夏の体温
瀬尾まいこ
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刊行日 2022/03/17 | 掲載終了日 2022/04/24
ハッシュタグ:#夏の体温 #NetGalleyJP
内容紹介
『そして、バトンは渡された』本屋大賞受賞作家の最新作。
ビターな想いをじんわりと温かく包みこむ、瀬尾ワールドの真骨頂!
きみと過ごした夏。
ぼくの退屈な日々は、いっぺんに変わった――。
25万部超のベストセラー『優しい音楽』の感動ふたたび!
「出会い」がもたらす「奇跡」を描いた作品集
【内容紹介】
夏休み、小学三年生の瑛介は血小板数値の経過観察で一ヶ月以上入院している。退屈な病院での日々。そんなある日やって来たのが、「俺、田波壮太。三年。チビだけど、九歳」と陽気に挨拶する同学年の男子だった。低身長の検査入院らしい。たちまち打ち解けた二人。壮太は、遊びを考える天才だった!
――でも一緒にいられるのは、あと少ししかない。
「夏の体温」
容姿にコンプレックスを抱き、内向的な大学生の早智。だが大学一年生の時に発表した小説が文学賞を受賞し、にわかに注目を集める。そして三作目。執筆に苦戦し、それまでの作風とは異なった「悪人」を主人公にした小説に挑む。そのモデルに選んだのが、腹黒いと周りから言われている男子学生、倉橋だった。早智が、倉橋に取材を始めると……。
「魅惑の極悪人ファイル」
ほか、中学一年生の国語教科書に掲載された掌編「花曇りの向こう」を収録。
【著者プロフィール】
瀬尾まいこ
1974年大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒業。2001年『卵の緒』で坊っちゃん文学賞大賞を受賞しデビュー。05年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、08年『戸村飯店 青春100連発』で第24回坪田譲治文学賞、13年に第31回咲くやこの花賞 文芸・その他部門受賞。18年『そして、バトンは渡された』で「キノベス! 2019」第1位、19年に第16回本屋大賞受賞。その他の著書に『君が夏を走らせる』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』など多数。
2005年に刊行された『優しい音楽』(小社刊)は、19年刊行の文庫新装版でさらなる注目を浴びる。22年1月には岡田惠和氏の脚本により、ドラマ化(土屋太鳳主演・テレビ東京系列)された。
販促プラン
※書店員様限定公開です
発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。
※書店員様限定公開です
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出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784575244984 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
あたたかな人間関係にほっこりとする、優しい作品でした。
登場人物達の心理描写に共感しながら、自分もやるせなくて楽しくて寂しくて、面白くて、時には怒って、最後には優しい気持ちになれました。
人との出会いはたとえそれが子供であっても大人であっても、自分を変えてくれる。成長させてくれると改めて実感。
登場人物達が素敵な出会いによって成長したり変わっていったように、私もまだまだいろんな人に出会いたい!と思いました。
表紙のイラストもこの作品の雰囲気にぴったりで、とても優しくて素敵です!
素晴らしい作品をありがとうございました!
心にじわじわと広がっていく瀬尾まいこさんのやわらかな言葉たち。
“友達”ってなんとなく、いつの間にか“なっている”もののような気がしていたけど、こんなに繊細に過程を描かれてしまうと動悸とキュンがとまりません。
表紙のカシワイさんのイラストも物語の雰囲気にぴったりですね。
入院中の男子小学生、内向的な女子大学生、転校してきた男子中学生が主人公の三つの短編。
それぞれある人物との出会いをきっかけに起こる気持ちの変化や成長が丁寧に描かれている。なにか劇的な事件が起きるわけでも大恋愛が始まるわけでもないのに、どの話もやさしい光に包まれているような、なんだかポカポカとあたたかい気持ちになれた。
特に三話目は、短い話だけど主人公の心理描写がとても瑞々しくて、「がんばれー!」と応援したくなった。
温かくて優しい瀬尾まいこさんの世界観が溢れる作品集でした。
【夏の体温】
こどもの頃は1日1日が本当にかけがえなくて。入院している瑛介の焦燥感や無力感が痛いほど伝わってきました。
偶然出会った壮太と過ごした時間はほんの一時だけだけど、二人のやりとりをみていると何にも変えられない大切な数日間になったんだなと思います。
【魅惑の極悪人ファイル】
途中までちょっと疑っていたのにいい人じゃん!ってちょっと笑ってしまいました。
その人の本当の姿を知るにはちゃんと話をしてみるのが大切。
早智が空想の世界から離れて現実の世界に立ち向かっていこうとする姿が好きです。
気負いない文体だが、必然と読者を虜にする瀬尾さんならではの素敵な一冊。「夏の体温」は傑作。恋愛色が全くない、安心して読めるコミカルな二人の掛け合いが本当におかしくて。どれも夏が舞台だが、そんなことを忘れてしまうほど、ストーリー自体にのめり込んでしまう、そんな3つのお話。
大きな出来事があるわけではない。突然ふわっと温かみがさしこんで、なんだか目頭が熱くなりました。入院する少年たちに訪れた三日間の出会い。女性小説家と小説のモデルになる他称腹黒男の出会い。4人とも短い期間の出会いなのに、一生忘れないような大切な出会いとなる。その巡り合わせと、心の触れ合いに、気持ちが優しくなってふわりとあたたかいものが流れ込んできて涙が出そうになりました。
「夏の体温」最後の手紙にぐっときました。温かみのある少年たちの出会いは、たくさんの人に読んでもらいたい作品です。
「魅惑の極悪人ファイル」大原と倉橋とのコミカルなやりとりに思わずニヤニヤと笑ってしまいました。目の前で常に薄ら笑いを浮かべた極悪人のような表現をされたら、それはツッコムしかないですよね。面白かったです。
「花曇りの向こう」うまく人と仲良くできないモジモジとした思春期のあの感覚を思い出しました。恋ではないですが甘酸っぱいような、あの頃。彼らのように些細なきっかけで人と仲良くなっていけたらいいなと思えました。
出会いによる体感と実感。
長期入院している少年、内向的な大学生作家、転校してきたばかりの少年の心情がそれぞれ描かれている。
出会いによる変化を淡々と描いているが、見つめる目は温かい。そしてどれも第一印象などでは伺いしれない動き、内面を丁寧に描くことで、ちょっと深く思いやる、ちょっと踏み出し経験することで新たな世界がひろがることを教えてくれる。
ふんわりとしながらも鮮やかに光景が残る、中編2本と掌編。
人のため、友達のためならできることがある!そうそう!そうだよね!自分が思ってもいなかった力が湧き上がってくるんだよね!大好きな人ほどその力は強くなるんだよね!
困っていたらすぐ助けに行くよ、とサラッと即答できる人は男女問わず世界一カッコいい。
本人にしかわからない辛さを、瀬尾さんはいつもどうしてこんなにまで描けてしまうのだろうと本当に不思議でなりません。想像力だけで描けることなのか、もしくは本当にそれに近いことを体験したことがあってのことなのか。嫉妬心からひとの良い面を見ようとしない私にはいつもいつも不思議で、そして憧れてしまう瀬尾さんです。
どうして自分がこんな目に合わなきゃいけないんだ、という苦しい気持ちを、だけどもっと辛い人がいるから泣き言は言えない、とぐっと我慢する。
日々の暮らしのなかでたびたび襲ってくるどうしようもない気持ちに優しく寄り添ってくれる、あたたかい物語でした。
とても良かった〜
友情の生まれる瞬間を目の当たりにした。
今この瞬間に、目の前の誰かが、かけがえのない存在に変わる。
好きなものが同じとわかった時だったり、相手も自分も互いを思っていると気づいた時だったり、こいつのこと、好きだなって思ったその瞬間を憶えていたい。
どの話も、二人のその後まで想像して楽しんでしまった。