死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由
麹町中学校で工藤勇一先生から学んだこと
西川 幹之佑
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刊行日 2022/02/08 | 掲載終了日 2023/11/12
ハッシュタグ:#死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由 #NetGalleyJP
内容紹介
これは現代の「ヘレン・ケラー物語」だ!
4代続けて東大卒という超名門の家柄に生まれたのに、ADHDにASD傾向、学習障がいという3重苦で、幼稚園すら二時間で中退させられた著者。小学2年生までは特別支援学級に通うも「赤ちゃん扱い」になじめず、強く希望して通常学級に転籍。しかし、周囲とトラブルを起こし、テストで点がとれないとパニックになっては教室を飛び出す毎日を送り、やがて「死にたい」という衝動にとらわれるようになる。
そんな著者が変わったきっかっけは、千代田区立麴町中学校に入学し、大胆な学校改革を実践していた校長の工藤勇一氏(ベストセラー『学校の当り前をやめた。』の著者)に出会ったことだった。
「3重苦」だったヘレン・ケラーは、サリバン先生に出会って「Water」という言葉を手のひらに書いて教わるまで、暗闇の世界で生きていた。
著者は、その気持ちが分かる気がすると言う。混沌とし、恐怖そのものだったこの世界。それが、麹町中学校でもがき苦しみながら世界の輪郭をつかみ、卒業後も工藤氏から学んだことをもとに試行錯誤を続け、少しずつ自分にあう生き方をつかんできたのだと話す。
ヘレン・ケラーを目覚めさせた「Water」という言葉は、著者にとっては「自律」という言葉だった。
工藤氏の教育目標は「自律した生徒を社会に送り出す」ことだ。「自律」「尊重」「創造」を掲げ、社会を生きる当事者意識をもつ生徒を育てるという工藤氏のもとで様々な学びを経験するうちに、著者は親や名門家系に対する劣等感、周囲に対する憎しみから解放され、「自律」して生きる大人になるために、「自己変革」に挑むようになる。
中学卒業までに英検準2級とニュース検定2級などを取得。高校は英国に留学し、現在は時折トラブルを抱えながらも落ち着いて対処しつつ、人並の自己肯定感とともに、前向きに生きている。
人生は誰か他人から与えられたり押し付けられたりするものではなく、自分の選択と行動でつくりあげるもの。どんなにダメな自分でも、自分の取扱説明書を自分の力でつくりあげることが可能。どうしようもないほどダメな「不良品」を自認する著者が、地を這うようにしてたどり着いた希望の境地とは?
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784788718036 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
世間的には優秀だと評価されている幹之佑さんの叔父さんが、幹之佑さんと似たような症状(忘れ物が多い、あきっぽいなど)を持っていて、もしや自分もと思って検査を受けた結果、同じ傾向があることがわかり「幹之佑のおかげで、自分をよく理解できるようになった。ありがとう。」と言われたというエピソードは、とてもうれしいことだなと思いました。
自分の中にある理由がわからない問題の原因がADHDやASDであるということを知ることで、どんなにか救われる人が多いのではないでしょうか。昔は落ち着きのない子も大人になれば治るなんて言われて言われてましたけど、それは間違った考え方だったのだと知るだけでも、世の中の人を見る目というのは変わると思います。
彼自身が見つけた「UDデジタル教科書体」フォントのことや、真っ白な紙だと文字が読みずらい人は「ブルーライトカットグラス」がいいとか、ちょっとした工夫で生活が楽になるアイデアがいろいろと挙げられていて、「そうか、そうだったんだ」と初めて気づくことがたくさんありました。
症状を緩和してくれる薬をキチンと服用すること、自分の陥りやすいパターンを探ること、栄養バランスを考えることなど、自分に関する様々なことを考え、実行していくことで幹之佑さんの日常はビックリするほど過ごしやすくなったのです。
「普通じゃない」と言われてしまう子どもたちが、そんな症状を持っているのは自分だけじゃないこと、対処方法があることを知って欲しいと考えて、幹之佑さんはこの本を書いたのだそうです。
ホントに素晴らしい本です。
この本を読んで、もっともっと多くの人に知ってもらいたいなと思いました。
東大卒超エリート家系に生まれた著者は、小学校前に発達障害と診断され、特別支援学級に入学する。当時は知的・情緒障害を分けて支援する仕組みが整っておらず、数々のトラブルから自己嫌悪が深まり、一家で精神的に極限まで追い詰められる。麹町中学校の工藤先生と出会い、最上位目標・自立を目指すことで、学歴エリートの呪縛から逃れ、現在は大学生として落ち着いた生活を送る筆者。同じ苦しみを抱える人々に贈る貴重な経験談。
子育て中で、心にしみる言葉がたくさんありました。
発達障害やグレーゾーンと言われる人も多い中、なかなか気持ちが分かりにくいこともありますが、感情が書かれていて、ハッとした気づきもありました。
成長していく中で出会う周りの人たちの、特に工藤先生との出会いのようなものが皆にもあるといいと思わずにはいられません。言葉をしっかり受け止め、実践していく作者の姿にも感銘を受けました。
発達障がいの当事者が書いた書籍。
学校や日常生活で実際に困っていたことを具体的に取り上げ、問題の原因を明らかにしている。これは当事者だからこそ出来ることで、第三者からみると思いがけないようなことが原因となっていて目からうろこが落ちた。そして実体験に基づいた解決方法も挙げられている。アンガーマネジメントなど、発達障がい児に限らず誰にでも役に立つヒントが満載。とても勉強になった。
著者のポジティブさも、読者の気持ちを上げてくれる。
発達障がいを持つ生徒が多い当校ではぜひ購入したい一冊。
発達障害をもつ著者(まだ20歳!)が自身のこれまでの歩みを綴った1冊。
暗黒の小学生時代を過ごした著者が、麴町中学入学により工藤先生に出合い、光明を見出して…自ら劇的に変わっていく姿に感動しました。
知的障害をもつわが子にどこまで勉強が必要か…と迷っていましたが、「僕の実感として、勉強でつまずき感をなくして自信をつけたほうが、結果的にソーシャルスキルが伸びたと感じる」という一文に出会い、迷いが消えました。本人にやる気がある限りはできるところまで親子でがんばってみます。そして親子それぞれ「最上位目標」を目指したいと思います。
刊行時20歳だった著者は、ADHDにASD傾向、それに学習障がいがあり、中学に入るまで、恐怖といら立ちの暗闇の中で生きていた。
思ったことをうまく伝えられない、感情を抑えられない。
学習障がいもあるので、頭ではわかっていても文字を書く段階で間違えてしまい、成績が振るわない。
クラスメートにバカにされ、先生に迷惑がられ、屈辱感、劣等感を味わい、だれも話を聞いてくれない、わかってくれないという思いが、心の底にヘドロのようにたまっていく。
「どうして、ぼくはこんな風に生まれてきてしまったんだろう。生きてても楽しくもなんともない。辛いだけ」
発達障がいを持つ著者の、子どもの頃の気持ちが痛いほど伝わってくる。
そんな著者が、麹町中学校で工藤校長先生と出会うことで光が見えるようになる。
発達障がいをもつ本人が、工藤氏の言葉を基に試行錯誤を続け、少しずつ自分に合う生き方をつかんできた、その方法を伝授している。
著者は、「僕より年下の発達障がい児たちに、この本をよむことで、僕と同じ失敗をせずにすむようになってほしい。僕のように苦しんでほしくない。」という気持ちでこの本を書いたのだそうだ。
そのため、使いやすい消しゴムから、文字のフォント、アンガーマネージメントまで、少しでもストレスを減らすために著者がいろいろと試して、「これはいい」と思った物や方法が書かれている。
発達障がいを持つ人たち、その周りの人たちに有益な情報を届けたいという著者の想いから、この本が書かれたわけだが、むしろ発達障がいを持たない人が読むべき本だと思った。
というのも、著者が一番言いたかったことは、発達障がいを持つ人を、「困った人」「かわいそうな人」と、特別扱いしないでほしい、ということだと思うからだ。
発達障がいを持つ人にとってストレスの少ない世界は、発達障がいを持っていない人にとっても、そうであるわけだから。
著者が中学生の時に受けた特別授業の様子などが多く書かれているので、中学生が読むのによさそうだと思った。
ちょっと都合で最後まで読めなかったのですが、とても興味深い内容でした。
発達障害の方があまり身近にいなくて、どのような様子か分からなかったのですが、ちょっと分かりました。
別な本も教育者の方がすごく頑張ってらして、先生ってすごいんだなぁって思いました。
印象的だったのは、どんな相手でも真剣に対等に話を聞く、寄り添う姿勢がないと、相手と信頼関係が築けず、相手は意固地になって拒否するという事。著者は話をちゃんと聞いてくれて寄り添ってくれる先生に心開きます。子どもでも障害者でもそうなんだから、日本での外国人の方やマイノリティの方もそうなんだろなと思いました。(立場の違う人というか、それなら自分以外の他人もそうですが。)心開かないとこちらの話を聞いてもらえないと思いました。ありがとうございました。
一口に「発達障がい」と呼ばれていても、その内容は人それぞれ。どのような教え方がその子に向いているかも障がいの内容や本人のこだわりによっても違うけれど「特別支援」でひとまとめにされてしまうことで苦しむ子がいる、ということを本人視点から痛烈に描かれており、教育現場にいる人間としては真摯に受け止めなければならないと思いました。また、工藤先生ご本人のご著書は目にする機会があっても、生徒目線で先生のことを語られているのを目にするのは初めてだったのですが、看板に偽りなし、というのを実感する内容でもありました。
生徒向け発行物など、かわいくした方がたのしんで読んでもらえるかも?とついつい、かわいいフォントを使ったり、カラフルにしてみたりなどとしていましたが、ディスレクシアの生徒を個人として認識してからここ数年は題字など以外は基本的にすべてUDフォントを使うようにしていましたが、そのことが本当に役に立つんだということも再確認させてくれたので、今後も自分に見えている世界だけでなく、広く「読みやすい=情報が伝わりやすい」を見た目にも内容的にも目指さないといけないな、と自戒の念を強めました。
もちろん生徒にも薦めたいですが、教員用図書コーナーにも置きたい本です。
発達障がい児本人が書かれた本ということで、とても興味のあった本です。一族の方々も優秀ですが、ご本人もIQが高く、それゆえ感情のコントロールができない、落ち着きがない、など見た目で判断されてしまうことへの苦しさや悲しさ、怒りを感じることが多かったのではないでしょうか。それらを本という形で発表することで、誰かの役に立ちたいと思われたことに、感動しました。この本は、発達障がいと判断された本人、関わる人、教育関係者、医療関係者などはもちろんのこと、さまざまな人たちが知っておいた方が良いのではないか、ということが書かれてありました。教科書のフォントや、ノートの紙の色、メガネのことなど、興味深いエピソードがたくさんありました。
わたしは本書でさらりと触れてあるいわゆる「大人の発達障害」です。わたしは著者さんほど特性が顕著でなくて、びっくりしてしまうようなこともたくさんありましたが共感できる面もありました。
また、大変そうだなあと思う一方で、著者さんが大人の発達障害はこんな苦労があって大変だろうと触れていたことがとても印象的でした。
最上位目標とアンガーマネジメント。
どんな人にとってもそれなりの苦悩があるとおもう人生ですが、そこに立ち向かう方法を覚えるのはとても強みになると思います。
自分の状態を認知する。大人でも難しいそのことが、幼い心にのしかかる。日本の教育ほまだまだだと、思う。みんな違ってみんないい、と言うものの、実のところはそうはいかない。同じ、一緒にすることを求められる。一つの枠でくくる。そして、そのことで苦しめられる人がいる現実。もっと、本当の意味で生きやすい世の中にしたい。どの子も、生き生きと、自分を愛して生きられる世の中に。
私がたくさん勘違いしていることがわかりました。発達障がいの児童は特別に配慮されたクラスの方が本人にとっても楽なのではと思っていました。障がいにも差異があるので一概にそうとはいえないことに気づかされました。またソーシャルスキルがつけば他者と上手くいきやすく自己肯定感も上がるのではと思っていました。そんな単純なことではないのですね。
発達障がいの方の感じ方が伝わり、また自身の体験から具体的にどうする事が良いか書かれていて、障がいの方やその家族にも読んでほしいです。