きみの体は何者か
なぜ思い通りにならないのか?
伊藤亜紗
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刊行日 2021/09/15 | 掲載終了日 2022/02/17
ハッシュタグ:#きみの体は何者か #NetGalleyJP
内容紹介
10代のノンフィクション読書を応援する新シリーズ刊行スタート!
ちくまQブックス
変化が目まぐるしくて、将来を見通せない時代だといわれます。そんな時に頼りになるのは、「考え続ける力」だと、私たちは考えます。身近な問い(Question)、ここがスタート地点です。その問いを温め、深く考え続ける(探究:Quest)ことの大切さを、本を通し伝えていきます。読み考える過程を楽しみ、読み終えたときに、次の問いや次の本に向かう勇気と元気がわいてくる、10代読者のためのシリーズをスタートさせます。どうぞご注目ください。(9月より刊行開始、以降毎月刊行、第1期全10点)
●刊行ラインナップ
〈2021年9月一挙4点刊行〉
苫野一徳『未来のきみを変える読書術 ─なぜ本を読むのか?』
伊藤亜紗『きみの体は何者か ─なぜ思い通りにならないのか?』
鎌田浩毅『100年無敵の勉強法 ─何のために学ぶのか?』
稲垣栄洋『植物たちのフシギすぎる進化 ─木が草になったって本当?』
〈10月刊行予定〉
井出留美『SDGs時代の食べ方 ─世界が飢えるのは何のせいなのか?』
小貫篤『法は君のためにある ─みんなとうまく生きるには?』
〈11月刊行予定〉
小泉武夫『世界一くさい食べ物 ─なぜ食べられないような食べものがあるのか?』
片岡則夫『マイテーマの探し方 ─探究学習ってどうやるの?』
〈12月刊行予定〉
田房永子『なぜこんなに親はうるさいのか ─うまくやっていくコツとは?』
森毅『悩んでなんぼの青春よ ─頭がいいとはどういうことか?』
*タイトル、刊行月は変更する場合がございます。
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伊藤亜紗『きみの体は何者か ─なぜ思い通りにならないのか?』
緊張で体が固まったり言葉が出なかったり。そう、体は思い通りにならない。でも体にだって言い分はある。しゃべること歩くことがどんなに大変か私たちは知らない。さあ体の声に耳をすまそう。思いがけない発見が待っている。きっと体が好きになる14歳からの身体論。
【目次】
第1章 体の声を聞く
第2章 体、この不気味なもの
しゃべれるほうが変。/勝手にやってくれてる/ふたつの「ん」/「ん」と「ぶ」のあいだ/体の身になって考える/体のアイデンティティ
第3章 体がエラーを起こす
連発/体が試行錯誤してる/吃音は「あいだ」で起こる/「伝える」と「伝わる」/楽にどもれている
第4章 恥ずかしいのはいやだ
難発/三島由紀夫『金閣寺』/眠る前の孤独/敵でもあり味方でもある/自分をつくる
第5章 自分らしい体
言い換え/固有名詞の壁/本当じゃない自分が出てくる/ずれるから発見する/どもることで自分をとりもどす/体の多様性
第6章 メタファーを味方につけよう
体について探究するために/現実の多様な見方/きみだけの「言葉」を獲得する/相手にきみになってもらう/体を信頼する
次に読んでほしい本
【著者プロフィール】
伊藤亜紗(いとう・あさ)
1979年、東京生まれ。東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター長。同リベラルアーツ研究教育院教授。専門は美学、現代アート。主な著作に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』、『どもる体』、『記憶する体』、『手の倫理』など。
出版社からの備考・コメント
*今回アップしたデータは、実際の色味とは異なります。書籍では特色を使っております。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784480251145 |
本体価格 | ¥1,100 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
いつも新たな視点を与えてくれる伊藤亜紗さんが、自身の吃音を例にとり、身体について、思い通りにならないことについて書いた本。終盤の「メタファー」についてはもう少していねいに書いても良かったのではと思うけれど、全体に、わかりやすいよう配慮されている。思い通りにならないからこそ発見がある、という考え方はたくさんの若い人に知ってもらいたい。
ちくまQブックス、ノンフィクションシリーズとして評判良かったです。本書は吃音について当事者の立場から書かれていて、納得できました。吃音以外の発語の仕組みも詳しく書かれて興味深いです。ただ、対象が誰なのか?小学校高学年には概念的な話で難易度が高く、中学生が自分で選ぶ機会も少ないのではないでしょうか。
自分の身体について分析して研究する…?
なんだか小難しいお話が続くのかな、と思いきや、つまりは、ままならない“身体”と折り合いをつける方法を獲得しよう!という、どこまでもとても前向きな本でした。
私は吃音ではないし、難発の症状もないけど、人見知りも手伝って、タイミングを逃してしまった宙ぶらりんの言葉を抱え、後から「あの時こう言えたのにな…」ということがあるので、同じじゃなくても共感出来ることがあった!と感じました。
すぐに出てこなかった言葉に対して“熟成”と表現している著者の優しさがじんわりとしみました。
本書をきっかけに、外見ではない自分の“身体”に興味がわきました。
どの箇所もとても分かりやすく、常に前向きでやさしい語り口で展開されており読んでいて引き込まれていくような、するすると自分の身に染み込んでいくような本でした。思い通りにならない物事にぶつかるのが嫌になって全てを投げ出したいとさえ感じる時、少しだけ立ち止まってこの本を読んでみてほしい。
思い通りにならない自分の体を、それで当たり前だと言ってくれる本。思春期は当たり前だけど、すっかり中年になった今も、やっぱり自分の体は自分の思い通りにはならない。これから、歳をとると、今度は老化でままならなくなってくる。
でも、そんな時でも、ままならないのが当たり前と感じることができたら、素敵なことだと思う。
扉は、あちらとこちらの境目にあって、開きにくかったり鍵がかかってしまったりすることもあるけれど、そこから外に出て行くこともできる。そんなことを考えさせられる本でした。ありがとうございました。
「しんぶん」「ペンギン」この最初の、ん、の音。言ってみよう、響きがちがう。というところから説き起こす。言いやすいからだ。そこから、筆者の体験を踏まえた、吃音、というテーマを、どんな場合にどんなふうに起こるか、と、わかりやすく、想像しやすく展開する。なるほど、こんなふうに感じるのか。当事者以外にはきっとわからないだろう感覚や悩み。そして、あるところからそれを抽象化する。さあここからは君の番だよ、と一般化して語りかけてくる様が、緻密だと感じた。そこから普遍化される。具体から抽象へ。重松清のきよしこ を思い出した。ままならない体。恥ずかしいとはどういういうことか。メタファー。
14歳からの、とあり語りかけは平易だが、内容はかなり深い。大人にも十分読み応えがある。
思い通りにならない体と、どうやって向き合ったらいいだろう?と考える本。
走りたいのにうまく走れない、しゃべりたいのにうまく話せない、体のどこここが気に入っていない……なんて悩みを持ちがちな現代を生きる私たちだからこそ、読んで心に留めておきたい言葉がたくさん書いてありました。
若者はもちろん、読みやすい文なので大人にもおすすめしたいと感じました。
自分の身体は100%自分の思い通りにならない。自分自身と理想と不満の狭間で試行錯誤を繰り返している人の言葉を読んで、楽な方へ楽な方へ逃げ自分の身体と対話するよりもフィクションの世界を漂っている自分をこのままで生きていくのかを考えてみるいい契機になりました。
自分の体なのに体型、顔、性格は生まれ持ったもの。歳をとれば老化はするし…。自分でありながら思い通りにならない事がある事を、著者の「吃音」を例に「うまく付き合う」コツ、どうしたら自分の体を好きになるか。自分の体の声を聞く。「フィラー」「メタファー」はなるほど💡と。中学生にもわかりやすく。このような悩みがあると思う。「次に読みたい本」の紹介がまた魅力的!