カミサマはそういない
深緑野分
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刊行日 2021/09/24 | 掲載終了日 2021/10/07
ハッシュタグ:#カミサマはそういない #NetGalleyJP
内容紹介
変な予感がするんだ。
扉の向こうで、何か恐ろしいものが、僕を待っている気がして――。
目を覚ましたら、なぜか無人の遊園地にいた。園内には僕をいじめた奴の死体が転がっている。ここは死後の世界なのだろうか? そこへナイフを持ったピエロが現れ……(「潮風吹いて、ゴンドラ揺れる」)。
僕らはこの見張り塔から敵を撃つ。戦争が終わるまで。しかし、人員は減らされ、任務は過酷なものになっていく。そしてある日、味方の民間人への狙撃命令が下され……(「見張り塔」)
など全7編を収録。
現代日本、近未来、異世界――様々な舞台で描かれる圧倒的絶望。
この物語に、救いの「カミサマ」はいるのか。
見たくない、しかし目をそらせない、人間の本性をあぶり出すダークな短編集。
【プロフィール】
深緑野分(ふかみどり・のわき)
1983年神奈川県生まれ。2010年、「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。15年刊行の長編『戦場のコックたち』で第154回直木賞候補、16年本屋大賞ノミネート、第18回大藪春彦賞候補。18年刊行の『ベルリンは晴れているか』で第9回Twitter文学賞国内編第1位、19年本屋大賞ノミネート、第160回直木賞候補、第21回大藪春彦賞候補。19年刊行の『この本を盗む者は』で、21年本屋大賞ノミネート、「キノベス!2021」第3位となった。
出版情報
ISBN | 9784087717679 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
シリアスで、暗いテーマな話ばかりの短編集です。怖いものが続きますが、希望も見えるような気がします。途中で止めずに最後まで読んでみてください。『カミサマはそういない』は、“カミサマは死んだ”わけでも、“カミサマは絶対にいない”わけでもないはずです。
なんて、ざわざわするのかしら。
深緑さん、今回は黒緑さん。
7編それぞれの世界観がなんせ独特。
不穏で不安になりつつも、この先に本当に救いがあるのか懇願するように読んでしまった。
そこにカミサマの存在はあるのか?!
そこに炙り出されるのは人間の本質。
私なら、あなたなら
どうしただろう。
見たくないような、知りたくないような。
でも目が離せなかった。
これ、本当に深緑野分さん?とあらためて確認してしまうほど意外な感じがする、ダークで不穏な短編集。
同居人の暴挙に怯え、殺戮ピエロに追われ、終わらない戦争に疲弊する。心がずっとザワザワして落ち着かないのに、「次はどんな話だろう?」と興味を掻き立てられる絶妙なおどろおどろしさ。
全体的に救いが見い出せないけれど、そこにカミサマが存在する隙はあるのかないのか?
やはり救済はそうそう施されないのかも。
ちょっと薄ら寒い気持ちになったところでの最後の一編が優しい。
7つの短編集です。
奇妙で不気味なんだけど、そのほの暗い雰囲気の先が気になる。
ついつい、結末まで読みすすむけど、そこは本当に“結末”なのだろうか。
カミサマがいても、いなくても、善悪が混濁しているニンゲンたちが満載。