月の光の届く距離

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刊行日 2022/01/19 | 掲載終了日 2022/01/19

ハッシュタグ:#月の光の届く距離 #NetGalleyJP


内容紹介

 17歳の美優は、望まない妊娠をしてしまう。堕胎するには遅すぎると、福祉の手によってあるペンションに預けられ、出産後は特別養子縁組を待つことになる。ペンションの経営者は中年の男女で、高齢の母親の世話もしている。そして自らが里親となり、3人の子供たちを育てている。その里子たちはそれぞれが難しい背景を持っていたが、どの子も慈しんで育てられていた。その子らの世話と認知症の母親の面倒を手伝っているうちに、美優の心にも変化が生まれていく----。


  『展望塔のラプンツェル』で山本周五郎賞候補となり、『ボニン浄土』で大藪春彦賞候補、 最新刊の『羊は安らかに草を食み』は、読書メーター読みたい本ランキングで1位となり、版を重ねている。今、ノリに乗っている著者の今作は、『展望塔のラプンツエル』で、児童虐待のシンポジウムなどに参加し、福祉や里親団体、児童養護施設の関係者たちとかかわることで生まれた、家族の在り方に迫る物語。

 17歳の美優は、望まない妊娠をしてしまう。堕胎するには遅すぎると、福祉の手によってあるペンションに預けられ、出産後は特別養子縁組を待つことになる。ペンションの経営者は中年の男女で、高齢の母親の世話もしている。そして自らが里親となり、3人の子供たちを育てている。その里子たちはそれぞれが難しい背景を持っていたが、どの子も慈しんで育てられていた。その子らの世話と認知症の母親の面倒を手伝っているうちに、...


出版社からの備考・コメント

宇佐美まこと:1957年愛媛県生まれ。2006年「るんびにの子供」で第1回『幽』怪談文学賞短編部門大賞を受賞。2017年『愚者の毒』で日本推理作家協会賞を受賞。

宇佐美まこと:1957年愛媛県生まれ。2006年「るんびにの子供」で第1回『幽』怪談文学賞短編部門大賞を受賞。2017年『愚者の毒』で日本推理作家協会賞を受賞。


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光文社書籍販売部 近藤、川原田までご連絡ください!(☎03-5395-8112)

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出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784334914431
本体価格 ¥0 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

最後まで読んだ後に、冒頭の手紙を読むとじーんとしてしまう。
親から子への愛を「太陽」と「月」に例えている箇所が、とても美しい。

本書は4章構成。
1章は望まぬ妊娠をして、でも堕ろすこともできず人生に絶望した女子高生・美優が主人公。
彼女が偶然から優しい大人たちに出会い、今後の目途を立てるところまでを描きます。
周りの大人が本当に優しくて、現実世界も常にこうだったら良いのにと思わずにはいられません。
2、3章は美優が身を寄せたゲストハウスを運営する明良と華南子の兄妹、そして美優に最初に手を差し伸べた千沙の過去の話。壮絶で、でも必死に生きて、ある決断をする明良と華南子の姿に心を打たれます。
そして最後の4章は再び現在の話。
美優が体だけでなく心も母になっていく様が丁寧に描かれ、そして彼女はある道を選びます。

「家族の形は様々で、当人たちが幸せかどうかは当人たちにしか分からなくて、それをとやかく言う権利は外野にはない」ということを思いました。

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「月の光の届く距離」柔らかい響きの素敵なタイトルに惹かれ読んでみました。
でも、その意味にたどり着くまで、この物語の持つ優しさや強さ、そして厳しさに何度も泣きました。
宇佐美まこと先生は、なんて素敵なタイトルをつけるんだろうと心から感動しました。

17才の少女が美優が、望まない妊娠をし、福祉の手によりとあるゲストハウスに預けられ、そこで暮らす人たちと関わりながら、出産を待つという物語。
各章ごとに美優を取り巻く人の過去が語られる。各章のタイトルもその章を読み終わると内容とともに深く染み入ってきて、一気に読むのがもったいなくて、綴られる言葉を大切に大切に読みました。
心に残り、私を励ましてくれた言葉もいくつもありました。
発売されたら手元において、何度も泣きながらまた読み返したいと思います。

血の繋がりがあるがゆえに、世の中で押し付けられる「あるべき家族像」ではなく、血の繋がりも関係なくお互いを思いやることで成り立つ家族の形もあって良いと、もっと認識されますように。

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読み終えてから再度、冒頭の手紙を読むと涙が溢れる。
 17歳で望まぬ妊娠をし、相手にも両親にも見離され、絶望と孤独でこの世から消えようとした美優が、この手紙を書けるようになるまでの、人との出会いと寄り添う心のリレーの奇跡。生まれくる子どもの幸せを心から願う母として、この手紙には美優自身の回復・自立したあたたかな思いが溢れている。それを月の光に例える意味が、美しくも切ない。
 起きてしまったどうしようもない出来事を背負った人にとって、そこから立ち上がるには、現実的な支援と真に寄り添ってくれる人との出会いだなぁとつくづく思う。それがあってはじめて、前を向き自分の道を歩く覚悟を持てる。
 そして誰かを助けるその人もまた、実は壮絶な過去や不遇、悲しみを抱え、数奇な運命に翻弄されていたりする。優しい人は強い、という言葉が胸に響く。
 人は人の中で生かされる。温かな思いがめぐる珠玉の1冊、生きづらさを抱えた多くの人に届けたい。

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思わぬ妊娠がわかった時、あなたならどうしますか。それが10代なら…。と、問題提起をしている作品だった。『展望塔のラプンツェル』にも様々な子供がいた。今回は17歳の美優が妊娠をしたことにより、虐待、性的暴行をする親から逃れた子どもたちを通して、特定妊婦に「こんな支援がある」と教えられた。類子と華南子、井川を通して、子ども側は「出生」を知る事、知ったあとに自分は何者かという葛藤。親側は「愛されない子供はいない」、だから私はあなたを産んだ。その気持ち。養子縁組、特別養子縁組、里親と、その子にとっての最善の方法により、美優の気持ちが変わる過程に涙ボロボロ。「家族って何だろう?」と考えた時、「ただただあなたの幸せを願っている」と言えるだろう。美優の決断と、手紙が全てだと感じた。
太陽の光ではなくても、月の光に照らされているあなたは幸せです。

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17歳で望まない妊娠をして、堕ろせる時期も過ぎていて、彼にも家族にも見離され、絶望の淵にいた美優。偶然から、優しい大人たちに助けられ、体だけでなく、心も母へと成長していく物語です。
助けてくれる大人たちの過去が描かれる章では、壮絶で、絶望的で、なぜこんなにも彼ら彼女らが強くて優しいのかが深く刺さります。
読了後、ぜひ、再度冒頭の「子供へ宛てた手紙」を読み返して下さい。
一言ひとことに背景が思い起こされて、母親の我が子への想いが胸いっぱいに広がります。

宇佐美まことさんが描いた家族の在り方の物語。どんな子供たちも愛情をたっぷり受けて、肯定されてこの世に生まれ、育って欲しいと強く感じる作品でした。

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血のつながりのあるなしに関わらず、人が繋がって生きていくことの大切さと強さ、あたたかさを感じる。過酷で悲惨な環境にいても、親身になってくれたり力を貸してくれたりする人もいる。そこで踏ん張れた人たちがみせてくれたもの。そしてまた1人の少女が力をもらう。正しいとか間違いとかじゃなく、自分で選んだ道を自分の足で歩く。そのことが大事。

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体だけ大人で、心はまだまだ拙い少女が意図せず妊娠した時、周囲の大人はどんな対応を咄嗟に取れるだろう。両親ではなく、奇跡のような繋がりで、面識ない人々、行政から支えられていく美優。人は大切にされて初めて、自分の存在意義に気づけるのだろう。大切にされずに生きてきた人間が、自然とサポートに回る歴史も丁寧に書かれて、決して夢物語ではないと実感させられた。美優もきっとどこかで人を助けて生きていくはず。

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ここには、生きることの難しさに対するヒントのようなものが書かれていて、登場人物の強さにただ頭が下がります。
望まぬ妊娠で真っ暗闇にいた美優が、新しい出会いや価値観を得て、答えを見つける様子が、美優を支援する人々の背景や環境も丁寧に書き込まれているので読者としても納得できる結論ななっていました。

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こんな大人に出会って、血縁関係なくても、大きい愛で包まれて、安心して暮らしていけたら、虐待のトラウマを持つ子どもたちにも変われるチャンスはあるのだろうか?精子バンクを利用した出産、里親、疑似ファミリー、親子関係の難しさ、ストリートチルドレンの危なさ、根本にある問題のある親など、家族にまつわるテーマが盛り込まれていて、考えさせられる。親になるって、責任もあって大変だけど、嬉しいことや楽しみをも感じられる素晴らしいことと思う。

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望まぬ妊娠をしたとき、相変わらず大きな犠牲を一方的に払わされるのは女性なんだと怒りを覚える。
それでも、美優がグリーンゲイブルズという居場所を得、さまざまな子供たちの環境を知ることで、自分の子供の幸せ、母親としての自らの行く末を考え、進むべき道を選択していく姿には希望があり、素直に応援したくなる。

明良と華南子の兄妹も、辛い事情を乗り越えて今の形を選んだことが素晴らしいし、何より、そこで救われていく子供たちが、たとえ氷山の一角であったとしても存在することが嬉しい。

行き場のない子供たちが繁華街に溢れる現状、それぞれの思い、里親制度や特別養子縁組制度、非配偶者間精子提供制度など重い社会問題を描きながら、決して暗いだけに止まらず、月の光のような静かな明るさと、希望に包まれる読後は爽やかだ。
ラストにある人物が再登場するのも嬉しく、暖かい気持ちで読み終えられたのが嬉しかった。

現実はこんなにうまくいかないかもしれないけど、せめて少しでも、辛い思いをする子供達が減ることを願う。
大人たちが自分のことだけではなく、子供の立場に立って物事を考えられる世の中、子供の幸せに寄り添った制度のあり方が整ってほしいとしみじみ思った。良い作品でした。

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17歳で妊娠した美優は、恋人にも去られ、両親からも責められ、死を覚悟する。美優を救ったのは、不思議な縁で結ばれた人々だった。家族とは、親とは、子とは、宇佐美まことさんは問い続ける。とてつもなく残酷な生い立ちの先に、人との繋がりが、希望が見えて来る。太陽の光の下では出来なかった愛が月の光の下で輝いているようだ。

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望まない妊娠をした高校生が美優は、家族から責められ、家出の末、新宿歌舞伎町で身投げしようとする。そこで出会った女性に紹介を受け、出産までの間、あるペンションに身を寄せる。経営者の兄妹、母、そして里子達には、それぞれ出生や生い立ちに事情がある。彼らと関わるうち、美優は自分の今後の選択について決心をする。

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親が子を、子が親を・・
予想すらしていなかった妊娠をした美優は紆余曲折を経て、兄妹で経営するペンションに身を寄せる。そこで様々な家族の形を目にして美優は・・・
さまざまなバックボーンは辛く哀しいが、経験、葛藤、時を経て生きる力に変えているようで心強い。また親から子だけでなく、子から親への想いの強さも丁寧に綴られているようだ。
DNAだけが証ではないということを諭してくれる家族のつながりの本。

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17歳で望まぬ妊娠をした美優。家族からも相手からも関係を断ち切られて、絶望と孤独の淵に立たされる。
そんな折でも出会いはあり、細かった糸が撚り合わされるように偶然が必然になっていく過程に、胸掴まれた。
それは言い換えれば、美優が真剣に今の自分と状況に向き合ったからこそだと思う。右も左もわからず、福祉の手により与えられたグリーンゲイブルズというゲストハウスでの日々が、母になろうとしている美優を鍛えた。
里親として子どもたちを育て、特別養子縁組で子を授かり、懸命に生きる明良と華南子たちからことばではなくその精神を学ぶ経験が美優の心を育てていく。
登場人物をめぐる生い立ちや家族との確執、虐待やネグレクトの凄絶さに何度も息を呑んだ。
さまざまな家族の形とその造り方に自分の人生を生きるのだという勇気が凛と伝わる。
生まれ来る子どものために、何がいちばん幸せだろうと考えを尽くす美優の決意は清々しかった。
読み終えて冒頭の手紙に戻れば、美優の慈愛に打たれ、美優の成長の跡にまた滲むものがあった。

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思いがけない妊娠によって17歳の美優は彼氏とも親とも関係をこじらせてしまう。堕胎するには遅すぎるし、とことん誰にも頼れない状況で街を彷徨う姿は読んでいて苦しくて、八方塞がりな孤独が人生を終わらせてしまおう…とまで彼女を追い込んでいく。そんな中、偶然出会った千沙によって助けられ、美優は奥多摩にある千沙の知り合いの経営しているゲストハウスで仕事をしながら出産間近まで生活することにする。
ゲストハウスには名字の違う兄と妹、妹の高齢の母、3人の里子。とても不思議な家族構成だが、あたたかく美優を迎え入れ、子どもを授かっていることを祝ってくれる。そんな優しいさに触れているうち美優の気持ちにも変化があらわれます…。
心優しい人たちがたくさん登場します。 世間一般でいう分かりやすい“よいひと”ばかりではないかもしれませんが、相手を思って行動し道を切り拓く手伝いをしたり、抱えきれない想いに寄り添い時には少し持ってくれたりする、そんな愛おしくなるような優しい人々。
美優を慈しんでくれた人たちは様々な哀しみを乗り越えてしなやかな強さを身につけます。きっと、美優も誰かを包めるような素敵な大人になるのでしょう。凛として人生を歩くであろう美優を想像して胸が熱くなります。そして、読み終わった後、冒頭の手紙の祈るような想いがダイレクトに伝わってきて、また涙してしまいます。
苦しい時には他人を頼ってもいいんだよ、と囁いているような優しい作品でした。

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登場人物それぞれ抱えた事情は重く辛く切ないけれど、彼らとの出会いの中で人間として母として成長していく美優。母は強しとはよく言うけれど、強くならざるを得ないのだと思う。読了後に冒頭の手紙を読み返し涙が溢れた。いろいろな家族の形があるけれど、どんな形であれ子どもが安心して過ごせる場所があってほしい。里親や養子縁組などいろいろな家族の形があることを、もっと我々も知るべきだと思うし、当たり前に思える世の中になればいいと思う。素晴らしい作品で一気読みだった。

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読まれるべき作品です。
まだ自立できていない未成年が妊娠したらどうなるか。生真面目な主人公の選択に冒頭から共感しました。そして、彼女とおなかの赤ちゃんが幸せになれるようにと願いながらページをめくりつづけました。二章からは意外な展開でしたが、主人公以外の人物が辿ってきた道を辿ることで作品自体に厚みが加わっています。どんな成り行きの末のことであろうと、女性のおなかに宿った命はたったひとつの貴重な命です。その命を温かく迎え入れる社会であってほしい。著者はこの作品でそのひとつの形を示してくれました。一読者として感謝しています。

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『月の光の届く距離』
タイトルの意味がわかった時、思わず月を見上げてしまいました。ストーリーは辛く苦しいことも多いけれど、それでもどこか温かく、まるで月に見守られているような気持ちで読み進められます。
大切な人に会いたくなるお話でした。

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優しいタイトルだなー。
太陽ではなく月の光。

望まない妊娠をしてしまった美優が彷徨う街で出会った人たち。
そして、彼らの過去の出来事。
少しずつ大きくなっていくお腹を抱えてペンションを手伝いながら
美優の心境にも変化が。

養子縁組、特別養子縁組、里親
どんなカタチでもいい。
子供たちが等しく安心して幸せで暮らせるようにと願わずにはいられない。

そうか。
そうだったのかと。
読み終わり、また冒頭の手紙を読み返してしまいました。

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表紙にある、独特の質感の、木でできた女性の後ろ姿の輪郭。彩色などはなく木そのものの中に形がある。
はっきりとした形はしていない、木の中に隠れているものを見つける、発見する。
この本がもつ実にさまざまなテーマとモチーフの中にあるもとと重なる。
そこにピッタリとくっつくはっきり見える形で小さな少女がいる。
誰もに、母と父がいて、そして母のお腹の中で長い年月を経てこの世に生まれてくる。ジェンダー論が進み性差についても研究される中、この事実は変わらない。しかし、全ての命が同じように慈しまれて、生物上の両親のもとで生まれ育つとは当然限らない。
自分は個人的にはこの結末を納得のいくハッピーエンドとしては捉えていない。
しかし、いろんな形がある、ことを描き出そうとしている、それが人気作家としての使命であると感じて書かれている方だと感じる。
ちょうど、さまざまなメディアで、新宿などでたむろする若者たちの現状を取り上げられているのを目にしていたので、なおさらこれがお話、だけでなく現実に起こりうることだと強く感じ、そんな子供たちに実際がどう生きていくかということに目を向けていくべき。小説で感動したで終わらせてはならないテーマ。

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美優がこれからをどう選択するのかとても気になって読んだ。
いつ子供達が同じような立場になるかもしれない。他人事ではない。
報道で守られない子供達ばかり視聴者に知らされる。
その後はどうなったのか。この作品のようにあたたかい大人たちに囲まれて少しでも自分のために生きていってくれてるといいなと思う。
辛い話が多い作品だけど、最後は明るい笑顔が想像できて本当によかった。

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思いがけず妊娠した高校生の美優は、奥多摩でゲストハウスを経営する家族と共同生活を送ることになる。その共同生活が美優の気持ちに変化をもたらし、最後に大きな決断をする。子どもの幸せを強く願う美優の心に涙腺崩壊。登場人物たちの壮絶な過去も描かれており、何度も息をのんだ。全て読み終えてから、冒頭の手紙を読み返し、また涙。血の繋がりだけが家族ではない。家族の形も多様化している社会で、全ての子どもたちが大きな愛に包まれて安心して暮らしていける世の中であってほしいと強く願う。ぜひ多くの方々に読んでいただきたい一冊。

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読み終えた後に最初に書かれた手紙を読み返す。
美優の成長や愛情をそこはかとなく感じる。
あれだけ最終章で鼻の奥がツンとなったのにまだまだ涙は出てくる。
宇佐美さん、初めて読みましたがやばいです。(感動したあまり語彙力が無くなる)
自分が初めて妊娠をした時身体の中に得体の知れないものがいる感じに恐怖を覚えた。それだけではなく自分が果たして母親になることが出来るのだろうか。そんな不安にも襲われていたことを思い出した。
17歳の女の子だったらもっと怖かったはず。
帯にはミステリーと書かれているが、私には分からなかった。
もし読んでみようと思ったのならば
言葉に捉われずまっさらな状態で読んでほしい。
これは人と人との物語だ。
色んな子がいて色んな親がいる。
遠田さんの小説に出てきた台詞をふと思い出した。
タイトルの回収も秀逸。
未来に光がありますように。

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少女の思いがけない妊娠から始まると大体同じ軌跡を辿り同じような物語になるのはきっとみんなが子どもの幸せを願っていて一人でも多くの人の柔らかいところにフックが引っかかって何かしらが残ったらいいと思っているのだと思う。それが良い感情でも悪い感情でも誰かを救うことに繋がったらそれでいいんじゃないかと読んで思いました。

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あるきっかけにより救われた命。それは、別の苦しみを抱えた人々との出会いによるものだった。そこから紡がれていく物語に、愛とは、家族とは、さまざまな形があると深く考えさせられた。残酷な運命に人生を揺さぶられながらも、自分たちの最善と思える生き方を探し求めた彼らと孤独と不安の中で生きる子どもたち。血のつながり、それだけではない。互いを思いやる。それが家族。救いの手が差し伸べられ、人と人とが温かくつながることができる社会になれば、守られる心と命も多いはず。そんな優しい世の中になって欲しいと願わずにはいられない。問題山積みの社会構造、福祉行政などについても深く考えさせられました。

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いつも宇佐美先生の作品は面白いけど読了と共に人間不信になります。笑
けど今作は逆に人を信じたくなる、信じていいんだと思わせてくれる温かい作品でした。
本の帯にもある『深い覚悟』を美優が決めたシーンでは涙が止まらなかったです。
子どもや大人関係無く「自分の居心地のいい居場所」がどれだけ人には必要で大事なことなのか再認識させられました。

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読了後、冒頭のページへ戻りもう一度手紙を読んでみる。
美優の後悔、恐怖、葛藤、不安、希望、愛がひしひしと伝わってくる。幸せって何?家族って何?他人には決してわからない。いろいろな家族の形があって、愛があって、血の繋がりなどなくても自分が幸せだ、家族だと思えたらそれで十分。親の資格とは?覚悟とは?いくつになっても母親になることへの不安は必ずある。自信なんて子供の成長とともに育っていくもの。子供にとって安心できる場所を作ってやれること、それが一番大事。
子供を捨てるのではなく、生きていける環境に委ねるのだ。差し伸べてくれる手を決して拒まないでほしい。

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17歳で妊娠した少女、精子提供で母親となった女性、愛する人と結婚せずに里親となる男女…。一言で『家族』といっても様々な形がある。両親が揃っていれば幸せなのか。片親だと不幸なのか。血の繋がりが全てなのか。家族の形が様々である様に幸せの形も様々。親が子を思う気持ちも一つではない。太陽の様な強い光ではないが、夜、孤独や寂しさを感じた時に側には居なくても、柔らかな光で包み込む様に愛し、想っている、そんな家族や親子の愛情も一つの形ではないか。

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予期せぬ妊娠をしてしまった高校生の美優が、出産までの日々をとあるゲストハウスで過ごす中で、自分の人生を見つめ直す物語。
誰かを助けたいと思ったとき、無知なままの自分ではどうすることもできないから、人は学び続けないといけないのだと思う。
主人公の美優が、お腹の子どもが成長するにつれて大人になっていくのがとても印象的。
美優に救いの手を差し伸べる明良や華南子、千沙の過去にも涙した。
ラストまで読み終えた後に、冒頭の手紙を読み返すとより一層深い感動に包まれます。とてもおすすめです!

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思いがけず妊娠してしまった高校生の美優が、ビルから飛び降りようとしていた時に知り合った人達に助けられ、里親をしている家族と出産までの日々を過ごすうちに、子供だった美優の心が親として大人へと成長していく。世の中には様々な親と子と家族があって、必ずしも血の繋がりが大切というわけではない。辛い時に他人から手を差し伸べて貰えた人は今度はその手を他の人に差し伸べられる人になるのだろう。タイトルの意味が分かった時、とても素敵な言葉だなと思った。

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すごくすごく良かった。

読了後、改めてタイトルを見てじーんとして涙が滲んだ。

宇佐美まことの作品を読むのは8作目。

女子高生が予期せぬ妊娠をするところから始まり不穏な辛い空気の中、どう展開していくのか心配で先が気になりページを捲り続けた。

未婚、虐待、貧困、里親…色々なことが語られる。

宇佐美さんお気に入りで好きな作品多いけどこちらの作品もとても良かった。

子供にとって本当の幸せとはなんなのか。

第2章、第3章、最終章で涙。

明良のエピソードや美優の想いに特に涙が出て溢れた。

宇佐美さんは重いお話でもすごく描き方がうまいからか夢中で一気に読まされてしまう。

色んな家族のあり方、血の繋がり以上の繋がりの家族愛を深く感じる作品。









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「子供に親にしてもらう」いいですね。
自殺しようとした思わぬ妊娠をした17歳の美優が知り合った、養子や里子を育てる「ゲストハウス」をやっている兄妹。まるで赤毛のアンのような「グリーンゲイブルズ」。
家族とは何か、養子や里子について考えられさせられます。
グリーンゲイブルズのマシュー「明良」とマリラ「華南子」の関係はとても切なかったですが、でもこの二人の家族の形も、とても素敵なものだと思いました。
赤毛のアン、プリンスエドワード島に私も行ったことがあるので、懐かしいと漢字ながら読む場面もありました。

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17歳の美優の望まぬ妊娠をきっかけに、彼女自身、彼女に関わる人たちのこれまでの人生が描かれている。世の中にはいろんな親子の形、家族の形があり、そこには簡単には語れない思いや葛藤がある。命とは、家族とは、を考えさせられると同時に、この世に生まれ来る全ての子どもたちが幸せでありますようにと願わずにはいられない。

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予期せぬ妊娠をした17歳の美優。彼女を救ってくれたのはグリーンゲイブルズという宿を経営し里親として子供達を養育する明良と華南子。兄妹というが彼らにも複雑な過去があった。家族とは?親とは?子供とは?血の繋がりだけではなく、どれだけ寄り添えるか、思い合えるか、信じられるか。生まれてくる子供が笑顔で食事ができる、抱きしめてくれる人がいるという環境を得られない現実に打ちのめされる。美優が実家に戻り両親と話す場面に思わず涙。親子の想いが重なった。タイトルが秀逸

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いやにひとの事情を詮索してしまう主人公に幼さを感じ、母になれるのかとみている側を心配にさせました。
世の中どうしてこんなに女性が生きづらいのだろうと考えてしまうのは、わたしも女だからでしょうか。親切だあたたかいと連発している主人公と違って、わたしはゲストハウスでの待遇も厳しすぎるように感じました。
「働いてもらう」「手伝ってもらう」、ひとりで外出をさせる。わたしの世の中への理想は高すぎますか?

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ジャンルとしてミステリー とされていますが、その枠を超えて、読み終わった後に命の重さや人間の優しさなどを感じることの出来る作品でした。
登場人物の関係もうまく繋がっていて、いつもながら宇佐美まことさんのうまさを感じました。

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