蝶として死す

平家物語推理抄

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刊行日 2021/04/12 | 掲載終了日 2022/06/30

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内容紹介

*第4回細谷正充賞受賞作

寿永二年(一一八三年)。源氏の木曾義仲軍から逃れるため、平家一門は都を捨て西国に落ち延びた。しかし、異母兄・清盛に疎まれ、折り合いが悪かった平頼盛は一門と決別。義仲の監視を受けながらも、妻子やわずかな家人と共に都に留まっていた。そんな頼盛に、彼が一門きっての知恵者であると聞きつけた義仲は、意外な頼み事を申し入れてきた――「三月前の戦で落命した恩人・斎藤別当実盛の屍を、首がない五つの屍から特定してほしい」。恩人を弔えぬのは武将の恥、断れば頼盛を討ち、己も自害すると義仲に押し切られ、頼盛は難題に挑むことにするが……。『平家物語』や謡曲『実盛』にも取り上げられている実盛の最期を題材にした、第十五回ミステリーズ!新人賞受賞作「屍実盛(かばねさねもり)」ほか、全五編収録。

清盛が都に放った童子は、なぜ惨殺されたのか? 高倉天皇の庇護下にあったはずの寵姫は、どのようにして毒を盛られたのか? 平家の全盛期から源平の争乱へとなだれ込んでゆく時代に、推理力を武器に生き抜いた頼盛の生涯を描く、歴史ミステリ連作集。


目次

「禿髪(かぶろ)殺し」

「葵前(あおいのまえ)哀れ」

「屍実盛(かばねさねもり)」

「弔千手(とむらいせんじゆ)」

「六代(ろくだい)秘話」

*第4回細谷正充賞受賞作

寿永二年(一一八三年)。源氏の木曾義仲軍から逃れるため、平家一門は都を捨て西国に落ち延びた。しかし、異母兄・清盛に疎まれ、折り合いが悪かった平頼盛は一門と決別。義仲の監視を受けながらも、妻子やわずかな家人と共に都に留まっていた。そんな頼盛に、彼が一門きっての知恵者であると聞きつけた義仲は、意外な頼み事を申し入れてきた――「三月前の戦で落命した恩人・斎藤別当実盛の屍を、首...


おすすめコメント

平清盛の異母弟にして、平家滅亡後も生き残った一族の裏切り者・平頼盛。日本史ではマイナーな存在である彼は、実は名探偵だった――という視点から、五編の連作ミステリが生まれました。平清盛、高倉天皇、木曾義仲、源頼朝、北条時政が関わる不思議な謎に、頼盛は挑みます。どの短編も、アニメ『平家物語』や大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で描かれた、当時ならではの謎と真相を描いています。歴史ミステリの新たな傑作を、どうぞお見逃しなく!

平清盛の異母弟にして、平家滅亡後も生き残った一族の裏切り者・平頼盛。日本史ではマイナーな存在である彼は、実は名探偵だった――という視点から、五編の連作ミステリが生まれました。平清盛、高倉天皇、木曾義仲、源頼朝、北条時政が関わる不思議な謎に、頼盛は挑みます。どの短編も、アニメ『平家物語』や大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で描かれた、当時ならではの謎と真相を描いています。歴史ミステリの新たな傑作を、どうぞ...


販促プラン

いただいたご感想はPOP等拡材、弊社HP、Twitter等で幅広くご紹介できればと存じます。

キャッチコピー一言でも長文でも結構ですので、熱意のあるコメントをお待ちしております!

よろしくお願いいたします。


また、6月下旬に本作の続編『揺籃の都』を刊行いたします。

遷都した福原の平清盛邸で怪事件が続発し、平頼盛が、清盛とその三人の息子たち、宗盛・知盛・重衡と敵対する中、謎に挑む長編歴史ミステリです。

新刊刊行前にぜひ本作をチェックしてみてください。

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また、6月下旬に本作の続編『揺籃の都』を刊行いたします。

遷都した福原の平清盛邸で怪事件が続発し、平頼盛が、清盛とその三人の息子たち、宗盛・知盛・重衡と敵対する中、謎に挑む長編歴史ミステリです...


出版情報

ISBN 9784488020125
本体価格 ¥1,800 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

相関図があったのでわかりやすかったです。
異母兄弟の清盛より疎まれ抑圧され続けた頼盛。
清盛の手の上で転がされながら蛹から蝶になるために
怪事件の謎を解いていく歴史ミステリー。
とても面白かったです。
「すべては池殿流平家を守り通す」ため・・・
平家が滅後も何度も窮地に陥りながらも知恵を絞り、
したたかに生き延び、蛹は蝶となり羽ばたけたのか。

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現在NHK大河ドラマで『鎌倉殿の13人』を放送中でもあり、中世の日本史に関心が高まっている。ただ中世から戦国時代にかけての歴史は男性目線で語られがちで、とっつきにくい感じや複雑で理解が困難な印象をもつ読者層も存在したように思う。しかし本作は非常にテンポ良く物語が進行し、歴史の基礎知識がなくても純粋に小説として楽しめる展開となっているので、勤務している高校図書館でも是非購入したいと思った。

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鎌倉殿でこの時代に興味を持ったにわかです。
興味はあるけど今更歴史の本を読むのもだるいなぁーという方、ミステリ好きな方におすすめです。

この物語の主人公は平頼盛ですが、当時の空気感や平家内での権力闘争、源氏と平家の戦いと時代の流れなどミステリに絡めて基礎的な知識が乏しい私でもすんなりと入り込めました。

頼盛を一門きっての知恵者と聞きつけたもの達が彼を頼って様々な謎を持ち込んでくる。
どんな人物が頼りにしてくるのか、読んでのお楽しみ。

常に一族のことを考え、一族が滅亡することが珍しくもない時代に生き延びた人間の姿に胸が熱くなります!

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平家栄華時代の話かと思っていたのですが、清盛がブイブイ言わせていた頃から、平家が滅ぶときまでの長い期間を物語の舞台にしているのが意外でした。
長き歴史のなかに垣間見えるミステリのような雰囲気が良かったです。
確かに頼盛はキレ者ですが、推理小説のような万能な探偵役ではなく、自分たちが生きる道を模索するため背水の陣の勢いで解決していく感じが好きな物語です。

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