世界の夜は僕のもの
渋谷直角
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刊行日 2021/09/29 | 掲載終了日 2022/02/09
ハッシュタグ:#世界の夜は僕のもの #NetGalleyJP
内容紹介
『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』『渋井直人の休日』の渋谷直角による最新漫画は90年代の東京が舞台!
『i-DJAPAN』『CUTiE』『オリーブ』『コミックキュー』、渋谷パルコ、ソニープラザ、アフタヌーンティ、ボディショップ、ヒステリックグラマー、アニエスベー、ダウンタウン、ナチュラルハイ、魚喃キリコ、岡崎京子、安野モヨコ、ジャミロクワイ、フィッシュマンズ、サニーデイ・サービスetc. 90年代を彩ったカルチャーと、当時を生きた若者たちの夢や恋愛、友情を綴った、懐かしくそして新しい連作短編集。
出版社からの備考・コメント
※ネットギャリー上では週刊SPA!連載の「第1話~第37話まで」読むことができます(最終回まで数話は収録していません)。あらかじめご容赦ください。
おすすめコメント
「何するんだ直角さん!僕の心の引き出しをそんなに勝手に開けないでくれ!」
90's東京カルチャーを「懐かしむ世代」から「憧れる世代」まで・・・一人でも多くの方に“若者たち”のすべてを描き切る本書を読んでほしい。
(梶原治樹 / 小社営業担当局長 / 1974年生まれ)
「何するんだ直角さん!僕の心の引き出しをそんなに勝手に開けないでくれ!」
90's東京カルチャーを「懐かしむ世代」から「憧れる世代」まで・・・一人でも多くの方に“若者たち”のすべてを描き切る本書を読んでほしい。
(梶原治樹 / 小社営業担当局長 / 1974年生まれ)
NetGalley会員レビュー
あーわかる。ページをめくるごとにそう呟いていた。
東京で右も左も未来もわからないまま、それでも必死で夢を追いかけていた懐かしくも焦れったい気持ちと、当時のカルチャーシーンがよみがえった。
本書の舞台になっている90年代の東京。
私も学生時代の数年を過ごしたので、本書が描いているカルチャーシーンの雰囲気を知っている。
海外から刺激を受けながら、それに負けじと独自のものを生み出そうというような空気があったと思う。
地方から出てきた小娘はその熱量に圧倒されながらも憧れ、精一杯背伸びしてその空気に馴染み、何か吸収しようと必死だった。
本書の登場人物の一喜一憂は私も経験したことだ。
インターネットもPCもスマホもない時代。
今なら簡単に出来ちゃうことが大変で、ものすごく泥臭い努力をしていて、振り返ると恥ずかしいことばかりで悶絶するが、成長するには通過しなくてはいけない部分なのだろう。いや、どの時代もそういった成長痛のようなものを内包しているのだろうと思う。
本書で90年代のカルチャーシーンを細かく描きながらも、「懐かしいね」「あの時代はよかった」ではない部分があるから悶絶だけでなく、少し客観的に振り返ることができるのかもしれない。
90年代を描いた作品だが、時代が変わっても変わらない若者の葛藤に非常に共感を覚える作品だった。
全く知らないサブカルの話もあれば、ダウンタウンなどの今も活躍している方の話もあり、自分のなかの90年代という時代がアップデートされるように感じた。
複数人の主人公の視点が話を追うごとに重なっていく構成も◎。
趣味が合わない大学の友達との日常会話よりも、好きな音楽が近そうな人たちと話す方がハードルが高かった。だからレコ屋で誰かに話しかけるなんて絶対できなかった。
ヴェスパは買わなかったしライブハウスで最前列を陣取ることもクラブで踊り狂うこともなかった。そもそも東京に行かなかったので、雑誌の情報(と妄想)を頼りにバカみたいにレコードとCDと本を買うだけの日々。
背伸びしてかっこつけてたのがダサいんじゃなくて、多分最初からずっとダサかった。僕はそんなふうに90年代を過ごした。
『世界は僕のもの』は、昔を懐かしむ話じゃない。たくさんの言い訳を用意してからじゃないと何かを楽しむことができない、面倒な人たちのための物語だ。
この作品を読んでも楽しむ余裕はやっぱりなくて、ヒリヒリしっぱなしだった。でもまだしばらくは、自分の面倒くささを手放さないでいようと思う。
わたしの青春より後の90年代、その頃はもう30代に突入していて子育て真っ最中、サブカルどころの日々ではなかったのですが、若者特有の憧れや熱の高まりみたいなものは、自分たちの頃と同じだなぁと懐かしいような、面映ゆいような感じ。
地方のど田舎で高校時代を過ごし、出てきた都会も東京ではなかったけれど、何かに取り憑かれたようにお気に入りの雑誌を読んだものです。
スマホもパソコンもなかった時代。どの雑誌を読んでいるかで住み分けができていたなぁ。
そして、いつかどこかへたどりつけると思っていたなぁ。
学生の頃、代官山で降りて渋谷、原宿まで歩いて遊んで過ごした日々のことを思い出しました。
あの頃は横浜には何もオシャレなものなどなく、流行を追うには渋谷まで出るのが通常でした。
青文字系雑誌やフリマ、ソニプラなど。学生時代の少ないお小遣いをやりくりして欲しいものを買ったり、周りとは違うロキノン系の雑誌を読んでいる自分に酔っていたり笑。
初めはスマホで見るには読みにくいと思っていましたが、気づいたら夢中になって読んでいました。
絵の力が抜けた味がある感じが好きです。
1990年代の若者達のショートショート連作漫画。当時の文化が具体的名称で沢山出てくる。軽いタッチの漫画なのに、内容は軽くなくシリアスでほろ苦い。意外な形で漫画家の夢を叶えた女性とその友達の話が良かった。
【世界の夜は僕のもの】
ザ昭和の雰囲気が味わえる漫画です。
絵は普通ですが、話がかなり音楽や雑誌関係でマニアックではありますが、
昔の渋谷を歩いていたらカツアゲに合うのが当たり前みたいな話があって、
読んで衝撃だった。
それがきっかけで先輩との関係がおわってしまった。
好きな人が自分でなかったときのガッカリした話も面白かった。
クラブに行ってナンパした話も面白かった。
レトロな感じをたくさん持った、興味がそそる漫画でした。
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#世界の夜は僕のもの
#渋谷直角
90年代、バブルには、表舞台と裏舞台があって、表舞台はジュリアナに代表されるイケイケな文化、不動産にクルーザー、フジテレビ全盛の感じ。裏舞台はサブカル全盛期。それこそがこの本で描かれている時代だ。
私が生息していたのは、それらとは全く別のレイヤーで、サブカルになってはいけないゴールデンタイムのテレビを下支えするADという職種だった。華やかさとも縁がなく、サブカルに逃げることもできない、中途半端な存在だった。なのでこの本に書かれているようなサブカル周りのことはなんとなく知っている程度であまり詳しくない。
そしてバブルが弾けた後にはいよいよテレビを正面から支えるディレクター、プロデューサーとなるが、その頃にはテレビは一時よりかなりシュリンクしていて、今やテレビはYouTube、配信にも追い抜かれそうなレガシーメディアになりつつある。
ある種の歴史の教科書とも言える本でした。
1990年代に生きた自分たちと同年代の学生たちの悲喜こもごもを共感したり驚いたりしながらも楽しんで読める作品だった。自分たちとは異なる時代を生き自分たちとは異なるものを好む登場人物達だが、自身と重なる部分も少なくなく、感情移入して劣等感や苦しさに共感したり、その恋にハラハラしたりと没入して読むことができた。自分の才能に自信が無く他人と比べてしまう悲しさや好きなものを共に語れる人のいない孤独感などは現在の若者たちにも共通する部分だと感じる。自分の中に持っていた世代間の偏見や劣等感といったものが大分ほぐされたように感じた。また、当時の芸術や若者たちオシャレだと感じているものが分かりやすく解説されており、今までどこかぼやけて見えていた近現代という時代の輪郭をおぼろげながら掴めたように感じ文化史の本としても楽しめた。
自分の感性に近い同士をいかにみつけるか
その事の大切さをこの作品の人物達から感じた。
国民的ヒットが連発されていた脇で
自分のアンテナを頼りに本物を求め
大海に漕ぎだした若者があの時代、
全国に少数ながらいたという回顧本
90年代という響きに2000年生まれの私は『カッコいいっ!』と惹かれました。たった12ヶ月前に生まれていたら自分も90年代の一員になっていたんだなあと思いながら読み進めると不思議とその時代に生きていないのにノスタルジーを味わうことができました。当時の社会の雰囲気や流行、雑誌など実際にはわからないながらも絵やコラムを見てふむふむと未知の領域を探索しているような気分になり、漫画だからこそのめり込んでしまいました。
各登場人物のリアルな感じが良い!流行についていきたい、カッコよくなりたい、夢を追いかける登場人物たちのもがく姿やいろんな感情がリアルさ、ちょっぴり切なくなる要素が盛り込まれていて時代は違えど今日の私たちとあまり変わらないなと気づかせてくれました。点と点がつながって徐々に線になっていく物語とともに段々心の奥底にある理想の自分の姿を追っかけたい気持ちになる一冊です。 (384字)
1990年代の若者を描いた作品。まだ私が生まれていなかった時代のことで、共感するというよりは新鮮な気持ちで読み進めました。本作の舞台である東京で繰り広げられる若者たちの青春と苦悩は何処か現代に通ずるものもあり、いつの時代も人間は似たようなことで悩み、成長していくのだと気付かされました。
1990年代の若者が主役なので当時の考え方を知ることができました。現代の若者は何か特定のものに夢中になることが少なくなってるように思います。そのため自分の好きな物に真剣に取り組む彼らを見てかっこいいと感動しました。何か自分の好きなもに挑戦したいと思わせてくれるマンガです。
自分が生きた10代とは全く違う世界観である、90年代の東京が舞台でした。自分の知らない文化があり、流行があり、それに夢中になりながら生きていく主人公には今を生きる自分にも重なる部分があったと感じた。この漫画を読んで懐かしいと感じる人がいるように、今の自分も懐かしいと思える瞬間が来るのだろうと考えると楽しみでもあります。
いつだって
嬉しいほど
誰もが
誰か
影響し続けて
生きてる
直角さんの愛が伝わってきて
とてもよかったです
すらすらと楽しみながら読めました。
いまも活躍している有名人がどのように
世の中に現れ若者を魅了していたか
当時の状況がワクワクが垣間見れて
夢中になれる存在の大切さ
情熱が動かす純粋な熱量の力を感じました。
甘酸っぱさ しょっぱい苦さ
心に深く刻まれた思いが
青春と共に進んでいく短編ストーリー構成で、90年代を過ごした感覚がどのようなものだったか
時代の空気を記録することで見えてくる当時の雰囲気が、当時を知らない世代にどのように映るのか
時代と共に移り変わる景色の中で、残しておきたいカルチャーへの愛と背景が詰まってます。