マイケル・Aの悲劇
ある黒人男性の生を伝える
ダニエル・アレン
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2022/06/20 | 掲載終了日 2022/07/07
ハッシュタグ:#マイケルAの悲劇 #NetGalleyJP
内容紹介
アメリカで相次いだ黒人射殺事件。それが家族だったなら――
2007年、マイケル・Aはロサンジェルスの路上で射殺遺体となって発見された。いとこの死について調べるうちに著者は、自分の知らないマイケルに出会う。高名な政治学者による、喪失と沈黙をめぐる回想録。
(担当編集・柴山)
考えていたのは、BLM(Black Lives Matterと呼ばれる抗議活動)の話がどうして遠いんだろうということです。「黒人」一般ではなく、もっと具体的な、顔が見えるかたちで本をつくれたら、と思っていました。
家族を殺された悲しみのようなものは、きっと普遍性があるとも感じていました。この本は家族を失った女性が、その喪失を見つめるものですが、エッセイやルポに近い形式が興味深いと思います(死因を探る意味では、ミステリっぽいところもあります)。
解説で榎本さんが書いてくれたのですが、喪失を描くのに、この書き方が必要だった感じがしています。
(訳者・榎本空による解説から)
『マイケル・Aの悲劇』は、アレンの近密な自伝であるが、完全な物語ではない。アレンですら手を伸ばすことのできない深い沈黙が、マイケルを覆っている。しかしこの沈黙は、マイケルの物語を語り直すというアレンの試みが失敗したことを意味しないだろう。むしろこの沈黙こそ、日本語で本書を読むことになる多くの読者とマイケルが、袖と袖とが触れ合うように弱くつながるための条件なのではないか。本書が求めるのは、きっと、マイケルを完全に理解することではなく、彼とそれぞれが出会うことであり、分からないという距離を抱えながらも、アレンが留まろうとした喪という悼みと可能性の時に、読者もまたしばし留まることだからだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【目次】
はじめに
Ⅰ釈放と復帰
1ガーデン・パーティー 二〇〇九年七月/2仮釈放の日 二〇〇六年六月/3捜査その一 二〇〇九年七月/4始動 二〇〇六年六月-七月/5仕事 二〇〇六年七月/6捜査その二 二〇〇九年七月/
7学校 二〇〇六年八月/8葬儀 二〇〇九年七月二七日/9住居 二〇〇六年八月/10どん底 二〇〇六年一一月/11最後の日々 二〇〇八年八月-二〇〇九年七月
Ⅱ地獄
12罪と罰/13家族はどこ?弁護士はどこにいた?/14人生の節目/15ノルコ/16マイケルにとっての地獄/17面会その一/18面会その二/19眩暈/20カリフォルニア史上最大の山火事
Ⅲ許しなき社会
21火と氷/22シングルマザーとしての出発/23初めての歩み/24「ヤバい、逃げろ!」/25ギャングバングとは何か/26家族の離散/27子どもたちを助ける限界/28天使の街/29ジ・エンド/30私の胸のロケットのなかには
結び――つぎには何が?
情報源に関する覚え書き/謝辞/訳者あとがき/『マイケル・Aの悲劇』に寄せて/原注
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【著者プロフィール】
ダニエル・アレン
1971年生まれ、政治学者。プリンストン大学卒。古代アテネの市民権に関する研究で知られる。現在、ハーバード大学教授。本書が初の邦訳となる。
【訳者プロフィール】
那波かおり
翻訳者。マット・ヘイグ『生きていく理由』、エヴァ・スローニム『13歳のホロコースト』、エリザベス・ギルバート『女たちのニューヨーク』、『食べて、祈って、恋をして』など多数。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784480867391 |
本体価格 | ¥2,700 (JPY) |