ゴールドマン家の悲劇

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刊行日 2022/03/19 | 掲載終了日 2022/03/19

ハッシュタグ:#ゴールドマン家の悲劇 #NetGalleyJP


内容紹介

〈上巻〉

作家であるぼく、マーカス・ゴールドマンと恋人アレクサンドラが別れたのは彼女とぼくと従兄弟と伯父夫妻の関わる悲劇だった。ジョエル・ディケール渾身の青春ミステリ!


〈下巻〉

作家マーカスの育った質素なモントクレアのゴールドマン家、裕福なボルティモアのゴールドマン家……ゴールドマン家の少年たちと伯父夫妻に起きた悲劇とは何だったのか?

〈上巻〉

作家であるぼく、マーカス・ゴールドマンと恋人アレクサンドラが別れたのは彼女とぼくと従兄弟と伯父夫妻の関わる悲劇だった。ジョエル・ディケール渾身の青春ミステリ!


〈下巻〉

作家マーカスの育った質素なモントクレアのゴールドマン家、裕福なボルティモアのゴールドマン家……ゴールドマン家の少年たちと伯父夫妻に起きた悲劇とは何だったのか?


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出版情報

発行形態 文庫・新書
ISBN 9784488121068
本体価格 ¥2,200 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

主人公であり、作家のマーカス・ゴールドマン。
その従兄弟、伯父夫婦、友達。彼らを襲う悲劇とは一体なんだろうと読み始めた。
しかしその悲劇の核心にはなかなか至らず、彼らの生い立ちから、家族関係、友人関係、職場の話、マーカスやゴールドマン家の人々に起きた様々な出来事が描かれている。ゴールドマン家に起きた悲劇にはいつ行き着くのかと焦れ出しそうになるのに、現代と過去を行き来するうちに、早く悲劇の真相を知りたいが、真相に近づくまでに一体なにがあったのか知りたくなったのは、マーカスと従兄弟が結成したゴールドマンボーイズのそれぞれのキャラクターが魅力的であったからだと思う。

ネタバレになってしまうので書けないが、あの登場人物がそんな風に思っていたのかと驚きと悲しみも混じる終盤が待っていた。

ミステリーというよりも、タイトル通り一家に起きる悲劇の物語である。
上下合わせて665頁の中に散りばめられた感情のもつれや、違和感を抱えつつ明かされていく真相までの道のりは、そのボリュームを感じさせない面白さだった。

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古き良きアメリカの輝ける日々、富裕層の家族と中流家族の格差を、繊細な多感な時期の心情が沸々と胸を打つ。しかしいい時代はいつの世も長くは続かない。どこの先進国も1980年代は希望が満ちあふれていた日々から、厳しい現代に移り変わり立場は逆転する。ゴールドマン家の歴史を紐解きながら、あっという間の上下巻読破だった。栄枯盛衰のドラマでもあった。

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夢から醒める時。
ある一家の栄枯盛衰を描く。
伯父を中心としたゴールドマン一家の姿は煌びやかで、賑やかしく頼もしく楽しい。が、徐々に悲劇の一部始終が紐解かれるにつれ、甥として、一家の一員として、微笑ましいギャングの一員として、美少女に憧れる少年としての語り手の感情がない混ざり複雑な様相を見せる。
しかしながら、憧れる伯父一家は、周回軌道に乗れずやもすればスペースデブリとも言われかねない衛星がたまたま地球が見ると一瞬のうちに現れて美しい軌道を描き儚く消えてしまう流星と同様に、嫉妬にまみれる極々普通の人が見る立場が違えば輝かしく見えてしまう幻想なのだろうか。
三代にわたる想いが様々に交錯する大河劇。

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上下巻600頁超を読んで感想となると、とにかく面白かった!の一言に尽きる。地位も名誉もお金もあり、敏腕弁護士の夫、美人女医の妻、頭脳明晰な長男とスポーツ万能でハンサムな息子同然の若者…。順風満帆なゴールドマン家に襲いかかる悲劇はたった数年で全てを無くすまさに『悲劇』である。いつから歯車は狂い始めたのか。思わず『もうやめて』と呟いてしまう『悲劇』の物語…なのに面白くて読むのをやめられない。

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上巻は冒頭から弁護士と医者のセレブ一家に悲劇が起こったと告げつつもゴールドマン一家とその周辺の人々の人間関係のエピソードで終わった。早くどんな悲劇が起こったのか知りたいけれど登場人物、特にゴールドマンボーイズたちの少年から青年へのエピソードの数々は青春映画一本分読んだ気がするくらい読み応えがあるので更に彼らに何が起こったのかの謎に惹きつけられて下巻へ伸びる手が止まらないですね。
上巻が輝かしい希望で溢れていたから栄枯盛衰が世の常とはいえなんでそうなったのか全ての謎が繋がったとき、スケールが違うけど自分の中にあるどうしても消せない拭えない感情と同じだから読み終わって虚脱感でいっぱいになった。三世代に及ぶボタンの掛け違えの根底にあるお互いを思う気持ちを伝えられなかったことと解ったのでそれを忘れないようにしようと思いました。

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