翼の翼

この作品は、現在アーカイブされています。

ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。

出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。

1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2021/09/24 | 掲載終了日 2021/09/24

ハッシュタグ:#翼の翼 #NetGalleyJP


内容紹介

 専業主婦、有泉円佳の息子、翼は、小学二年生。興味本位で進学塾の全国テストを受け、中学受験に挑戦することになる。最大手の進学塾「エイチ」に入った翼は、男子四天王といわれる難関校を狙う。中高一貫校を受験した経験のある夫真治と、それを導いた義父母。中学受験にまったく縁のなかった円佳が、塾に、ライバルに、保護者たちに振り回され、世間の噂に、家族に、そして自分自身のプライドに絡め取られていくーー。

 専業主婦、有泉円佳の息子、翼は、小学二年生。興味本位で進学塾の全国テストを受け、中学受験に挑戦することになる。最大手の進学塾「エイチ」に入った翼は、男子四天王といわれる難関校を狙う。中高一貫校を受験した経験のある夫真治と、それを導いた義父母。中学受験にまったく縁のなかった円佳が、塾に、ライバルに、保護者たちに振り回され、世間の噂に、家族に、そして自分自身のプライドに絡め取られていくーー。


おすすめコメント

近年、著書がミュージカル化されたり、難関中学の入試問題に多数出題されるなど注目される著者の、「中学受験」から浮かび上がる普遍的かつ現代的な親子の姿をドラマティックに描きます。

10月からは人気コミック「二月の勝者」のドラマがスタートするなど、この秋は「中学受験」が話題となること間違いありません!

近年、著書がミュージカル化されたり、難関中学の入試問題に多数出題されるなど注目される著者の、「中学受験」から浮かび上がる普遍的かつ現代的な親子の姿をドラマティックに描きます。

10月からは人気コミック「二月の勝者」のドラマがスタートするなど、この秋は「中学受験」が話題となること間違いありません!


販促プラン

書店の皆様へ

★9月1日まで★

初回指定承ります。

光文社書籍販売部 近藤、または川原田までご連絡ください!(☎03-5395-8112)

書店の皆様へ

★9月1日まで★

初回指定承ります。

光文社書籍販売部 近藤、または川原田までご連絡ください!(☎03-5395-8112)


出版情報

ISBN 9784334914288
本体価格 ¥1,600 (JPY)

閲覧オプション

NetGalley Shelf App (PDF)

NetGalley会員レビュー

中学受験を題材にした小説ということで、子供の中受経験者として懐かしく手に取った。
無料で気軽に受けられる塾主催の全国一斉テスト。嫌ならいつでもやめればいいと思いながら、軽い気持ちで足を踏み入れたが最後、コンコルド効果(初めて知りました。)、プライド、見栄などから容易には抜け出せなくなる中受の世界。子供のためと言いながら、親が子供の光を奪っていく恐ろしさ。
ママ友達との探り合いのような会話、テストの結果に一喜一憂するなと言われながらそうせずにはおれない心情、子供へのプレッシャー。。。なかなか胸が痛くなる内容に、次第に気持ちが沈んでいく。
主人公の母親が子供だけでなく、自らをも追い込んでいく過程に息が詰まる。父親が参戦してきたあたりから、逃げ場がなくなる翼の悲劇。終盤、最悪の状況に至る直前で円佳が夫に訴えかけるシーンが圧巻。選択肢は2つじゃなく、景色は360度広がっているということに気づけて本当によかった。
「翼の翼はただ健やかにそこにあった」という言葉には涙が止まりませんでした。

このレビューは参考になりましたか?

ひとり息子が中学受験に挑む、壮絶な家族の物語。ほんの小さなキッカケで、試しに塾に通い出したものの沼にはまっていく。田舎で中学受験とは無縁できた私には狂気の沙汰だし、愚かな親だ。 この著者は細やかな心理描写が本当にリアルで、読みながら胸が詰まった。高学歴な親ほど収入も高く、子供の教育にも熱心だよな。悪意はどこにもないことが難しい。

このレビューは参考になりましたか?

中学受験、子どもの成績がイコール親の評価や満足にすり替わってしまうような。読んでいてどちらも息苦しく感じてしまう。

お受験の経験はないけれど、子育て中の身に覚えのある感覚にヒリヒリしてしまった。
これで終わりではない。ここから始まる子育ての道のりは長い。
傷つけてしまった後悔の言葉たちが私にはとても苦しかった。

このレビューは参考になりましたか?

長男が今年中学受験だったので、身につまされる小説でした。
これから受験を迎える親がワナを避けるための良い参考書になると思います。すでに受験を経験した親にとっては、自分たちの経験を振り返る材料になります。
良くない方向に進んでいると分かっていながら、簡単には止められないのが中学受験の怖さです。我が家も主人公の家庭と似たような危ういところまで行ったのでよく理解できます。
こうした中学受験がはらむ狂気まで書き切ったところが、この作家の優れた点だと思いました。
後日、ブログにレビューを書くつもりです。

このレビューは参考になりましたか?

経験者が読むとリアリティがあり過ぎて…とは言うものの、出産と同じで終わったあとはけろりとするのも受験。そこは分かりみがすぎる踏襲気分で楽しみにしているドラマの様に大切に章毎に丹念に読み込んだ。あの一種独特で異様な数年間のジリジリと焦らされる様な、希望を持っては現実を見ろと言い聞かしたり、居ても立っても居られない母親像の描写が素晴らしい。筆者は絶対男の子の中学受験経験者だと思う。まるで自分の過去を見てるかのようで、、 「受験が終わると普通の親子に戻る」 翼くん、お母さん、本当にお疲れ様でした!!

このレビューは参考になりましたか?

既に成人した男子二人の母親です。
色んな場面を思い出しながら読みました。
もちろん、中学受験の事もです。下の子が特に翼と似た過程を辿りました。円佳親子ほど熱くはなりませんでしたが、息子の成績に一喜一憂し、やる気のなさを嘆き、掛けなくてもいい声を掛け、掛けるべき声を掛けなかった気がします。中学受験を試みたのは、まさにうちも学区内の公立が団地の子が多い別の小学校と一緒になるため荒れているらしいという噂からです。子どもは望んだ受験でなかった為、結果は落ちて公立に通いましたが‥。また、翼と同じように水泳が好きで、選手コースに選ばれたことがありました。でも、選手コースの水泳一色になりそうなタイムスケジュールに私の方が疑問を持ち、子どもからやめるという言葉を誘導し、やめました。後に教室の壁に貼ってある、子ども達が、書いてた「将来の夢」というところに、自分の子の夢が水泳選手だったことに切なくなったことを思い出しました。他にも、幼稚園の頃はキラキラした目でいつもたくさん話をしていたのに、中学受験の頃は、いつの間にか正気のない目をして無口になっていったこと等々‥。
現在息子たちも成人を過ぎて思う事は、親といえども子どものゴールを勝手に決めてしまわない事です。ゴールを勝手に決めてしまうから、過程の出来事で一喜一憂して、子どもにいらぬプレッシャーを掛けてしまうのだと思います。子どもが親の周りで素直に様々な表情を見せてくれるのは、ほんの十数年です。そのお互いの貴重な時間を、親は出来るだけ時間と気持ちに余裕を持って子どもと向き合えれば良いなと思います。
そして、もう一度、やり直したいなと思う場面は幾度となくありますが、子どもを見守続けるということでは現在進行系でいきたいと思います。

このレビューは参考になりましたか?

翼くん。一人息子。全国模試をきっかけに中学受験をすることに。
少年の受験を通した成長譚、ではなく主人公は翼くんのお母さん。(人より)優秀で、素直で、好奇心旺盛。「(全国模試で)お母さんに喜んで欲しい!」と健気な翼くんに誇らしく満たされた日々。
しかし、翼くんの成績不振、父親の気まぐれで強権的な介入、何より自分の思い描いていた「物語」との違いへの焦り、戸惑い、そして怒り。
母の物語=翼くんの物語、に陥ることの怖さ。
中学受験って彼/彼女たちが主体になりうるのだろうか?重たい読後感、沢山考えさせられた。
#Netgalley により先行読み。

このレビューは参考になりましたか?

読んでいて、途中で胸が詰まった。
苦しくてしょうがなかった。

私は中学受験も小学受験もせず、普通に高校受験、大学受験をして進学した。小学校のとき、クラスに私立中学を受験する子はいたが、一人、二人でそんなにクラスで一番だという子でもなかったし、あまり受験について考えたこともなかった。
受験についてしっかり考え始めたのは中学三年。ちょうど中3の4月に埼玉から宮崎に引っ越し、高校、何があるの?という感じで先生に聞いてみると「普通科なら一つしかないから選ぶこともないから大丈夫。成績が満たなかったら商業高校、工業高校、農業高校」と言われた。埼玉はよりどりみどりだったので、びっくりした。宮崎の方が理科などが進んでいて、受験に必要な「電気」は全く習わないままだった。焦った。習っていないことを自分で勉強することは難しかったので、宮崎で数少ない塾に通い始めた。結果は普通科ぎりぎり合格。
高校では成績が急激にあがり、最初から40番までの特進クラスに入ったが、ものすごく厳しかった。以前ニュースでも見かけたが、九州の高校は休みがない。正月もなかった。
そんな中、私の両親は特に何も言わなかった。進路についても、できれば下に妹弟がいるから国公立がいいけど、まあ、国公立でも私立でも行きたいところがあればそこに行けばいい。とそんな感じだった。それにかなり救われたと思う。
逆に高校の先生たちはとても厳しかった。いつも「化学はこれ、普通クラスの人に負けてるぞ」といつも言われたりした。こういうのを親に言われたら、そして翼と同じ12歳とかだったら、もう本当に打ちのめされていたと思う。
受験には賛否両論あり、この本の中に出てくる「東大ダディ」と同じようなことを思うこともある。
最近やたら誰もかれもお受験させたがる。みんな小学校の時から塾に行っている。ずっと国公立まで来た私にとっては、そんなにまでして私立に通わせたいのか、私にはよくわからない。

この本の中で特に苦しかったのは「両親に諦められてしまう」ことだった。
先生に諦められることは辛いけれど、まだ大丈夫。親に見放されてしまうのはとても辛い。
子どもを受験させようとする親に是非読んでもらいたい本だと思います。

このレビューは参考になりましたか?

朝比奈さんご自身の経験もあり、圧倒的なリアリティ。
特有の吸い込まれる描写は此処にも。
いろんな形をした家族、その時その時により形は変わる。
首都圏の中学受験を取り巻く物語ですが、根本にある人間模様は圧巻です。

このレビューは参考になりましたか?