マーブル
珠川こおり
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刊行日 2022/07/25 | 掲載終了日 2022/07/24
ハッシュタグ:#マーブル #NetGalleyJP
内容紹介
姉弟の関係から問う、「本当の」幸せとは。
一番近い異性(ひと)で、遠い存在(かぞく)。
本当の幸せって何だろう。
東京で大学生活を謳歌していた茂果(もか)は、友人の由紀(ゆき)からあるアニメを布教される。柔らかな表情、手書き感のあるタッチ、自然な体重表現、甘い雰囲気の色使い、繊細な塗り。紹介された絵師のイラストは、弟の穂垂(ほたる)が描いたものだった。
Twitterの裏アカウントでBL作品を創作し、普段から異性との恋愛話をしない穂垂に対して、茂果は同性愛者なのではないかと考え、やがて過干渉してしまう。境界の曖昧さ、線引きの難しさを、姉弟の視点から見つめ直す。
小説現代長編新人賞受賞後第一作。
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おすすめコメント
『檸檬先生』で鮮烈にデビューを果たした、珠川こおりさんの新作『マーブル』は、姉弟の関係を通じて、普通とは何か、幸せとは何か、多様性をテーマに据えた作品です。目前に拡がるような描写力に加えて、テンポのよい筆致。十代の著者が描いた意欲作をどうかご高覧ください。
――担当編集より
『檸檬先生』で鮮烈にデビューを果たした、珠川こおりさんの新作『マーブル』は、姉弟の関係を通じて、普通とは何か、幸せとは何か、多様性をテーマに据えた作品です。目前に拡がるような描写力に加えて、テンポのよい筆致。十代の著者が描いた意欲作をどうかご高覧ください。
――担当編集より
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★★
出版情報
ISBN | 9784065284421 |
本体価格 | ¥1,350 (JPY) |
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デビュー作「檸檬先生」で描かれた"共感覚"の表現が強烈に印象に残った珠川こおりさんの、期待の新作!
東京の祖母の家に居候している、大学2年生の
茂果(もか)、そして高2の弟の穂垂(ほたる)。
茂果は弟が可愛くて仕方ない。2年付き合っているイケメン彼氏より、弟が大切。
ひょんな事から、その弟がもしかしたら同性愛者なのではないかとの疑念を抱く。
不安と心配からあの手この手で探りを入れる茂果。
茂果の過干渉ぶりはちょっと異常。
家族だからと言って、
どこまで踏み込んで良いものだろうか…。
母親なら、時代の差から理解が出来ず、また子供の将来を預かる責任もあるので、過干渉に陥ることは受け入れやすい。
しかし、茂果は姉なのだ。
彼氏より弟?
弟の生き方にそんなに影響を受ける?
そこがこの作品の面白みに拍車をかけていると思いました。
作者と等身大の登場人物たちが、
いわゆる"普通"とは違う事に出会った時、
どんな反応をし、何を考えるのか。
遠い誰かの話かと思っていた事が
家族に起きたら…
是非、彼らを参考に、
自分も考えてみたいテーマでした。
白黒つけなくてもいい、という著者の思いで書かれたという、多様性についての作品。弟に同性愛の疑惑を持った姉の心の動き。弟思いの姉と、姉思いの弟は、お互いに理解し合えるのかは、読んでのお楽しみです。これは姉弟の物語であり、茂果の成長の物語でもありました。
幸せか不幸かは
その人自身が決める事で。
普通か普通じゃないかは
周りが勝手に思うもの。
普通=幸せ
普通じゃないと幸せにはなれないと押し付けてくる主人公が好きになれなかったけど、家族だからそうなってしまうのかな。
普通ってなんだろ?
幸せになるってどーいう事なんだろ?
多様性な生き方が増えて来た今の時代だからこそ
読んで、自分の中で考えるきっかけにして欲しい一冊です。
共感覚の世界を描いた『檸檬先生』は色彩鮮やかだった。十八歳の作者ということにも驚いた。
あれから一年。新作を楽しみにしていた。
姉と弟、多様性、普通とは‥…
今作はこう描いてきたかとまた驚いた。登場人物が目の前で話しているようなリアルさがあった。章のタイトルの付け方が新鮮だった。珠川さんよりもかなり年上の私にとっては、若く豊かな完成が眩しく読んでいてとても楽しかった。
作者の年齢というのは記号に過ぎないと改めて痛感した。だからこそ幅広い年代の人に読んでほしい作品である。
さまざまに複雑で繊細なジェンダーの問題と、神絵師さんの同人、コスプレ活動と、弟可愛いあまりに暴走するお姉ちゃん(主人公)。とても楽しく読ませていただきました。こんな可愛い弟が欲しかった。こんな可愛い弟ならお姉ちゃんが色々暴走してしまうのもわかる。読後感は良くてよかった。難しいテーマですが、重くなりすぎない軽快な筆致で描かれていて読みやすいです。
茂果ちゃんの弟ラブな勢いがすごくて、思い込みも激しくて、弟の幸せを願うがあまりにWデートを仕組んでみたり、恋人と口論になったりと、なんだか猪突猛進なところが微笑ましい。
恋人がバイセクシャルなのは許せるのに、弟のゲイ疑惑に過敏な反応をしてしまうのは、家族という近い存在だからなのか。家族と言えども所詮は他人、と一言で割り切れない微妙な感情を細かに描き出していて、考えさせられた。
溺愛する弟が同性愛者かもしれないという疑惑を抱きもんもんとする姉。
幸せって、他人が決めることじゃなくて、自分自身が決めることですよね。10代後半から20代の若いがゆえに、間違い傷つき傷つけ、悩みながらそれでも、進もうとする彼女たちが瑞々しく爽やかに描かれていて、キラキラと眩しかったです。登場人物たちと同世代の方にオススメなのはもちろんですが、もっと広い世代の方に読んでもらいたい作品です。「多様性」という言葉自体は、ある意味で簡単に簡潔に括られてますが、それと自分がどう向き合っていけばいいのかを考えさせられる作品でした。それと作中作の「ヒライス」が気になって気になって、このお話も読みたくなりました。珠川先生、ぜひ!お願いします!笑
高校生の弟・穂垂を”溺愛”している大学生の茂果。弟がTwitterの裏アカにBL創作を投稿していることを知ってしまってから、茂果の心は激しく揺れ動く。「弟は同性愛者なんじゃないか?」、「めちゃくちゃ仲がいいと思っていたクラスメートの唐沢くんのことも、もしかして恋愛対象として見ているんじゃないか?」etc・・・。恋人の朗も巻き込みながら、茂果はあれやこれやと策略を練るが一向に上手くいかない。果たして茂果は自分の心と折り合いをつけることができるのか?
一言で言うと、「めっちゃリアル」。茂果目線の一人称で話がずっと進むので、ものすごく茂果の気持ちが伝わってきました。たとえ弟であっても「他人」であり、自分の思い通りにはできないし、考え方も違うかもしれない。そういうことを頭のどこかで分かってはいるものの、上手く折り合いをつけられない。茂果がもがく姿に感情移入してしまいました。
また、茂果の一人称であるが故に、穂垂をはじめとする周りの人たちが本当はどんな人で、何を考えているのかが読者にはさっぱり分からないという点も非常にこの作品に良い効果を生んでいると感じました。タイトルの「マーブル」にも色々と想像を掻き立てられました。
高校生の弟・穂垂のことが大好きなあまり放っておけず、いろいろと入れ込み過ぎている姉・茂果。彼女にも年上の美容師・郎という彼がいるのだが、彼より弟が大事という価値観を疑わない茂果は、何だか毒親の匂いさえ漂う。この先彼女は、郎や穂垂、そして自分自身とどう向き合うのか。
多様性としあわせの価値観とを、劇中漫画を多用して表現する手法が今どきで、若い作者らしい感覚。また、今ココの存在の確かさが、まだ見ぬ未来への戸惑いを凌駕するストーリーは、作者の力量を感じさせる。デビュー作のインパクトを違う側面で成就させた意欲作。
ステレオタイプの重度のブラコンが主人公の話。
最愛の弟のことはなんでも把握しないと気が済まない。彼氏よりも弟が大事と公言している。
弟はSNSで人気の絵師。裏垢でBLを描いていることを偶然知り衝撃を受ける。もしかしたら弟はゲイなんじゃないかと色んな疑惑に彼女は悩む。挙句の果てに彼女が思う『幸せ』とやらを押し付けようとする。
自分勝手な主人公にちょっとイラっとしてしまう。まるで毒親じゃんか。
カテゴライズがタブーになってきている現在、こういう考え方の人が一定数いるのも現実。
女の子だからとか男の子だからとか、異性と結婚して子どもが出来るのが幸せだ、とか。
自分が正しいと思っていて、人に意見を押しつけてくる人たちは決め付けで傷付いた経験は無いのだろうか。あっても都合良く忘れてしまうのか。
何かの理由があって周りが見えなくなってしまうのか。
幸せを決めるのは他人ではなく自分なのだ。
当たり前のことに気付けた先の茂果の未来が楽しみでもある。
とりあえず鳥居さんと仲良くなりたい。
Z世代に人気のある若い作家さんと聞いていた通り、読んでみて首肯しました。
登場する若者たちの口調や描写がまさに今時。序盤は昭和生まれの自分には合わないかなと思いながら読んでいましたが、多様性やオタク文化を取り入れたストーリーに惹かれてあっという間に読めました。
自分より若い方の小説を読む機会はほとんどないので新鮮でした。わからない言葉が既にあるのです。
チートってなに?
腐男子、腐女子って?
頭が疑問でいっぱいで、この中で生きていくのって大変なんだよと上の世代へ伝えてくる作品かと思います。
LGBTに続くアルファベットもどんどん増えているのですよね。
ことばの成長や、文化の進化をひしひし感じました。
どれだけの人が苦しんだだろう、
悩んできたであろう、このトピックについて
わたしたちは何が言えるでしょうか。
みんながしあわせになれますように。
その願いが、押し付けになるかもしれないなんて。
デビュー作の『檸檬先生』のインパクトが強烈(あれはあれで良かった)だったけど、今回は多様性をテーマにしている感じ。「普通の男女の幸せ」にこだわる必要もなく、でも、BLを描く弟が心配な姉の気持ちはわからないでもない。異性への興味はそれぞれのタイミング。そんな姉の彼氏だってバイがあったり。ここで彼の存在は重要だと思いながら読み、姉が半月かけて考えた答えで良かったのだと思った。実際、周りにLGBTの同僚だったりが何人かいた。私は「自分の人生、自分の生きたいように生きればいい」と思う。
この作品が当事者にとって背中を押してくれたり、自信を持たせてくれるのではないかな。私は好きです。
とある出来事から弟が同性愛者ではないかと疑い始める姉の視点で書かれた物語。
たとえ家族であっても、誰かのことを全て理解することなど出来ない。
普通や幸せの基準は人それぞれで、自分以外の誰かが決められるものではないのだと改めて実感する作品でした。
大好きなコミックのイラストを描いてはSNSにあげている高校生の弟。そんな弟をこよなく愛する大学生の姉。ひょんな事から裏アカでBL物を描いている事を知り、弟の恋愛対象が同性なのかと動揺する訳だが。このままでは結婚も子供を持つことも出来ない=幸せになれないと心配のあまり飛躍した言動に陥る。幸せって他人がはかるものでは無い、本人にとって何が幸せかは本人が感じ決める事。弟を愛するあまりと理解しつつもあまりに失礼な物言いに多少イラッとさせられた。弟との関係、恋人との関係、弟の友人との関係から考え方の変化が良かった。
LGBTQという言葉の意味をSNSのトレンドで知った時、性的にマイノリティであることや、性趣向を流行のように取り上げられることに違和感を感じずにはいられなかった。
もっと身近で、切なくて、言葉に表せない想いが本作品には散りばめられている。
大好きな人が、自分のことをどう思っているのか知りたい!という純粋な気持ちを思い出させてくれた1冊。
「幸せ」を決めるのは誰なのか。
本人が楽しいならそれでよい、という思いと、家族として、困難な道に進ませたくないという思い。
どちらも理解でき、それゆえ悩ましいもの。
大学生である主人公が弟に固執しながらも、LGBTやBLといったテーマを受け入れていく過程がよく描かれていた。
今どきの若者の会話にリアリティがあるのも、若い著者ならではで良い。
弟が可愛すぎて彼氏そっちのけで弟にかまう茂果の空回りっぷりが可愛いかった。始めは自分の価値観をただ押し付けるだけだった茂果が、穂垂に歩み寄って穂垂自身にとっての幸せが何なのかにちゃんと気付くことが出来て、良いラストでした。暴走する穂垂をそっと見守り続ける朗が素敵だったな。
溺愛している弟が、腐男子で、もしかしたらゲイかもしれないと思い、彼には普通の女の子と付き合ってほしいと彼氏の妹をけしかけたりする話。
普通に女の子と付き合ったら結婚もできるし、子供もできるし・・・と言いますが、今の時代、果たしてそうだろうかという疑問も。結婚ができる、法律的には結婚できるけどもしかしたら問題があって結婚するのが難しかったり、そもそも結婚したくない子だって普通にいる。子供だってできないことも結構ある。
彼氏もバイセクシュアルという設定で、彼氏が語る「幸せ」にはすごく重みがあった。
自分以外の幸せは自分が決めていいものじゃない。深かったです。
個々人の幸せは各々によって違っていて、家族と言えども干渉、否定はできない。
と、自分の身に置き変えれば分かるのに、それが愛する弟のこととなるとどうしようもない。
その大いに心乱され、焦って暴走気味になる主人公の気持ちが切なく可愛く愛おしくなる。
でも、散々に心乱れた主人公が弟の世界に足を踏み込み知らなかった姿を見て、受け取り、納得する姿は「よくやった!」と褒めてあげたくなるし、これはジェンダーの理解や個性の容認と共に主人公の成長物語でもあるなと思いました。
2002年生まれ。実は自分の妹と同い年。
妹っていうのはいつまでも幼く感じてしまう。
年もわかってるし、ちゃんとアルバイトもしてるし
大人になってきていることはわかっているのに。
そんな妹と同い年。やっぱりそれだけで一冊の本を書き切る力があるなんて、それだけでも感服してしまうのに。同世代の人間の気持ちを純粋に捉え、それを言葉にできる力が本当に巧みだと思います。今回はマイノリティというホットな話題にも着目していてこういう世代にはこう見えているのかと改めて実感した気がします。
茂果は弟の穂垂を溺愛している。友人よりも恋人よりも“穂垂”。冒頭では微笑ましいくらいのレベルだったが、ふとしたきっかけで穂垂がBL作品を描いているのを知ってからは、読んでいる側がすこし引いてしまう程の暴走を見せ始める。
生きていれば混ざりあい影響を与えることはある、でも混ざるけど完全には同化しなくて、やはり個は個。家族でももちろん、知らない部分もあるし、理解しがたい部分もある。遅まきながら、穂垂が穂垂らしくいれるなら…、という気持ちにまで発展したけど、これからも暴走はやめられなさそうな空気も残っていて、簡単には変われないよなぁ、と。
自分がもっと若々しい感性を保ちながら読めたら、もっと違った感想も抱いたかも。
東京で下宿している大学2回生の茂果(もか)は、ある友達(由紀)からあるアニメ画をみせられる。
柔らかな表情、優しく自然なタッチ、甘い暖色系の繊細な色合い。
その作画イラストは、なんと茂果の高校生の弟、穂垂(ほたる)が描いたものだった。
穂垂は裏アカウントでBL作品を創作し、活動しいている。
一方普段から恋愛話をしないので、茂果は穂垂はもしかして、マイノリティーではないか?と考えこみ、
茂果の現在付き合っている彼(朗)のことよりも、穂垂のことが心配になってくる。
そして朗まで巻き込んで、どんどん過干渉がエスカレートしていってしまう。
普通とは何か?本人にとって本当の幸せとは?
何が大切か否か、境界の曖昧さ、線引きの難しさと意味合いを想い、多様性と幸せの価値観を鑑み
何が今こそが本当に一番かと、それぞれの視点から見つめ直す。