落ち着いたあかつきには
蜂須賀敬明
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2022/07/27 | 掲載終了日 2022/11/04
ハッシュタグ:#落ち着いたあかつきには #NetGalleyJP
内容紹介
コロナによって変わってしまった日常と青春、そして誰しもにやってくる性の芽生えを春夏秋冬のエピソードで綴ったハートウォーミングストーリー!
「新しい春」
学校に行けない自粛生活で自分の性自認が「女なのかもしれない」と気づいた男子高校生。実は大学生になる姉の性自認も男だと発覚し、兄弟で男女逆転の大騒ぎに。
「夏の箱」
緊急事態宣言のさなか、祖母に会いに田舎に行った少年は、駅前で「東京からの観光客狩り」をする少女に出会い、生き別れたお父さんを共に探すことになる。
「金木犀の季節」
歯並びの悪さがコンプレックスで引き籠もりだった少女の人生は、マスク生活を機に歯列矯正をして大きく変わる。
「ネイキッド・スノー」
コロナで客がいなくなって潰れてしまう旅館の跡取り息子。大学受験を目前に控えた冬、旅館のサウナで客のバツイチ美女と恋をして、人生が整う神秘のサウナ体験をする。
●蜂須賀敬明Profile
はちすか・たかあき。1987年、神奈川県出身。早稲田大学卒業。2016年、『待ってよ』で第23回松本清張賞を受賞。横浜の神々のバトルロワイヤル小説『横浜大戦争』が話題となり、第4回神奈川本大賞受賞。他の著書に『横浜大戦争 明治編』『横浜大戦争 川崎・町田編』『バビロンの階段』『焼餃子』がある。
出版社からの備考・コメント
※発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。
おすすめコメント
この度は、『落ち着いたあかつきには』(蜂須賀敬明)のゲラに興味を持って頂き、ありがとうございます。
コロナ禍の自粛生活をテーマにした連作短篇の4本立てです。コロナによって変わってしまった日常と青春、そして誰しもにやってくる性の芽生えを春夏秋冬のエピソードで綴ったハートウォーミングなお話です。コロナ禍も少し落ち着いてきましたが、こんなご時世だからこそ生まれた小説です。まだもう少し不便な自粛生活が続きそうですが、この小説を読めば絶対に元気をもらえると思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
蜂須賀さんから、本作へのメッセージも頂いております!
■■■■■■■■■
せつなく、みっともなく、もどかしい。
性のはじまりは、必ずしも美しいものとは限らない。
ましてや、コロナ禍であればなおのこと。
それでも、四つの物語の少年少女たちは、
いびつな叫びを上げながら転機と向き合っていく。
彼らの七転八倒と再生が、
あなたの心のもやを吹き飛ばすものになりますように。
蜂須賀敬明
■■■■■■■■■
販促プラン
【書店員様へ】
拡材や新刊配本のご希望などを非公開コメントよりご注文可能です!
ご希望の書店員様は非公開コメントにて取次・書店コード・書店名をご記載のうえ、ご注文・お問合せください。
※非公開コメントのみだと通知が届かずにお受けできない場合がございます。必ずあわせてのレビュー投稿をお願い致します。
※ご希望数より調整が入る可能性がございます。ご了承ください。
※営業担当者よりご登録のメールアドレスや店舗様へご連絡させていただく場合がございます。
こちらのタイトルの新刊ご希望数の締め切りは7月7日(木)迄とさせていただきます。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784575245448 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
登場人物が抱える悩みや問題が、人との出会いやふれあいによって良い方向に向かう様子が書かれていました。登場人物と自分を重ね合わせるような場面は少なかったけれど、コンプレックスに肯定的だったり、教訓的な言葉だったりに出会えて、共感したり、勇気をもらったり、自分を振り返ったりしました。コロナ禍が舞台でしたが、制限がかかっていることで、関わった人との関係が、より深まっていたような印象でした。
新しい春
姉の下着を身につけた弟とそれを見て男としての生き方を始める決意をした姉。
常識的な考えの母はそれに異を唱えるが…。
ジェンダーレスな世の中になりつつあるとはいえまだまだジェンダーフリーとはいかないね。
夏の箱
コロナ禍の中、群馬の中でも田舎に分類される町を訪れた少年。そこで出会った少女の未処理の毛を処理する中で何を感じるのか…
これは何を目指したのか?よく分からず。
金木犀の季節
歯医者で歯の矯正を受ける女性。コンプレックスになっていた歯を治される事に快感を感じてしまい…。そしてかつて人生を狂わしてしまった元同級生と再開する…
思春期と後々では価値観も変わる。それにしても自覚のない変態って…
ネイキッドスノー
廃業が決まった旅館の長男。サウナで出会った風変わりな女性との触れ合い。
上手く整うかな?
毛並みの違う4つの短編集で、それぞれ春夏秋冬が舞台。
同じ登場人物の春夏秋冬の話かと勝手に思っていたので、ん?と思ったけれどこれはこれでアリ!
ストーリー的には「新しい春」が一番好きだけど、金木犀や冬の描写もキレイだった。
コロナ禍の閉塞的な世の中で起こる小さな変化の物語を集めた短編集。
どのお話も高校生が主人公。それぞれに抱える生き辛さや苦々しさの大小はあれど、コロナ禍の不自由な世の中と相まって、フツフツと静かに腹の中で沸き立つような苦しさがある。それが、ふと得た出会いにグルンっと気持ちや考え方を振り回され、視界が開けるように先の人生に目を向けて進み始めるようになる。
このコロナ禍に私たちは何度、「落ち着いたあかつきには…」と色々な事を未来に託して来ただろう。この言葉はむしろ諦めのような呪いのような印象が付いてしまったけれど、この短編集を読むととても前向きで輝かしい言葉に感じる。
落ち着いたあかつきには様々な希望を持てる、この沈みがちな今、お薦めしたいお話でした。
数年前には想像もしなかった出来事に全く影響を受けなかった人はいない。
行動が大きく制限され、できないことが増えた。良くも悪くも新たな1歩を踏み出した人も多かったのではないかと思う。
次に何が起こるか予想ができない世界で生きていくのは大変だ。それでもそれぞれの悩みや葛藤を乗り越えて成長していく少年少女たち。
「何があっても大丈夫」とまでは言えないけれど、みんなたくましい。状況が変わればまた変化するのだろうと思う。
息詰まるようなコロナ禍の中でも、人がいる限りそこには大小の物語が刻まれていく。そんな4つの小さな物語が編まれた本。不安定な世相で多感な高校生らは何を考えて生きているのか。のっけから少し不安になったが、ジェンダーというワードを取っ払ってしまえば、親への冷徹な心情、自暴自棄な捨て鉢な気持ちと、それを寸止めしているブレーキをかける自制心と。中身は私のはるか昔の高校時代と何一つ変わらないのだった。そしてこうしている今も、きっとどこかで物語はポツポツと生まれているはず。
初読みの作家。春夏秋冬の4つの物語はまさに今のコロナ禍での話。コロナ禍で学校が休みになってしまった姉弟の覚悟。コロナ禍でも祖父母の家へ行きたい訳と出会い。コロナ禍にわざわざ歯科医に通う引きこもり女子の新たな挑戦。そして個人的に最も惹き込まれたコロナ禍に温泉旅館にやって来た女性と男子高校生の交流。それぞれの物語の終わりにタイトル『落ち着いたかあつきには』彼らはどうするか想像してしまう。4つの物語の4つの『性』の在り方も私を魅了した。じっくり読み込んでしまう1冊。
センセーショナルな作品でした。私自身が若い世代を憐れむ大人の代表であるかのような申し訳なさを勝手に感じてしまいましたが、噎せ返るような若い生命力を鼻先に感じる読書でした。
読ませていただき、ありがとうございました。
コロナ禍での自粛生活中、高校生たちの通常とは違う日常での、性を含めて悩みや葛藤など自分を見つめ直して前へ進んで行こうとする青春小説。自粛生活だからこそ考える時間があることで、ただの青春小説とは違う深みが感じられた。初めて読む作家さんでしたがとても良かったです。
まさに今のリアルな空気感を背景に、自粛を余儀なくされた高校生たちの行き場のない閉塞感と、そこから世界をこじ開けるかのような勢いを感じる。コロナ禍で自然と内向きになるメンタル。そして対峙する自分の姿は彼らにとってぎょっとするような見知らぬ貌を持っていた。四季になぞらえた4人の在りようは決して清らかでもかっこよくもない。自分の知らぬ性のベクトルを認めざるを得ない経験をしながら、彼らは他者と雄々しく関わっていく。デリケートな部分を実に逞しく描く筆の運びに迷いがないのがいい。次作も読みたいと思わせられる作家の登場です。
コロナ禍がずっと続いている。
落ち着いたら。収まったら。
そう言って先の見えない約束をいつもしている気がする。
春夏秋冬、4つの癖がある短編集。好みが分かれそうだけれど私は好きだった。コロナ禍で会えない人もいれば新しい出会いもある。他者との関係に敏感になればなる程に自分と向き合い思いの丈みたいなものが大きくなっていく。マスク生活だからこそ審美歯科や形成外科に通う人も増えていることや、首都圏嫌悪や観光客の減少による廃業、感染拡大による休校など。
コロナ禍の現実を物語に落とし込まない作品もある中、これをテーマにして物語を創ることは作者さんも色々と考えられたのだろうなと思います。
また読みたくなる作品でした。