盗撮をやめられない男たち
斉藤章佳
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刊行日 2021/09/10 | 掲載終了日 2021/10/27
ハッシュタグ:#盗撮をやめられない男たち #NetGalleyJP
内容紹介
「盗撮とは、相手に気づかれないように、日記を盗み見る行為なんです。
その優越感は、日常生活では絶対に味わえないですから。
そして画像や動画を保存することで、支配欲や所有欲が満たされるのです」
(ある盗撮加害者の証言より)
ハマったら抜け出せない。
盗撮は依存症だった!
検挙件数がこの10年で倍増している、痴漢と並ぶ日本の2大性犯罪“盗撮”。
そんな盗撮が、薬物やアルコールと同じでやめたくてもやめられない「依存症」だと知ったら、あなたは驚くだろうか。
アジア最大規模の依存症治療施設で、これまでに2000人以上の性犯罪加害者治療に携わってきた専門家である著者が、その手口や心理、治療方法を初めて解き明かす一冊。
盗撮加害者521人の大規模ヒアリング調査でわかった、「盗撮依存」の実態とは?
●四大卒・会社員・既婚の“普通の男性”が盗撮している
●犯行の7割がスマホ。うち9割が「無音アプリ」を使用
●犯行場所となる“盗撮多発エリア”は「電車」と「駅構内」
●加害者1人あたり推定1000回以上の余罪がある計算に!?
●再犯率は4割近く。刑罰と反省だけでは再犯を防げない
●性犯罪の多くは「性欲が原因」ではない!
●盗撮を直接取り締まる法律はないため、法制化が議論に
●東京五輪を機に女性アスリートの被害が社会問題化 etc.
深刻な盗撮被害の実態や、盗撮加害者の脳内で起きていること、加害当事者へのインタビューから、再発防止のためのプログラム、加害者家族の抱える苦悩、盗撮を軽視・容認する背景にある日本社会の男尊女卑的価値観まで、盗撮にまつわるあらゆるトピックを解説。
巻末には、『おとめ六法』の著者・上谷さくら弁護士と、「盗撮罪」法制化がなぜ必要なのかを語った対談も収録!
出版社からの備考・コメント
第1章の盗撮の犯行様態(手口、場所、動機など)や、第5章の盗撮加害者の属性(学歴・職業・結婚歴など)に関する分析です。
また、第5章の後半には、2名の盗撮加害当事者への貴重なインタビューを収録し、
なぜ盗撮に手を染め、いかに逮捕され、どう治療に臨んでいるかを話してもらっています。
第4章では、性犯罪加害者の独特の思考や、性欲ではない性依存症の意外な動機、
その背景にある男性全体、日本社会全体の問題を指摘しており、ネット上で話題になると思います。
出版情報
ISBN | 9784594089290 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
かねてから犯罪心理には関心があった。コロナ渦で増加している「自殺」と「犯罪」。
その現実が「生とは何か」を考えさせられるきっかけとなった。
「自殺」は生きることをあきらめ「犯罪」は生きることを選択した状態だ。現在の不条理な社会に不気味さを
感じた。「盗撮をやめられない男たち」では「盗撮依存」の実態が解き明かされている。
依存という言葉が使われているが、人は誰しも何かに依存して生きているのではないだろうか。
何かに依存しているからこそ「生きがい」を感じられるのではないだろうか。だとするならば私たち人間はいつ
犯罪者になってもおかしくない。もちろん犯罪を肯定するつもりはない。盗撮は犯罪だ。だが「盗撮罪」という
盗撮そのものを取り締まる法律が存在しないことに驚きを隠せなかった。
私は著書を読むまで盗撮=性的欲求と思っていたがそうではなかった。背景にあるのは社会的、文化的問題であり
社会全体で取り組むべき課題なのだと知ることができた。「盗撮」というワードから現代社会の綻びを考えさせられることとなった。
ありがとうございます。
『盗撮をやめられない男たち』
依存症施設で、実際に盗撮加害者と関わって来られ、研究もされている先生の著書。
盗撮のことをニュースで見るたびに、どうしてこんなことを…と思っていた。
まず、ニュースに出てくるのは、氷山の一角で、実際には、莫大な被害があること。
加害者は、多くは、どこにでもいる一般的なサラリーマンであること。
依存症で繰り返してしまうこと。
被害者に対して思いが至っていないこと。
もちろん犯行に及ぶ加害者が問題なのは言うまでもないけれど…
社会に蔓延る、男尊女卑という認知の歪みが問題を大きくさせている…相当に根深い犯罪かもしれない。
再犯を防ぐために、加害者と向き合い尽力されている著者には感謝。