オリーブの実るころ
中島京子
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刊行日 2022/06/20 | 掲載終了日 2022/06/19
ハッシュタグ:#オリーブの実るころ #NetGalleyJP
内容紹介
「恋のライバルは、白鳥だった!?」
結婚をめぐる、不思議でちょっぴり幻想的な六つの短編集。吉川英治文学賞 受賞後第一作。
ある夫婦とコハクチョウの30年以上にわたる不思議な生活を描く「ガリップ」、
斜向かいに越してきた老人の壮絶な愛の遍歴を綴った「オリーブの実るころ」など、
結婚をめぐる不思議でちょっぴり幻想的な六つの短編集。吉川英治文学賞 受賞後第一作。
「恋のライバルは、白鳥だった!?」
結婚をめぐる、不思議でちょっぴり幻想的な六つの短編集。吉川英治文学賞 受賞後第一作。
ある夫婦とコハクチョウの30年以上にわたる不思議な生活を描く「ガリップ」、
斜向かいに越してきた老人の壮絶な愛の遍歴を綴った「オリーブの実るころ」など、
結婚をめぐる不思議でちょっぴり幻想的な六つの短編集。吉川英治文学賞 受賞後第一作。
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出版情報
ISBN | 9784065279502 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
様々な結婚の形が描かれた作品で、妙に納得したり感動したり驚いたり、読んでいてとても面白かったです。
その中でも印象に残っているお話が2つあって、まず1つめはガリップです。
これはもう不気味すぎて怖かったです。自分自身、鳥が苦手なこともあって身震いしながら読みました。
ガリップのメスっぽさが、人間よりも人間らしくてゾッとしました。これも一つの愛の形だと思うと、ロマンチックに感じられるのかもしれませんが…というかガリップからみたら、人間の女性の方が後から来た泥棒猫め!と思っているだろうから、もう本当になんとも奇妙な気持ちになりました。
そしてもう1つの印象に残っているお話は、春成と冴子とファンさんです。こちらはとても現代的で、離婚をしていても同性のパートナーがいても自然体な雰囲気というか、それぞれがとても素敵な人達であたたかいお話だなぁと思いました。
親として、でも1人の人間としてステキな人生を歩んでいる様子に憧れます。
結婚とは、家族とは、本当にいろいろな形があってそれをたくさん教わった気がします。
私自身も結婚していますが、この先私達夫婦にも何か物語になるようなステキなドラマがあるといいなとワクワクします。
面白い作品をありがとうございました!
様々な人による結婚のかたちだったり、愛のかたちだったり、パートナーとの関係性がテーマになっている6つの短編集。
なんだかファンタジーのような不思議な雰囲気をまとう作品もありながら、一方では、あるきっかけで現実を直視してしまった登場人物の人生を描いていたり、多様性に溢れた、振れ幅の大きな物語が詰まっていて面白かったです。
色々な方向から検証しないと本当の事ってわからないし、立場や役割にとらわれて、見えるものも見えにくくなっているのは個人的に少しこわかったです。
結婚をめぐる六つの短編集。それぞれがかなり魅力的だ。ぞわりとしたかと思うと、心理描写にドキリとさせられたり。
立場が違えば言い分は違い、夫婦、家族と言えども本当のことはわからないままなのかもしれません。
なかでも『ガリップ』の話は印象的。
白鳥のガリップが読みながら人間の女に見えてきて、その視線に背筋が凍る。
二人の女に愛されている水田って優柔不断な男なんだわ!と腹立たしくも感じて!いやいやガリップはそもそも人ではないのだし!と読みながら自分を諌めてしまうくらい物語に魅せられてしまいました。
私の結婚生活も俯瞰で見れば、それは面白く楽しめるのかもしれない。
中島京子さん、おそらくちゃんと読み込んだのはお初。こんなに切ないお話を面白く夢中に読ませる作家さんだったとは。「川端康成が死んだ日」は、人の気持ちはいつどうなるのか、他人には全く分からない底冷えする寂寥に包まれてしまったが、最後の川端さんでコケティッシュな締めとなり、なんとなく救われた。「オリーブの実るころ」ただただ切ない。悪者が誰ひとり出てこないから余計にやるせない。。一番意味不明なタイトルの「ガリップ」このお話を嫌いな人はいないでしょう?もっと読みたかった、、
いろいろな家族のかたちの短編集。
2つ目の「ローゼンブルクで恋をして」が、私としては一番面白かったです。ローゼンブルクの他にもドイツの地名が出てきますが、ドイツではなくて。学生時代にドイツ語を専攻していたので、その地名を探るのも面白かったです。
「ガリップ」は、現実でこんな関係になったら、私は困ると思いました、、、。ライバルが白鳥だなんて!この本の可愛らしい表紙も、この話を描いていますね。表紙に騙されましたが、こちらのお話も面白かったです。
大人世代が楽しめる作品かもしれないと思いました。
短い物語の中に日常を細やかに綴っていて、エッセイのような読後感がある。読者を作品の世界にスッと引き込む著者の手腕はさすがと思う。深く考えさせられる内容ではないが、一人旅に出たような肩の力の抜ける心地がする。時が経つのを忘れてしまい、最後のページをめくるのが少しもったいないような気がした。
どのお話も飽きさせず、続きが気になり一気に読みました。
いろんな愛や結婚のカタチがあり、まさに多様性に富んだ内容で、ホロリとするところ、ゾッとするところもあり・・・
読後、自分のパートナーを大切にしようと思えました。
いろんな年代の方に読んでもらいたい本です。
どこにでもあるような日常の中の、ちょっと不思議な話。物語の中の会話が妙に現実的というか、昔全く同じこと言われたなぁと思う所もあり頷きながら読みました。
個人的にずっと知りたかった言葉が出てきて、思わず心の中で叫んでしまった。『マンスプレイニング』覚えておきます。
家族の多様な愛の形をちょっと不思議なスパイスを加え自然に描いた六つの短編集。
失踪や死別など家族に生じた穴を残された者たちがどう受け止めるのか、キャラの性格の違いが出ていて面白かった。
定義が不確かなモラハラをテーマに、自らの普通を世の総意だと思い込む親子の自己正当化物語『家猫』。表紙になっている白鳥と夫婦の長年の交流を描いた『ガリップ』は、白鳥の薄気味悪い狡猾さが誰より人間らしく恐怖を感じた。
もう少し知りたいと好奇心と想像力を煽る絶妙なバランスで纏められているのがとても良かった。
人の数だけ人生があり、結婚の数だけ愛のカタチがある、という6つの短編集。
最初の「家猫」でガッチリハートを掴まれて一気に読んでしまいました。ハイソサエティな家庭、確かにこんなこと考えていそう。
他にも「ガリップ」という鶴の恩返しのような不思議なお話もグイグイ引き込まれて読みました。表題の「オリーブの実るころ」は切ないです。どのお話も温かくて、血の通った小説でした。
『ガリップ』という話が一番心に残りました。白鳥の描写がかわいらしく、細かな仕草が目に浮かぶようで、序盤は愛らしいガリップとの共同生活が羨ましく思えました。しかし物語が進むにつれて切なく、息苦しく、時には目頭も熱くなるような展開に。
ファンタジーのようで、ファンタジーではないかも知れないと思える不思議な作品でした。
『家猫』はスピーディーに視点が替わり、それぞれの本音が答え合わせのように頭の中ではまっていきました。皆、お互いに相手の本音は知らないけれど、もし知ったとしても絶対に理解し合えないだろうことが歯痒くなりました。
「ちょっと幻想的な」とある本著の情報に、SciFiに苦手意識のある私は尻込みしつつ手に取りましたが、安定感のある文章にすぐさまそんな不安は払拭され、確かに不思議な設定にも思える話もありましたが、違和感なく最後まで読み進められました。幻想的だからなのか、優しい気持ちに溢れたいくつもの話に知らず知らずに癒された気がします。
誰かの体温をを感じる大切さ。難しさ。
そんな大人の表情をのぞかせる一作でした。
まだまだ息のしにくい環境がある中で
面と向かって話し合ったり、
ぶつかり合ったり、
そんなことをできるって贅沢なのかな。
とことんぶつかって自分の願いを
叶えていこうと背中を押されました。
中島京子さんのお話は、心が大きく乱されることはあまり無く、腰を落ち着け、静かにゆっくりと、しかし心の奥にどっしりと響いてくる。
この短編集はどのお話を読んでも、家族の繋がりについて、会話について、親子や夫婦の来し方について自らに照らして考えてしまう。登場する人々は自分とは違って、決して型には収まらない家族像、夫婦像だけれども、なぜかしっくりとして良い生き方なのではないかと想像される。
表題作の『オリーブの実るころ』と『春成と冴子とファンさん』が好きです。
結婚にまつわる六つの作品を集めた短編集。
そしてふたりは結婚しました。めでたしめでたし。
では決して終わらない、ほんのりとした悲しさと苦さのある、それでいて童話的な浮世離れした顔を持つ、不思議な物語たち。
「結婚」それ自体が、厳しく現実的な面と夢物語みたいにフワフワした面をあわせもつ、矛盾をたっぷりと含んだものだからなあ。
すべての短編に、砂糖菓子のようなロマンチックさと、鋭い刃物のように不穏な危うさが同居している。一度読んだら心のひだに張り付いてずっとヒリヒリさせてくる。そんな一冊だった。
白鳥ってそうなんだっけ、とつい画像検索しました。いちばんのお気に入り短編です。いやあながちフィクションでもないのかも?
家庭のあり方や気持ちのむき方にクローズアップ。
ときどき何言ってるの?な不思議短編集。
「母が用意しておいたチキンラーメンの袋を開けてお湯を注ぎ、卵を割り入れて蓋をして2分待ち、おやつにした。」
そんな1文に読者わたしはにやりとしました。