死ぬより老いるのが心配だ

80を過ぎた詩人のエッセイ

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刊行日 2022/02/07 | 掲載終了日 2022/06/06

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内容紹介

BTSのJIMINがアルバム『BE』のコンセプト会議で語った話題のエッセイ 待望の邦訳!


“老いは未知で、予期できない銀河系でありつづけるが、

人生は依然として自分のもので、そしてそれはつづいていく”

桂冠詩人が綴った、“今"を自分らしく生きていくための言葉たち


本書は2020年11月にリリースされたBTSのアルバム『BE』のコンセプト会議でジミンが言及した一冊。

自身の“So What(BTSの曲名)"を考えてみたとして本書をあげ「年を取ったとか若いとか、

年齢に基準を置かないで」というメッセージが込められているとシェアした。

その後、韓国のオンライン書店 インターパーク“도서"エッセイ部門のベストセラーに。

「今を楽しみ、現在を充実させよう、という本書のメッセージが心に響いた」「私にぴったりの本」

など、国を超えて人々の心を掴んでいる。

“老いは未知で、予期できない銀河系でありつづけるが、

人生は依然として自分のもので、そしてそれは続いていく。

その人生もまた輝いて美しい"とドナルド・ホールは語る。

死と年をとることについて

ありのままの現在を見つめるまなざしは、

“今"を自分らしく生きていく方法について、さりげなく教えてくれる。

BTSのJIMINがアルバム『BE』のコンセプト会議で語った話題のエッセイ 待望の邦訳!


“老いは未知で、予期できない銀河系でありつづけるが、

人生は依然として自分のもので、そしてそれはつづいていく”

桂冠詩人が綴った、“今"を自分らしく生きていくための言葉たち


本書は2020年11月にリリースされたBTSのアルバム『BE』のコンセプト会議でジミンが言及した一冊。

自身の“So What(BTS...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784777828852
本体価格 ¥1,400 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

詩人である著者の最晩年期のエッセイ。この本が出版された4年後、著者は2018年で亡くなりましたが、児童作家でもあるその作品は、日本でも翻訳出版されています。
この本のタイトルは、中年以上の人間なら、男女問わず気になるところではないでしょうか。死はまだ先にあると思っていても、両親が高齢者となれば、老いについては意識せずにはいられなくなります。
著者は、自身の人生を振り返り、詩作についても触れながら、80代を迎えた今の自分を淡々と、湿っぽくなることなく、語っていきます。そこに流れるメッセージ、「どう生きるか、どう老いるか」は、重すぎず軽薄にならず、素直に受け取ることができるものでした。
表紙のイラストは手に取りたくなるもので、横書きの本文も表紙に合っていると思いました。

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ドナルド・ホール氏は祖父の時代からの古い家で暮らしています。若いころは暖炉で薪を燃やしていましたが、今はセントラルヒーティングに変えています。地下室も2階もあるけれど、もう長いこと1階だけで暮らしています。80歳の時に自動車の事故を3度起こし、もう運転はしないことにしました。どうしても外出しなければならないときには、誰かに迎えに来てもらおうと考えることにしました。

原稿は口述筆記でタイプしてもらうし、食料や本などは届けてもらえるし、筋力トレーニングのトレーナーだって家まで来てくれます。

歩行機があれば家の中を歩くのに不自由はないし、食事は冷凍食品でOK。毎日誰かが来て暮らしを支えてくれるから、80過ぎのひとり暮らしも悪いものじゃないって感じに溢れています。

歳を取れば、身体は思うように動かないし、痛いところもあるし、でも、それなりに楽しく暮らしていけるんだよってホール氏は語っています。詩はもう書けないけれど散文くらいなら書けるなんておっしゃいますけど、いやいや、どれも素晴らしい文章です。ボヤキの言葉の中からも暖かな日差しを感じてしまいます。

ニューハンプシャーと言えば、このことばです。”Live Free or Die”

ホール氏は、自由な人生を謳歌されたました。

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窓辺から、とはじまる、静かな書。一月の半ば、昼間。外は雪が積もっている。鳥や小動物たち。昔も今もかわらぬ、田舎の光景。老詩人は思いをめぐらせて、回顧する。
アメリカ文学に造詣の深い方なら、有名な詩人の名前を知っているのだろうか、日本ではまだそうたくさんの訳書がでていないように思われる。
本書は2014年刊行で、著者はその4年後に89歳で没。国民芸術勲章を授与された時のオバマ大統領との写真に、この男は詩人であり雪男イエティではない、と意地悪なコラムニストに揶揄されたそうだ。そんな彼の風貌は本の表紙をネットで見て知った。髭、についての章もあったが、モジャモジャ。
有名な詩人が何か大きな哲学や死についての考察をしている、そんなエッセイだとは思えない。ただ、静かに、ゆっくりとした時の流れの中で、来し方行く末に思いを馳せ、言葉を紡いでいるという印象。
なんせ南北戦争のあたりからの記憶から語れるのだから。大切な家族を失ったこと。その後の何人かの恋人。だんだんと動かなくなってゆく体、詩はもう書けない、散文に集中する。残された時をどう過ごすか。
文章の練り方、推敲の仕方、呼ばれて読む朗読会、etc。
翻訳を感じさせない、しかし作家の個性を感じさせる、静かで温かい書だった。

Essays After Eighty
Donald Hall

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著者はドナルド・ホール、国民芸術勲章を受賞するような偉大な詩人であるがひとりの老人でもある。
初めは淡々と進む文章に退屈さを感じたりもしたが、風刺にとんだ文章やちょっぴりおちゃめな面にすっかり魅了されてしまった。表彰式の舞台裏やずっと伸ばしていた髭を家族に内緒で剃って登場する場面なんかは私も一緒になってそのサプライズにワクワクした。
生まれながらに人は死に向かっていくし、死ぬのはやはり嫌だと思う。それよりも老いて誰かの手を借りてしか動けないことの方が不便だと彼は言う。でもそのことに悲観せず受け入れて静かに生きていく様は彼らしいと思った。読んでいると何故だか友人のように思えてきてしまうから不思議だ。
最後に書かれている"訳者から"を読めばどんなことが書いているか大抵のことはわかる。
だけれども読んだあとに見られる景色は読んだ人だけの特権だと思う。

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アメリカの詩人ドナルド・ホールの晩年のエッセイ。人生を思い返しながら、現在の様子も交えて綴られていく文章は、まるで陽の当たる窓辺でドナルドさんの話を聴いているような、祖父母の話を聴いているような、何とも懐かしい気持ちにしてくれた。老いるということを、時に自虐的に時にコミカルに描き、決して悲観ばかりすることなく、周囲のサポートに感謝しながら一日一日を過ごされていた様子が伝わってくる。年齢を重ねていくにつれて、思い通りにいかないことが増えていくかもしれないが、悲しみではなく楽しみを見つけながら日々過ごしていきたいと思った。

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詩にあまり興味がないせいか、ぴんとこないところも多かったが、著者の人生は羨ましいと思う。死ぬより老いる方が怖かった著者も、今では亡くなり、ほっと胸を撫で下ろしていることでしょう。人生を大いに謳歌し、才能を発揮し、周りの人にも恵まれ、これ以上の人生があるでしょうか?

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ドナルド・ホール氏。非常に有名な方なようですが、失礼ながら存じませんでした。初めは、どれだけ凄い人なのか知らないので、お年寄りにありがちな自慢?と思いながら読み進めていましたが、お年寄りだからこその老いへの思い、死への思いが綴られていて、今後の自分の生き方を考えさせられました。

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「老体に鞭打って生涯現役を貫いている者たちのひとり」とミック・ジャガーと並び称された詩人のエッセイ。
とても有名な詩人ということでしたが、この本を読むまで知りませんでした。

一人の老人が色んな思い出話を聞かせてくれたようだった。
若き日の思い出、愛した人の思い出、詩への思い。そして老いて出来なくなったことへの思い。
若い人たちには老いることはずっと遠い未来に感じるかもしれないが、老いていくこととは、今を生きることとはを教えてくれるエッセイだと思いました。

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詩を絡めた標題エッセーなのかなと思ったけど違った。
違ったけど、魅力的な人だなと思った。
誰しも好きで老いるわけではない。
しかし、振り返ったとき、彼のような出会いや出来事が自分にあるかな?とうらやましくも思った。

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タイトルに惹かれて手に取ってみたが、エッセイというよりも回顧録という意味合いが強い内容に感じた。
年を経てどうにもできない自分が増えていく中で、若かりし頃には予想もしなかった、理解できなかったことも、自分が老齢になったからこそ見えてくる。
時には客観的に……時には主観で、馴染んだソファーに座り、庭を眺めながら綴っているのであろう。
自分の未来もこうなのかしら?
著者の詩を知っていればもっと楽しめたのかもしれない。

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新しいタイプの翻訳エッセイだと感じました。とても小説らしくて、回想や日記のようです。こんな文化人のあたまが覗けて、文章の書き方のコツまで添えられていて本の虫がそそられないはずありません。
若いうちに死ぬのは怖くないと見聞きするのはとても大事だと思いました。
90歳になる利点のひとつは推理小説が何度でも楽しめること。(本文より)ほら、すこし前向きになれませんか?安心しませんでしたか?

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静かに、ゆっくりとした時の流れを、この作品の中から感じました。どこか、祖父母の昔話を聞いているような心地の良い文章で、文章を読んでいると言う感覚があまり無く、誰かが朗読してくれているような、そんな気持ちになった不思議な作品でした。大切な家族を失ったこと。歳を取って、だんだんと動かなくなってゆく体、心と身体が追いつかずに詩はもう書けなくなってしまったということ。時に、自虐的に、時に、客観的に紡ぎ出される言葉は、著者の人柄の温かさが垣間見えるようで、私もこんな歳の取り方をしたいなと、素直に思いました。80・90歳になった時の利点は、すぐに忘れてしまうから、ミステリーを何度も読めること。こんな風に、変に年齢に抗わずに、歳を重ねるごとにその時その時の楽しみを見つけて生きていける人って素敵だなぁ。若い人にとっても、歳をとるのが怖い人にとっても希望の作品になるんじゃないかなと感じました。

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