性と宗教
島田裕巳
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刊行日 2022/01/18 | 掲載終了日 2022/01/17
ハッシュタグ:#性と宗教 #NetGalleyJP
内容紹介
浄土真宗だけがなぜ僧侶の結婚を許されていたのか?
カトリック教会が頑なに独身制を維持する理由とは?
キリスト教・仏教・イスラム教…
人間の性の欲望と戒律をめぐる、9つの謎を解き明かす!
性と宗教とはどのように関係するのかーー。それがこの本のテーマです。この場合の性とは、文化的、社会的に作り上げられた性差としてのジェンダーを意味しません。行為を伴ったセックスとしての性です。
篤い信仰を持っている人たちは、自らの宗教を神聖視し、欲望とは切り離された清浄なものと見なそうとします。
それは信仰者の願望ということになりますが、そこで性の問題を無視してしまえば、人間の本質にはたどりつけません。
人間は、自らが抱えた性の欲望に立ち向かうことで、宗教という文化を築き上げてきたのではないでしょうか。
性を無視して、宗教を語ることはできないのです。
★本書の内容★
第1章 なぜ人間は宗教に目覚めるのか
第2章 イエスに邪な気持ちはあったのか
第3章 なぜ聖職者は妻帯できないのか
第4章 戒律を守るべき根拠は何か
第5章 なぜ悟りの境地がエクスタシーなのか
第6章 なぜイスラム教は性を禁忌としないのか
第7章 親鸞は本当に「愛欲の海」に沈んだのか
第8章 神道に性のタブーはないのか
第9章 なぜ処女は神聖視されるのか
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出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784065268476 |
本体価格 | ¥900 (JPY) |
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聖職者の妻帯が許されている場合と、禁止されている場合があるのはいったい何故なのかという素朴な疑問。主要な宗教の成り立ちや教えの解釈の違いなどから、禁忌が生まれた理由を探り、比較しながら述べていく現代新書。
性と宗教とはどのように関係するのか。
そもそも、日本において自分の宗教を大っぴらに語る人は少ないのではないだろうか?
さらに、親子であっても語り合うことをためらう性の問題。
それらについて、宗教の成り立ちから、性の位置付けについて、語られている本である。
キリスト教、仏教、イスラム教、それらの性の欲望と戒律をめぐる謎が解き明かされていた。
それぞれの宗教においての、これまで深く考えたことがなかったので、性の位置付けや戒律はどれも興味深かった。
私が特に印象に残ったのは、第9章のなぜ処女は神聖視されるのか である。
エデンの園において、最初の人間となったアダムとエバが犯した罪が原罪として人類全体に伝えられてきたのに、無原罪であるとされるマリアが現代においても信仰の対象となっている理由は興味深かった。
そして、イスラム教においても女子は9才から結婚できるというが、これも処女との結婚が好ましいとされているからであるという。
宗教と性の問題については、批判するものでもないし、尊重されるべきものであると思う。
しかし、聖職者による虐待や幼すぎる花嫁の問題など、子供たちへの問題は考えていかなければならないと思う。
また、イエスは「実際に行為に及ばなくても、こころのなかにみだらな思いが生じたならばそれは姦淫にあたる」という捉え方を示したとあるが、男女問わず好意なき人にみだらな思いの対象となったことのある人は多いのではないだろうか?
私自身も、痴漢被害にあったときの恐怖と嫌悪感は何年たっても消えるものではない。信仰する宗教の有無を問わず、人間だけが生み出した宗教と切り離せない性の問題を考え、弱い立場の人たちも尊重される世界が実現されるといいなとこの本を通し感じた。
「性の扱い方」に焦点を絞った宗教本は初めて読みましたが、知らない事実が多くて驚きました。カトリック教会の性的虐待報道もかなりショッキングでしたが、この本を読むとその問題の下に何が隠れているのかが分かり、自分は問題の本質を知らなかったと驚きます。読めて良かったです。
「性と宗教」というテーマでの性というと、性差としてのジェンダーという事と行為としてのセックスのふたつの意味が考えられるが、本書では行為としてのセックスがメインテーマとなっている。
宗教は性に対して禁欲的で特に聖職者(僧侶や神父)は結婚もしないという漠然としたイメージがあるように思うし、セックスを肯定的に扱う宗教団体には何となく背徳的邪宗的なイメージを感じるのではなかろうか。しかしながら本書を読み限りは、主要な宗派で聖職者に妻帯を禁じているのはカソリックと日本以外の仏教になるようだ。ヤハウェ信仰から生じたユダヤ教、キリスト教、イスラム教のなかでも、キリスト教のみが原罪と贖罪という考え方を持ち、これが性にないして禁欲的な教義を生み出したようだ。しかしながら、これはヤハウェの神託でもイエスの教えでもないようだ。
仏教の僧侶についても具足戒で妻帯ができないが、これも釈迦の教えということでもなさそうだ。さらに日本では明治時代に太政官布告にて肉食妻帯蓄髪お構いなしとされたとのこと。宗教の決まり事が太政官布告で決まるというのも変な話ではあるのだが、周りを見渡しても日本では僧侶も普通に家庭を営んでいる。
日本の神道においてはどうか。伊弉諾伊弉冉がまぐあって日本列島を産んだとする日本神話がもとになっているので、セックスに対するタブーはなさそうだが、むしろジェンダーとしての性、女性は穢れというところが問題になりそうだ。本書ではその外にキリスト教での処女信仰についても言及されている。
本書を読んでの感想であるが、各宗派におけるセックスに関するトレビア的知識はなかなか面白く読めたが、そこに至る考え方がわからない。結局宗教の中で性というのはどういう位置づけなのか「性と宗教」をどう考えているかがどう考えているかがはっきりしない。
ナイーブな問題ではっきりと答えが出る問題ではないかもしれないが、もう少しテーマを明確にして体系的な論述が欲しいところである。もう少し民俗学的なアプローチも盛り込んで考察しても良かったのではなかろうか。
3大宗教を中心に、関連するその他の宗教にも言及した、宗教における性のとらえ方をとても分かりやすく解説してくれた本書。現代社会にも影響する世界的事象(紛争や事件)がなぜ起きているのかもなるほどと納得させられる。その中で私が改めて感じたのが「宗教は本質的に男性中心主義」という筆者の指摘である。通常の動物と異なる「性欲」をコントロールしなければいけなくなった人類の歴史は、結局男性の「性欲」をどう抑えることができるか、その方法をどう権威づけるかが問題とされたのではないかと感じさせられた。日本で進まない夫婦別氏制度や同性婚も根底にはそれがあるのかもしれない。日本はどちらかといえば、お葬式のための仏教と年中行事としての神道として生活の中に浸透しているけれど、本当はもっと深く人々の意識を縛っていることを本書は教えてくれたように思う。
本書はタイトルの通り、宗教と性との関係について述べたものだ。キリスト教と仏教、イスラム教についての記載が多いが、日本神道やジャイナ教、道教などの宗教についても触れている。どの宗教も聖職者は性に対して禁欲的なのかと思っていたが、キリスト教、仏教の他はインドのジャイナ教くらいらしい。そういえば、日本の神道は性に対して大らかだったし、ギリシアの神々は欲望丸出しという感じだ。
キリスト教では、人は誰も原罪を背負っている。これはアダムとイブが、エデンの園で知恵の実を食べてしまったことによる。しかしキリスト教では、神とは全能の存在だ。なぜ、エデンの園にそんな木を植えていたのか。そしてイブに実を食べるように誘惑したという蛇をどうして、全能のはずの神がエデンの園に入れたのか。私ならそんなところにツッコみたくなるのだが、経典に書いてあることをそのまま批判もせずに受け入れる連中はそうではないんだろうな。
この他折口信夫は薔薇族で、弟子に迫っていたとかいうような話もあり、なかなか面白い内容ではないかと思う。
新興宗教には嫌悪感を抱くものの、宗教にはとても興味のある私。
救いを求めてというよりは「文化」的な感じで気になっている。
アフガニスタンのタリバン侵攻のニュースが出たときにはムスリムについての本を読んだり、Netflixでムスリム関係の映画やドラマを見たり、コーランをyoutubeで聞いてみたり。
この本は宗教に関して切り離せない「性」との関係について書かれています。
この人の講義聞いてみたいと思いました。
主にキリスト教、仏教、イスラム教の性について分かりやすく書かれていましたが、やはりもっと詳しく掘り下げて考えないと理解できないこともありました。もともと文化的な要素も違うし、そもそも宗教がそれぞれ連立するのって面白いなとも思いますが、この本は読んでみてよかったです。
宗教を”性”というキーワードから解説。
仏教やキリスト教などの性に対する考えかた扱い方の違いがわかりやすく書かれています。
妻帯できる、できない。性行為のタブー視、性行為の神格化。
なるほど!となることだらけです。
でも、さらに深まった謎も。宗教は深いです。
この著者の宗教関連本がどれも面白い。