昆虫の惑星
虫たちは今日も地球を回す
アンヌ・スヴェルトルップ=ティーゲソン、小林玲子(訳)
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刊行日 2022/03/30 | 掲載終了日 2023/05/31
ハッシュタグ:#昆虫の惑星 #NetGalleyJP
内容紹介
第69回青少年読書感想文全国コンクール
課題図書 高等学校の部
丸山宗利氏(『昆虫はすごい』著者 ) 監修 世界22ヶ国以上で翻訳!
ノルウェーから届いた、「知ること」の楽しさに満ちたネイチャー・ノンフィクション
わたしたちヒトは、昆虫に包囲されている——女性昆虫学者が語る奇妙で、美しく、風変わりな虫たちの話
プラスチックを食べるミールワーム、食べ物や日用品に貢献するミツバチ、
傷を癒すニクバエ、農耕や牧畜をするアリ、子煩悩なハサミムシ、水中で音楽を奏でるミズムシ……
虫が苦手という人は多いが、虫の世話になっていない人は地球に1人もいない。
あなたの知らないところで黙々と仕事をしている昆虫たち——
(もちろんちょっとしたコツでずっとぬくぬくしているやつもいる)
そんな昆虫たちのめくるめく世界へと誘う、「知ること」の楽しさに満ちたネイチャー・ノンフィクション。
“地球が昆虫の惑星であることは間違いなく、生物多様性の理解への一歩として、本書の存在は非常に重要な意味をもつに違いない。" ———監修者あとがき より
“本書の前半は、昆虫そのものの話だ。第1章では昆虫の体の仕組み、周囲を知覚する方法、種としての多様性を紹介する。身近な昆虫の分類の方法にも触れることになる。第2章では、昆虫たちのいささか変わったセックスライフに肉薄する。第3章は昆虫どうしや、ほかの生きものとの複雑なやりとり、第4章は昆虫と植物の関わりがテーマだ。(中略)
本書の後半は、ヒトと昆虫の関わりをとりあげる。ヒトの食糧生産に昆虫はどう貢献しているか(第5章)。都市をふくむ地球上の環境を、昆虫はどう清潔に保っているか(第6章)。蜂蜜から抗生物質まで、ヒトの暮らしに必要なものを、昆虫はどうもたらしているか(第7章)。第8章では、昆虫のカギを握る最新の研究を紹介する。最後の第9章では、昆虫が直面している危機をとりあげつつ、その暮らしを守るためにヒトに何ができるのかを考える。
植物の受粉、有機物の分解と土の再生。ヒトはその多くを昆虫に依存している。
昆虫はほかの生きものにわが身を餌として提供し、ヒトにとって有害な生物の数を抑制し、種子を散布し、さまざまな問題解決のための知恵まで提供してくれる。
自然界の中心を占める、昆虫という存在があるからこそ、地球は回りつづけているのだ。" ——— はじめに より
CONTENTS
はじめに
序章 地球は昆虫の星である
第1章 小さな体は高性能 —— 体の仕組みと機能
第2章 昆虫たちの“婚活"事情 —— 生殖と繁殖
第3章 食べて、食べられて —— 昆虫と食物連鎖
第4章 昆虫VS植物 —— 植物との共進化
第5章 ヒトの食卓と昆虫 —— 蜂蜜から昆虫食まで
第6章 自然界の“掃除人" —— 死骸と糞の分解
第7章 産業を支える昆虫たち —— ヒトによる昆虫利用
第8章 昆虫が与えてくれるもの —— バイオミミクリー、医学、セラピー
第9章 昆虫とヒトの未来 —— 環境と多様性を守るために
おわりに
謝辞
監修者あとがき
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784777828920 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
まず、誤記について報告しておきます。P203、15行目の 「カツオムシブシ科」は、「カツオブシムシ科」の誤りです。
ハキリアリがキノコの仲間を栽培していることは他の本を読んでしっていましたが、ムネボソアリは仲間に餌のありかへの道順を仲間に伝える「タンデムランニング」を行っていることは初めて知りました。この「タンデムランニング」は一種の教育とも言え、これまで人間がほかの生きものより優れているという主張の根拠となってきましたが、この事実がその根拠を崩すことになりました。
1億2000万年にわたって昆虫と植物が密接にかかわりあいながら進化してきたその関係を「相利共生」または「共進化」とよぶそうです。「アリ植物」と呼ばれる植物はアリを棲まわせて共生する一方、昆虫の攻撃を受けることもあります。昆虫の攻撃を防ぐために、植物は地下に菌根を張り巡らし、この「菌根ネットワーク」を通じて化学的なシグナルを周りの植物に送っているそうです。
このような植物と昆虫との共生関係を学ぶにつれ、生態系の大切さを知ることができるでしょう。
これまで人間は、土地の開発による自然破壊、温室ガス排出による地球温暖化と気候変動、農薬の使用や遺伝子操作、そして外来種の導入による固有種の絶滅を招いてきました。これらすべての人間が引き起こした行為は、地球環境の破壊として、将来の人類の生存に跳ね返ってくるでしょう。
この本に書かれたように、自然を底辺で支えている植物や昆虫を保護する視点で考えてこそ、SDGs、つまり「持続可能な社会」が実現できるのではないでしょうか。
この本には、都市においても、街路樹などの緑とそこに暮らす昆虫が果たす役割を「都市の生態系」として考え、緑の大切さ説いています。しかし、東京都においては、貴重な緑地帯である明治神宮外苑の再開発による約1,000本という樹木の大量伐採計画が進められています。5万5千人以上の反対署名を集めているにもかかわらず、住民の意見を聞くこともなく、勝手に再開発事業を進めるつもりです。いまこそ、昭和さながらの日本ガラパゴスな土木行政を改め、いま人類に求められている「持続可能な社会」へと向かっていくべきではないでしょうか。
「この世界には、ヒト一人につき二億匹以上の昆虫がいるともいわれる」想像もつかない数の昆虫が、この世界にはいるのだ。
それを分かりやすく、そして色んな視点から書かれていて、とても面白かった。
翅を手に入れこれほどまでに栄えている昆虫。
その体の仕組みや生態など、そうなんだ!となることばかりだった。
そのなかで聖書の出エジプト記に出てくる「マナ」についての有力な説も昆虫に繋がるというのは、とても興味深かった。
恐竜より古い時代から生きてる昆虫は、これからも私たちの生活には欠かせない。
見た目などで昆虫が苦手な人でも、楽しく読めると思います。
とても面白かった。昆虫博士の書いた昆虫の本です。人間が絶滅しても世界はたぶん何も変わらないだろうが、昆虫が絶滅したら人間は生きていけないということを実感した。この惑星は人だけのものではなく、すべての生き物と分かち合っているのであり、いらないと思われる害虫ですら何らかの生態系の一部に組み込まれていてとても価値があるのだ。虫を嫌悪するのではなく、虫と共存していく方法をこれから人類は模索していくべきなのかもしれません。
写真集的な本かと思って読み始めたら、ものすごく硬派な昆虫の本でした!最後に書いてあった、無脊椎動物は人間を必要としていないが、無脊椎動物がいなくなったら人間は生き延びられないという趣旨の文章、これがまさに主題なのだろうと思います。紹介されている虫のほとんどを私は知らなかったので、どんな虫なのか写真(もしくは絵)で示してもらえるともうちょっと分かりやすかったかな?と思いました。とはいえ、壮大なこの地球を生き生きと動かしている昆虫の世界を覗き見ることができて、とても知的に満たされた気持ちです。ありがとうございました。
虫は超苦手でしたが、うちの子どもが虫が大好きで、昆虫図鑑を一緒に読んだり、虫捕りに行っている間に、少しずつ慣れてきました。
近い将来、世界は食料不足になるんじゃないのか?というのを考えていたら、今のうちに虫を食べれるようになってた方がいいんじゃないかと考えていて、まずは、イナゴの佃煮から!と、食べる練習をしています。実際、めちゃめちゃ美味しいです。
そんな虫モードの私ですが、ネットギャリーで本書を見つけて、パラパラと拝読して、すぐに買わせていただきました。めちゃくちゃ面白いです。
自然が循環するためには、昆虫の働きが欠かせない。ハチミツも昆虫のおかげ作られる。魚も昆虫を食べているから存在できている。昆虫は死骸や排泄物を有機的に分解してくれる。時間をかけて根気よく。そのおかげで、栄養分を含んだ土ができ、またそこで植物が育つ。地球が守られているのは、虫様のおかげです。
Gの素早さには慣れる気がしませんが、昆虫と共存していける人間になっていきたいと思いました。
ノルウェーの昆虫学者による、昆虫トリビア満載の本。監修は日本の昆虫学者丸山宗利氏が手がける。北欧に限らず、世界中の興味深い昆虫の生態や、人類が受けている多大なる恩恵が、ユーモアを交えお話としても読みやすくまとまっている。
昆虫、身近でも嫌悪感が半端なく。でも本書を読んで地球にとってどれほど昆虫が大切なのかを知ることがで言いました。昆虫を食用とできれば、飢餓が解消でくるとか、知ってはいたけれど現実味がなく思っていたことが将来は当たり前になるのかも?と思いました。誰でも手に取って見れば楽しめる本だと思います。
昆虫は見るのも触るのも苦手。でも面白そう、知りたい、と思いこちらの作品を読ませていただいた。結果、とても面白くて驚いた。セミやハチ、ナマケモノにつく寄生虫など、衝撃的な数々のエピソードに何度も心奪われた。人間と一緒に住むこの世界で、こんなことが起こっているのかと感動もした。知らないことを知ることはこんなにも楽しいのかと改めて感じさせてくれた一冊。
北欧の昆虫研究者による昆虫本。
昆虫の生態から植物との関わり、そして人類との関わりまで昆虫について様々な側面から語っています。
昆虫の能力驚き、その生殖の姿に慄き、人類が受けてきた恩恵に感謝する。
人類よりはるかの昔からこの地球にいた昆虫に真剣に向きわないとこの先どんなことになることか。
昆虫について考えるきっかけになります。
黒い地に色鮮やかな昆虫たちが円形に配置されている表紙が美しい。本として美しいと感じる。原題から調べると海外版としては緑色一色の表紙に黒っぽく昆虫が配置されている表紙が見つかる、これはこれでシンプルに美しいけれど、日本のカバーのセンスを感じる。
ノルウェーで昆虫を研究する女性。本書の中でもしめされているが、女性ならではの視点というのが興味深く反映されている。
専門家の書くものは複雑でとっつきにくいものかと思いきや、昆虫たちの世界を楽しく、興味深く、面白く見せてくれる。章立てが細かく、少しずつ読んでもわからなくならない。昆虫に興味のある人もない人も、誰でも楽しく読めるだろう。
そして訴えてくるものは、はやり、今世界中で研究され喫緊の課題として論じられていることにつながる。種の保存、地球を健全な形で次の世代に残すこと。
INSEKTENES PLANET
by Anne Sverdrup-Thygeson
昆虫の体の仕組みから地球への貢献、珍しい昆虫のに関するトリビアなど昆虫好きな人にとっては貴重な本である。一方私のような昆虫苦手の人にとっても、環境を守るという意味で昆虫世界が与える大きな価値の再発見があった。「人類が死んでも他の生物には何の影響もないが、昆虫が死ぬことによって人類は生き延びることはできない」ということがいろんな事象を挙げて説明されている。そうなんだ!と納得することが多く、そのことから自分の生活や今進んでいる農業の在り方やバイオ、遺伝子操作に関するものについて考えるきっかけとなった。商品を選ぶときにこれでいいのかと思うことも多かったが、私自身の不安が研究者の不安でもあるとわかってこれからも環境について考えていきたいと感じている。
冒頭で各章のテーマが上げられ、テーマに合った昆虫の習性を簡潔に紹介してゆく形。前半は生殖や共生など自然界での興味深い昆虫の習性。後半は人間との関わりで、飼育や利用法などを紹介し、環境問題へと繋がってゆく。研究書だけど昆虫の説明が簡潔でわかりやすく、とても読みやすい。
ノルウェーの昆虫学者による、昆虫の凄さ、おもしろさが理路整然と、滔々と語られる。しかし、とんでもなく真面目な顔で発せられるユーモアが散りばめられた止むことのない昆虫愛にわたしは魅了された。
わたしたち人間より数十万年前に地球上に登場した昆虫たちを、もっと知るべきだし、敬意を払って然るべきだと思わされる。生き延びるために、とんでもなくおかしな進化をしたり、敵を欺く方法を取得したり、そしてまた、人間の暮らしに欠かせない活動を彼らはしているということに驚きを禁じ得なかった。無脊椎動物と人間の関係はなんとも皮肉なことに、普段念頭にないにもかかわらず、彼がいなくなれば人間の暮らしは立ち行かないのだ。生態系の要といってもいい昆虫たち。同じ地平にいるのだと心して共存したいものだ。
表紙の美しさと課題図書ということでリクエスト。
中身は活字情報たっぷり!昆虫と人間、植物、昆虫同士、様々な観点で昆虫を知ることができる。
活字だけだからこそ、登場するたくさんの昆虫を図鑑で調べたくなる点がいい。
知る行為が次に続いていく。
タイで発見されたというセナガアナバチ「アンプレックスディメンター」。
この名前の由来を伝えたら、10代の人は喜ぶかも。
自分が気になるところだけ読むのもアリな一冊。
昆虫。こ惑星上に恐竜よりも以前から存在し、その誕生と滅亡を見ていた。4億年前に翅を手に入れ、1億5千万年以上もの時間地球の空を支配し、地質時代に5回もあった大量絶滅を生き延びて今も存在している。
その数、ヒトひとりにつき2億匹以上。奇妙で美しく、風変わりで驚異的。
きっと地球上からヒトが滅ぶよりも、昆虫が一種でも滅びた方がダメージが大きいに違いない。
昆虫は苦手という人は多いし、私ももちろん苦手だけど、それでも知れば知るほど面白く興味深い世界であることがよくわかる。
調子に乗って「これってどんな昆虫かしら?」ってネットとかで検索するのは、おすすめしませんけれど。