金曜日のヤマアラシ

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刊行日 2022/06/23 | 掲載終了日 2022/05/31

ハッシュタグ:#金曜日のヤマアラシ #NetGalleyJP


内容紹介

うちのクラスにやってきた、日に焼けて、手足の長い転校生。
「うるせーな」ってにらんでくるし、
「さよなら」って声をかけても無視するし。
あのトゲトゲは、まるでハリネズミ……いや、ちがうな。
ハリネズミよりずっと長いトゲの、ヤマアラシだ!


<あらすじ>
小学六年生のウタは父・さくちゃんと二人暮らし。
ある夜、ウタはさくちゃんに愚痴を言う。
「隣の席の転校生がイライラ、トゲトゲしていて、つかれる。まるでながーいトゲを持つ、ヤマアラシみたいだ」
それを聞いたさくちゃんは興味をもち、毎週金曜日になるとウタに聞くようになる。
「どうだった、今週のヤマアラシは?」
ウタはだんだん、このトゲトゲしたクラスメイトに興味を持つようになって……


<対象年齢>

小学校高学年から


<著者紹介>

蓼内明子(たてない あきこ)
青森県生まれ。 第1回フレーベル館ものがたり新人賞大賞を受賞し、2018年『右手にミミズク』でデビュー。 『きつねの時間』で日本児童文芸家協会主催第18回創作コンクールつばさ賞〈読み物部門〉優秀賞受賞。そのほかの作品に『魔女ラグになれた夏』(PHP研究所)、『ブレーメン通りのふたご』(フレーベル館)がある。児童文学同人誌「ももたろう」同人。


うちのクラスにやってきた、日に焼けて、手足の長い転校生。
「うるせーな」ってにらんでくるし、
「さよなら」って声をかけても無視するし。
あのトゲトゲは、まるでハリネズミ……いや、ちがうな。
ハリネズミよりずっと長いトゲの、ヤマアラシだ!


<あらすじ>
小学六年生のウタは父・さくちゃんと二人暮らし。
ある夜、ウタはさくちゃんに愚痴を言う。
「隣の席の転校生がイライラ、トゲトゲしていて、つかれる。まるでながーいトゲを...


出版社からの備考・コメント

※ここに掲載しているデータは校了前のものです。刊行時には、内容が一部異なる可能性があります。

※ここに掲載しているデータは校了前のものです。刊行時には、内容が一部異なる可能性があります。


おすすめコメント

2018年に『右手にミミズク』でデビュー後、子どもの感情を正面からとらえた瑞々しい筆致で注目を集める、蓼内明子さん。

家族のこと、友達との関係、誰にも言えなかった後悔……
主人公・ウタがまっすぐに人と向き合う姿が気持ち良く、元気をもらえる一冊です。

2018年に『右手にミミズク』でデビュー後、子どもの感情を正面からとらえた瑞々しい筆致で注目を集める、蓼内明子さん。

家族のこと、友達との関係、誰にも言えなかった後悔……
主人公・ウタがまっすぐに人と向き合う姿が気持ち良く、元気をもらえる一冊です。


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出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784752010128
本体価格 ¥1,400 (JPY)

閲覧オプション

NetGalley Shelf App (PDF)

NetGalley会員レビュー

題名に惹かれてリクエストしました。とても読みやすい文章で子どもたちも物語の中に入りやすいと感じます。
ウタの父親との関係も素敵。母親、友だち、ヤマアラシへの想いもとてもわかりやすく応援したくなります。
読後、とても優しい気持ちになります。

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子供はもちろん、年齢関係無くいろんな人に読んでもらいたいあったかい作品でした!
人間関係の難しさやもやもやした気持ちやうしろめたさなど、言葉にするのが難しい感情がびしばし伝わってきて、主人公のウタちゃんにめちゃくちゃ感情移入しながら読みました。
学校の教室、家での親子間の空気や温度がよく伝わってきて、とても読みやすかったです。
あと、ヤマアラシがウタちゃんに掛けた言葉もすごくよかったです!あの保健室の場面は何度も読み返したくなるほど、大人の心にも響きました。
素敵な作品をありがとうございました!

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今の小学生ってこんななんだなあ。
みんなこんな子たちだったら、いいよね。
ラストの学級会みたいなのも爽快で、希望がもてて、とってもよかった。
ちょっとおれさまの桐林くんが、どんどんいいやつになっていって、それに引っ張られるように長谷部さんのわだかまりも解決して、そしてクラスのみんながまとまって、ちょっと出来過ぎくらい出来過ぎてて、でも、それがこの物語の魅力なんだろうなあって思った。読んでて、痛くなるようなお話があるけど、正直苦手で、その点でもこの物語にはたくさんのファンができるんじゃないかなあ。
児童書ってなかなか難しいですよね。児童文庫ならそうでもないけど、児童文学の世界だと、少女マンガみたいに小学生の恋愛路線に進むわけにはいかないし。作家さんはそのあたりをとっても苦労し、工夫して物語をコントロールしていったんじゃないかなあ。
フィギュア作りが物語の強みのひとつなんだと思うけど、タイトルとか、表紙絵とかに、そんな要素があってもよかったかも。だって、フィギュア作りする女子なんて、作品のすごい売りとなると思うのです。
うん。サッカー、料理、今の父娘関係、そしてフィギュアと、なんとも贅沢な作品でした。読ませていただきありがとうございました。爽やかなひとときを過ごすことができました。

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正直になれないで
自分を誤魔化して生きて来た事や
自分の時間を大切にしたいが故
嘘をついてその場を逃れ後悔した事は
誰しも経験があるのではないでしょうか。

皆の前で本当の気持ちを吐露するのは
恐ろしいことではありますが
助けてくれる友の協力を得て
心の引っ掛かりを解いていく感動の物語。
同じ様な経験をした人もしなかった人も
小学生だった人全員学べる点が
数多くあります。
他人が持つ思い込みもありますが
自分が持つ思い込みで
苦悩してしまうことが
一番私には響きました。

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大人でも子どもでも人は自分の見たいようにしか物事を見ないようだ。そこに何らかのストーリーを被せて勝手な理解をする。ウタの隣の席になった転校生桐林。マイペースで周囲に媚びないツンツントゲトゲの空気からウタは彼をヤマアラシと密かに呼ぶ。
ウタはしっかりと自分を分析できるのに、それを周りにちゃんと伝えられないがために、友だちとの間に微妙なズレを作ってしまう。自分の時間、好きなことに没頭する楽しみをだいじにしたいということを言えない。そしてそれは誰にも言えないままのあの時の嘘につながる。フィギュア作りという趣味であり、ある意味贖罪のような行為をウタは自分に課している。亀裂が入った友だちとの関係、父にも言えないままのこと、全部ぶちまけるありったけのことばは痛くても光っていた。もう保健室のあたりから泣きっぱなしでした。ことばに傷つき、傷つけられても、ことばに救われて、ことばで繋がれるということをウタはわたしに教えてくれました。このクラスのみんなの変化がすばらしかった。ウタのことばが伝わったんだとわかりました。

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小学6年生のウタのクラスにきた転校生は転校初日からクラスメイトを凍りつかせるようなハリネズミ…、いやいや、ヤマアラシだった!
そんな転校生の話題を夕食時に父親に話すと意外にも興味を示し、さくちゃんは金曜日ごとにウタの好物を食卓に並べ、ヤマアラシがどんな様子だったのかを聞くようになる。そんなさくちゃんに影響され、ウタもヤマアラシの様子を観察するようになり…。
相手の気持ちを想像するにも、理解しようとするにも、まずは興味を持つところから。少しずつ変わっていくヤマアラシの印象に、ウタも影響され、自分の抱えているさくちゃんにも秘密にしている“後悔”と向き合います。ウタの気持ちの吐露に切ないさが募ります。
すっかりやり直すことが出来なくても、違うキラッとした光を見つけて、また力強く前進していこうとする姿が眩しくて、子どもだけではなく大人にも読んで欲しいな、と感じる作品でした。

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話すことは、とても大切。でも、大事なことほど、話すのは難しい――。
頑なな態度の転校生に、同級生と同じように戸惑いと不快感を抱いているウタ。その彼女の気持ちが変化していくきっかけは、少しユニークな父親との会話と苗字。
小さなきっかけで何かが動き、相手との関係が少しずつ育っていきます。話して、考えて、話して、考えて……。
先入観や遠慮や劣等感、周囲の空気。話すことを邪魔するものはわたしたちの周りに常にあって、仕方なくあきらめたり、つい嘘を言ったりすることもあると思います。この作品はそういう心に寄り添って、そっと背中を押してくれるような気がしました。
興味を引くタイトルも気に入っています。

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ちょっと不思議な食卓の様子ではじまる、小学6年生の物語。転校生って、それだけでなんだかドラマチックな存在に思えてしまいますが、このお話の転校生は、ヤマアラシのようにトゲトゲと不機嫌を撒き散らす問題児。主人公のウタちゃん、初めのうちはかなり大変そうでした…。小学生の夢や迷い、友達との関係、家族の間に漂う感情、全てを温かく包んでくれるような、素敵なお話でした。ありがとうございました。

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ウタちゃんの心の半分は、きっと、今じゃなくて、2年前の後悔にいきている。そこに、心がひっかかってる。
自分の過ちを許せないで、自分に「✕」のマークをつけている。また、大好きな人をがっかりさせちゃうことになるかもとおもうと、こわい・・・だから、友だちにあんまり近づき切れないで、知らず知らずに距離を取る。
ヤマアラシこと敏くんの心は、逆に、輝かしい未来に住んでいる。だから、今の自分がとてつもなく、みすぼらしく見えて、「何やってんだっおれ」って、イライラ、トゲトゲ。その雰囲気が、ひとを寄せ付けない・・・
そんな、ふたりが、出会う・・・今が、動き始める・・・
みんな、なんだかすごい。
いろんなこと抱えて、どれが正解なのか分わからない。だけど、一生懸命、がんばって生きようとしてる。
泣きたいときも、しんどいときも、相手を思いやる気持ちで頑張る、ウタちゃんとさくちゃん。
さくちゃんの思いは、本当に痛く胸に刺さります。とこちゃんを失って自分も辛かったのに、よくがんばったね。
ウタちゃん。ヤマアラシに出会って、今を見つめられたね。
わたしは、この親子の物語に、愛おしいものを感じました。
一生懸命生きている、それは、そのひとのうしろ姿を見ればわかる。自分では見えないけれど。
だから、ひとと出会って、ひとの後ろ姿にはげまされるんだな・・・きっと、さくちゃんのフィギュアの後ろ姿にもその力が宿っていたんですね・・・素敵な物語でした。ありがとうございます。

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なんとなく一筋縄では行かないようなツンとした目元が印象的な少年の大アップの表紙…不思議とその少年の表情に惹かれてこの物語を読んでみたいと思った。2年前の心に引っ掛かった傷を今も抱えているウタ、他人とは距離を持って生きている少女が父親の影響で、そのバリアがヤマアラシの間では少しずつ解けていく。その過程がとても良かった。小学生の頃、辛いことがあると胸が痛いほどギュンとなった、あの時の痛みを思い出した。言いたいことを言えるようになったウタを皆が理解して受け入れてくれた場面ではこちらまで心が青空のように爽快になった。

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人間誰もが持っているようなヤマアラシの性格(?)になるほどなぁと思いました。多感な青春時代に登場人物それぞれが素直にお互いを敬える、羨ましいと思ってたんだ、と言える関係性素敵ですね。人間一人じゃ生きていけない、一人じゃないよ、をつよく感じました。

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