漆花ひとつ
澤田瞳子
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刊行日 2022/02/28 | 掲載終了日 2022/02/27
ハッシュタグ:#漆花ひとつ #NetGalleyJP
内容紹介
必死に足掻いて生き続けるのさ。たとえこの国の政がどうあろうとも――。
移り行く平安京で健気にもたくましく生きた市井の人々を、
直木賞受賞作家が流麗な詞藻で紡ぎ出した人間賛歌。
収録作5篇
●「漆花ひとつ」…それまで女を見たことのない男は女を描くために上皇気に入りの遊女を訪ねるが。
●「鴻雁北」…琵琶の二大流派の一つ桂流。その継承を巡る騒動は国をも巻き込む騒動となり――。
●「薄月離」…荒廃した京の都で獄門に晒される夫の首を取り戻した女が出くわしたものとは?
●「月影照」…愛する女を得るため忍び込んだ男は誤って夫の代わりに、女を殺してしまうが――。
●「白夢破」…平安時代にも女医がいた? 意外な処方箋の正体とは――。
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★★
出版情報
ISBN | 9784065266618 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
時代は平安時代末期なのか、貴族社会と台頭してきたばかりの武家たちが登場します。それらを背景に、懸命に生きる庶民や、彼らと関わる貴族・武人の物語です。
5つの短編(中編)からなりますが、どれも皆切ないながら、見事だなと思ったり(「薄月雛」)、その淡い関係性と物語中の出来事にやるせなくなったり(「月影照」)、蔑まされるだけでは済まさない女主人の見事さを恐ろしく思ったり(「白夢破」)、いろいろな感想を持ちながら読み終えました。
儚さと同時に、強さも感じさせてくれる作品です。
栄枯盛衰という言葉が頭をよぎる。時の移ろいと世の儚さ。一夜の夢の如く立ち消えるもの。手にしたと思った途端に離れていくもの。時の流れにのり身を委ねて舵を取る。着いた先が極楽ならば上々。そんな不安定な平安期をゆるゆると描く短編集。
どの章の主人公も己の不遇を呪うことなく、かと言って強い意志をもってというわけでもなく、逆境にひょうひょうと立ち向かう姿勢に普通の人間の強さを感じました。
自分達の境遇に不平不満の学生達にこの本を薦めたいです。
平安時代の終わり、武士が徐々に力を持ち始め、雅さよりも血生臭い事件が起きる頃。天皇を取り巻く力有る者達の争いが、下々にも影響を与え、日々の暮らしにも影を差す。
描かれるのはそんな中でも腐らず、強かに生きる人々。特に女性のひたむきな強さ、なりふり構わない程の懸命さはとても人間臭く、今も昔も人とはそういうものなのだなも感慨深く感じた。
貴族の世から時代が動こうとしていた時の人々の息遣いが感じられるようでゾクゾクしました。
舞台は平安末期、平氏と源氏による武士の台頭が顕著になる時代。
不安定な世情を生きる、中流階級以下の男女を描く。
5つの物語は、それぞれ時を同じくして少しずつ違う場所、違う立場の者たちの心情が見事に描かれている。
どれももう少し先を知りたい、と思うところで終わっており、最終章でまとまるのかと思ったが、そうではなかった。
どの章でも、現代にも通じる女性たちの生き辛さのようなものが根底に流れている。
平安時代頃からの日本史は、名前が覚えられず苦手なため、人物相関図があればより一層物語が楽しめたかな、と思う。
歴史に名を残した人だけが生きていたわけでなく、当たり前だけど描かれなかったたくさんのひとの人生が存在している。
移ろいやすい政権に振り回されながら、生き抜くため、身を任せながらも強かに。
日常があり、生活があり、そうして生き抜いた名もなき人達の人生を知った気がした。