彼女。

「百合ってすごい・・・！」
概念としては知っていたけど、「じゃあ具体的には？」と言われると説明できないなあと思っていた百合小説に一気に詳しくなれた気がします。７人の人気作家たちが「私が読みたい百合小説はこれ！」とばかりに全力で書き上げた作品をそろえた、アンソロジー集。

青春小説だったり、ミステリ小説、はたまた西部劇風だったりとバリエーションに富んでおり、楽しく読みました。特に好きだったのは「椿と悠」。美少女二人が繰り広げる、じれったくて机をバンバンたたきたくなるような胸キュンなストーリーに撃ち抜かれました・・・。

いままでそれなりの数の百合小説を読んできましたが、予想をはるかに超える充実したアンソロジーでした。
殺伐感情も恋愛愛情も詰め込まれ、友達以上恋人未満の初々しい関係性を描いた作品、名付けようのない関係性を描いた作品、とてつもなく尖った作品まで揃った、百合好きに安心しておすすめできるアンソロジーです。そして、最高の入門編として、はじめての百合を体験したいという方にも文句なしのおすすめです。

百合小説のアンソロジー。現代を代表するような作家たちによる短編集なので、どの作品も面白く引き込まれてしまいました。400ページ以上あるとは思えないほど、あっという間に読了です。
作品ひとつ１つに「これも百合なのか！」と思いながら、いろいろな「百合」を読むことができました。
今まで「百合小説」は読んだことがなかったのですが、この作品集を読んだ後では、意識していないだけで、以前読んだあれもこれも百合だったかな？と思い出す小説もありました。
「百合小説」をはじめて読む人も、そうでない人にも、おすすめの1冊だと思います。