哲学の蠅
吉村萬壱
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2021/11/16 | 掲載終了日 2022/01/18
ハッシュタグ:#哲学の蠅 #NetGalleyJP
内容紹介
作家デビュー20年、初の自伝的エッセイ
人間の根源的な部分を抉り出し、現実への違和感を物語に託して世に放つ異端の小説家吉村萬壱がデビュー20年の節目に著す初の自伝的エッセイ。幼少期の鮮烈な体験と母親の存在は著者の人間形成に決定的な役割を果たすが、やがてそれに対抗する力として文学や哲学に傾倒してゆく。著者の血肉となった広義の哲学書を取り上げ、それらと創作との結び付きを考えながら、読むこと、書くこと、ひいては生きることそれ自体の意味を問う。
出版社からの備考・コメント
四六判並製
出版情報
ISBN | 9784422930909 |
本体価格 | ¥2,000 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
芥川賞作家、吉村萬壱によるエッセイ。
随想というよりは人生経験が描かれる。母親の影響が強く、抵抗と無力感がテーマになっている。また、「哲学の蠅」として書物や世界から断片を「摘まみ食い」するスタイルが語られ、様々な本との直感的な出会いが面白い。
本人も小説家らしく注意しているとおり、全てが事実だとは限らないが、経験と作品の接続が素直に書かれており、かなり手の内を明かしていて驚いた。私小説的な物語としても楽しく読んだ。
SFは難解で読まないというのは本人の作品からして意外だったし、デビュー時の長嶋有への一方的なライバル心は笑ってしまった。
巻頭と巻末に、死んだ鳩をくらう蝿と蛆虫が句読点なしの文章で描かれる。
巻頭と巻末に、ご本人が描いたという蝿がとまっている。
読むのにとてもとても時間がかかった.時間をかけた.時間をかけるに値する本、意味がわかるとか筋をおうとか、そういうことをしない本を久しぶりに読んだ.
エッセイとなっているが、とても濃い深淵な文学作品を読んだ気がする。
この人の書いた本をとても読みたくなった。何から始めようか。
母との葛藤。自分の中にある狂気のようなものへの希求。オカルトへの耽溺。哲学。読書。書くこと。
温めておいても上手な感想はかけそうもない.
いいなあこれ。