誰かがこの町で
佐野広実
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刊行日 2022/01/25 | 掲載終了日 2022/01/24
ハッシュタグ:#誰かがこの町で #NetGalleyJP
内容紹介
江戸川乱歩賞受賞第一作!!
今、どこかで起きているかもしれない
明日、巻き込まれるかもしれない
その時、あなたはどうする
人もうらやむ瀟洒な住宅街で、19年前に何が起きたのか。
いま日本中のあらゆる町で起きているかもしれない
一人一人に問いを突き付けるサスペンス!
江戸川乱歩賞受賞第一作!!
今、どこかで起きているかもしれない
明日、巻き込まれるかもしれない
その時、あなたはどうする
人もうらやむ瀟洒な住宅街で、19年前に何が起きたのか。
いま日本中のあらゆる町で起きているかもしれない
一人一人に問いを突き付けるサスペンス!
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おすすめコメント
担当者コメント
コロナ罹患者を白眼視し、時には追放し、自粛警察やマスク警察が横行。現代日本は今なお「村八分」が行われる相互監視社会であることが、コロナ禍で浮き彫りになりました。恐ろしい? 時代錯誤? しかし、それはあなたが住んでいる町も同じではないでしょうか。
日本社会が根深く抱える忖度と同調圧力が、「関わり合いたくない」という一人一人の自己保身が、いつしか巨悪となっていく。「あるいは、あなたの町でも……」というエピグラフが示す通り、すぐ隣で起きているかもしれないリアルなサスペンスです。
販促プラン
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★★
出版情報
ISBN | 9784065260296 |
本体価格 | ¥1,750 (JPY) |
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私がよく見る一見普通のニュータウンがもしかしたらこの街なのかもしれない、と想像したらぞくっとした。
もしかして自分のところのニュータウンじゃないよね⁉️と想像したら更にゾワゾワっとした。登場人物も展開も全てがリアリティありすぎて怖い。これノンフィクション?
面白くて一気読みしました!
ある町に住む、平和な一家に起きた誘拐事件。
そして、その町に住んでいた家族の失踪事件。
失踪した家族を訪ねる真崎の過去…
絡み合った謎が少しずつほどけ、明るみになり、先が気になってドキドキしながら読みました。
性描写もなく、中学生でも安心して読めます!
読んでいて、いろいろな恐怖を感じました。それはこの小説が、フィクションでありながら、誰にとっても他人事じゃないと思ったからです。強く正しく生きることは本当に難しい。なんだか安心感があって、近藤さんに救われます。
どこかで起きていることかもしれない、いやこの町のことなのかもと思ってしまうほど、どの町でもよくあるリアリティのある話だった。
隣近所との繋がりは時に絆といえば聞こえはいいけれど、そのコミュニティを外れようとすれば何かと噂され、何かその家に変化があれば噂され、善悪関係なく繋がりを求められてしまう事は時に息苦しい。
隣近所、会社、学校など閉ざされた集団の中で、自分の行動が正しさよりも孤立しないための行動になっていなかったかと考えさせられた。
人の怨念は時で風化するわけではない、、この小説を読んで実感した。大胆なストーリーと思いつつ、決して地方ではレベルの差こそあれ、こういうことってあるのかもしれない。そう思わせるほどの筆致力で、運命の巡り合わせの悪さに翻弄された。
大人が分かる町内会あるあるが沢山で、どんどんページがはかどりました。最後には救いがあって束の間ほっとしたのですが。それにしても、なんだかやりきれない感が。
それは、今現在、形を変え場所や設定を変えて進行しているであろうこの同調圧力を感じるからに違いないのです。
かつての職場で、君はこの組織の毒だと言われて去って行った人を久しぶりに思い出しました。仕事は好きだったが、組織が嫌いだった。こんな言葉を思い出させた著者佐野さんの筆力はすごいです。
江戸川乱歩賞を受賞された前作では認知症問題を絡ませた社会派ミステリーで驚かされたが、今回も潜在的には何処にでもあり得る「地域コミュニティ」「村八分」という現代問題をミステリーに絡ませたその表現力には舌を巻かされた。本来なら脇役になりそうな心に傷を負ったキャラクターがストーリーをどんどん進めてくれるところも魅力的でした。この著者の作品は今後も追いかけたいと思います。ありがとうございました。
ある一人の女性が、弁護士事務所を訪ねてきたことから始まるミステリ小説。
「横溝正史が現代を舞台にした作品を書いたらこんな感じになりそう」と一読して思いました。どんな時代を生きていても、人は何かに囚われずに生きることはできないのかと。探偵役の過去と時間とが上手くリンクしているところも良かったです。
真崎、岩田、絵里をはじめこの本の登場人物たちは、善悪の判断より何かを優先させてしまった人たち。
例え真実がわかっていたとしても、そうせざるを得なかった。
誰しも、大なり小なりはある事なのかもしれない。但し、ここまで自分の人生を左右してしまうような場面に直面する人はそう多くは無いのではないだろうか‥。
先ず、今までの自分の人生では無かった。では、もしも自分が直面したらどう行動するのか?
わからない‥。
その場しのぎでやり過ごし、でもその後ずっと後ろめたさと共存するのか?自分の善を信じ、例え孤独に陥っても突き進むのか?
今現時点で思うことは、自分を信じたいと思う。
それぞれの事件の点が線で結ばれたとき、明らかになるものとは?!
どうしようもない局面に出くわした時にブレーキがかけられるかどうか。
正義か、保身か、人の心弱さの揺れが絡まって事件そのものがなかったことになる怖さを感じた。
村八分、見て見ないふり、忖度、作られたイメージ、ここで生きていくために作られた関係。
この町の出来事は、もしかしたらどこでもあり得てしまうのでは?!
先が気になり一気読みしてしまいました。
読み進めるに従ってゾワゾワとした怖さが加速度的に増す。"安心安全の町"であることを守るために、声の大きな権力者への忖度と保身とで麻痺した価値観・正義感で結束し突き進んでいく住人たち。底なしの集団心理、同調圧力にいつの間にかズブズブと引き込まれ、例え間違いに気づいても引き返せなくなる。しかしそんな落とし穴に、何かのきっかけで自分も陥ってしまうかもしれない、と思わせられる恐怖。この町で起きた事件について、関連する内部の住人と、調査に入った外部の人間の両方から、ひとつの真相に向かって徐々に様子が明かされていく手法にドキドキが止まらず一気読み!面白かった。
19年前に起った誘拐殺人事件、児童施設で育ち自分の家族を探す女性、それぞれの話が交互にストーリー展開されていきます。
それぞれの事件に何が隠されているのか。読み進めるうち浮かび上がってきた真実に読む手が止まらなくなりました。
守るべきものを間違えてしまった者たちの話。町を会社を自分を守るために罪を犯した者、なかったことにした者、見て見ぬふりをした者。
他人事ではなく、いつでも当事者になりうることの怖さを思い知らされた。
怖い。行き過ぎた正義の果て。
安心安全は大切で、自分で守れるものだと勘違いしてしまう。してしまった大人達。その果てが、この物語です。どこにでもある住宅地、隣近所の人達が支えあって暮らしている。大人達は、防犯係を作り活動し犯罪のない安心安全を守っている。ここまでは、平和で良い物語だ。しかし段々傾いていく。毎日が、隣近所のママ友が、夫が、町が。読んだら平和な日常には戻れない。
10年前に起きたある家族の失踪事件を追っていく過程の描写と、「私」の身に起きたある事件に絡む一人称の描写と、この二つがより合わさってストーリーが展開していきます。この二つの事件がどうかかわりあっていくのか、不気味さを増しながら次第に明らかになっていく話の展開に引き込まれました。人は一人では生きていけないので、望むと望まざるとにかかわらず何らかの集団の中で生活していくわけですが、知らず知らずのうちにその中に取り込まれて自分を見失ってしまう危うさのようなものを感じ、怖いなと思いました。もしかしたら利己心や優越感や差別意識みたいなものは心の奥底にみんな持っていて、何かのきっかけがあればそれが容易に表にあらわれて、恐ろしいことになるのかもしれないなとも思ったりしました。
「この街でも」かもしれない。
過去を抱えた調査員・真崎はある一家失踪事件の調査を依頼される。唯一生存している望月麻希と調査に乗り出すが・・
ただただ怖く、後味が・・・というのが率直な感想です。幾つもの事件が絡まり合ってる中、徐々に不穏な空気が漂い始め、紐解かれていくのだが、メイン二人の揺れ動きが、微妙な感情を掘り起こしていきます。根源には「自分もそうかも」という後ろめたい自覚があるのかもしれません。
振り返らざる得ない感覚にもたらす社会派サスペンス。
✎何が1番怖いかを教えてくれた作品でした。怖いのは幽霊?妖怪?…違います。1番怖いのは人間です。
それも1人ではなく集団での人間は時として鋭利な刃物よりも鋭く怖い存在になりえます。
それがこの作品で感じることができました。
作品のような出来事になることはなくても、似たような事は身近にあるのではないでしょうか?正当な事を言っている1人がいるが周りの全員は皆同じ意見の為、正当な事を言っている人が「変な人」と思われ排除していこうとするなど…。
作品を読みながら考えさせてもらえました。グロさや、ホラー感はないので苦手な方でも読めると思います。人間のダークな部分を見せつけられる作品です。
裕福な家族が住む様な家が立ち並ぶ住宅街。その町は誰もが安心して暮らせる『安心安全の町』。そんな町で起きた一家失踪事件と、未成年者誘拐殺人事件。失踪した一家の娘と名乗る女性の登場で物語は現在と過去を描いてゆく。何故、誰が。学校や会社、地域という組織の中で、法律に触れると知りながら組織の一員でいる為に犯してしまう罪。罪悪感があればまだマシ。自分の行いを罪とも思わず正しいのだと完全に信じきっている事の恐ろしさ。こんな町が本当にあったら自分はどんな立場をとるだろうと考えると本当に恐ろしい。
一家失踪事件を追う真崎目線と、6歳の息子を殺害された母親目線が交互に描かれる冒頭から何やら不穏な雰囲気。山を拓いて造成された瀟洒なニュータウンを舞台に2つの事件が繋がり、町が隠し続けた過去の秘密が明らかになる終盤の緊張感が凄い。
町の平穏を守るため、村八分を恐れるあまり忖度と同調圧力に支配された住人たち。自分たちは間違ったことをしていないと頑なに信じる異常性に背筋が寒くなる。
そんな彼らの行動を、他人事のように愚かだと断罪できないところが怖いのだ。
事件を追う真崎と自殺した娘、弁護士の岩田さえも正しい道を選べなかった過去を抱えているという設定が物語に厚みを与えている。
見て見ぬフリ。自分はこのニュータウンの住人たちのように、岩田のように、真崎のようにはならないと言い切れるか?
読後は重いものを飲み込んだような気分でした。
冒頭から物語に引き込まれてしまった。登場人物の心理描写が巧みに描かれていて、時間を忘れて読んでしまった。この小説は読者に「正義とは何か」を問いかけているようだ。幼な児だった麻希を命がけで守ろうとした木本夫妻にも「正義」はあったし、犯罪に手を染めた町の住民たちにもその形が著しく歪んでいたとはいえ、それなりの「正義」があった。しょせん、人の行為や言動は状況に応じて「正義」にもなれば、「不正義」にもなる。同調圧力に屈せぬ「正義」を持ち合わせていたいと思った。さすがは乱歩賞受賞作家待望の作品、秀逸な力作です。
養護施設で育った女性が自分の出生に疑問を持ち法律相談所に行くところから物語は始まる。
19年前の誘拐事件と家族失踪事件。
過去と現在が交互に時間軸が異なる場面の描写で進んでいく。
少しずつ点が線になって2つの事件が重なった時、涙が止まらなくなった。
子を想う親の愛は全国共通だ。
匿名の同調圧力が時には暴力になる。
大きな声の上げられる人が結局はこの世を回している。
前に何かで読んだことがあり、この一節がなぜか残っている。
多くの声に従っている方が安全で楽だと思う人。何も考えてない人もいるが、その他に初めは疑問に思っていても波に飲まれ
いつしかそう思う自分の方が間違っているんじゃないかとそんな人も出てくる。
正しいことはかき消される。
偏見になりそうだけどなんだか日本人にありがちな考え方の気がする。怖い。
メディアに踊らされている自分ももしかしたらそうかもしれない。
正しいと思うことより親切なことをしよう、という言葉が読了後に頭を掠った。
どこかがおかしい。
町の安全と安心を乱すような者には、なにをやってもかまわない。
集団の中で何らかの歯車が狂ったらこういうことが起こるのかもしれない。
住宅地に限らず、職場、趣味のサークル、学校…。
どこかで静かに進行していると思わせるリアリティがあった。
安全、安心な町作り。その理想のために何が起きていたのか。私たちは他人との関わりの中で、常に選択を迫られながら生きているのだと改めて思い知る。怖くなった。人の心はそれほど強くない。その後の影響よりも、その場の恐怖に負けて周りに流されてしまう。同調してしまう。そしていつか、罪悪感がマヒしてしまうかもしれない。自己保身が招いた悲劇。真相が明らかになるにつれ、切なさが込み上げてくる。それでも読む手が止まらない。こんなことあってはならない。でも、どこかで起きているかもしれない。優先するものは、誰もが間違える可能性がある。それを一歩間違えば、どうなるのか…追い詰められたとき、間違える前に気づくことができるのか。考えるだけで恐ろしくなる。
「安心安全の町作り」という方針が、まるで魔法の言葉のように鳩羽地区の住民を洗脳し、同調圧力や保身などにより住民が暴走していく様子が、読んでいて本当に怖かった。自分たちを正当化し、暴かれてはいけない真実を隠すために、当たり前のように重ねられていく罪。本人たちには罪だという意識はなく、理想の町を守る為に必要な手段だと強く信じている姿が恐ろしい。自分はコミュニティからの孤立を恐れずに、見て見ぬふりをせず、行動することが出来るだろうか。人の心の弱さや脆さをまざまざと感じさせる作品だった。
なにが怖かったって自分がこの町に住んでいたら引っ越すことでしか逃れられないだろうなということ。町内会だからいいけどこれが国だったらと考えたらもうどうすることも出来ずに最初は辛いけどだんだんと心を殺して次第になんとも思わなくなるんだなぁって凄く怖くなった
過去と現在が交錯する形で、とある田舎町、山を切り崩していわゆる、ニュータウン、として作られた町。新しく、人工的に作られた町。後悔を抱えて生きる男が仕事で依頼された人探しはそんな、日本中に無数にあるだろう町の一つに行きつく。
町は記号のようなもので、そこに生きる人々も、その行動様式、も、大きく誇張されて脚色された、タイトルにあるような、どこにでも転がっている(かもしれない)不安や自己や集団心理。かき集めてきて物語にすれば、こんなことは起こり得るのかもしれない、と思わせるのが恐ろしい。
空気を読んで生きた人々のそれぞれの悲しい物語が繋がって、本当の幸せとはなんだろうかと、考えさせられる作品でした。現代における空気を読んで行動する人々に向けたメッセージが込められているように感じました。いじめや隠蔽、物語に出てくる出来事は人の顔色を窺いながら生きる人々が起こしたことであり、その人々も被害者であり加害者(当事者)であることが辛く感じました。この本を通して、協調性として空気を読んで行動をすることは大事だと思うが、自分で善悪の線引きができなければならないと思いました。
淡々と話が進んでいくかと思いきや、次第に渦に巻き込まれて「わーっ」となってるうちに大団円にて終了、という印象。
組織内の集団心理、負の方向への同調圧力。中の人は気づかないもんなのかな。人間ってこわい
街の中で起こるある出来事。
そんな不確定要素が散見される不気味さが随一に面白いポイント。また住民たちの底知れぬ感情も読める部分もあれば思い描く先に見えるものもあり、
考えさせられる×文章を読ませてくる。その連続でページをめくる手が止まらなかった。
「わたしが消える」はどんなお話だろう。
江戸川乱歩賞作家はやはりどなたも侮れない。
郷に入れば…ということわざが浮かびます。
独特の地域風習や同調圧力にやや嫌気が。
最後の最後まで目が離せず
乱歩賞に相応しい作品だと思います。後味がちょっと悪いですが、イヤミスを超えています。今後も楽しみな作家さんです。
これを読んで、コロナが始まってからの日本の縮図みたいだなあと思いました。
日本だけでなく世界のあちこちでも起きているだろうけれど・・・。
特にコロナ禍で、日本に感じている気持ちがまさにこの本。
海外在住ですが、今の状況で日本に帰ったら家族ごと村八分になりそうということでかなりの人が一時帰国をためらっています。「コロナに感染した人が自分の身勝手な振る舞いでほかの人に感染させた」とニュースに上がるたびその人が特定されてしまったり。オンラインで家族を見ながら話すことはできるけれど、親が生きている間にあと何回会うことができるのかなと考えてしまう。
日本の闇、薄気味悪さを少し感じてしまう作品でした。
閉鎖的なニュータウン・同調圧力など、誰もが想像できる不穏さを非常に丁寧に紐解いていく物語。
うしろめたさやちょっとしたみてみぬふりが積み重なって肥大化していくのがなかなかに怖く、登場人物たちがそれぞれにかかえるものに向き合いつつ加速していく物語の構成も見事。
誰しもが抱える問題が肥大化していくのが面白かった。
この町で起きたことは、私が住む町のことかもしれない。
隣近所の付き合いは絆と言うより、その町で孤立しないための手段かもしれない。
そこにいない住人たちの噂話や監視社会ができあがる。
展開もリアルで先が気になり一気に読み終えた。