クラムボンはかぷかぷわらったよ
宮澤賢治おはなし30選
澤口たまみ
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刊行日 2021/05/12 | 掲載終了日 2024/09/21
ハッシュタグ:#クラムボンはかぷかぷわらったよ #NetGalleyJP
内容紹介
「銀河鉄道の夜」のカンパネルラのモデルは誰? 「やまなし」のクラムボンの意味は? 「水仙月の四日」とはいつ?
いま読んでほしい宮沢賢治30作品を「しょくぶつ」「いきもの」など、テーマごとに6章にまとめ、あらすじと読み解きで解説。「岩手」の視点から清新なアプローチで作品に迫り、賢治童話の魅力に新たな光を当てた意欲作です。
「銀河鉄道の夜」のカンパネルラのモデルは誰? 「やまなし」のクラムボンの意味は? 「水仙月の四日」とはいつ?
いま読んでほしい宮沢賢治30作品を「しょくぶつ」「いきもの」など、テーマごとに6章にまとめ、あらすじと読み解きで解説。「岩手」の視点から清新なアプローチで作品に迫り、賢治童話の魅力に新たな光を当てた意欲作です。
おすすめコメント
著者の澤口たまみ氏は岩手県紫波町在住のエッセイスト・絵本作家。1990年「虫のつぶやき聞こえたよ」(白水社)で日本エッセイストクラブ賞、2017年「わたしのこねこ」(絵・あずみ虫、福音館書店)で産経児童出版文化賞美術賞を受賞しています。
方言、風土、季節の感覚など、岩手に住んでいる著者だからこそ気づけた賢治童話の魅力を、まるで謎ときのように味わえる一冊です。
著者の澤口たまみ氏は岩手県紫波町在住のエッセイスト・絵本作家。1990年「虫のつぶやき聞こえたよ」(白水社)で日本エッセイストクラブ賞、2017年「わたしのこねこ」(絵・あずみ虫、福音館書店)で産経児童出版文化賞美術賞を受賞しています。
方言、風土、季節の感覚など、岩手に住んでいる著者だからこそ気づけた賢治童話の魅力を、まるで謎ときのように味わえる一冊です。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784872014273 |
本体価格 | ¥1,200 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
クラムボン、やっとすっきりしました!
小学生当時にクラスで、クラムボンってなんだ??と騒ぎになったことを思い出しました。
人それぞれのクラムボンがあっても良いですが、私はすっきりしたかった!
あ~っ、良かった‼️
名作をゆっくり、たっぷり読めるって贅沢ですよね。
澤口たまみさん、いつも絵本で楽しませていただいております。宮沢賢治にも造詣が深いのですね。
賢治の作品は、時に難解で意図するところを読み解いたり、感じたりするのが少々困難だと感じる点があります。
研究的な知識を背景に置かないと理解し難い部分もあると感じます。
ともあれ、人気は衰えず絵本のシリーズまである中の、澤口たまみさんの本書は賢治の世界に入り込むアプローチとしてわかりやすい解説書となっています。
読みながら、ああそうだったのか、そう取れるのかと腑に落ちること度々。
賢治の恋への言及も、興味深かったです。
著者が「賢治の書いたおはなしは、どんなに空想的に見えても、必ずどこかに事実があるのです」と書かれているように、言葉の意味や、描写や現象、賢治自身の背景などからひもとかれる事実を楽しく読みました。そして、その物語にはいくつもの意味があり、読み手も様々に受け止めることができるのが宮沢賢治作品の魅力なのだと改めて思いました。
小さい頃に読んだ賢治の物語は、少し不思議でイマイチ訳がわからないものが多いのに、どことなくやさしさを感じる文体が好きだったのを思い出して、この本を読みました。今多少大人になって、澤口たまみさんの解説付きで読んでみると、また違った物語の見方や新しい賢治の一面が見えてくるのが面白かったです。いくつになっても、違う魅力を見せながら常に考えさせてくれる賢治の物語が改めて良いなと思いました。「すきとおつたほんとうのたべもの」になるような自分なりの解釈を私も探してみたいと思います。賢治の恋についても言及がされていますが、今までその視点から賢治の小説を読んだことがなかったので非常に興味深かったです。賢治も1人の男であって、愛おしさや辛さを感じていたのだと思うと、なんだか急に身近な存在のように感じました。
小学生の国語の授業で宮沢賢治の『やまなし』を読んだ際に、「クラムボンって何だろう」と気になってからも事あるごとにずっと気になり、大学生になった今でも気になっていたので、この本を読んで長年の疑問が解決しました。『やまなし』以外にもたくさんの作品が載っているので、宮沢賢治にも興味が湧きました。
宮沢賢治の不思議な世界を一人で感じて、ふーんと思いながら読むのもいいですが、解説つきで読むことができてより理解が深まりました!
宮沢賢治の人生を知りながら読むことで言葉の表現がすっと入ってきた感覚でした。
小さい頃から大好きな宮沢賢治。
その解説本とても楽しかったです。
「クラムボン」の意味がやっと分かり、やまなしを読み返したくなりました。
賢治の恋の話、方言を使ったことについての解説。そうだったんだと思う事ができて、ますます宮沢賢治が好きになりました。
賢治の残したお話を読みながら、自然を観察し、もっと理解を深めたいと思います。
宮沢賢治の30作品をテーマごとにまとめて、あらすじと読み解きで解説した本書。例えば私には題名になっている、クラムボンやかぷかぷわらうなど、自分で読み解けず宙ぶらりんになっているものがある。それが著者の解説によって意味のある画像として浮かんだときの感慨はひとしおだった。著者は「賢治のおはなしの大きな特徴」は「観察と想像、事実と創作、科学と文学が、パズルのように入り組んでいる。」という。もちろん読んだ人それぞれが全く違った読み解きができるのも作品の味なのだろうが、この本は宮沢賢治の世界が急に科学と現実の世界に下りてきたようで、とても新鮮で楽しかった。この機会にあらすじで分かった気になるのでなく、原作もきちんと読み直したい。
この本「クラムボンはかぷかぷわらったよ」は、宮沢賢治の童話を集めた作品集ですが、この魅力的なタイトルは童話「やまなし」の一節から採られています。童話30作品を、6つのカテゴリに分けて収録し、それぞれの作品に著者がわかりやすく、そしてご自身の作品への思いを込めて解説を書かれています。
タイトルから懐かしさを感じて読み始めたこの本ですが、作品の持つ不思議な透明感や、ことばの持つリズム感などをあらためて感じ、10代の頃に読んだ時とはまた違った感覚で読むことができました。
収められている作品はどれも素敵ですが、この中からお気に入りの作品を1つ見つけるようなつもりで読んでみても、楽しいかもしれません。私は、「水仙月の四日」を選びました。
宮沢賢治の作品をまとめて読んだのは初めてだったかもしれません。
抽象的ともいえる表現が多い宮沢作品の良き指南書となると思いました。門井慶喜著の「銀河鉄道父」と併せて読むとさらに腑に落ちる部分が多そうです。
短い話ばかりなので、少しずつ、読みたい時に。
宮沢賢治に関する本は数多あるだろうし、何を収録するかもさまざまな目線や観点から選ぶのだろう。
この本は、誰もが知っている教科書に載っていたりする作品からあまり知られていないものまで、著者独自のカテゴリわけで、みんなに知ってほしい作品を、と編まれている。
しょくぶつ/いきもの/どうぶつ/しぜん/こころ/みらい
というカテゴリに分かれて30篇。
著者は、岩手県盛岡市生まれ。農学部で学び専攻は応用昆虫学だという。
まさに宮沢賢治の生きた場所を知り、作品に含まれる自然の営みについての解釈を加え、そして作家として心情を慮ることのできる書き手であった。
それが端的に表れていると思う箇所を、後書きからひく:
<『注文の多い料理店』の「序」のなかで、賢治はこう記しています。
「なんのことだか、わけのわからないところもあるでせうが、そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。」
本人も認めるわけの分からなさから、賢治の作品はさまざまに研究されてきました。 賢治を研究する立場では、最も信じられている考えを「定説」と呼びます。
いっぽう賢治は、こうも記しています。
「けれども、わたくしは、これらのちひさなものがたりの幾きれかが、おしまひ、あなたのすきとおったほんたうのたべものになることを、どんなにねがふかわかりません。」>
著者は、これは私の考えだ、と前置き、想像や解釈は自由だという。
その上で、題名にもなった、クラムボンとはなんだろう(やまなし)、も、農学者の視点から読み解く。
表現からして、谷川、そして話の流れからして、クラムボンは虫だろう。季節は五月。ここで考えられるのは、カゲロウ(英語でmayflyというそうだ)が妥当だろう。と解釈する。この話は多分教科書に出てくる。国語の時間では、どんなふうに授業が行われているのだろう、と興味深く思った。
諸説あり、それぞれの想像の中でのクラムボンがあっていい、とはっきりと前置いて(ここが大事)。
さらに、賢治の生き方に照らし、彼の相思相愛だったけれど実らなかった恋、がどの作品にも影を落としていると解釈を加えている(これが定説としてあるのかどうかは寡聞にして知らない)。彼女の名前は、ヤスというそうだ。著者によれば、彼女の名前、が音として、音韻としていろいろな箇所に見てとることができるのだろうだ。
どこでも好きなところを自由に読め、独自の解釈もそれぞれついている。
宮沢賢治に興味のある人には、強くお勧めです。長いことタブレットに入っていたのだけれど、少しずつ、楽しませていただきました。
子供の頃から触れる機会が幾度もあった宮沢賢治のお話は、優しくて不思議な世界観がとても魅力ですが、正直、作品にこめられた作者の思いをしっかりと読み取れているかは自信がありませんでした。
賢治を取り巻く自然環境や人間関係がこれほど作品に反映されているとは今回こちらの本を読むまで知りませんでした。
賢治の強い思いがこれだけこめられているからこそ、いつまでも心に残る深いお話なのだと改めて感じました。
読んだことのない宮沢賢治の作品はまだまだたくさんありますので、今後また読む時には今回知った賢治の背景を思い浮かべてながら味わおうと思います。
作品を通しての宮沢賢治論。タイトルにもあるがクラムボンについてすっきり。また中学の教科書にも掲載されている「オツベルと像」の最後の一文についての見方も面白かった。「作品はこんなふうに考えていいんだよ」と教えてくれる。
宮沢賢治の作品にはこれは何を表しているのだろうと不思議な気持ちにさせられるものが多くあります。本書を読み、ああそうだったのかと思えたことがいくつもありました。想像して自分で想い描くイメージだけで理解しようとしていたものの中に賢治の自然や科学についての深い知識や構成があるのだとわかったと同時に、彼の目に映った自然界への限りない愛を改めて感じることができました。賢治の作品が今の時代にも輝きを失わないどころか、そんな時代から私たちへのメッセージを伝えてくれていたことに驚きを隠せません。一つ一つ謎解きをしてくださった澤口さんの絵本も是非読んでみたいと思っています。