情無連盟の殺人
浅ノ宮遼/眞庵
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刊行日 2022/07/29 | 掲載終了日 2022/07/29
ハッシュタグ:#情無連盟の殺人 #NetGalleyJP
内容紹介
あらゆる感情・欲求が失われていく奇病「アエルズ」に罹患した、元麻酔医・伝城。同じ病を持つ「情無」たちが集う屋敷に招かれ、そこで巻き起こった連続殺人! 意欲的な犯人当て長編。
あらゆる感情・欲求が失われていく奇病「アエルズ」に罹患した、元麻酔医・伝城。同じ病を持つ「情無」たちが集う屋敷に招かれ、そこで巻き起こった連続殺人! 意欲的な犯人当て長編。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784488028725 |
本体価格 | ¥1,900 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
とても奇抜な設定です。あらゆる感情がなくなる病、アエルズに罹患した「情無」たちが集う館で起こる殺人事件。情無が人を殺すなどありえない。一体なにが起こったんだ!?感情がないということは、幸か不幸かという哲学的な視点もあり、そこも興味深く読めました。感情がない者を描写するのはとても難しいのではないだろうかと思っていましたが、感情がないゆえに効率的に且つ、合理的に思考し行動する人たちに、憧れのような羨ましさのようなものを感じられました。また犯人候補が二転三転と目まぐるしく変わっていくため、テンポ良く楽しめました。
読み始めから最後まで目が離せない展開でした。密室殺人のトリックが明かされたとき思わず、あー!と声がでました笑
そして、この病名は架空とのことですが
自分の感情がどんどんなくなっていったらどうなってしまうのかと考えながら読みました。
ホラーなどの怖い話が大嫌いな私ですが、今作はホラーを超えた恐ろしさがあるミステリーでした。
感情がなくなるってこんなに恐ろしいものなのか、、、。そんな状態のなかでの殺人は狂気のなにものでもないです。
読みづらさはなかったので中弛みなく読めましたが、寝る前に読むのはオススメしないです。
人間にあるはずのあらゆる感情が完全に失われてしまう病気、
情無。
喜怒哀楽あらゆる感情が欠如していき、
合理的に暮らすようになる情無の人たち。
そんな状況に陥った人たちが、
共同で生活を営む情無連盟。
そこで起きてしまった殺人事件。
憎しみや闘争心を失ったはずの情無の彼らの中で、
なぜ殺人事件が起きてしまったのか。
そこに合理的な理由はあったのか。
たどり着いた犯人とは。
感情がなければ確かに平穏なのかもしれないと思う反面、
感情があることの価値を思った。
情動がない=論理的思考しかない奇病にかかった人たちの特殊設定ミステリ。感情は時には行動の妨げになるが、なくなったらなくなったで社会で暮らしていくには不都合になってしまう。ということで「情無」になってしまったひとりが発起人となって共同生活を送っているのだが、ある問題解決の話し合いをするシーン、感情ゼロだとこんなに恐ろしい議論になるのか…。「恐怖」も必要な感情のひとつなのだな、と改めて感じた。
感情が無くなる病に罹った人=情無 の人々の中で殺人事件が起きるという特殊設定ミステリに惹かれて読みました。
感情が無い為 事件が起きても皆が淡々として緊迫感がないので終始盛り上がりに欠けるなぁという印象。
確かにこの設定が無ければ成立しないところもあるのですが、全体的に会話の内容が複雑な割に真相はあっさりめでした。
少し辛口レビューとなりましたが
事件が起きてからはどういう展開になるのか気になって読み進めたので設定自体は面白いと思います。
そういう病気が実際にありそうだなと思うくらい医学的な説明も興味深かったです。
一風変わった設定だが、入り込むとそれが気にならなくなるほど、館ものが好きな人にはたまらない大変良くできたミステリだった。情無として完全犯罪はどうするのか、、一番の焦点は「なるほど!しかし、なんだって~?!」と、全く予想がつかない進展で最後まで一気に読破。誰もが怪しく見えてしまうが、皆がアンドロイドのような平温モード、なにかある時は演技のように大袈裟に行動するのが犯人像を余計に複雑にする面白いミステリだった。
ほぼすべての登場人物が感情を持たないという設定は新鮮でした。主人公も感情を持たないため、たんたんと物語が進むのは私的には読みやすかったです。
犯人もラストまでまったくわからず最後まで楽しく読めました。犯人との対決の結末はちょっともやっとしましたが、全体的には面白かったです。
あらゆる感情が徐々に失われてゆく奇病にかかった主人公が、同じ病気の者たちが共同生活を送る屋敷で遭遇した殺人事件。
ついカッとなって、誰かを憎む、妬むなど殺人に発展しそうな感情がない人間が集まる場所で起きた事件。
特殊な病気により犯人が誰なのか、よりもこの病気にかかってるのにどうして殺人を選択したのか、というのが一番の考えどころでした!
着地の仕方はかなり想像とは違いました。主人公の今後が気になります。
『情無』という特殊な設定が新鮮。
感情を排除した考え方や生き方とは
なかなかに想像しがたく、読みながら
話の先がどこに向かうのか予測不能でした。
トリックミステリーではありますが
主人公がどんどん感情を失い
『情無』になっていく現状を冷静に受け入れつつ
わずかに残された、心を動かされるモノに
したがって生きたいと願う姿に
切なくなりました。
感情がなくなる病気「アエルズ」患者。感情がないため論理的に破綻がないということに重点を置く。その患者たちが集まって生活する場所で起こった殺人事件。理にかなっていることなら受け入れられる、というアエルズ患者たちの特性をいかした特殊ミステリーで、その特殊な部分がやはり面白かったです。行動がすべて合理的に行われるということを利用した殺人で、犯人も探偵役となる主人公もすごいな…とただ感心してしまいました。
ありそうでない病気に罹った人達を巡るミステリーですね。この病気の特性を活かしたこれまた普通ならあり得ない殺人方法。これは凄いです。最初から最後まで独特の世界観ですが、なんとなく最後には納得してしまう感じでした。
徐々に感情が失われていく病「アエルズ」。罹患したものは治療もなく良くなることもなく、いずれ完全に感情を失い情無と呼ばれる状態になる。そんな彼らが共同生活を送る一軒家で殺人事件が起きた。犯人は?目的は?不可思議な状況を目にすることになった情無の彼らの様子は?…共同生活に誘われているまだ完全には情無にはなっていない患者の麻酔科医視点で、話は淡々と進む。アエルズ患者の行動や考え方は興味深く、少しずつ加わっていく情報により理詰めで犯人を導きだしていくところもよく練られていると思う。ただ、情がないせいか登場人物には全く寄り添えない。人間は感情の生き物なんだとつくづく思う。こんな病気が本当にあったら、私は冷静に彼らと向き合えるだろうか。ミステリよりその方が印象に残った一冊だった。