここに出てくる若者たちは、それぞれ困難を抱えている。異国で生まれ育つ困難。暴力、虐待、ネグレクト、ヤングケアラー。みな生き延びるために必死だ。
「血はもうとっくに入れ替わった。
今の俺は、細胞から全部俺のもんだ。」
これに出会った時、以前読んだ本のことを思い出した。なんという重く強いセリフだろう。孤独と諦めと決意。
(丸山正樹さん「漂う子」。2016年)
いつもいつも、喘ぐように困難と共にいろんなものと闘いながら生きるものたちの叫びを、文字にして声にして届ける、という著者の思いを本作でも感じた。
とはいえ他の作品を読んでいなくても全く問題ないように描かれている。興味を持った人は是非丸山さんのその他の作品も手に取ってみてほしい。きっとなんらかの発見があるはずだと思う。
丸山さんの新刊を先読み。社会問題や社会的弱者を描くことが上手な著者の新作は、ヤングケアラーの女子高生と親から見放されている日系ブラジル人の少年らの話。「その子にはその子の現実があって、自分の現実と戦ってるんだから」「自分が毎日をどうやって楽しく過ごせるかだけを考えて生きればいい。それを許されている生き物を『子供』と呼ぶのだ」直面する課題は違えど、子供が子供らしく生きられない世の中は間違ってる。その子本来の姿が取り戻せるよう、大人は何ができる?いろんな問いがある作品。
ヤングケアラー、在日外国人の子どもたち…「普通」の子どもたちの輪の中に入っていけず、学校から遠ざかってしまう子どもたちがいることを知ることができた。そして、そんな子どもたちに対して、大人ができることはなんだろう、と考えさせられた。
物語に出てくるNPO「子どもの家」のメンバーは、児相でも警察でも対処できないようなケースに対して、多少「強硬」なやり方でも子どもたちを救おうと活動している。彼らのように、子どもたちの何気ない言葉から、SOSを読み取って、何かしらの行動をすることが、周りの大人にできる唯一のことではないかと思う。
子どもに仕事を押し付けるのが保護者の責任放棄になる一方で、「何もできない自分」を責める子どもたちにとっては、誰かの役に立っているという実感が生きる希望にもなる。その線引きは難しいけど、子どもの声はどんなに小さいものでも聞き逃さず、耳をすましていきたいと思う。
デフヴォイスシリーズでお馴染みの丸山正樹さんの作品。大好きな作家さん。
漂う子のセカンドシーズンという感じ。
「漂う子」は読んだのがだいぶ前だったので登場人物やストーリーは少し抜け落ちていたけれど、
『血はもうとっくに入れ替わった。今の俺は、細胞から全部俺のもんだ。』のセリフにピンときました。
今回のテーマは『ヤングケアラーと日系在日外国人』。
今やニュースで明らかになってきたからこそ知ることが出来ているけれど、明るみに出るのはほんのひと握りでまだまだ苦しんでいる人が多いのも事実。
丸山さんの作品は細かいところまで調べてあるのが伝わってきますが、それでも説明臭くならずスッと入ってくるところが特徴だと思います。
今回は残念ながら何森さんは出てこないです。
子どもを取り巻く闇に果敢に取り組んだ作品だ。在留外国人の子どもたち、ヤングケアラーから覗く貧困と格差。ここにいるのに、いないかのように社会の下層で生きる彼らの過酷な現実が迫ってくる。ネグレクトや虐待、パパ活、押し出されたところで手を染める犯罪。
子どもが子どもでいられない、そんな闇の底の実態を粘り強く浚う河原たちの正義が風穴を開ける。どこまで読んでも「オールライト」が見えないことにじりじりしましたが、なるほど光はあった。子どもたちの強さを信じ抜きたい。
The Kids Are Alright 子どもたちは大丈夫、でも、大人は…。
現状を知っている、理解していること、子どもたちのために行動することとの間には大きな違いがある。
ヤングケアラーの状況を改善「してあげる」、
在日外国人の人たちと「共存」する社会。
上からでは変わらない。子どもたちを取り巻く状況がよくなることを願うしかない自分に気づき、もどかしさとふがいなさを感じた。
「子どもらしさ」を取り戻す時間(レスパイ)が必要と知り、胸が痛んだ。
ヤングケアラーと在留外国人の子供に対する偏見と差別。どちらも直接関わる事がなければ、ことの本質はなかなか見えてこない。単に親が無責任、無関心、又は暴力的といったことだけでは無い多重な問題が見え隠れしている。重いテーマですが、エンターテイメントな要素を盛り込んだ展開で痛快に読む事ができました。
生まれ育った国で理不尽に爪弾きにされる日系ブラジル人の少年たち、それらしい言い訳を並べ自らの義務を放棄し負担を強いる親に囚われたヤングケアラー。
追い詰められ選択肢のない子供たちが壊れてしまわない様、手を差し伸べる“元囚われの子”だった大人たち。見た目が少し違うだけ、家族の事だから、それだけの理由で問題に蓋をする杜撰な社会に警鐘を鳴らすダークエンタメ。
一見どん底から救った様に見えても心のケアを怠ればずっと負が付きまとう。フィクションではあるけれど、しっかりと寄り添う事で連鎖は負だけじゃなく正にも起こる事を証明してくれた作品。
まず前作があるということを最後に知った
先にそれを読めばよかったか。
やさしい猫で在留資格を取得するとこがどれだけ大変なのか学び、いろんな本でヤングケアラーのことを知ったところだったので、なにかと気になる言葉が次から次へと襲ってきた
親は軽く見ていることでも、子供の中では重要なことが沢山ある
大人は自分勝手だから、自分の言いように都合を変えてしまうが、まだ一人ではどうしても生きていけない子供たちはどうすればいいのか?
自分はシバリや河原のように他人を守ることができるかといえばきっとできない。
それだけの勇気もない
できることからやればいいが、
何ができるかではなく、何をするかなのだろう
漂う子読みます
日系ブラジル人の少年達、ヤングケアラーの少女、ストリートチルドレン…。もうこれだけで覚悟を決めて読まなければ。何故なら、この子供達を辛い目にあわせているのは大人達なのだから。親を選ぶ事は出来ないだけではなく、その後の人生も選べない環境がどれだけ過酷か。生きる為に、たった一食の食事の為に体を売り、違法な物を売り心と人生をすり減らしていく子供達が『平和』と言われる日本にどれだけいるのかと考えると大人として非常に恥ずかしい。子供達の異常な状態に慣れてしまってはいけないと痛切に感じる。
子どもを取り巻く社会問題が深刻さを増している。ヤングケアラー、日系ブラジル人の子ども、ストリートチルドレン。貧困、虐待。誰にも頼ることができず苦しみ続ける子どもたち。支援を必要としている子どもに支援が行き届ない。しかし、少しでも多くの子どもたちを救おうとあきらめない大人たちがいる。抱え込んだ絶望の心の叫びを見つけ出し、少しずつ心の鍵を開けていく。自分の居場所があり、誰かの役にたち、支え合う喜びを感じることができれば子どもたちのこれからに光が降り注ぐ。そんな場所や救われる子どもたちが増えることを願い、胸に響く心にとめておきたいたくさんの言葉を思い出しながら読み終えました。
子供たちを取り巻く様々な闇とそれに抗おう、助け出そうとする大人の物語。とくにヤングケアラーという存在について詳しく知ったのはこの本が初めてでいろいろと衝撃でした。本来子供を守るべき立場の大人が、こんなにも子供を苦しめる存在になるなんて。小さなSOSにも気が付ける、寄り添える大人になりたい。
綺麗事のようにも聞こえてしまうこの理想を叶えるために、世界中に手が回るわけはないのでしょうか。そういうこともあるねと諦めてしまう事を減らしていくには社会には何が足りませんか。
自分の知らない言葉がでてきてびっくりしました。
慣れたように危険な現場に飛び込んでいく子供たちにびっくりしました。自分がいかに温室育ちかを思い知りました。
これがフィクションでないのだとしたら、わたしにできることは、この物語を多くの人に知ってもらう事でしょうか。
在留外国人(日系ブラジル人)の子どもの生き辛さと、その生き辛さを少しでも和らげようと尽力する人達、そしてヤングケアラー問題に切り込んだ作品。フィクションなのに、ノンフィクションを読んでいるかのような気持ちになる。大人に振り回され、子どもらしさを失い、身勝手な大人のせいで傷ついていく子ども達。そんな子ども達が、自分の存在意義を見失いかけながらも、自分が誰かの役に立てることに気づき、微かな希望を見いだしていく。現実では、声をあげられず、闇の中を彷徨い続けているであろう子ども達の心の叫びまでもが、この作品を通して聞こえてくる気がした。年々子どもの数は減っているのに、子どもらしく生きられない子どもの数は増えていく。日本に住む大人の1人として、子ども達がのびのびと育っていけるために、一体何ができるのだろうかと深く考えさせられた。「漂う子」が未読なのでぜひ読んでみたい。