月の三相

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刊行日 2022/08/23 | 掲載終了日 2022/08/22

ハッシュタグ:#月の三相 #NetGalleyJP


内容紹介

デビュー作にして芥川賞受賞作『貝に続く場所にて』に続く、瞠目の受賞第一作。

「フローラが失踪した」。
旧東ドイツの小さな街に広がる噂が、歴史に引き裂かれた少年と少女の物語を呼び醒ます。分断の時代を越えて、不在の肖像をたどる旅。

旧東ドイツに位置するその街では、誰もが自分の「肖像面」を持っていた。面に惹かれて移り住んだ三人の女たち――望、グエット、ディアナは、失われた「顔」を探して、見えない境界を越えていく。いくつもの時間が重層する街で、歴史と現在、記憶と幻想が交差して織りなす、世界の肖像。

≪『月の三相』推薦コメント≫

不在の者が失踪した後、静寂の表層と化した過去に踊り込もうとする言語がここにある。
――多和田葉子

傷だらけの歴史、その交差点に花開く魂の仮面劇。生命のリアルはどこに宿るのか。新次元の世界文学が誕生した。
――亀山郁夫


デビュー作にして芥川賞受賞作『貝に続く場所にて』に続く、瞠目の受賞第一作。

「フローラが失踪した」。
旧東ドイツの小さな街に広がる噂が、歴史に引き裂かれた少年と少女の物語を呼び醒ます。分断の時代を越えて、不在の肖像をたどる旅。

旧東ドイツに位置するその街では、誰もが自分の「肖像面」を持っていた。面に惹かれて移り住んだ三人の女たち――望、グエット、ディアナは、失われた「顔」を探して、見えない境界を...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方

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販促プラン

読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューを投稿ください!
著者・担当編集ともに楽しみにお待ちしております。

発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなどNetGalley以外の外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。

ご協力の程、何卒宜しくお願い致します。

★★★★★

作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。

★★

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出版情報

ISBN 9784065288382
本体価格 ¥1,600 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

旧東ドイツの小さな村。そこに暮らす月にちなんだ名前を持つ三人の女性(ドイツ人、ベトナム系ドイツ人、日本人)。村に伝わる『面』の文化。月の表裏、面の表裏。西ドイツと東ドイツ。三叉路の多い迷路のような街並み。さまざまな青。蝶。見えるもの見えないもの、言葉にできることできないこと。興味深いモチーフが美しい言葉や独特の比喩で語られて、読んでいる間は長い夢を見ているようでした。一方で悲しい歴史や今もある分断、差別、無理解などの描写には激しい怒りや恐怖も感じられたし、クライマックスの舞台のシーンはとても映像的で神々しさすら覚えました。こういう、まさに文学的な表現にひたる喜び、久しぶりでした。芥川賞受賞作もいつか読んでみたいです。

と言いつつ、実は最初三分の一まで読んで脱落。その頃は美しい日本語をゆっくり味わう精神的な余裕がなかったようで。時間をおいて再挑戦してNetGalleyの期限残り4時間でギリギリ読了しました。間に合ってよかった!

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物語と言うよりは表現を堪能する詩集のようだった。肖像面を作る風習のある架空のドイツの一地方。面には時が刻まれる。まるで蔦が生い茂るように。それは消えた少女の面にも。"ない"ものを"ある"とすることで少女は過去にならず、その不在が際立つ。一方時を刻まない眠り病の面もある。月に纏わる名を冠する三人の女性達。ルーツは顔に現れる。だが実際には彼女はその地を踏んだことがないかもしれない。顔とは仮面の一種なのかもしれない。ラストは情熱的に燃え盛る炎のように舞い上がり、消えた。舞台の幕が閉じた後には静謐が残された。

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とにかく幻想的、とても美しく静かな小説で、その見事さはうっとりが過ぎて受け取り逃してしまうことが恐ろしいほどです。
三叉路と蝶がエッセンス。
歴史に基づくようでいてとても創造的な伝説を土台にしているところが好みです。現実と夢との狭間でわくわくします。石沢麻依さんは純文学作家だけでなく、幻想文学作家と呼んでも良いでしょうか。

いつの時代もどこの地域の人も、死後の世界や睡眠の世界を気にしていたのかもしれないと思うと1つ屋根の下感に胸が熱くなりました。そして死と眠りはやっぱり近いものなのかもしれないと思うのです。

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