これからの時代を生き抜くための 文化人類学入門

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刊行日 2022/06/21 | 掲載終了日 2022/10/06

ハッシュタグ:#これからの時代を生き抜くための文化人類学入門 #NetGalleyJP


内容紹介

「人新世」というかつてない時代を生きるには、

《文化人類学》という羅針盤が必要だ。


ボルネオ島の狩猟採集民「プナン」と行動をともにしてきた人類学者による、

“あたりまえ”を今一度考え直す文化人類学講義、開講!!


本書は、ボルネオ島の狩猟採集民「プナン」との日々を描いたエッセイ『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』が話題となった人類学者・奥野克巳による、私たちの社会の“あたりまえ”を考え直す文化人類学の入門書になります。


シェアリング、多様性、ジェンダー、LGBTQ、マルチスピーシーズ…といったホットワードを文化人類学の視点で取り上げ、《人新世》と呼ばれる現代を生き抜くためのヒントを、文化人類を通して学んでいく一冊です。


【主な内容】

・地球規模の時間で人類を考える

・近親相姦の禁止が「家族」と「社会」を作った!?

・ボノボの全方位セックスは「子殺し」回避のため?

・複数の父親がいるベネズエラのバリ社会

・五つもジェンダーがあるブギス社会

・贈与と交換から人間の生き方を考える

・「ありがとう」という言葉を持たないプナンの人たち

・キエリテンの神話が語るリーダーの資質

・儀礼によって私たちは人生を生きる

・ボルネオ島先住民ブラワンは二度死体処理をする

・無礼講のコミュニタスが日常を活性化する

・自閉症の少年を癒すシャーマニズム

・人とカムイと熊が一体となるアイヌのアニミズム

・現代にも息づく呪術の世界

・文化人類学は自然をどう捉えてきたのか?

・人新世の時代に多種から考える

・人間中心主義を問い直す――人類学の存在論的転回

・自らを野に解き放つ「旅」としての文化人類学

・バングラデシュで出家して仏僧となり、クルディスタンを歩く


【目次】

◆第1章 文化人類学とは何か

◆第2章 性とは何か

◆第3章 経済と共同体

◆第4章 宗教とは何か

◆第5章 人新世と文化人類学

◆第6章 私と旅と文化人類学


【著者プロフィール】

奥野克巳(おくの・かつみ)

立教大学異文化コミュニケーション学部教授。1962 年生まれ。82 年メキシコ先住民の村に滞在、83 年バングラデシュで上座部仏教僧、84年トルコを旅し、88 ~ 89 年インドネシアを一年間放浪。94 ~ 95 年ボルネオ島焼畑民カリス、06 年以降同島狩猟民プナンのフィールドワーク。

単著に『絡まり合う生命』『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(どちらも亜紀書房)など。共著・共編著に『マンガ人類学講義』(日本実業出版社)、『今日のアニミズム』『モア・ザン・ヒューマン』(どちらも以文社)など。


「人新世」というかつてない時代を生きるには、

《文化人類学》という羅針盤が必要だ。


ボルネオ島の狩猟採集民「プナン」と行動をともにしてきた人類学者による、

“あたりまえ”を今一度考え直す文化人類学講義、開講!!


本書は、ボルネオ島の狩猟採集民「プナン」との日々を描いたエッセイ『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』が話題となった人類学者・奥野克巳による、私たちの社...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784777828739
本体価格 ¥1,600 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

自分の考えている世の中の「常識」は世界共通ではない。特徴的な生活様式を持つ先住民族との交流から、家族の在り方、死者の弔い方、所得の配分など、それぞれの社会の中で、なぜそのような方法がとられるようになったかを考察する。新しい視点を持ちたい時に刺激となる一冊。

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「文化人類学」とは、文化という切り口から人間とは何かを研究していこうとする学問である。本書にも書かれているが、私も高校の頃こんな学問があることを知らなかった(通ったのが田舎町にある高校ということもあるのかもしれないが)。しかし、大学に入ってからは、結構この科目に関する勉強をしている。京大の教養部時代に4単位、生涯学習として取り組んでいる放送大学では5単位を取得しているので、完全な素人という訳ではない。もちろん専門の研究者とは比べるべくもないが。
 本書の著者である奥野さんの名前に何となく憶えがあると思ったら、放送大学の2014年度版「文化人類学」の編著者の一人だった(今はこの科目は無くなっているようだが)。ということは、私の先生の一人だということになるだろう。
 さて、本書の特徴をあげると、性文化に関する記述が多いこととブナンに関する記述が多いことだろう。ブナンとは、マレーシアのボルネオ島に住む少数民族である。ブナンに関する記述が多いことは、奥野さんが、ボルネオ島によくフィールドワークに行っていたからだろう。そして性文化に関することだが、「えっ?こんなことがあるの」というような驚きの内容。
 日本はもともと性に関してはおおらかな文化だった。ところが明治以降に西洋キリスト教的な価値観に影響され今のようになっている。だから多文化を見る目は、そのような色眼鏡を通していることを指摘しておきたい。その土地の人には当たり前のことが、我々には奇異に見えるのだ。真の多文化理解とは、自分達の文化とよその文化は違うということをよく認識するということだろう。そう金子みすゞではないが「みんなちがってみんないい」なのだ。もちろん女子割礼のように、特定の者にリスクが生じる文化は撲滅してもいいと思う。

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文化人類学って面白そうだなと思い、リクエストしました。

知っていたようで知らなかった異国の文化。
同じ時間を生きている人間なのに、こんなにも違う価値観と生活があることを、
つきつけられました。
興味深い内容もあり、いっきに読みましたが、まさに、
“あたりまえ”を今一度考え直す視点に立てた気がします。

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