「ナパーム弾の少女」五〇年の物語
藤 えりか
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刊行日 2022/06/06 | 掲載終了日 2022/06/05
ハッシュタグ:#ナパーム弾の少女五〇年の物語 #NetGalleyJP
内容紹介
1972年6月8日、ナパーム弾の爆撃直後に撮られた一枚の写真は世界中に衝撃を与えた。
その写真に写っていた少女の激動の50年間。
1972年6月8日、ベトナム戦争末期に撮られた一枚の写真は、戦争の残酷さを余すところなく伝え、世界中に衝撃を与えた。
その写真から50年、写真の「主役」となった少女のその後の波瀾万丈の半生を描いた感動のノンフィクション。
大火傷からの奇跡の生還ー肉体的にも精神的にも苦痛の日々ーベトナム政府に「発見」され、監視下のもとプロパカンダの「道具」とされた日々ーボートピープルへ挑戦ー宗教をめぐる母親との対立ーはじめての西側への旅ーキューバへの留学と結婚ー必死の亡命ーそして寛容を訴える旅へ
戦争とは?
国家と個人の関係とは?
自由とは?
家族との絆とは?
主人公キム・フックの物語は、いまの私たちにも多くの問いかけに満ちている。
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出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784065288139 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
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まるで、上質のハリウッド映画を観ているようだ。
50年前のこの「ナパーム弾の少女」の写真は当時中学生だった私には忘れられない一枚だ。しかし、もう過去の出来事として思い出すこともなかった。この本がでることを知り、紹介文を読んだときはじめてこの少女がまだ生きていて、あの写真から今年がちょうど50年ということに興味を持ちページをめくることにした。
第一章を読み始めた途端、まるで50年前のその現場に居合わせたような臨場感のある文章に、ぐいぐいと引き込まれた。スピーディーな展開だが、主人公や彼女を取り巻く人たちに何が起こったのか、何を感じていたのか、どう行動したのか、そのディテールの描写がしっかりとされているので、場面場面がはっきりと目の前に現れる感じだ。これは著者による長い期間にわたる根気強い取材と調査の結果だろう。
主人公が成長して大人になり、いよいよ亡命というシーンは、読んでいる自分が緊張してしまった。著者はその後の彼女と家族の人生も丁寧に描き、一人一人の心情も読み手に染み入るように伝わってくる。彼女の生きる姿勢になんども心動かされた。未来へ向けての取組を描く静かなラストシーンも感動的だ。
50年前の悲劇はそこで終わりではなく、今現在まで続いているのだ。いまウクライナをはじめ戦争で犠牲になっている子供達にとっても、戦争が終わったあともその悲劇は続いていくのだと訴えている作品だ。
あまりにも有名な写真。けれど、あの少女がその後、どのような人生を送っていたのかは日本国内ではほぼ知られていません。本書では、瀕死の重傷を負いながらも助かり、国に翻弄され、そして亡命するまでの過酷ながらも、常に力強く生きた被写体となった少女キム・フックさんの人生を撮影をしたニック・ウトさんを始め多くの丁寧な取材のもとにまとめたものです。特に印象的なのは彼女がクリスチャンとなったことで「ゆるし」を選べたことです。そして自分が体験したように幼い子どもが悲劇に見舞われないよう反戦活動を続けてきたフックさんの、50年たってなお、私たちが過去に学ばず子どもが犠牲になる戦争を繰り返しているという指摘に言葉を失ってしまいます。それでもあきらめずに、この本を多くの人が手に取り、フックさんから学んでほしいと思いました。
ボリュームはありますが、フックさんの数奇な人生にあっという間に読み終えます。非常に読みやすいので、中高生など若い世代にこそ読んで欲しいです。
また、最後の章でベトナムに図書館を作ろうという活動をフックさんらが進めている点は、図書館員として注目すべき点だと思いました(記述はほんの少しですが)。
ベトナム戦争の悲惨さを表した写真「ナパーム弾の少女」の被写体、キム・フックさんが、瀕死の火傷を負った状態から奇跡的に生き延び、そしてどのような人生を送ることになるのか。写真で有名になったが故に、個人が良くも悪くも国家レベルで翻弄されていく様に考えさせられるノンフィクション。
6月8日。この写真を幾度となく目にした。(The Terror of War)
ピューリッツァー賞を受賞した写真が撮られた「この日から50年」が2022年6月8日だった。バンクシーがモチーフに使ったり、さまざまな形で知られている。だが、背景やとりわけ彼女のその後についてはそれほど知られていないのではないか。自分は寡聞にして知らなかった。
キム・フック、(Phan Thi Kim Phuc)一躍有名になったベトナムの少女の、「この日」の後の人生。写真に全裸で写っていることで、公表するかを記者たちが悩むというくだりもあった。裸になった、のではない。フワッとした服を着ていたのが、ナパーム弾で一瞬にして燃えてしまったのだ。
AP通信サイゴン支局のベトナム人記者ニック・ウト(Nick Ut )。カメラマンと被写体の運命的な出会いでもあった。人生の節目節目で彼女を助けることになる。もうこんな写真を撮ることはないだろう、と彼はいう。規制や監視が厳しくなり、自由に報道写真が撮れる時代はもう終わった、と。
象徴として常に注目されインタビューが繰り返される半生だったが、祖国ベトナム政府には常に利用される苦悩の半生でもあった。大きな火傷を負って肉体的な痛みとともに生きる。西ドイツに招かれ手術を受ける、医者を目指したキューバへの留学と肉体的苦痛からの挫折、結婚を経てカナダへの亡命。
自分から体験を語りはじめ、今も世界中で戦争の悲惨さを訴えていること。
平和を訴えることは難しい。いろんな立場の人がいるから。いろいろ語るより腕をまくって自分の火傷をみせる方が伝わる、説得力がある、という場面もあった。
戦争反対、と簡単に言えるような人生ではなかった。この有名な写真のナパーム弾は、南ベトナム軍の誤爆だったこともあり、困難な立場や、板挟みになる批判もあった。
“I forgive, but I don’t forget”.